エリス祭り、もとい女神様祭りで競ったのはアクア、エリス、ウォルバク、レジーナ、それから主人公ちゃん。
死闘の末、女神トップオブ女神は主人公ちゃんに!?
今までの神々の信仰心を掻っ攫い、このすば世界の……
新世界の神となった!
<カズマ>
今の時期は夏。
そしてこの時期、この世で最も命を奪うのはまさにこの暑さであるのではないか。
どこの誰が言い出したのか、『アイスクリームが売れれば売れるほど水難事故が増える。アイスクリームは危険だ!』とはどちらも夏になると涼がほしくなり海水浴と氷菓子を欲することに起因している。
そしてこの世界でもその暑さは例外ではなく……
「あああああああああ…………! 頭がぁ……!」
「だから言ったでしょ? このアイスクリームは危険なのよ! 大事にゆっくり食べないと氷精が氷を粗末に扱ったと思われてその鋭い氷の結晶が牙をむくんだから!」
「め、めぐみん! そのアイスクリームという危険物を私に寄越すんだ! これは私が責任を持って体内に入れて処分するから!」
……訂正、異世界のアイスクリームは危険らしい。
たまにアクアがアホなことを言うが異世界の事情に関しては俺より詳しいから、氷の話もきっと本当……
「なわけあるかああ! 俺が作ってたアイス勝手に食うなよ!? これから俺の朝食なる予定だったんだぞ!」
「カズマ、夕方に起きて朝食とか抜かすほど自堕落な生活に磨きがかかってること、非常に私好みでうれしいが」
「うっせえよ!?」
「流石にそう言うのは仲間のうちは控えてもらえないか? お前がリーダーなのだからそこら辺のメリハリはしっかりしろ」
「銀行にお金預けてるから自堕落な生活送っててもお金がはいってくるんでいいんですー」
「あああっ、はあああっ、あ、あたまがぁぁ割れるぅぅう……!」
「お前は後でかき氷の早食い選手権で優勝させるための特訓させる」
「あっ、いきなり大声出すからゼル帝が飛び起きたじゃない! ほーら、よしよーし、何も怖くないですからねぇ……あいた! な、何よお母さんに対して攻撃をするって……あ、爪が伸びてるわね? 後で切ってあげますからね」
「あのなぁ、アイスクリームは急激にいっぱい食べると頭が冷やされて痛くなるらしいからな、変なこと教えるなよ馬鹿!」
「ふーんだ! 私の言うこと信じなかったせいで体中が氷で覆われることになっても溶かしてあげないんだから!」
なんだよその物騒な捨て台詞!?
もしかしてこれは本当に本当なのか!?
い、いいや、俺は荒唐無稽なことは信じない主義だが、一度ナナシさんに確認をとってからアイスクリーム作りはすることにしよう!
そんなこと言ってるとそろそろ俺の部屋に準備していた氷柱によって部屋の温度が至適温度になってきた頃合いだろ。
部屋に戻ったらクーラーのない異世界でも優雅な生活を送るんだ!
「なあアクア、流石にこの自堕落な男は一度捨ててしまった方がいいのではないだろうか?」
「そうね、確かに何かとゼル帝のことをローストしたがる凶悪な料理人は追放すべきだと思うわ」
「おっ、何だ? お前らこの、『爆撃』のカズマさんに敵うと思ってんのか? 『へっぽこクルセイダー』のダクネスさんと『アホの子』アクアさんよぉ?」
「ダクネスはともかく私はアホの子じゃないわよ! そもそもアクア違いだと思うの!」
「わ、私はともかく!?」
「じゃあ俺とじゃんけん勝負でもするかぁ! 負けた方は土下座で謝ってもらおう」
「さ、さすがはカズマ、姑息で卑怯だ! だがそこがいい!」
「おまえ変わってるよな」
「しかし自分が絶対勝つようなことで勝負しようとするのはどうなんだ? わ、私としてはそれも悪くはないんだが……あれだったら冒険者ギルドの依頼の貢献度で決めないか? 最終的にどちらが勝ったとしても誰にも迷惑もかかるまい」
****
で、俺vsアクアwithララティーナの戦いが始まったって訳。
俺はハイエナニートとか言われ心の奥底で涙しつつ、絶対こいつらには負けたくないという意地と負けん気で終始翻弄し、完全に優位に立ってるわけだが……
「何でお前がいるの、ナナシさん?」
「お前とは酷いのう。何、祭りの後始末が終了した故某もクエストへと馳せ参じたところに騒がしいお主らが」
「……俺、めっちゃくちゃ嫌な予感がしてるんですが?」
「その心は?」
「ナナシさんがいるところに厄介ごと、というか凶暴な強敵アリ」
アクアとダクネスもお前がいることに対して「何でここにいるんだこいつ」ってなってるのに俺は大体の理由を理解してるのは弟子だからだろうか。
「おお、ベテラン殺しがきよった」
「何が来たって!?」
「ベテラン殺しだ。初心者殺しの突然変異系でな、中級者殺しや上級者殺しがおるのだが、ベテラン殺しは上級者殺しの亜種、玄人殺しやいぶし銀殺しの総称じゃな」
「そんなのが来てるんですか!? 俺の敵感知スキルには何も……」
「それが所以足るところだ。敵意を徹底的にそぎ落とし、無慈悲にも首を掻き取りに来る。それに加えて……」
何だかメッチャヤバいやつに遭遇しようとしてないか!?
