私の中二心を『エクスプロージョン』ッッ!!   作:桃玉

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前回のあらすじ

魔王の娘と元幹部二人+αの戦いが始まった。
あらすじ終わり!


1vs多なんて卑怯なので正々堂々と戦いなさい!

<カズマ>

 

「ひぃぃいいっ!? バニルさーん! 助けっ助けてくだすわーいっ!」

「ふわーははははは! 滑稽にステップを踏んでいる小僧、『バニル式殺人光線』! 少々こちらで手一杯なので『バニル式目ビーム』! そちらには向かえないことを宣言しよう! 『バニビィーム』! 1対1ならいざ知れず、さすがに数の暴力には勝てぬが『破壊光線』! 世の定めというもの。すべての敵を殲滅するのに30分ほどかかるのでそれまでは店主に守ってもらうといい。……くそ、お嬢め、ずいぶん魔王から力の継承をしたようだ。堅いなんてものじゃない耐久力の化け物め! ……しかたあるまい、火力を出すために少々時間稼ぎさせてもらうぞ! ゆけっ、バニル人形!」

 

 

おい、今時間稼ぎとかいったか?

俺のこと助ける気が全然なくて笑えないんだが!?

というか何、もしかしてバニルでも手こずっちゃう程度に強い相手が左右関係なくラッシュしてくるんですか!?

オラオラですかぁ!?

イェスイェスイェス! オーマイガーッ!

 

 

「バニルは駄目だ! 店主さーん! お、お助けーっっ!」

「すみませんカズマさん! 敵に囲まれてて……『カースドネクロマンシー』! こちらに来ていただけませんかー? 『カースド・ペトレフィケイション』! ちょっと道を作りますので『カースド・クリスタルプリズン』! 走ってきてくださーい! 『カースド・ライトニング』」

「ちょおおっ! それ直撃したら死ぬやつ! 道を作りますって、モンスターの屍を築いただけだ! これを道として通れってか! 流石に人道ってもんが!」

 

 

まあ、悪魔とアンデッドの王に何言っても馬耳東風だろうが。

でも普通の人間である俺に屍を渡れと言われましても無理だわ。

ナナシがいるせいで結構おかしな感性に変えられてるかもしれないが、その死生観くらいは普通に人間のままでいてほしい。

ウィズにそんなことを思っていると、めぐみんがくっくっくと俺の後ろで邪悪な魔法使いのように笑い始め。

 

 

「いいですかカズマ。冒険者たるもの、敵の命より自分と仲間の命を大切にですよ。そんな甘ったれた考えでは死んでしまいます」

「……そう言って爆裂魔法を魔王の娘さんとバニルがいる方向に撃とうとしてるのはどういうことなんですかね?」

「言ったでしょう? 大切にするのは仲間と自分自身! つまり悪魔など仲間ではなかった。悪魔とは、私たちを陥れ、魔王の娘を差し向けた極悪非道な裏切り者である!」

「た、確かにそうだが! 確かにそうなんだが! でもバニルの装備を見えないのか! ダクネスだぞ! ダクネスという高性能な防御力と攻撃力を上げるアクセサリーが見えないってか!」

「ダクネスなら大丈夫です」

「何が?」

「ダクネスなら、私が爆裂魔法を撃ち込もうとしたところに嬉々として飛び入り夏の虫になるので、私のせいではないはずです」

「今の状況だと10割おまえが悪いことになるからやめろよマジで! 俺が爆裂魔法使える分の魔力補充してやったんだから、ちゃんとゴーサイン出てから打てよ!」

「わかってます、わかってますから。これがカズマの国の文化であるフリというやつなのでしょう? 本当は撃ってほしいのでしょう? ……ああっちょ! 吸わないで、吸わないでください! セクハラで訴えm……ヤメッ、ヤメローッ!」

 

 

潜伏スキルとドレインタッチ、そしてたまに初級魔法のコンボや狙撃スキルを併用してなんとかめぐみんに魔力をかき集めたのになんてもったいないことをしようとすんだ!

そんな悪いことを企む魔法使いからは魔力没収だ!

