私の中二心を『エクスプロージョン』ッッ!!   作:桃玉

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前回のあらすじ

全然倒せないナナシ。
カズマは何やら作戦を思いついてテレポートでどこかへ。


魔道具店店員どもの集いを開いてみた

<主人公ちゃん>

 

……なんということでしょう。

まさか久しぶりに私の視点からお届けできるというのにカズマくんが不在――もとい、テレポートでめぐみんと駆け落ちしましたよ!?

キャー!

カズマくんってば大胆なんだから!

 

と、おふざけはこのへんにしておいて、実際、どのような作戦を立てたのでしょうか……

もう原作知識が当てにならないカオスゾーンに突入しちゃったので行く末がわからないですね。

私としてはこの「最強格多人数対1人でも互角」という戦闘が中二病の琴線にビンビンな状況を少しでも長く感じていたいというのが本音です。

むしろ、そういう思いが私の魔力を活性化してくれているのか、最初より体がぽかぽかしてエンジンがどんどん調子よくなっちゃってる気がします!

 

 

「くふふ……満たされる、嗚呼、魔力が我が器から零れ溢れ世界を満たしていく!」

「や、八坂様! どうしましょう、この魔力、濃すぎて息苦しいです……! あ、アイギスさん……!」

「悪い、これは魔力の影響だわ、あまりに濃すぎる魔力のせいで人体に影響が……ん? 何であの邪神は平気なんだ? まあそういうわけで、俺の状態異常無効は当てになんない」

「くっ、魔族である私も力がうまく出せない感覚がわかりますわ……このままでは世界がこの毒のような魔力に!」

 

 

毒のようなとか言ってるけど……控えめに言って最高です!

私としては興奮して、過剰に魔力を体内に取り入れようとして、それで結局入りきらなかった魔力が漏れてるだけなんですけど……

この黒いモヤモヤが人体に害があるだなんて思わず言ってたけどナイス八坂娘ちゃん!

君には中二病のわかりての称号を与えよう!

 

 

「……ヌルい。ヌルいぞ。攻撃の手が落ちてきた。なあ、失望させてくれるな。私は血湧き肉躍る戦いを欲しているのだ。それがなくなった暁には……この世界に用はない。さらなる生物の進化を求め、我が因子で生物を究極生命体へと昇華させよう」

 

 

そろそろアイリスちゃんたちもお疲れのようですしね、安らかな眠りを与えてあげましょう……

あ、ちなみに、私にとって生も死も、生物の状態に過ぎないため、もし肉体があればアクアちゃんと同様に即蘇生させられるので安心して逝ってね!

というわけで、私は魔力の塊を纏わせた刀をヌラリと掲げ、白い首筋に向かって切り落とそうとして……

 

 

「カースド・クリスタルプリズン!!」

 

 

聞きなじみのある声が聞こえてきた。

その方を見るとウィズ、それからバニル。

さらにはウォルバクさんとセレスディナちゃんまで勢揃い。

 

 

「ほう、まさか。あの勇者、逃げ帰ったかと思えばこういうことだったか」

 

 

魔王城をテレポート地点に登録したんでしょう。

ウィズはダンジョンで拾ってきたのか、ドラゴンやらなんやらの死骸をカースドネクロマンシーで操っており、バニルは人形を多量に携え、セレスディナちゃんに至ってはダンジョンの生物をドンドコ召喚して傀儡にしていた。

厳つい魔物の軍団にめちゃくちゃかっこいいと思いつつも、魔道具店の商品を両手に携えるだけの一人だけ肩身が狭そうな邪神をみてほっこりしていると魔王の娘ちゃんが。

 

 

「ウィズ! セレスディナ! 助けに来てくれたのですか!?」

「もちろんですよお嬢様! 私たち、仲間じゃないですか。それと、そろそろナナシさんには我が家に帰ってきてもらっておいしい料理を作ってほしいんです。そろそろ生理食塩水だけの生活では体が壊れそうなんです……! ここでなんとしても正気に戻します!」

 

 

仲間というか、それが本音でしょウィズ!

確かに私がいない間にそういう固形じゃない食事してるのは知ってたけど、さすがに塩水はないでしょ……

バニルの方を見ると何かを必死に訴えかけてくる仮面の悪魔殿。

……どうやら黒字ではなく赤字経営らしい。

胃に穴が開きそうになっている悪魔に同情していると、セレナちゃんが。

 

 

「……仲間、ねぇ。まあもう魔王軍幹部は辞めさせてもらってるけどな、不本意ながら。ったく、ナナシ、あたしがこの戦闘に参加しないようにわざわざ魔王軍幹部から外すなんて回りくどいことしてくれちゃってよぉ。なんか言ってみたらどうだ」

「……そうだな。まさか貴様らが参戦するとは思わなんだ」

「残念だったな。所属は外れても友人としてお嬢のことは好きなんでね」

「……そうか。魔王も、娘も、いい仲間を持ったものだ」

 

 

正直そこまで考えてませんでした。

けどそういうことにしておこっと!

