ゼル帝の卵温度の管理をした。
クーロンズヒュドラの討伐が難航していた(←誰のせい!?)
はてさてどうなる?
<めぐみん>
『フライ』
『フォルスファイア』
『エクスプロージョン』ッッ!!
「カズマカズマ」
「カズマだよ?」
「私たちが頑張る必要ありましたか?」
「……そんな悲しいこというな」
クーロンズヒュドラ✕4の討伐に師匠が駆けつけてくれた。
私の爆裂魔法で二体は葬り去ったのですが、まだ伏兵がいたとは思わずどうしようか大変なときに来てくれたので助かったのですが……
まさか3つしか魔法を使わず、仕留めてしまうとは……
ま、まあ、私も一つの魔法で! 一撃で! 倒したので!!
「た、助かったぁ……。さっすがドラゴンスレイヤー!」
「えと、リーン殿? ……ダストとかいうやつが口の中に入っていたようだが大丈夫か? 霊圧を感じないのだが……」
「ああ、いいのよあんなやつ。自分一人で賞金独り占めしようとしてたんだから。それにアクアさんがリザレクションしてくれてるから」
「もちろんこの女神アクアに任せなさい! こんな頭が潰れたくらいのホヤホヤ死体、どうとでもなるわ!」
「え、頭潰れてるってマジ!? ちょ、ダスト!? めっちゃグロ!?」
そういえばダストは今回詠唱の時間稼ぎとしてしっかり身を盾にしてくれてましたね。
そのときに「俺の獲物だぁ! コイツの賞金も全部俺のd……」パク
と言っていたのであの扱いもしょうがない気はしますが、その後死んでいなかったのでアクアの回復魔法で全快して……
追加で二体クーロンズヒュドラが出てきたときはリーンのことを全力で守っていた気がするのですが……
まあ日頃の行いが行いですし、きっと私の見間違えでしょう。
「そういえば今回の賞金ってどうなるんだ? 四体いたから四倍か!?」
「カズマ、きっとそれはないと思うぞ」
「えっ!? そりゃまたなんで……」
「我が国は結構、その、経済の調子が悪いのだ……。それにもともとの一体が分裂したと、分身したのだと考えると、その……」
「はぁ……こんだけ頑張ったのに一体分かぁ」
「な、何ですか? カズマのくせに妙に聞き分けがいいですね……」
「俺をなんだと思ってるんだ!?」
「いえ、すみません……その、カズマなら国に訴えてやるとか言い出すのだとばかり……」
「あのな? アイリスが大変だって聞いたのに『もっと金をくれ!』とかお兄ちゃんとして……」
「こ、この男!」
正気を疑って悪かったなとか精神面でも成長したんですねと思った私の密かな罪悪感と感動を一瞬で消し去りましたよ!?
何ですか!
この前からアイリスのことばっかり……
もっと正当な考え……例えば民衆が汗水垂らして働いたお金を集ろうだなんてみたいな感じだと、まあ、らしくなさ過ぎて気持ち悪いですが私の目の前で他の女の名を出すとは……
もう一度からかう必要があるかもしれませんね。
<ダクネス>
そんなこんなでクーロンズヒュドラの討伐は幕を閉じた。
私の方から王都に掛け合ってみたものの、やはり分身のようなスキルならば4体相手にしようと賞金は4体分とはならない、とのことだった。
と言いつつも情報以上に強敵だったことは確かで懸賞金はわずかに引き上げられた形で一人あたり2000万エリスのところ2400万エリスになったらしい。
……もし賞金をすべてもらえるとしてもダスティネス家の借金は半分程度しか減らないだろう。
だからこれでよかったのだ。
こんなにも仲間思いで素晴らしい仲間に迷惑はかけたくない。
「お父様……お時間よろしいでしょうか」
「ああ、ララティーナか……。入ってきておくれ。丁度新人のメイドさんが紅茶を淹れてくれているところだ」
最近、父の様子が芳しくない。
けれど今日はどうしてだろうか、かなり調子の良さそうな声で、しかも新たにメイドを雇ったとは初耳だ。
そういうこともあり僅かばかりの疑問を浮かべながら失礼しますと扉を開けると……
「あっ、お帰りなさいませ、ご主人様♡ 私、本日から配属になりました、メイド長兼料理長のナナーシャです、よろしくお願いします♡」
「……何をやっているのだ、ナナシ。それにその話し方は一体……」
「おや、知り合いかい?」
「ええまあ……日頃からお世話になっているもので……」
「そうだったのか。このよい巡り合わせはエリス様のおかげかな?」
「そうかもしれませんね。ちなみにこれはカズマさんが教えてくれたんです(嘘)。そう言えばダクネスさんも教えてもらってましたよね? たしか語尾にニャンをつけなさいとか、紅茶がそこそこ旨いとか言われてショック受けてたり……」
「ほほう、カズマ君が娘にそんなことを……さぞかし可愛かっただろうな。もう少し詳しく」
「ちょ、お父様!? お冗談が過ぎますことよ! それにナナシもそんな事実はぁ……ないこともないかもしれませんが当主の前でそのような戯れはお止しを。というかいつも通り話してくれないだろうか、調子が狂う」
そう言えばアイリス様の時にそんなこともあったとは思うのだが、どうしてそんなこと知ってるんだろうか……
「機密事項だ」
「自然に心を見透かすな!?」
「愉快な子だろう?」
「一先ず一服するといい」
「誰のせいで取り乱したと……。……おいしい」
「光栄の極み」
どうしてこんなにおいしい焼き菓子と紅茶を淹れられるのか教えてほしいものだ……って違う!
