私の中二心を『エクスプロージョン』ッッ!!   作:桃玉

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前回のあらすじ

勇者一行は王都の住人に見送られながら、いざ、前線に向かおうと門から出発する。
その旅の途中で待ち構えるケサランパサラン、完全な魔法耐性を持つスケリトルドラゴン、出落ちの希少ヒト型モンスター『山賊』をちぎっては投げちぎっては投げ……

その結果汗をかきつつも全員が無傷で前線基地へ到着したのだが……


混浴風呂に誰か入ってきたので湯気を濃くした

<カズマ>

 

やっとこ前線の砦に着いた俺たちは門番に足止めを食らったのでダクネスにスティールをしてアレを奪い取り。

 

「控えぃ控えぃ! この方を誰と心得る! かの王家の懐刀で有名な名門ダスティネス家のご令嬢、ダスティネス・フォード・ララティーナ様であるぞ! 頭が高い!」

「! そうですよ! この金髪碧眼がその証拠! 門前で止めるとはなんたる無礼か!」

「カズマ、めぐみん……その、かっこつけてるところ悪いんだが、パンツ見せつけられてもこの顔を赤くしたダクネス殿が本人であるかはわからんぞ? 強いて言えば金髪碧眼だから貴族だとはわかるが……」

 

 

俺はダクネスのネックレス(ダスティネス家の紋章)を水戸黄門のように見せつけたと思ったら、実際はダクネスのちょっとレース多めなパンツを取ってたみたいで、どうどうと公衆の面前にパンツを突き出していた。

隣の顔が赤いダクネスさんは恥ずかしさ30%、怒り20%、変態50%で涙目で腰が砕けている。

ワンチャン怒られると思ったがこんな時にでもブレないダクネスとは対極に、他の女性陣、特にゆんゆんさんの冷ややかな視線が絶対零度に達したところで、俺はやけくそ気味にダクネスの胸をまさぐり紋章を取り出した。

 

 

「こほん、控えぃ控えぃ! この方を誰と心得る! かの王家の懐刀で有名な名門ダスティネス家のご令嬢、ダスティネス・フォード・ララティーナであるぞ! 頭がt……」

「いや、やり直せるか! というか私の胸を弄る方が無礼千万なのでは!?」

「ダクネス、今俺は大事な交渉をしてるんだ! このまま砦に入れなくてもいいのか! 聞くところによるとこの中には温泉もある。長旅で疲れた体を休めたいだろう、そうだろう! ……すんません調子のりすぎました、だから頭つかんでアイアンクローの準備万端にしないでください。筋力ステータスお化けの攻撃で勇者の頭がスイカが爆発するみたいなグロにしたくないだだだだああぁぁッッ!!」

 

 

この場にいる全員の助ける気がなさそうな視線を一身に受けながら俺の意識は沈んだ。

 

 

 

****

 

 

 

 

「……知らない天井だ」

「おや、起きましたかクズマ」

「最低……」

「クズマ言うなよめぐみん! それとそんな背筋の底から凍りそうなほど冷たい声はやめてくれゆんゆん! ……あれは不幸な事故だったんだ、俺の高い幸運値は普通なら俺の望んだものを盗むことができるが、女性に対しては時偶不可抗力のパンツを盗むことも……」

「私としてはそこも突っ込みたいところですが、それ以上にせっかく暴れん坊ロードのお供であるスカスケさんの役目をビシッと決めたところでぶち壊してくれるとはどう責任をとってくれるんですか!?」

「いや知らねぇよ、勝手にお前が乗っかってきて爆発に巻き込まれたみたいなもんだろ」

 

 

俺は馬鹿力のせいで未だズキズキする頭を押さえながら立ち上がる。

後ろの方でちょろちょろと動き回りながらガミガミ五月蠅い紅魔族のことは無視して凍りかけた背筋を温めるために風呂に足を進める。

この紅魔族二人を見る限りどうもすでに風呂には入ったらしく髪がシットリと水気を含んでいる。

こんな辺境の風呂は混浴と聞く。

どうせならダクネスやらめぐみんやらの赤裸々な姿を堂々と見てやろうかと企ててたのに皆あがってしまったんだろうな……

そんなことにショックを受けつつ浴場へ足を踏み入れる。

 

……ってあれ、めっちゃ湯気すごくね?

