キールダンジョンに住み着いた大悪魔と仲よかったけど今は敵……
心苦しい……すまない、バニル!!
と友人の破滅願望を叶えてあげた主人公ちゃん。
無事カズマくんたちは借金地獄から解き放たれ、今こそ素晴らしい異世界生活が……
始まらない
<ウィズ>
「後輩店員殿、その商品は販売しない方が吉ではないか?」
「うむ、先輩店員、我が輩も同じ考えだ」
「えぇ~! いい商品だと思うんですが……」
「貧乏店主は黙っておれッ! バニル式殺人光線!」
「きゃあああああっ……!! 危ないですよバニルさん!」
「っち、避けたか。運のいい貧乏店主め」
うぅ……
私、このお店の店主なのにどうしてこんなひどい仕打ちを受けないといけないのでしょう……
ただ「世界の終焉を呼び寄せるゴーレム」を召喚するアイテムをもらい受けただけなのに!
「それが駄目だと言っておろうが!」
「これは某が責任を持って封印及び複製及び改良しておこう」
「任せたぞ」
「せっかく無料でもらえたいいものでしたのにぃ……」
「タダほど怖いものはないと言ったがこれはいくら何でも吹っ飛びすぎである。赤字にならなかったからよかったものの、先輩店員がいなければキサマはとうの昔に肌の艶がなくなりよりリッチーらしく……いや失礼、血に飢えて干からびたヴァンパイアのようになっていただろう!」
「な、なんで言い直したんですか!? ヴァンパイアみたいになるなんて最悪にもほどがありますよ!?」
もう、失礼しちゃいます!
でも確かにナナシさんというお客さんというか店員というか同居人がいなかったら……
あわわ、考えただけでも震えが止まらないです……!
「ああそう言えば……」
「どうしたんですかナナシさん?」
「某、暇を貰おうと思うてな……」
「へ?」
ええええええええぇえぇぇえええぇえ!?!?!?
ど、どどっど、どうしでですか!?
まさか私に嫌気がさしたとかですか!?
バニルさんが来たから私はもう必要ないなとか言わないでくださいよ!?
……あ、何だ、そういうことでしたか。
バニルさんが来たことで長期旅行に行けるから……
いや、ちょっと待ってください?
それってまるで私一人だけでお店に残すのが不安だみたいになってませんか?
……二人ともどうして目そらすんですか!?
<主人公ちゃん>
はい、バニルさんがいるおかげで安心して旅行に行けるというわけで今日はちょむすけの毛を拝借をして、アルカンレティアに来ております!!
私ですら必要がない限り近づきたくない悪名高い場所ですね。
どうして私がこんなところに来たかというとゼスタさんをボッコボコにするためではない(出会ってしまったが最後、口が開く前に顔面を集中攻撃して目と口を開かせないようにする予定なのはおいておく)。
本命は魔王軍幹部の方にご挨拶するため!
そけっとの予言によると魔王軍の手先が破壊工作を始めているらしいのでカズマくんが来る前に一度会っておきたいなと思って来ました!
とりあえず混浴に入ることになると思うのですが……
アクシズ教がいないときを狙ってはいらないと私をもみくちゃにする未来が見えた(セシリーで体験済み)ので慎重にあの二人がいるときだけを狙う。
気配察知のアンテナを死ぬほど鋭くする。
ちなみに無臭のポーションで対策は万全です!(セシリーらは嗅覚で美少女の気配を察知できる厄介な連中であるため)
さて、あの二人が入ったようです。
私も追いかけましょう!
<邪神ちゃん>
「後どれくらいで終わりそう?」
「そうだな、ざっと一週間程度か。ようやく年単位の大規模工作が終わると思うと清々しい気分だ。本当にアクシズ教に絡まれない生活ができると思うと……うぅ」
「な、なかなか苦労してたみたいね?」
女神アクアをあがめている邪教ならなんとなく想像つくけど、それにしても一週間どころか何年もこの場所で過ごしていた彼(?)の心情というか心労は想像するだけで私には耐えられなさそう……
「石けん洗剤石けん洗剤……って五月蠅くて五月蠅くてうっかり殺しちまいそうになったことが何度あったか」
「そ、そう……。私は明日あたり帰ろうと思ってたけど、あなたもが、頑張ってね?」
「ありがとよ」
普段無愛想なこのスライムがありがとうだなんて……
相当疲れているのね。
そう思っているとドアがガラガラと鳴る音が聞こえる。
私たちがいるところに入ってきたのは10歳前後に見える金髪碧眼の少女。
「おお……男と女が二人……お邪魔しました」
「ちょっと待ってお嬢ちゃん!? なんか勘違いしてない!? 私たちそんな関係じゃないから!」
「そうだ。俺は実は性別が……」
「まさか漢の娘……いや雄んなの子か。これは失礼」
「いや、十分失礼な気がするぞ」
「ではデッドリーポイズンスライムのように無性という訳か?」
場が凍てつく。
どうしてこの少女がデッドリーポイズンスライムという言葉を……
偶然にしてはおかしい。
ハンスから猛毒がにじみ始める。
「……オイ、何なんだこのガキ。殺すか」
「性別不明の漢に襲われる~……何てな。すまない、いつか会いたいと思っていた人物に出会えて少々浮かれておった。のう、神様?」
「何だ、おまえの知り合いか。俺は帰るぞ」
「いえ、違うわ!……ってちょっと話を聞きなさい……!」
まさか私だけおいて帰るなんて……
確かにあの見た目で幼い少女と一緒にいたら父親でもなければ犯罪で捕まりそうだけども!
