アイスクリームは危険
こしタンタンにエクスプロージョン!
巻き添えを食らったダクネスは(喜び)死にかけた。
<めぐみん>
死にかけダクネスが師匠の手によって快癒した後のことでした。
我が使い魔、ちょむすけが謎の失踪……
と言っても近所の散歩に行ってなかなか帰ってこないだけで、カズマに確認しに行ってもらったところ、近所のがきんちょどもにいじめられていたとのことでした。
ガキを追い払って散歩の続きを続けさせたと言っていましたが……
我が前世、邪神の頃より生き別れた半身ならば、もう少し力を見せつけてもいいと思うのです……くっ、まだ力の覚醒には久遠の時が必要なのだろうか!
そんなことを思っていたのですがとある新聞を見て。
「はあああああ!?!?」
「ちょっと何事よめぐみん! カズマみたいに頭がおかしくなって発狂したくなっちゃったの? もともと頭が爆裂してるとか頭がおかしい爆裂娘とかギルドのみんなに言われてたけど、いよいよ末期になっちゃったのかしら。ゼル帝が起きちゃうから叫びたいならカズマが昔騙されて買ってきた高級壺(笑)に叫んできてちょーだいな」
「ああっ、すみません……私と私の半身を差し置いて邪神を名乗る不届きな魔王軍幹部の記事を見てしまったので……ってオイ、その私のことを何だのと言った奴らの名前を聞こうじゃないか! 今からちょっとギルドに顔を出して一発ずつ拳を打ち込んできます」
「みんな言ってたからほどほどにねー。というか私にもその記事を見せなさいな、雪精を助けに行く冬将軍の話も見たいけどそれ以上に本物の女神を差し置いて邪神を名乗る不届き者の顔と名前を見せなさいな。ゴッドノートの神罰リストに名前と顔を書き写して公衆の面前で服を裏表間違えて着ちゃうっていう神罰を書いておくから」
み、みんなですか!?
……これはもしや我を舐めているということなのでは!?
よろしい、ならば戦争です!!
私のことをバカにしたことを後悔してあげましょう!!
……そう思ってドアを開けると。
「あ、め、めぐみん! こ、こんなところで偶然ね!」
「私たちの家に来て偶然も何もありませんよ! ……ってちょむすけを抱えてるじゃないですか、一体どうしたのです?」
「あ、そこを歩いてたら子供たちにいじめられてて保護して……」
……我が半身はその身に秘めた本当の強さを隠し、矮小な軍勢をおちょくるのが最近の趣味らしい。
本当に我が妹に食べられかけたり、アクアのひよこにビビったりして、この黒毛玉は邪神なのでしょうか……
新聞に載っていた顔は見えませんでしたが魔王軍幹部の方が余程邪神らしい。
一先ずこれ以上
「そう言えばこのお家にナナシ先生が来てるらしいってウィズさんに聞いたんだけど……」
「ええ、実は今朝から魔道具の作成やらをしているみたいで、裏庭の特設実験施設で……」
ぽんっ!
「……っとこのように時たま失敗してる音が聞こえてきます」
「ええっ!? この音ってふにふらさんの弟さんの病を治すためにってみんなで万能薬を作ったときの……」
「ああ、そう言えばゆんゆんはトラウマでしたっけ。……今日は私の一勝ですね」
「なんで!? 私たち、何も勝負してなかったわよね!?」
「とにかく話を戻すと、音は似てますが実際に爆発してる音らしいので顔を赤くして震えなくても大丈夫です」
「あっ、そうなんだ……って実際に爆発してるの!? そっちの方が酷いんじゃない!? わ、私そんな危ないことしないでくださいって頼みに行ってくる!」
何て人騒がせな!