雲の中や冬のホワイトアウトなんじゃないかと錯覚するほど視界が白く1メートル先も見えない。

 

一先ず白濁とした肌に良さそうな温泉のお湯で掛け湯してから足先からポチャンと入り沈む。

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛…………やっぱり日本人として風呂は骨身にしみるぅ!」

「疲れ切った体で温かい湯は極楽だろう」

「ああ、馬車に座りすぎて凝ってた筋肉が解される……」

「そうかそうか」

「……」

「……」

「……あのぉ、ナナシさん?」

「なんじゃ?」

「どうしてここに?」

「湯につかってはならぬと申すか、この助ベェめ」

「いや、そうじゃなくてロリコン疑惑が浮上するんでどっか行ってくれませんか?」

「なんと!?」

 

 

心底驚いた様子のナナシさん。

正直不透明なお湯と湯気のせいで何も見えてないがめぐみんやアイリスより発育してない(と思われる)マジのロリボディに発情するカズマさんではない。

改めてナナシさんの方を見るとションボリしているがここで何か俺がフォローしようものならロリコン認定されかねないので口を閉ざす。

 

 

「……某も成長魔法を開発したり何とかして身長を伸ばそうと毎日乳を飲むなどしてきた。できる限りのことはしたはずなのだ……しかし、このざまだ」

「俺、何も聞いてないんですが……」

「ちょっとした愚痴だ、最近などアイリス殿下に胸のサイズで負けて……ううっ」

「へー」

 

 

なぜか今日は感情豊かなナナシさん。

いつも何事にも動じず飄々としているのじゃロリババアなのに意外な一面だ。

まさか身長とか胸とかにコンプレックス抱いてるとか、まさか偽物じゃ!?

 

 

「まあ嘘だが」

「……割と本音だったろ」

「さて、そんなことは置いておいて、皆が出て行ったのにも関わらず長湯していたのは汝を待っとったからだ、勇者サトウカズマ」

「じゃあ何か嫌な予感がするんで俺上がっておきますね。それにこんなところで話してたら逆上せるだろうし湯船で話を聞くのはやめておきます」

「まま、そう言わず向こうに巨乳の美人さんもおる」

「話を聞きましょう」

 

 

何か真剣な様子のナナシさんだったので俺は目をかっぴらいてナナシさんの指先を見る。

……別に周囲の音に耳を澄ませ巨乳を拝みたいなとかはほとんど思っていない。

千里眼スキルと潜伏スキル、それからウインドブレスを駆使して見晴らしをよくするとそこに見えてきた人影は明らかにでっかいウォーターメロンを胸に二つ抱えていた。

 

俺はあくまでさりげなく、紳士的にその影に吸い寄せられるように近づいていくと……

湯気が晴れ、胸が浮いているのに肝心なところが不自然にも光で隠されてた影の人物がいた。

 

 

「……あら、使徒ちゃんにアルカンレティアでご一緒した坊やじゃない。覚えてるかしら、私、あそこの温泉で一緒になった……」

「お前を殺す!」

「一体どういうことなの!?」

 

 

 

 

****

 

 

 

 

「いやぁ、すみませんお姉さん、せっかく絶景見られると思ったら湯気と謎の光で殺気立ってしまって……俺が悪かったんですがそんなに怯えないでくださいよ」

「いや、ほぼ初対面の人にいきなり殺人予告されたらだれだってこうなるでしょう!?」

「すみませんほんと。でもその光何なんだ? 流石に怪しさ満載なんだが……」

「ああ、この光はライトオブリフレクションの応用魔法で使徒ちゃn……ナナシさんが開発してくれたのよ」

「うむ、この謎の光は邪な心を持つ覗きの輩の目をバルスる効果を持つが、一般人としては謎の目に優しい発光線にすぎない、安心するといい」

「お前を殺す! 全世界から目の保養を消し去るというなら俺は無謀とも言える戦いをも辞さない! 覚悟しろよ!」

「望むところだ、向かってくるがいい」

「……ナナシさん、そこはお姉さんみたいに怖がるところだし戦闘狂なのは知ってるけど流石に節操持ってくれ、立ち上がったらいろいろ丸見えだろ……って濃い霧が不自然に!?」

「水の女神の常套手段じゃ、なかなか便利だろう?」

 

 

ほんと、この人は何なの!?