めぐみんの背中に思いっきり手を突っ込み吸い取ってやる。

 

 

「返してくださいよ私の魔力!」

「うるさーいっ! ダクネスに当てる気満々なやつに返してたまるか! 撃つならせめてあの的が多い方をやれ! まとめて100体くらい倒せるんだろうな!」

「もちろんです! 我が必中必殺の魔法は100体どころかその倍は滅ぼしてやりましょうとも! ですから早く、早くカズマ! 我慢できないのです!」

 

 

どうしようもないくらい爆裂魔法を愛してやまないアークウィザードは体をいやらしくくねらせて……いやらしく……?

貧相な体でそんなポーズされてもなぁ……

なんかどうでもよくなってめぐみんの背中にもう一度手を突っ込んでドレインタッチ。

魔力を注入してやった。

 

 

「……傀儡と成り果てた猛獣が戯れ。傀儡(かいらい)を奉らば属国の王と為り、人形傀儡(くぐつ)を操らば其の國が王と成る。王命に背く事も知らぬ魔獣ども、今封印の楔を契り祠の奥底に眠りたまえ。『エクスプロージョン』ッッ!!」

 

 

俺は言ったはずだ。

バニルと魔王の娘の方には撃つなよって。

ダクネスいるから撃つなよって。

……撃ちやがったーよこの娘。

 

 

 

 

 

「多勢に無勢とは……卑怯よ! 正々堂々戦いなさい!」

「いや、何百体って魔物を召喚して攻撃させたのはお前の方が先だろ」

「バニルとウィズという一騎当千がいるくせに! くっ……殺せ!」

「はーっはっはっはっは! 我が名はめぐみん! 紅魔族随一の天才にして、魔王の娘を打ち倒し者! 紅魔族の積年の恨みを晴らせし者!」

 

 

縛られた魔王の娘の前に仁王立ちしてふんぞり返っている紅魔族。

というかくっころ出たな。

女騎士の天敵ポジションでもいうことあるんだな。

 

 

「って、紅魔族の恨みってかお前個人の恨みだろ! 爆裂魔法を防がれたからって漁夫の利するんじゃない!」

「まあまあ、結果オーライですし、いいではないですか」

「よくないから言ってんだよこのすかぽんたん! アクアがいないのにダクネスに重傷負わせてるんじゃねぇ!」

「ですが偶然にもここに治癒のポーションとドレインタッチの使い手が! これで全回すること間違いなしです!」

 

 

確かにそうだけど……確かにそうなんだけど!

ポーションと俺の治療の効果があってダクネスは「ああっ、なんと素晴らしい衝撃! 以前より洗練された爆裂のキレ……120点♡」と密かに変態になっているが……

ドエムってスゲー。

いや、普通あんなに元気になるはずないんだわ!

 

あと、魔王の娘の防御はかなり弱そうだったし、不意打ちだったからなんとか無力化できたけど!

また失敗してたら俺がまたドレインタッチしなきゃならなくなってたぞ!

あの強敵相手にドレインタッチ仕掛けにいかなきゃいけない時点で地獄のような思いなんだが……

そう思っているとバニルが。

 

 

「素晴らしく小賢しさに磨きがかかっていた小僧、よく生きてられたな?」

「えっ、何その言い方! もしかして俺死ぬ運命だったの!?」

「いや、死ぬほどではなかったというか、死んでも死ぬ前に我が輩が何とかしようと思っていたのだが……。我が輩でも手こずる強化モンスター対手によく善戦したといえるだろう」

「強化モンスター? 確かに強いって感じたが強化モンスターって?」

「うむ、我が輩が勝手にそう呼んでいるだけだが、魔王の娘および魔王には特殊能力がある。それは配下を強化する能力。光属性が弱点ならそれを克服する加護を、ステータスが飛び抜けて高いのであればそれを何倍にするバフを。今日のモンスターどもも戦った手応え1.5~3倍程度にはステータスが強化されていたが、まさか見通すあくまである我が輩の予想以上を遙かに超えた結果! これだから人類を観察するのはやめられない」

「わかったようなわからないような? というか人のことを何勝手に観察してくれてんの!? プライバシーの保護って知らないのかよ!」

「異世界故にそのような法律はないのである!」

 

 

俺、異世界嫌いだ!




次回

たぶん魔王の娘を手土産にアイリスのところに行ったり……?
全然話が進まないかもしれませんができればそろそろ完結させたいと思っている今日この頃……
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