私の中二心を『エクスプロージョン』ッッ!!   作:桃玉

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前回のあらすじ

カズマの手によって魔術師殺しを手にしたシルビア。
里の兵器で対抗するもカラータイマーがピカピカしてる。
間に合ってくれ……っ!


一度死んだ敵が強くなって蘇ったので血が騒ぎ出した

<ゆんゆん>

 

「すみませんナナシさん……」

 

『どうしたのかね』

 

「どうして私、ぶっころりーさんが乗ってたロボットに乗らされてるんでしょう?」

 

『里の取り決めで一人だけ操縦するのは不公平だろうという意見より交代制となった』

 

「は、はぁ……?」

 

『今回はゆんゆんの番だそうだ』

 

 

……ほんと、どうしてこうなったのかしら。

早く帰りたい。

 

 

『脳と機体のシナプスがリンクしているため自由自在に操作できるはずだがどうか?』

 

「え、ええ、まあ自分の体以上にスムーズですが……」

 

『どうやらシンクロ率が良いようだ。君はパイロットの才能がある』

 

「そ、そうなんですか?」

 

 

この子と一緒になっている感じが心地いいのはそういうことなのかな?

ぼっちだから神経回路を同調させることに忌諱感がないから……ってぼっち関係ないですよね!?

そもそもぼっちじゃないですから!!

 

 

『今から始まる作戦だが、紅魔の里の存続を左右するものだ。ゆんゆんがシルビアを引きつけておくことが今回の作戦の肝だ。頼んだ』

 

「ええっ!? ちょっと待って……切られた!?」

 

 

え?

ほ、本当に私がやんないといけないの?

 

……もう!

こうなったら紅魔の里のみんなを守るために、紅魔族の次期長としてやりますよ!!

 

 

「我が名はゆんゆん! アークウィザードにして上級魔法を操る者ッ! 紅魔族随一の魔法使いにしてやがてこの里の長となる者ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<主人公ちゃん>

 

時は深夜。

魑魅魍魎が跋扈する地獄の時間。

魔に対抗するために生み出された世界の理を行使する術は封じられ、故郷の里は火の海が広がっている。

無敵と謳われた巨神兵さえも互角、否、劣勢を強いられている。

 

敵も巨神兵も機体の同調率は100%に迫る。

 

その巨大な体同士の戦闘は地を割り、巨塔を歪ませ、衝撃が空を駆ける。

シルビアの激しく打ち付ける蛇の尾、拮抗する炎のブレスが襲う。

 

攻撃魔法が使えない今、懐のダガーやサブマシンガンが頼みの綱であるのにも関わらず物理防御力も並外れておりほとんど意味をなさない一方、シルビアの攻撃により装甲は徐々に傷つき剥がれ落ちてゆく。

 

質量、素早さ、柔軟性、経験値、持久力……

互角に見える勝負も時間制限がある赤き巨人の方が不利だった。

 

 

魔王軍幹部、グロウキメラのシルビア。

 

紅魔族がヤツに勝つには……

 

 

「師匠~!! どうぢでゆんゆんが乗っでるんでずかっ! 乗りだがったのにぃ゛!」

 

 

ヤツに勝つには……

 

 

「ゆんゆんばっかりズルいです~! わだしもやりたかっだですぅ……」

「おいめぐみん! ナナシさん困ってるだろっ……。今度アクアに牛乳パックで変形合体デンドロメイデン作らせるから今回は……」

 

 

勝つには……

 

 

「ねえ勝手にそんなこと決めないで! 私にだって都合があるのよ? ……ってうわっ! こっちにあの女来たんですけど!?」

「お前らが五月蠅くするからだろ!!」

 

 

まあいいか。

もし負けたら負けたで私がシルビアと戦えばいいしね。

デカいやつと戦うのってちょっぴり面倒くさいんだよね……

弱いのにめっちゃ叩いたり斬ったり特大魔法で消さないといけないから、何か作業してるみたいで誰かが見てると多少はヤル気出るけど……

 