人をあげて落とすとか性格悪いぞ!

……いや、温泉を覗き見しようとしてた俺がどうこう言えないけども!

 

 

「そう言えばこんな辺境にお二人さんはどうしてきたのかしら、お世辞にも強そうには見えないけれど」

「俺は別に来たくなかったんだけどな、ナナシさんに無理矢理……」

「そう……あなたも苦労してるのね」

「あなたもって……もしかしてお姉さんも? というかナナシさんとはどのようなご関係で?」

「うーん、言っても信じてもらえないような素っ頓狂な……あー、簡単に言えば上司と部下なんだけどその垣根を越えたような関係っていうか」

「つまり神と巫女、聖女の関係じゃな」

「へー……アクアとエリス様以外にもメッセンジャーしてんだお前」

「どういうことなの!? 私以外にも神仕えしてるってことは知っていたけれどまさかの主神とサブの女神ってどういうことなの!? それとどうしてあなたはこんな頭がおかしい内容を一瞬にして受け入れているの!?」

「ナナシさんだからなぁ……」

「本当にどういうことなの!?」

 

 

それだけナナシさんのせいで苦労してきたってことだ。

同じ苦労かけられたもの同士みたいだし仲良くやりたいもんだよ。

俺の仲間にはナナシさん大好き人間のせいで常識が狂わされてるから、今度パーティーメンバーに常識とは何なのかしっかり教えてほしい。

 

 

「まだ神は三柱しか仕えておらんから安心しなさいな」

「いやいや、私は信者が人族に少ない過ぎるから聖女兼任ゆるしたけれど、普通それ浮気みたいなものだからね!?」

「来年あたりにもう一柱くらい増やす予定故、仲間が増えることを喜ぶといい」

「冗談よね? ……まさか冗談じゃないの!?」

「それもこれも邪神としてのレッテルを払拭するためにだ」

「そ、そういえばそうよね! 使徒ちゃんは私のためになんとかしてくれるって契約の時に言っていたし信用してるのだけど時々私より強いから反逆しないか不安になるのだけど……」

 

 

なんかこの人たち、俺がいる前で全裸でオーバーリアクションするからシルエットしか見えないけどいろいろごちそうさまです!

立ち上がった勢いででっかいスライムが揺れ動くのを追うのに精一杯になって正常な思考ができてない気がするがそれは仕方ないことだ。

なんか一瞬魔王軍幹部が自称していた邪神とかなんとか聞こえたり、ナナシがそれより強いだとかいろいろ聞こえた気がするけれど、俺は頭に血が足りずブラックアウト。

 

この後、殺人現場のごとく血まみれで発見された俺はこのときの出来事を深く心に刻みつつも何があったのかは全部魔王軍幹部のせいにしてやった、というか周りの人がそう勘違いした。

 

決して俺の鼻血ではない。

だから全裸の状態で勇者を襲いに来た卑劣な魔王軍幹部と俺の死闘で命からがら生き残ったという噂が瞬く間に砦中に広がったのは俺のせいじゃない。




何故か文章の半分がお風呂中の会話に(行き当たりばったりで書くとこうなります)

次回かもしれない
王都を魔改造した主人公ちゃんの暴走は止まるところを知らなかった。
王都で満足することなどできず、ついには砦のいろいろな設備や機能を大幅アップデート。
それを見学したいご一行を連れて向かう先とは……
いよいよデンドロメイデンが動き出すか!?

此、最重要選択為る事心得よ。汝、運命之選択、努々誤る事無き事願い給う。

  • 怠惰暴虐之女神生存
  • 怠惰暴虐之女神死亡
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