シルビアを倒してアクセルの街に帰ってきたカズマたち
ゆっくりしようと思っていたら一通の便りが……
『ダスティネス邸にて第一王女ベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・アイリス様が会食を希望なさっております。冒険者カズマ一行の参加を……』
貧乏魔道具店初繁盛につき祝い料理を振る舞った
<カズマ>
「ご、ご主人さま、お茶を淹れました、に、ニャン……///」
「うむ。ズズッ……。……こうゆー時はマッズいお茶にしてお茶を服にかけられるまでがセットだろうが!」
「な、なるほど! そうすれば服が濡れていい辱めに……」
「何しっかりそこそこのお茶にしちゃってんの!?」
「か、カズマ、そこそこなのか!? 高級な茶葉を実家から持ってきたのにそこそこなのか!?」
「笑顔を絶やさない!」
俺は何をしているかというとダクネスが「お願いだから王女様に無礼を働かないでくれ! 何でもするから!」と言われたので仕方なく、ほんと仕方なくダクネスを完璧なメイドにしようと試行錯誤していた。
ちなみに本当はメイド服のままギルドに連れて行って踏ん反り返りたかったが我が儘なダクネスが「な、何でもとは言ったがさすがにそれはやめてくださいお願いします!」と涙目だったので優しい俺は猫耳メイドを試すことで妥協したのだ。
「カズマお客さんよー」
「案内すまない、アクア殿」
「いいえ、ごゆっくり~」
そんな優雅な貴族の気分を味わっていると部屋のドアが開かれる。
何故かいつもの着流しじゃなくめでたいときに着る用の優雅な模様の黒色のKIMONOを着ていた
「カズマ殿、商品の量産体制が仕上がった。今日これから販売しようと思うのだ……が……」
「……あ、あの、これは、そのぅ」
「……スゥ、お取り込み中だったようだ。昼頃に魔道具店に来ていただければ助かるのじゃ。では」
「「ち、違うんです!! 誤解です!!」」
<ウィズ>
「戻ったぞー」
「あ! ナナシさんおかえりなさい! カズマさんたちもどうぞ中へ」
「おじゃまします」
今日はカズマさん考案の道具を販売する日です!
ナナシさんにカズマさんたちを呼んでもらったのですが走ってきたのかダクネスさんとカズマさんのお顔は赤くなっていました。
きっと楽しみで走ってきてくれたんですね!
「先ほどまで何でもお願いを聞くと言われて本当はもっとすごいことしようとして結局へたれてメイドで我慢した小僧と紅茶の一つも満足に淹れられないなんちゃってお嬢様、へいらっしゃい!」
「おい何言ってんだこの悪魔!」
「そうだぞ! ……もう少しそのもっとすごいことについて詳しく聞かせてもらおうではないか!」
「きょ、興味持ってんじゃねぇ変態お嬢様! それ以上突っ込んだらさっきの服装でギルドに行かせるからな!」
「うむ、羞恥の悪感情、大変美味である!」
やっぱりみんなでいると賑やかでいいですね。
早速店頭にこの「らいたー」という火をつける道具(魔力は必要ないので魔道具ではないらしいですが)をおきましょう!
「店長、実演販売をすれば客引きになっていいと思うのだが一つ頂けないだろうか」
「もちろんいいですよ!」
「ではちょっとそこで一緒に……」
「え、ええ……?」
「老若男女荒くれ者でも貴族のお嬢様でも寄ってらっしゃい見てらっしゃい! 今回紹介する商品はこちら!」
「え、えっとライターです!」
「料理を作りたいけど火起こしに時間がかかる。野営の木が雨でしけって着かない……そんなお悩みお持の冒険者や主婦の方! わかる! 火打ち石で全然上手く着火できない。そこで今回、満を持してご紹介するのが、この「ライター」! 「使い方がわからないし使い捨てで本当に実用的か信用ならない!」という汝にこそぜひ試しあれ! ……ほれウィズ、商品の説明を」
「は、はい! えっとこちらの商品、使い捨てかと思いきや実は何度も使える画期的アイテムなんです! 通常のティンダーの魔法が込められた魔道具は10回も使えれば終わりですがこちらはなんと100回以上使えるんです! しかも使用者の魔力を使わないので旅のお供でも料理の時でも何でも使えちゃうんです!」
「試しに使って頂いたご婦人からは、「凄くいいです! いつも火をつけるだけで数分近く時間を要していましたが今では一分もかからず料理のストレスがなくなりました!」という嬉しい便りを頂く未来が見えるぞ! さあ値段だが……本来この破格の使用回数では10万エリスは下らんところ……今回は、なんと特別価格3000エリスでご提供である! 発案者の善意の賜でこの値段である! そして今なら一万エリス以上お買い上げの方には特別に、夜中に笑うバニル人形をプレゼント中! 五万エリス以上をお買い上げの方には、なんと! 我輩とお揃いのバニル仮面をプレゼント!」
「誰がほしいんだよそんなもん……。てか提供価格たかs」
「失敬な小僧、子供から大人の女性まで人気のある、貧乏魔道具店唯一の売れ筋であるぞ。……この夜にかぶれば気分が高まり魔力や敏捷性が上昇しお肌もツヤツヤになる特別製のレア仮面をくれてやるから向こう行って店の妨害をしようとしている暴力女神を止めてくるのだ」
バニルさんも加わり興味を持ってくれたお客さんがいらっしゃいました!