いや、ナナシさんがヤバいやつだったわ。
ってそうじゃねぇ!
速く逃げないと……!
「おい! アクア、ダクネス! めぐみんの方に逃げるぞ! って何やってんの?」
「あ、カズマさん! 見てみて、この可愛い虎の子供! さっきそこで拾って……」
「そんなこといってる場合か! あのナナシさんがいるんだぞ! 厄災に巻き込まれる前に逃げるぞ!」
「お、おいカズマ!? その敵っていうのはどこに!? わ、私が盾となって……」
「先ずは避難が優先だ! アクア支援魔法!? ダクネスはデコイの準備だ! ダクネスに的が当たってるうちに俺らは避難して、その間にナナシさんに倒してもらうから我慢できれば……」
「お、お構いなく!!」
「……だよなぁ知ってた。おい、アクア! 逃げるぞ……ってまだその虎のと戯れてるのか!?」
「だ、だってこの子、さっきからダクネスの方に行きたがってよちよち歩くんですもの! でも逃げないといけないしこんなにかわいいのに放っておけないじゃない!」
この駄女神はもしかして動物に好かれにくくアンデットに大人気だとかいうクソ迷惑な才能でも持ってるのだろうか。
ってどうしてこの虎はダクネスの方に行きたがってるんだ?
デコイは敵対対象のヘイトが増えるだけで何も動物を引き寄せる能力なんてないし、初対面にしては人慣れしすぎてるな……
「なあなあナナシさん?」
「ナナシだが?」
「……俺の嫌な感じが間違いじゃなければなんだが、あの虎、もしかして」
「虎視眈々……愛くるしい見た目に反し素の総合ステータスは初心者殺しの倍、相手が油断したその刹那、隠していた牙と爪で刈り取る侮れぬベテラン殺しだ」
「何それ怖い!?」
あんなぬいぐるみみたいな見た目して、実は虎の皮を被ったシリアルキラーなのマジでやめろ!
アクアは舐められてるせいか、後回しにしようとしているのか、その真意は定かではないが真っ先にダクネスを襲うつもりだ!
「ダクネス! そいつは上級者殺しだ! 油断しないで防御高めておけ!」
「そ、そんなこと言ってもだな、こ、こんなかわいい動物は生まれて初めてだ。少しだけ触れ合っても構わないだろうか? なに、大丈夫だ! 私の取り柄はこの防御だろ? こんなかわいらしい奴の一撃なんて大丈夫なはずだ。……そうだ! もしよければこの子は私のペットとして実家で飼おう! そうだな、名前は……」
「うぉおおい!? それフラグじゃ……あ」
……ダクネスが思いっきり吹き飛ばされた。
マジで見た目で判断するなってことが身にしみてわかる威力。
身を張って教えてくれたダクネスに感謝しつつ俺はアクアをおいて逃走&潜伏しようとして……
「エクスプロージョンッッ!」
「ひぎゃああああ!?!?」
食い意地でアイスクリームを爆食いして、俺の「かき氷を食い切るまで帰れません」の刑を実施していたはずのめぐみんがいつの間にか詠唱を終えていたみたいでベテラン殺しに一撃を。
……おまえ、前に俺が安楽少女を絞めたときには人の心がないだの言ってたくせに、人型じゃない獣ならカモネギだろうとなんだろうと糧にしようとして殺すの容赦ないよな。
何がここまで人を凶悪な精神に変えてしまうのだろうか。
って違う!
「おいめぐみん! 危うく巻き込まれかけたんだが!? というか直撃はしないにせよ爆風に巻き込まれたんだが!?」
「ううっ……口の中に砂利が入ってジャリジャリするぅ……」
「さ、最高だった……/// まさかシルビア討伐以降に爆裂魔法の威力が増えていたと聞いていたがこれほどとは……掠っただけで瀕死の重傷だ///」
「ダクネスを見習ってくださいカズマ。それに師匠にタイミングと位置指示されただけなので私にやつ当たりはやめてください。それとかき氷とやらはシロップがわりとおいしかったですありがとうございました」
「あんなド変態のこと見習えるか!」
「ド、変、態……///」
「それとナナシさんは何イカレタ指示してんの!? ダクネスはともかく俺とアクア死ぬところだったんだが!?」
「あれは、仕方なかった。躊躇してると三人の全滅を視野にいけなくなったからな。許せ」
……この日、俺とアクアは上級者殺し×爆裂魔法×ナナシさん=死亡フラグということを胸に刻み込んだ。
というか、どれか一つだけでも死んでしまいかねないのによく生きてたな俺!?
……これが俺の幸運とエリス様のおかげか
次回
めぐみんと邪神とそれから私(主人公ちゃん)
ダイナマイト作成の裏話とともに明かされる彼女らの因縁と数奇な運命(誰かの手によって仕組まれた運命)とは……
そして影が薄いぼっちは一緒に王都に行けることになるのか!?
此、最重要選択為る事心得よ。汝、運命之選択、努々誤る事無き事願い給う。
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怠惰暴虐之女神生存
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怠惰暴虐之女神死亡