 

「時間がない。まだ魔力量は爆裂魔法一つ分足りてないか……」

 

「どうする!? どうすればいいのよぉ!! かじゅまさぁぁん!!」

 

「めぐみんッッ!! 爆裂魔法だっっ!!」

 

「で、ですがそれではゆんゆんが……!!」

 

「大丈夫だ! 俺を信じろ! お前は世界一の爆裂魔法使いだ!」

 

「…………わかりました。いいでしょう! この危機的状況で四の五の言ってられません! 我が魔法で魔術師殺しすら屠って見せましょう!」

 

 

めぐみんの目に紅が宿る。

覚悟を決めた揺らぎ無い瞳に見据えるは勝利のみ。

 

 

「我が名はめぐみんっ! 我は至高にして全能の支配者。その厳なる力の高みより命ずる者なり! 神を冒涜し偽りの愛に狂う獣よ、我が戀情の焔を纏いて真のを情熱を識れ! 弾けろ! 『エクスプロージョン』ッッ!!」

 

 

放たれた魔力はレールガン(仮)の方へ吸い込まれていく。

 

 

「カズマッ!!」

 

「任せろ!! 『狙撃』ッッ!!」

 

 

無事シルビアさん討伐成功したかな。

シルビア戦は原作だとここで終わりだったはず。

 

あれ、でも待って。

この後映画だとハンスとベルディアが吸収されて強化されて復活したよね?

それに今回は魔術師殺しの他にも地下にアーティファクトがあるし、それも吸収させれば今まであってきたどの敵より強くなって……

 

映画でさえウィズバニルコンビを圧倒してたシルビアがさらに強くなって手がつけられなくなる。

今回あの二人は来ない予定……

紅魔族のみんなは真の紅魔の里を維持するために魔力を使い果たしている。

ゆんゆんは満身創痍、めぐみんもこの後魔力を使い果たす。

戦えるのはカズマさんとアクア様、ララティーナちゃんの三人(戦力外ではある)

 

……もしかして絶体絶命?

 

 

 

 

つまり控えめに言って最高な状況だ。

 

ようやく本気をぶつけてもいい相手。

精々長く耐えてくれよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<カズマ>

 

「おー、やばい威力だったなぁコレ」

 

「ちょっとカズマ!? 私の魔法は!? 爆裂魔法を打つときの覚悟は!?」

 

「いや、ナナシさんが言ってたろ? 爆裂魔法一つ分の魔力が足りないって。だから丁度いい魔力補給になるんじゃないかと思ってな。そうだなぁ……お前ら風に言うなら、我が名はサトウカズマ! 紅魔の里を救った英雄にして魔王軍幹部をうちとりし者! ……ってところか?」

 

「あなたという人は……」

 

 

何かフラグっぽいこと言っちまった気がするが流石に土手っ腹に大穴ぶち開けられて生きてるなんてことあるはずがない!(フラグ)

……何か地面に当たって大穴開いちゃったけど修理大丈夫ですかね?

俺たちに被害請求来ないよな?

大丈夫だよな!?

 

 

……どうやら大丈夫じゃないらしい。

 

めっちゃでっかくなったシルビアが落ちていった穴から這い上がってきたんだが!?

何かハンスとベルディアとさっきのロボットみたいな形もあるんだけど!?