もしそんな危険が伴う実験ならこんな家の裏庭でやるとか気が狂ってますし、だいたい、実験が失敗したからって頭がアフロになるだけでしょうに。
……おや、噂をすれば。
肌を黒く焦がして口から煙を出すアフロカズマと少し顔に煤がついている師匠が。
「か、カズマさん!? 大丈夫ですか!?」
「お、ゆんゆんじゃないか、いらっしゃい」
「何でそんなに平然としてるんですか!? さっき爆発音が……」
「ああ、めぐみんから聞いたのか。それはナナシさんのプロテクションの魔法で無傷だ。強いて言えば髪の毛がゼル帝の巣になってるくらいで風呂入れば治る……らしい」
「い、一体何を作って……」
「ダイナマイト……って言ってもわかんないか」
ダイナマイト。
聞いた話によると炸裂魔法を放つ使い切り魔道具だとか。
製作パターン2種類あり、謎植物の腐った汁を抽出して爆発するポーションの要領で作るか、魔法陣を刻み込むかのどちらかが師匠の中での主流らしい。
もしこれがお手軽爆裂魔法とかそう言う名称なら私は間違いなく作成をできないように地ベタを転がったりして妨害工作をするところでしたが爆裂魔法の下の下である炸裂魔法なら貧弱カズマの補強のためにも認めてあげましょうと言うわけです。
「ってそんな暢気に見守ってる場合じゃありませんでした! し、師匠! それにゆんゆん! ま、不味いことが! 我が半身を差し置いて邪神を名乗る魔王軍幹部が王都に出没したらしいです!」
「また出たよお得意の中二病が……いい加減中二は卒業して中三になれよ」
「そ、それってちょむすけの……!? め、めぐみんが昔遊び感覚で邪神の封印を解いちゃって……」
「おい今なんて?」
「おや、ここに写っているのは怠惰と暴虐を司るウォルバク殿か。女神様コンテスト以来だが、まさかこんな騒動に巻き込まれているとは……」
「待って!? 本当に俺だけおいていかれてるから待って!?」
私たち三人の横で何かうるさいカズマはアクアを見習って静かにしておいてくださいよ……このままじゃ話が一向に進まなくなります!
……それにしても怠惰と暴虐を司るとかかっこよすぎます!
ローブで外見的特徴がほとんどわかりませんが、よく見るとこの写真には大魔法使いのウィズを凌ぐほどの豊満なバストっ!
きっと恐るべき魔力を持つ大魔法使いに違いありません!
「そう言えば師匠はこの方とお知り合いで?」
「うむ、ついこの前に契約を結んだ女神だ。……汝も一度対面しておるぞ?」
「そ、そうなのですか!? てっきり成りすましの類いかと」
「ほんとうに待って!? 女神が魔王軍幹部!? ちょむすけが邪神!? そいつとナナシさんが手を結んでる!?」
「おや、話してなかったのか?」
「詳しく説明するタイミングがなかったのと、我が盗賊団ファンクラブの存在もですがいつも受け流されてたので……」
「えっ!? あの話もマジだったのか!?」
何を今更驚いて……
もし入りたくなったのなら今なら下っ端として入団を認めてもいいのですよ?
そんなことを思っていると師匠が。
「ああ、盗賊団ファンクラブで思い出した」
「何をです?」
「アイリス殿下から聞いたのだが、某が王都で王女の影武者として働いておるうちに随分と楽しそうなことをしていたではないか」
「一応師匠はこの団長である私の補佐役を確保してあります! 参謀兼右腕です!」
「それはよかった。……ではなくて、王都に皆で行くのだろう? 丁度、いろいろな改造……コホン、政策が完了したし、案内でもと」
「ほう! それは王都へ行く楽しみができましたね!」
最初は我を差し置いて邪神を名乗る者への鉄槌を考えていたのですが、それ以外にもいく理由ができてしまいましたね!
流石に王都ですから、我が家や紅魔の里のような改造は無理でも、匠の手が加われば攻守ともに完璧な誰にも打ち破られない不滅の城が見られるに違いありません!
これはここでそわそわしてるだけではもったいないですね!
急いでパジャマとか歯磨きセットとか旅行の……ではなくて決戦の準備を整えなければ!
そう思って目を輝かせているとカズマが。
「今改造って言わなかったか!? ナナシ、一体王都で何やらかしてきたんだよ!? そして今朝見たけど王都って激戦区なんだろ!? 俺はいかねぇ!」
「何のためにダイナマイトと低コストで量産する研究と設備を出したと? ほれ、爆撃のカズマ殿? 妹君が待っているぞ?」
「いやだ! 死にたくない! この前もそう言って爆死(物理)したんだ! またあのペンダントみたいなの俺に渡して特攻もどきさせるんだろ!」
「ゆんゆん、テレポートの準備を。強制転移しよう」
「わ、わかりました……」
「嫌だっ! 死にたくなーいっ! 助けてアクアさまぁめぐみんさまぁ!」
……そう言えば王城のパーティーで貴族の方々にそんな呼ばれ方してましたね。
私たちより先に王都で活躍したせいで、私より先にかっこいい通り名をつけられて、しかも王都で活躍した冒険者ランキングのベスト20に選ばれてたりと目立つ活躍をして……!
ほんっとうにズルマです!
でも今回はそうは行きません!
カズマが活躍しようとも私がそれ以上に大活躍するので、行きましょう、王都へ!
ということで無理矢理されたカズマ
次回
つい先日までアイリスと一緒に過ごした思い出の地へ赴くがそこでカズマが目にしたものとは!?
めぐみんが目を輝かせ、ダクネスが白目で意識を飛ばした、その視線の先にあるのは!?
此、最重要選択為る事心得よ。汝、運命之選択、努々誤る事無き事願い給う。
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怠惰暴虐之女神生存
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怠惰暴虐之女神死亡