「……まさか、覚えていないとは言わせない」
「ご、ごめんなさいね? 本当にどこで会ったのか……。あなたのような小さい子、それこそ5歳くらいの時にあった紅魔族の子しか……」
「……ああ、あの時はこうだったか」
少女が目を瞑ると暴風が吹き荒れる。
風が止み目を開けるとそこには着流しに刀を帯びた人。
その少女が開眼した瞬間、異様な気配とともに赤い瞳が現れる。
……思い出した。
「……あなた、その赤い瞳、古風な話し方、紅魔の里にいた謎の旅人さんですね?」
「思い出したか。それは良きかな」
何年も前のことなのに容姿に変化がない……
それに私の半身の気配がする。
貴女はいったい……
「紅魔の里にて眠りし邪神の片割れの封印が解け、探しているのだろう?」
「……そうね、魔法使いとして、見つけ次第封印しないとまた暴れ出す可能性があるもの」
「半分嘘の香りがする。正直に申せ。汝が力を取り戻すには暴虐を司る漆黒の魔獣が必要なのであろう」
まずい、本当にマズい事態だわ。
私が神であることも目的も、何もかもバレててしらを切れない……
しかも温泉で入浴中だから武器も何も身につけていない状態なのに相手は刀を帯びている。
どうしたのもかしらね……
「警戒するでない。某は切に神の復活を願っておるだけだ」
「刀に手が伸びている状態で言っても説得力ないわよ?」
「……確かに、確かにそうだな」
そう言うと今までの装備は幻術だったように一瞬で消え去る。
そのまま湯船に入る彼女を見ていくらか警戒は解ける。
でもやっぱり油断はできない。
いつでも脱出できるように転移魔法を仕込む。
「本当にあなた、何者……それに何が目的……?」
「今はアクセルの街にあるなんちゃって魔王軍幹部のリッチーと元魔王軍幹部の後輩と魔道具店をしている死なない人間よ」
「……魔王軍の関係者って訳ね」
「まあ、そういうことでよい。時にウォルバク殿、この世にはありとあらゆる宗教を信仰する民族がいるのだが、興味はないか」
「……はい?」
<主人公ちゃん>
なんやかんやあって、ウォルバクさんに魔獣の痕跡を見つけたから今後の連絡手段を容易にするという名目で聖女にしてもらいました。
ちょっといろいろな神様を信仰(?)してることに驚きとか困惑されたけど「割と日本じゃ当たり前だって! 八百万の神々といって……」と言ったら「そういう変わった文化もあるのね……」と認めてくれました。
つまり現在私め、勇者、兼アクシズ教聖女、兼エリス教聖女、兼ウォルバク教聖女(仮)というお正月とお彼岸とクリスマスを全部やる日本らしい立場になりました!
やったね☆
次狙うはレジーナ教!
信者とか信仰心があると神様から加護がもらえるし、そうすると強くなるしサイコー!
……そろそろカズマくんたちも馬車に乗るところかな?
はてさて、どうなることやら楽しみです。
次回(とほとんど関係ない駄文)
毎日留守の家に「勝負よめぐみん!」と言って豪華なお土産まで持参しているゆんゆん。
でもそれがゆんゆんの背負った業。
逃れられない運命。
負けるなゆんゆん! 頑張れゆんゆん!
ぼっちという宿命に立ち向かえ!
どこまで続き見たい?
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二期(~原作4巻)ハンス
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紅伝説(原作5巻)vsシルビア
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紅伝説(魔王討伐√)
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三期(~原作?巻)
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紅の宿命(原作9巻)vsウォルバク
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紅の宿命(魔王討伐√)
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最終巻(魔王討伐√)