私が知りたいのはそんなことじゃない!
どうして……
「どうして某がここにいるかだが……偏に悪魔退治準備とでも言おうか」
「ブフォッ!? ゴホッケホッ……悪魔!? 悪魔と言ったか!?」
思わず口に含んでいた焼き菓子の粉を吹き出してしまった。
ちょっとお父様にかかってしまったかもしれないがそれどころの騒ぎではない。
我が家に悪魔が憑いていることが一大事だ!
「ああ、まあ準備だと言ったろう? エリス様も動いておる」
「ブフゥッ!? エリス様自らですか!?」
「まああの方は悪魔スレイヤーを生き甲斐にしてるような節がある故、まあ心配なさるな」
心配するなと言ってもまさかそんなことが起きてようと誰が想像できようか!
誰もできないはずだし私じゃなくても動揺してしまうはずだ。
……さすがに今回は私がおかしいことはないよな?
だからお父様?
顔にかかってしまった紅茶と焼き菓子をナナシに拭かれるのを何も言わず受け入れないでください。
落ち着いてないで私と一緒にむせ返ってください?
<主人公ちゃん>
アクアちゃんと一緒に子守で歌ったり(アカペラや魔導鍵盤で超絶ハモりながらしたら外に観客がいっぱいいた)、魔力(餌)をあげたり、梅雨の時期に真夏の如く暑い部屋にいる(主な原因)こととかに耐えかねて逃げ出した私はダスティネス家に匿ってもらうことにした。
というわけで口から花鳥風月しまくるダクネスに経緯(半分嘘)をざっくり説明しました。
「なるほど、事情はわかった。お父様の体の調子がよいのはナナシが解呪の魔法を使っているからで、アレ臭が悪魔を引き連れている可能性が限りなく高いと……」
「うむ。神器で辻褄合わせの悪魔をこちらの世界に呼び寄せてしまったらしい」
「……感謝する」
「礼には及ばん。それに完璧に解除した訳でもない。後日アクア様に残りカスを解いてもらうべし」
「ああ、何から何までありがとう……その、私にできることなら何でも……」
今なんでもっていった!?
「私のできる範囲で頼みたいのだが……」
くっ、コイツ、思考を呼んで先回りしやがる!!
なんて冗談はやめておきましょう。
それにしてもどうしよっかなぁ……
マクスウェル。
正直戦いたい。
でも戦ったら被害が尋常じゃないしバニルさんに伝えるのも面倒いし、あ、エリス様には喜ばれるか。
でもなぁ、アレ臭がこの世にいるとそれこそ面倒なんだよね。
殺さずに幽閉するのも何だかだし、やっぱりマクスウェルともども地獄送り?
いっそのこと天国行き?
……やめやめ、こんな面倒くさいこと考えるのやめ!
エリスさんか、それともバニルさんか、どっちと一緒に行動するだけ決めて後は流れるままにだ。
「あ、あの?」
「ああ、すまん。少々考え事をな。それで某の望みか?」
「ああ、私のできることでなら、な」
「……そんなに念を押さずともよいのだが」
「ああ、すまない! 私の仲間には念を押さないととんでもない要求する奴がいるもので……」
「そうだな、確かに念押しは重要だな。では、そうだな……ダクネス殿にはこのことが露呈しないようにダスティネス卿が体調を崩し、アレ臭と籍を入れる……という設定で行動しておいてくれ」
「そ、それだけか?」
「何だ? 不満か?」
「いや、そういうわけでは……ただ、もっとすごい要求をされる心構えをしていたのだが……」
「どうやら汝が娘はカズマ君に大変毒されているらしい」
「それでも、彼になら娘を預けられる。何だかんだ言いつつもいつも助けてくれると娘が楽しそうに話してくれるからね」
「二人ともお戯れはほどほどに」
あの、ダクネスさん?
ちょぉっとからかい過ぎたのは謝ります。
だから顔を赤くして拳を振り上げて病人に向かっていくのはお止めなさい!?
次回やるかもしれないこと
結婚阻止、パート2
ダメ男ダストとアクシズ貴族編~バラ香るエデンの園でランデヴー~
この後ダストのことを見た者は……
どっちがいいですか?
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バニルと一緒(アレ臭地獄落ち)
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エリスと一緒(マクスウェル討伐)