……原価100エリスもしないのにバニルさんったら。
あ、お買い上げありがとうございます!
<主人公ちゃん>
某通販の真似をしたら異常に集客率が高かった。
開店以来の快挙に思わずダクネスからの料理依頼を受けてしまったとしても仕方がない。
というか本当に私のこと料理人として雇いたかったんだ……
お世辞とかそういう系かと思ってたけどまさか「女王様が来るので皆の口に合いそうな料理を振る舞ってくれないか?」と言われたときには思わず素が出てしまった。
というわけでライターの在庫がなくなりやることがなくなったためたすき掛けしてダスティネス邸の厨房を任された訳なのだが……
「その、見られていると少々落ち着かないのだが」
「すまないが仕事だ。毒を混入させないかをしっかり見なければならぬのでな」
クレアさん、どうしてここにいらっしゃるのですか?
いや、別にいいんですけど護衛の仕事をしなくてはならないのでは?
「そっちはレインに任せている。……格式高い物をお作りするように」
「カレーでも作ればよいと思っていたのだが霜降り赤がにとかに変えた方がよいか……」
「おい、その華麗という料理は何だ」
「……何だ、簡単に説明しにくいが肉と十にも及ぶスパイスと野菜をふんだんに用いて炒め煮る、旨味、甘み、辛み、香りを楽しむ料理で、辛さを抑えれば子供にも人気と言われた故郷の料理なのだが」
みんな大好きカレーライスにすれば私の首も切られることないと思ったのですが……
よくよく考えてみたら白い服を着てくる方にはカレーうどんを提供してはならないという鉄則がありますのでカレーライスも同様に配慮しないといけなかったのかもしれません。
アイリスちゃんのお口にカレーがついて間違えて服の裾で拭った暁には王族の服を汚した罪で極刑でございます。
北欧ビーフカレーがよろしいのではとも思いましたがそう考えると無難にフレンチをつくるしか……
……フレンチってどんな料理があるかわかんないですけど、とりあえずおいしいお肉と香草、そしてバルサミコ酢ソースを使った創作料理でこの場は何とかなるよね!(打ち首覚悟)
「……いえ、シェフ。その華麗という料理をよろしくお願いします」
「えっ……よろしいので」
「はい。名前といいスパイスの配合といい、アイリス様にふさわしい料理かと思われます。ちなみにですがアイリス様は辛いものはお好みではございません。辛いものを食べて涙目になられたアイリス様の御顔を再び拝見できるのは嬉し……ではなくかわいらしいでもなく……。とにかく! 辛さは控えめにしていただけると……いやでもやっぱり……」
そう言えばこの人はアイリス様にぞっこんの変態護衛だったな。
というか辛いの作ったらあなたはかわいいアイリスちゃんの顔見れていいかもですが私の首が飛ぶこと何も考えないで注文しないでください!
ダクネスことダスティネス・フォード・ララティーナです。
先ほど夕食に出された香しいスープを一口。
カズマ曰く華麗という料理らしく、食べた瞬間に体がじんわり温まる。
野菜の甘みと旨味を凝縮させたスパイススープは春先の冷えた体には丁度よく、とても満足しました。
さて次回、
王女様から呼ばれたナナシ。
王女様に誘拐されたカズマ。
四人で王都へ向かう私たち。
の三本です。
来週もまた見てくださいね。
どこまで続き見たい?
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二期(~原作4巻)ハンス
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紅伝説(原作5巻)vsシルビア
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紅伝説(魔王討伐√)
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三期(~原作?巻)
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紅の宿命(原作9巻)vsウォルバク
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紅の宿命(魔王討伐√)
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最終巻(魔王討伐√)