盗賊を撃退しようとして失敗したカズマ君
ミララギ以外負傷者がいなかったが金庫はほとんどすっからかん。
※なお犯行は主人公ちゃんとクリスと途中からカズマ君が加わり、正義の人はムツリギとかいう魔剣の人しかいなかったもよう。恐るべきマッチポンプである。
<カズマ>
俺たちは失敗を報告するため貴族連中とアイリスの前で証言をすることになった。
「くっ、すまないっ! まさかあれほどの手練れだとは……」
「お兄様はしっかりやってくれましたよ! それに魔剣の勇者様は重傷だって聞きましたが、お兄様が無事で、その、よかったです……」
アイリス、ごめんよ。
本当は俺も成り行きで盗賊団のメンバーになっちまったんだ。
だってしょうがないだろ?
目の前に逆立ちしても何しても勝てない絶対的強者が敵として出てきたら従うしかないんだよ(強制)
「クリスもカズマも、本当にけががなくてよかった……。やはりあの時私も一緒についていれば……ってカズマ? その宝石は!? まさか一部だけでも奪い返したのか!」
「……ふっ、弱者のふりして正解だった。残念な犠牲者を出したがクリスも俺も何とかヤツの目を欺くことに成功したよ」
「そ、そうそう! 今回の盗賊は本当に強かったよ! それこそあの魔剣の勇者さんが負けちゃうくらいだもん、きっと魔王軍の幹部クラスだったよ、うん、そうだよ!」
「そ、そうか……そんな奴からスティールで奪い返したのは機転が利くカズマらしいな。お手柄だ!」
心が痛いッ!!
帰ったらごめんなさいするからそんな俺を善人のように扱わないで!
その宝もんも俺に借金背負わせたやつの金だったら少しくらいって魔が差して思わずポケットに詰め込んだ汚いやつだから!
「くっ、惜しい機会を逃しました……。まさか私が巨悪を炙り出すために外を警戒していた時に……。私がいれば一発で仕留められたのに、みすみすそんな楽しい機会を……」
「そ、そうね、惜しかったわ! 私が毒入りの水を検知して処分、もとい浄化しているときに……」
いや、お前らはシュワシュワ飲んで爆裂したいだけだったろうが!
というか盗賊を発見し次第王都のど真ん中で爆裂魔法かまそうとすんなよ!?
「魔王軍の幹部クラスか……。某も戦ってみたいのう」
「どの口が言っt……ごほん、ま、まあ次こそは捕えてみせる、『爆撃』の名の下に!」
「「おおっ!!」」
貴族連中が賞賛が聞こえてくる。
このままアクセルの街に帰ろうと思ったのに何か雰囲気で変なこと言っちまった。
「カズマカズマ!」
「カズマですが?」
「何ですかそのかっこいい二つ名! 師匠の弟子としての自覚に芽生えたことは大変喜ばしいのですが私のと二つ名と交換しませんか?」
「紅魔族に言われると何かマジでやばい発言だったって認識させられるよ」
「おい、紅魔の里伝統の感性にケチつけるなら表でやろうじゃないか」
「ぷーくすくす! 何カズマったら中二病こじらせてちょー痛いんですけど! 引きニートには勿体なすぎる通り名なんですけど!」
「うん、アクア? 確かにその通りだとは思うけど何かムカついたから後で一発殴らせろ?」
<主人公ちゃん>
とりあえずカズマ君の評価がミツルギがやられたおかげで爆上がりしてる中、魔王軍警報がまた鳴ったのでまた外で暴れようかなって思ってるとクレアさんが「この前の騒動でアイリス様がお城から離れたというデマが飛び交ってる。収束するまで外出は禁止だ!」と何ともあんまりな命令が下ったのでカズマ君に私の形見(爆弾)を背負ってもらって涙ながらにお見送りをした。
きっとカズマ君ならいい頃合いにめぐみんとエクスプロージョンしてくれるはずだ。
「はぁ、詰まらんなぁ……」
「すみません、その、影武者ごっこのせいでこんなことになってしまい……」
「アイリス殿下、きっとそれとこれは別の原因だ。主に『セイクリッド・エクスプロード』(仮)をしてしまった某に非があるのだ。お気になさらず」
「そういえばそうでしたね……ってどうして王家秘伝の技を使えるんですか!?」
「それはかつて王家の剣を使っている……誰だったかを見たことがあるせいだ、剣の名が忘れられる前のその昔にな。それに模倣は得意分野での」
「いやおかしいです! あの技はなんとかカリバーでしか使えないはずなのに! そもそもなんとかカリバーは正式名称です!」
「……それだけ世界は広く未知で溢れておるということ。玉に瑕つかぬように箱の中で育てられた綺麗な汝は外の世界の美しさの全てをまだ知らぬのだ」
「……やっぱりナナシさんはおかしな方です。私と同じくらいの年齢に見えるのに」
「失礼な娘め、倍生きてるのだが?」
「それは本当に嘘ですよね? どれだけ行ってても20歳前後じゃ……」
既に三十路を越えそうな勢いです。
そんなこと言ったらウィズに「私たち、二十歳ですよね?」(圧)されるから言わないけど、肉体年齢を最盛期で止めてるから言い返せないけど、十歳くらいの娘に「私と同じくらいの年齢ですよね?」って言われると何か尊厳が崩れ落ちそうな……
あ、だめだ。
実年齢(社会人)でも肉体年齢(高校生)でも精神年齢(中二)ダメージが……
「大人の女の美しさの秘訣は秘密と謎に包まれているらしいぞ?」
「む、それは答えになってませんよ!」
