レベル1になっていた(力をセーブしただけ)のにミツラギを技術と筋肉魔法で圧倒する程度の実力になった主人公ちゃん。
ミツリギは実力不足を感じ剣術などを身につけるための旅へ……
と言っても数ヶ月で武術初心者から脱却するはずもなく、のちのちスティールでボコボコにされるミツレギ。
頑張れ、ミツロギ!!
<ウィズ>
ナナシさんと出会って何年もの月日が経ちました。
でもそんな実感がわきません……
それもそのはずで、ナナシさんも私も見た目の変化がなく、強さこそ上がっていますがお店の売り上げも生活様式もほとんど変わらないものですから。
おかげさまでギリギリ赤字でも(本当は大赤字)ひもじい思いをせずにすんでいますので有り難い限りです。
そんな彼女は昨日魔剣の方と一緒に魔物退治に行かれて、今日も何か用事があるそうで一緒にどこかに行ってしまわれたのですが……
「ただいま戻った」
「おかえりなさいナナシさん! ……アレ? 魔剣の方はどちらへ?」
「レベルを上げる前に剣術を磨く修行の旅に出るそうだ」
「と言うことはナナシさんが指導するのです?」
「いや、弟子入りを懇願されたが刀と剣は全くの別物だと言い突っぱねてきた。それにどうせきゃつは勝手に強くなる。それと、そろそろ某が弟子、めぐみんが此方にやってくるのだが……」
「あ、ひょいざぶろーさんの娘さんですよね! ……私、あの子に嫌われてたりしませんよね?」
「何を言うか、そのようなこと……」
「でもですよ!? 私がお宅にお邪魔すると私と視線を合わせないようにして睨み付けてくるんです!」
「……有る物と無い者、持つ者へ持たざる者が僻むのは世の常よ」
ナナシさんはよく難解な言い方をする人です。
私もこう見えて高名な魔法使いで知力もそれなりだったはずなのですが私には理解できない話をよくなされるのでナナシさんは知能が異常に高い、天才の中でも天才なのかもしれません!(馬鹿と天才は紙一重)
と、頭に疑問符を浮かべながら思考を放棄しているとナナシさんの声が聞こえてくる。
「まあ、そんな弟子を見に行こうと思っている。と言っても息災か確認するのみ故、すぐ帰ってくるでな。そのついでに夕餉の材料を調達するが何がいいかな?」
「でしたら今日はハンバーグを食べたいですので……」
「あいわかった。腹を空かして待っておれ、チーズでも中に入れよう。では行ってくる」
一緒に住んでますけどなかなかお店を出ている時間が長いので何となく寂しいです。
ですが今日はチーズインハンバーグを希望に、後に残った仕事も頑張って、明日のための仕入れとかも今日中にしてしまいましょう!
<めぐみん>
アルカンレティアについて何やかんやあって、アクセルの街に向かう乗合馬車に乗ることができた。
私の後を追いかけてきた自称ライバルのゆんゆんを引き連れて、爆裂魔法を扱うという魔法使いがいると聞いているアクセルの街へ、いざ、出発です!!
ここから本格的に私の冒険譚が幕を開ける。
そう思っていたのですが……
「せんせー!! よろしくお願いします!! せんせー!!」
「……がんばりますか」
「……頑張るがいいのですよ、我が漆黒の僕」
「ちょ、ちょむすけはマスコット要員だから! 指でツンツンして戦闘に参加するように促さないでっ!」
と、このように見せ場を奪われたというか、そもそも見せ場がないというか、とにかく暇な旅なのです。
このあたりで何か面白いことありませんかねぇ……
そう思っていると強大な魔力の波動が近づいてくるのを感じた。
師匠が発している覇気と同等のビリビリとした緊迫感が皮膚を刺激する。
「め、めぐみん? 今頭の中でフラグ立てなかった!? もう私、魔力切れで魔法撃てないんだけど!」
「ふっふっふ、私はこのような機会を待っていた……! ついに訪れた見せ場、我が名声、我が爆裂、紅魔の外で響かせましょう! 世界よ、我が偉功の前に震撼せよ!」
「もうバカバカバカッ!! 戦う前からそんなこと言うのは負けフラグだって、習ったでしょ!?」
「その通り。魔法を使えない紅魔族の成り損ない、我が主を返してもらおうか」
「アーネス!」
ようやく、私が待ち望んだ見せ場だ!
