めぐみんと黒猫と邪神の関係が明らかになったから魔王軍幹部の邪神を名乗るヤツがいる王都に行くことを決意したカズマ(強制)
前々から主人公ちゃんの手によって確定されていた運命というか予定というか、ダイナマイトを低価格で大量生産する技術を手に入れたカズマがゆんゆんの手によってテレポート(強制)
はてさて、どうなることやら……
<カズマ>
「いやだ! 死にたくない! 死にたくないよぉぉおお!!」
「勇者が情けないこと言うでない」
俺はナナシさんとかいう常識の通じない怪物に首を、というか襟をつままれ引きずられながら運送されている。
ちなみにアクアとダクネスは一日遅れでテレポートしてくるらしい。
どうもゼル帝のお世話をウィズのところに任せるのと武具の整備とかのせいで遅れるらしい。
……俺、全く準備整ってないのにテレポートされたんだが!?
というかめぐみんと言いナナシさんと言い、か細い体型してんのにどっからそんな力出てくんの!?
ダクネスはシックスパックだから気にしないけどロリに引きずられるの惨めだから止めて!?
くそっ、これがレベルとステータスの差か……!
こうなったら地団駄踏んで抵抗してやる!
「ちょ! 往生際が悪いですよカズマ! 折角あなたの愛しの妹がいる王都に来たんですから楽しむべきです!」
「無茶言うなよめぐみん! ナナシさんが勝手にゆんゆんにテレポート頼んだせいで強制転移させられたあげく、事前に超危険地帯の最前線だとかどこかの誰かさんが紅魔の里並のビックリ魔改造施したとか言うから嫌な予感がしてならないんだわ!」
「何もそこまでは言ってないでしょう……しかし、ここが魔王軍との前線であるのは違いないので紅魔族流の改造は願ったり叶ったりでは? さて! 門を越えた先に何があるか……紅魔族の琴線がこちらに来いよと叫んでいる!」
だからヤなんだよ!
何で俺が自らそんな危なっかしい場所に行かなきゃならないんだよ!
そもそもアイリスは俺より何倍も強いし、弱っちい俺ごときが行って足手まといになるようなこと避けるべきなんだ!
……ううっ、何でだろう、目頭が熱い。
「ようやく観念したみたいですね……。そう言えばゆんゆん、あなたはいつまで私たちと一緒に行動するんです? そろそろどっかに行ってもらっても」
「な、なんてこと言うのめぐみん!? せ、せっかく先生の傑作の見物するんだったら一緒に見て回りましょうよ! ほ、ほら、私とめぐみんってと、友達でしょう?」
「えっ? そうだったんですか!? てっきりライバルライバル五月蠅いのでそういうものかと思ってましたが……私は都合のいい友達なんですね」
「そ、そんな私を悪者にするような言い方しなくてもよくない!?」
「半分冗談です、今から一泊するための宿探しですがパジャマはちゃんと持ってきましたよね?」
「め、めぐみん……!」
こんな「めぐみんが大人の余裕を見せて……成長したなぁ!」とか「拗らせぼっちのゆんゆんはかわいそうだからもっと優しくしよう。そして変な虫がつかないように目を光らせておこう」とか思えるような場面だが、俺の思いはただ一つ、早くおうちに帰りたい……!
<主人公ちゃん>
はい! どーもどーも! ナナシでございます! ただいま私はベルゼルグ王国が首都、ナナーシャ(仮)に来ております!
……何? 自分の物にしたからって名前もナナーシャにするのは違う?
確かにそうかもしれませんが現状王都としか呼ばれないこの地に新しい名前をつける手間暇を考えたら忙しい今は(仮)にしといて、後々しっかりいい名前をつけてあげたい、そんな思いなのでその意見は保留とさせていただきます。
「では案内お願いします師匠!」
「お、お願いします!」
「本日は私もご一緒させてもらう形となりましたが、その、よろしくお願いします?」
「うむ、任されよ」
「ちょぉっと待ってください!? なぜここにアイリスが!?」
「シィ、ですよめぐみんさん! 今の私はチリメンドン屋の娘のイリスです!」
驚いたでしょうめぐみん!
サプライズで登場して頂いたのはこの国の王女様ですからね!
……えっ? そこには誰も驚いていない?
ああ、サラッと自然に仲間の輪に入ってきたことに驚いたんですね!
「ところでお兄様はどちらに……」
「あの男は『勝手に準備もなしに危険地帯に連れてきて……明日から戦いに参戦するなら準備しないとな……』みたいな感じでゴソゴソ宿屋に引きこもってます。じゃなくて国のトップがこんな易々盗賊団の集りでもないのに城下に降りてきてよいのですか!?」
「今更な質問ですね……。実はここだけの話、ナナシさんがお父様を卓越した料理の腕と革命的な政治政策を打ち出した頭脳を買って王都の実質的な権限を全て明け渡したそうで……。そのおかげで王都周辺の治安は犯罪率ゼロとなってますので自由に外出可能というわけです!」
「やはり師匠は師匠ですね……」
そう、エリス様祭りの最中いろいろ試行錯誤して難攻不落の浮上要塞にしたついでに学校の建設をして理事長になってみたり紅魔族のレッドプリズンと交流してみたり、いろいろしましたからね!