だってその設定、何か知略に長けた策略家の作戦みたいでかっこいいし。

そう思っているとウォルバクちゃんが眉を悲しげに下げ。

 

 

「ナナシ、これだけの人数よ貴女が今何か、私の時のように世界を変えようとしてるのはわかる……けど、そのせいで誰かが、ナナシがいなくなっちゃ……!」

「……人数、人数か。確かに元魔王軍幹部が5人に魔王の支援があれば私だって負ける可能性があるかもわからん」

「なら……!」

「だが断る! いいか、我が心の奥底に貪欲に渇望しているもの、それこそが戦いなのだ。勝てる可能性が低ければ低いほど、その逆境をどうにかしてみたい。それが私が生まれ持つ性というやつだ」

「手加減、できませんよ」

「ウィズ……むしろそうでないと困ってしまうではないか!」

 

 

もちろんまだまだ逆境とは言いがたい。

どうやっても私の多重結界を破るには爆裂魔法並の威力が必要だ。

いくら魔王のスキルでウィズたちが強化されても上級魔法では越えられない壁がある。

だからといって爆裂魔法を撃てばそれ以上魔法を使えなくなり……

 

「エクスプロージョン・オブ・セイバー!!」

「……っ!?」

「……いいましたよね、手加減できませんよって。不意打ちでもどうせ防がれるのでどうしようっかなて、私、考えてたんです」

「不意打ちでも駄目なら瞬間火力で攻めようとしたか? 惜しい、惜しいな。自動回避スキルが反応して避けてしまった」

「では2発目はいかがです? エクスプロージョン・オブ・セイバー!!」

「無駄だ。いくら貫通力が高くても避けられたら意味がない。2度あることは3度ある。魔力の無駄遣いはやめ、私をもっと楽しませてくれないか?」

「ふふっ、3度目の正直、という言葉もあるんですよ? エクスプロージョン・オブ・セイバー!! からの――」

「任せられたわ、エクスプロージョン・オブ・セイバー!! ……せ、成功したわ!」

 

ウィズとウォルバクちゃんの連係攻撃にもおどろきですが、まさかウォルバクちゃんまでオリジナル魔法を習得していたとは!

体には当たらなかったものの、私は少しばかり避け方がいつもの癖でスマートすぎたらしいですね。

結界の一部に開いてしまい、結界が修復前に複数壊れてしまいました。

穴が開いていたおかげで強度がかなり弱くなってしまったその弱点をつついた形かですか。

面白くなってきたじゃないですか!

 

ウィズの方を見ると、セレスディナが生み出したモンスターを片っ端からドレインタッチし、殺してはアンデッドに変え、魔力を回復していく。

正直、仲間の体力を吸い取るというそのゲスい戦法をされるとは思ってませんでしたが……

 

「結界の弱点はわかってました。あとは魔力の問題だったんですが……ナナシさんが書いたウィズ魔道具店レベル上げマニュアル(リッチー編)を見させてもらいましたよ。『レベルを上げながら魔力も回復できちゃう誰でも楽々必勝術』の受け売りになっちゃいますが、この戦法とっても強いですね? 早めに私を止めないと成長しすぎて私の方が強くなっちゃうかもですよ」

「ぬかせ。……だが、楽しくなってきたな」

 

そう言えば私が書いた戦法だった忘れてました……

まさか敵に塩を送るはめになるとは……まあ逆に私にとっては好都合ですけど!

そんな感じでにらみ合いをしていると、バニルがそそくさと私の魔力に当てられて顔色が悪くなっていたアイリスと八坂娘を救出。

 

攻撃して巻き込まれちゃ駄目なものが消え去った魔王軍元幹部の面々はさっきより顔つきがよくなって、喜ばしいことにより好戦的に見えます。

 

バニルの付近から這い出すバニル人形、セレスディナちゃんの後ろからぞろぞろと湧き出る上級モンスター、ウィズの手によって動かされるアンデッドの群群れが蠢き出す。

 

戦いはまだ始まったばかり。

私のことを楽しませてくださいよ、魔王軍の元幹部たち?




次回

魔王ゆんゆん、爆誕!!

どっち!

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