 

 

「坊や、散々好き放題してくれちゃったじゃないの? でも安心して? 私あなたのこと愛してるからあなただけは殺さないでおいてあげるわ。……でもそれ以外の奴らは別よ! 顔がいい女、散々煽ったあげくテレポートで逃げることしか能がない苛つく紅魔族……全部嫌い嫌い嫌いッッ!! だからあなた以外のここにいる人間は皆殺しよ!!」

 

「ちょっとカズマさん! どうすんのよ! カズマだけ助かっても駄目なの! 私やめぐみんは一体どうやって逃げればいいのよ!!」

 

「……アクア、めぐみん、ダクネス」

 

「ど、どうしたのだ急に真面目な声して……」

 

「俺が時間を稼ぐ。その間に逃げるんだ」

 

「はあ!? 何を言ってるのです!? カズマをおいて逃げるなんてできるわけないじゃないですか!」

 

「そうだぞ! ここはみんなで逃げつつ作戦を考えねば……。カズマ、お前の小賢しい頭が要なんだ!」

 

 

ダクネス……お前小賢しいとか俺のことちょっと貶してないか?

ま、まあいい。

 

 

「どうせ俺は殺されない! 特にアクア! お前が死んだらもし誰かが死んだとき蘇生できなくなるんだからしっかり生きてろよ!」

 

「そんなの言われなくても! しっかりイッチ番後ろの方で後方支援に徹しておくから!」

 

 

アクア……お前めちゃくちゃサボろうとしてるだろ?

お前が一番頑張んなきゃいけないんだからな?

 

俺がシルビアとイチャイチャするはめになる前にさっさと強いやつ探して助けにいや、やっぱシルビアさんとちょっと長めにイチャイチャするのもありkいや、アイツは半分は男だ!

あの大きな胸部装甲に惑わされるな!

というか俺が惑わされて虜にされる前か、心にトラウマ植え付けられる前に助けに来てくださいお願いします!

 

ただ今はこうするしか助かる道はないんだ!

 

 

「ナナシ!! このへっぽこ共を頼んだぞ!! ……ってナナシ? ちょっとお前ら先に行ってろ!」

「わ、わかったわ!」

「し、しかし!」

「大丈夫ですよ、ダクネス」

「な、なぜそう言い切れる! 胸を押さえて苦しんで……」

 

 

俺が呼びかけても全く返事がない。

今まで横を併走していたはずなのに……

そう思って後ろに目をやるとナナシは立ち止まって心臓を押さえつけていた。

よく見ると肌から黒い何かが溢れ出ている。

 

 

「おい! 大丈夫か!!」

「あ、ああ、心配はいらん、よ……。久しぶりに、枷を外した、反動だ……」

「か、枷!?」

 

「ああ、血が騒ぐ。この肉体に馴染んできたわ」

 

「お、い……何か体中が黒く……!」

 

「ああ、これはそう見えるか……。差し詰め闇の力か?」

「ほ、本当に大丈夫なのか!? 命を削ったりする系じゃないだろうな!?」

 

「勿論じゃ。……別人格と主導権を奪い合う程度のこと。問題はない」

 

 

今まで着流しだったのが今では金と漆黒のローブのように変形した黒い不定形の何かを纏っている。

別人格とか言っていたが大丈夫なわけあるか!!

って人の心配してる場合じゃねぇ!

シルビアが出した猛毒の大波が……!

 

 

「先に逃げていろ」

「だ、だめだ! 死んじまうぞ!」

「くどい。何度も言わせるな」

 

 

ナナシが剣を振るう。

目を閉じてしまうほどの突風と凍てつくような温度。

目を開けると真っ二つに割れた大波。

 

 

「問題はない。さあ、久しぶりに全力で興じるとしよう」

 




次回
ベルディアとハンスだけではなく地下に封印されていた二号機まで融合しいよいよ手がつけられなくなったシルビア。

魔法、物理もほとんど効かない上にATフィールドと魔封じにより爆裂魔法すら数発耐える凶悪さ。

そんな相手にナナシはどのように立ち向かうのか!?

どこまで続き見たい? 

  • 二期(~原作4巻)ハンス
  • 紅伝説(原作5巻)vsシルビア
  • 紅伝説(魔王討伐√)
  • 三期(~原作?巻)
  • 紅の宿命(原作9巻)vsウォルバク
  • 紅の宿命(魔王討伐√)
  • 最終巻(魔王討伐√)
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