この黒猫を犠牲にしてでも上級悪魔を滅してやる!
なんて思っているちょむすけを投げ飛ばしあの悪魔ごと爆炎に巻き込もうとしたのですが……
ゆんゆんが私の肩を揺さぶって狙いを定めることも魔力も練ることもできません!
「ゆんゆん! やめてください! 私の見せ場ですよ!!」
「何言ってんの!? ちょむちゃんが死んじゃうじゃない!!」
「アレは必要な犠牲だったのです!! 私だって心苦しいですが仕方ないのですよ!」
私とゆんゆんがそんなこと言っている間にアーネスの魔法が完成する。
ゆんゆんのせいで途切れてしまった詠唱を再び唱え直す時間は与えられないらしい。
ゆんゆんが神頼みをしているが、なんて叶うはずなんてない。
エリス教、アクシズ教、名もなき女神にまで奇跡を願うが奇跡は起きない。
「巻き込まれて憐れね! でもそれもこれも隣の口だけ紅魔族のが行った、今までの報いよ! 死ぬがいい!!」
憤怒の形相で魔法をこちらに目がけて放つアーネス。
怠惰と暴虐を司りし我が邪なる神よ、
深淵なる七つの扉を越え、天を堕としめる力を我に与えたまえ。
『カースド・ライトニング』
雷を冠した魔法にも関わらずその巨大さ故か、私たちの恐怖心を弄ぶようにゆっくりと迫ってくるように感じる。
ようやく詠唱が終わったものの放つのに時間が足りない。
一巻の終わりか。
そう思っていたとき……
一つの影が雷の魔弾の前に現れ、魔法障壁を以て押し留めた。
<主人公ちゃん>
「し、師匠!? どうしてここに……」
「話は後だ。神殺しの魔法を解き放て! 理を歪め、運命を掴み取れ!」
何となく嫌な予感がしてめぐみんのところに来てみれば、奇跡が……カズマとともにアクアが降臨(堕天)することが丁度発生しなかった。
私というイレギュラーが転生の間にいた時間だけ、カズマの転生するタイミングがズレたのか。
もしくはバタフライ効果というやつか。
何にせよ嫌な予感は的中してしまった。
まあ、おかげで私はこうやってかっこいい師匠ムーブをできて満足しているから問題なしです。
黎明を裂く暁の光よ、荒野を駆ける巨人の息吹よ、
我が盟約に従い、薔薇の咎人を地獄の業火で灰燼に帰さん!!
「地獄にさよならです、アーネスっ!! 穿てッ 『エクスプロージョン』ッッ!!」
綺麗な爆発が肌を焦がす。
待ち焦がれた原作開始の祝福の光が遅れてアクセルの街を照らす。
……っと感慨にふけってる場合じゃなかった!
めぐみんを介抱しないと。
「『ドレインタッチ』。……強敵を、運命を打ち破った感想は?」
「……師匠に対して言いたいことは山ほどありますが、まあ、控えめに言って最高です……!」
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「ところで!! いきなりドレインタッチで魔力を分けてくれるのはありがたいのですがいつの間に師匠はリッチーになったのですか!? 私が小さい頃から見た目も何も変わってないからもしやとは思っていましたが……!!」
「いや、まだ某は人間を辞めとらんぞ? ただ知り合いにリッチーがいてな。こうして会得したわけだ」
「どうして会得したんだか全くわかりませんが……それより!! どうして一番弟子の私に師匠の子供を紹介してくれなかったのですか!?!?」
「!?!?!?!?」
主人公 「アクシズ教の言うことは嘘ばっか」
めぐみん「なんですと……!?」(゚Д゚)
次回予告
初心者の街なのに……
爆裂魔法の使い手が三人(主人公ちゃん、ウィズ、めぐみん)
神様も三人(アクア、エリス、ちょむ)
そのうち魔王軍幹部とか破壊者もいっぱい来る!
いつ爆発してもおかしくないほど強い奴らがいるのに今日も平和です。
……お金がどんどん減っていくこと以外は。
どこまで続き見たい?
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二期(~原作4巻)ハンス
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紅伝説(原作5巻)vsシルビア
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紅伝説(魔王討伐√)
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三期(~原作?巻)
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紅の宿命(原作9巻)vsウォルバク
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紅の宿命(魔王討伐√)
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最終巻(魔王討伐√)