魔王軍の襲撃を受け不況に陥った経済を活性化した正体不明の実業家の評判はうなぎ登りです!
そんな王都の実態を話してもらって鼻高々な私でしたが、横目でめぐみんの方を見ると一種の呆れが混じった視線を感じましたが褒め言葉として受け取っておきましょう!
なんせ我が一番弟子ですからね!
一番の信者と言っても過言ではなく、めぐみんからの信仰心は薄れるどころか日々増強していくような感覚があるのでそうに違いありません!
そう考えると私の影響力もなかなか捨てたもんじゃありませんね……
「それで? どうしてa……イリスはここに? 今のではここにいる説明にはなっていませんよ?」
「えっと、今日は学校の帰り道にナナシさんに捕まりまして『まだ見せていない秘密兵器を見ないか?』と言われてワクワクして参りました!」
「やはりイリスは私とゆんゆんの同志ですね!」
「さて、話は終えたか? これから砦変形合体デンドロメイデンの作動回路を点検も兼ねて見せようと思うのだが……」
「そ、それって前にめぐみんの家にあった牛乳パックで作った精巧な人形でしたよね?」
「今はゼル帝の巣に再利用されてますが……それは名前通り期待していいのですよね! 動力は! 動力は何ですか!?」
「霊脈と魔王城の結界維持魔力からちょいと引っ張ってきてのぅ。普段は街灯に使っておる故不夜城と呼ばれていたり」
めぐみんたちが目を爛々と赤く輝かせてる……
この世界の住人は目をキラキラさせる(物理)から嬉しいね!
前世ではみんなに凄いでしょうと自慢しても全く相手にされないか、子供扱いしてくるので……エラい違いでもう感激極まってます!
「夜が訪れない城……いつか団長さん言ってた『夜を背負い白日の下へ導くが我らの宿命』という言葉の逆、まさか夜に昼を呼び寄せるなんて……先生は規格外を自覚してないのかなぁ……」
「これでも抑えた方だ。もし心のままに爆発させてたらこの地は原形をとどめておらん。それに、銀髪仮面盗賊団の彼らが闇に嵌まり抜け出せなるようなことが生じたときにここはきっといい目印だろう?」
「私的にはこれのおかげで犯罪率が減ったと言われてるのが凄いなって。しかも最前線の砦も魔王軍幹部相手に盛り返しを見せているとか」
アイリスちゃん、ごめんなさい、それは私がウォルバクちゃんと連絡取り合って手を緩めたり強めたりしてるからです。
手を強めたときにはこちらも物流をアップさせて支援して、アルカンレティアの僧侶(聖職者と言いつつ、一切禁欲はしない生臭坊主)どもを支援回復要員として派遣したのが効いてますね!
あえて言い方を悪くすると戦争を利用したマッチポンプ……流石に言い方悪すぎましたね。
私が手を加えてからというものの誰も死なず飢えず苦しまず悪いことはしてないはずでず(泣)
そんな感じでメッチャ良心を傷つけながら人類と魔物の共存関係を保ってたら、何故か魔王様に幹部にスカウトされたり、ウォルバクちゃんの部下ポジ担ったり(元から)……
どうしてこんなことになったかが私自身もあんまり把握できてませんが結果オーライってことで!
またこれで全世界、全勢力を支配するのにまた一歩近づきましたね!
そう思ってたらめぐみんが神妙な顔をしてたので。
「……おや、どうしたのだ」
「いえ、少々考えごとしたのですが……辻褄が合うようで合わなくて。師匠と団長さんが通じてるのはどこかで確定ですが、引っかかる点が……」
「珍しいわね、めぐみんがそんなじっくり考えるなんて……いつもだったら無鉄砲に突っ込んでいつか後悔するタイプがめぐみんなのにこんなに考えるなんて……」
「おい、私のことを普段からどんな目で見てるのか一度話してもらおうじゃないか! ……それにしても女神エリスが団長だとは私には到底思えないのですが嘘発見の魔道具は虚偽の申告はなかったと聞いていますし……」
……もしかしてめぐみんは私が団長だって気づきかけてるんじゃ?
別にバレてもやましいことがあるわけではないのでいいのですが折角ここまで正体を隠してたのにバラすのは……ねぇ?
……よし!
めぐみんには怒濤の知識とかっこよさの濁流で今考えてる余計なことを洗い流して差し上げましょうそうしましょう!
手始めに向こうの砦を浮遊させて鉄槌の雷を撃ち落として気を引くとしましょう!
次回
アクアとダクネスと合流して勇者一行は王女様から激励の言葉をもらい、いざ、前線に向かおうと門から出発する。
その旅の途中で待ち構えるケサランパサランの親玉『ケセラセラ』、完全な魔法耐性を持つドラゴンゾンビ『スケリトルドラゴン』、出落ちの希少ヒト型モンスター『山賊』をどうやって倒すのか!
(全部書き切れたらいいなぁ……)
此、最重要選択為る事心得よ。汝、運命之選択、努々誤る事無き事願い給う。
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