「ときに某は影武者をしている訳だが……」
「あ、逃げました!?」
「たまには外に遊びに行ってみてはどうか? 城下でもアクセルの街でもアルカンレティア……はさておき、美しい場所はたくさんだ。カズマのバイクに乗せてもらって様々なところに行くのもよい。若いうちにできることはしておくべきだ」
「……確かにそれは楽しそうですね。バイクという新種のモンスターの話もこの前聞きましたし、それから学校の話も聞きました。行けるのなら紅魔の里にある学園にも行ってみたいですね。ぜひ授業を受けてみたいです、先生なんですよね、ナナシさん」
「そのときは絶対レイン殿も同伴だな。帰ってくる頃には紅魔族化してるかも」
「そ、それは問題です! 私は面白くていいのですがクレアが困ってしまいます!」
「『我が名はレイン! ベルゼルグ王国の王女、アイリス様に仕えしアークウィザードにして、貴族随一の派手派手な魔法使い!』」
「ぶふっ! 似てる……ではなくてレインはそんなこと言いません!」
「しかしあの娘、目立たないことを気にしていた故、紅魔の里に行けばこうなるのは必然ではないか? というか派手になりたくて率先して染まりに行きそう」
「た、確かに!」
暇なときに純粋な娘を弄ぶのは面白いなぁ。
カズマ君の気持ち、今ならわかるよ……
今度アイリスちゃんに「お忍びで遊びに行きたいので代わりお願いします!」って言われたら秒でOKして完璧で嘘つきな
ついでに学校作って超大型巨大兵器作って完全要塞化して魔王軍の幹部ですら近づけないようにしてあげる!
「と、そろそろ魔王軍の迎撃も終わりか」
「あ、あれがお兄様が言ってためぐみんさんの爆裂魔法の魔法陣ですか! ……勘違いでなければもう一つ見えるのですが」
「ああ、あれは某がカズマに渡した術だ。最後に使うとは……さすが魅せるな」
爆音とともに一人の勇者の悲鳴が聞こえてきたのはきっと気のせいだ。
<カズマ>
何かまた俺は死んだらしい。
目の前に頬をかきながら申し訳なさそうで気まずそうなエリス様がいるからわかる。
「……あの、その、」
「いや、自殺じゃないんですよ?」
「ああ、それはわかってますが……」
「あのナナシとかいう師匠が持たせてくれたコレ、何だったと思います? お守りかなぁとか思ってたら爆弾ですよ? ……はぁ、俺、何も聞いてなかったんですが」
「……」
「いや、あの、スゥ……違うんです! 確かにこの前の襲撃の時にレベルも上がったし活躍できるだろって思って油断してたのはあります! でもまさか! あの駄女神のせいでぇ、浄化魔法で爆発のポーションが全部水になっちゃうとか予想できます? それにですよ!? レベル上がったのに、40近いのにコボルととかいうおいしい低レベルモンスターにボコられるなんて……レベル上げても筋力がほとんど上がらない、幸運値だけ上がるみたいな? ……それで死んだと思ったら爆発したんですよ」
なんてみっともない死に方をしてしまったのだろうか。
恥ずかしくて地下に穴掘ってさらに潜りたいなって思ったわ。
絶対帰ったらみんなからの視線が冷たい……
「……今回はうちの聖女が申し訳ありませんでした」
「いえ、俺の方こそ……」
『ちょっとカズマさぁん、蘇生の準備終わったんですけど! 粉みじんになってバラバラだった灰と肉片をかき集めて何とか形にできたからよかったけど回復魔法とっても頑張ったから帰ったらお礼にシュワシュワ飲み放題ね! わかった?』
「エリス様……その、」
「……帰ったら安静にお過ごしくださいね? 本当は文句を言いたかったのですが、その体の状態でよく生きてたなぁと……。ではもうここには来ないでくださいね?」
ほんと、すんませんでした
主人公ちゃん「あれ、言ってなかったっけ、爆弾のこと」
カズマ 「何も聞いてねぇわ!」
次回
結成『銀髪仮面盗賊団』
カリオストロの城のように「私は何も盗まれなかったわ」「いいえ、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」
をするのかい! しないのかい! どっちなんだい!
しー……らない! ぱわー! ハッ
どこまで続き見たい?
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二期(~原作4巻)ハンス
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紅伝説(原作5巻)vsシルビア
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紅伝説(魔王討伐√)
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三期(~原作?巻)
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紅の宿命(原作9巻)vsウォルバク
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紅の宿命(魔王討伐√)
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最終巻(魔王討伐√)