ば・く・れ・つ・散・歩♪ in 戦線基地
ついでに主人公ちゃんの動向がよくわからないけど、とりあえず魔王軍の味方をしている可能性が浮上中。
<ゆんゆん>
「うそ、嘘ですよねカズマ? 師匠が魔王軍に寝返ったとか根も葉もないことは言わないでください!」
「いいや、根拠はある。お前の爆裂魔法を食らって傷一つないなんてアイツ以外にできる所業か?」
「ま、魔王城の結界だって同じようなものです! きっとその原理を用いてるのでしょう!」
「その魔王城からエネルギーを引っ張ってきてるとか言ってなかったかナナシさん」
「で、ですが師匠は!」
めぐみん……
そうだよね、いっつも不貞不貞しい貴女でも自分が一番尊敬してる人に裏切られたらショックも受けるわよね。
こんな時、普通の友達ならどうするのかな。
そんなこと思っていると。
「あの悪名高きアクシズ教の聖女にして魔王の頭を下げさせる師匠ですよ! あの人なら魔王軍に寝返るなんてあり得ません! 強いて言えば魔王と共謀して世界の半分を手に入れて駒として動かすチェスごっこするくらいでしょう」
「誰だよその邪悪な黒幕は」
「うん、心配した私が馬鹿だったわ。というか先生に対する謎の信頼はなんなの? それにチェスごっこは魔王より邪悪な企みじゃない見かけたならとめてよね!」
「もののたとえですよ」
この頭爆裂魔法でいっぱいになっちゃったせいで言動がおかしくなっちゃったの!?
もし、万が一叩いたら直るっていうのなら私は友達を救うために心を傷つける覚悟があるんだけど!
カズマさんだって馬鹿でかわいそうなアホの子を見てるような眼差しでめぐみんのことを見てるし……
ほんと、私のライバルがすみません……
そんな感じで深々とカズマさんに頭を下げてると突如けたたましく鳴り響く警報が。
『――魔王軍緊急警報――魔王軍緊急警報――魔王軍に動きあり! 冒険者各位は所定の位置へ移動を開始せよ。繰り返す――』
突然の警報にカズマさんたちは驚きすぎたのかフリーズガストでも受けたかのように固まって、数秒してアクアさんが声をゆっくりと出す。
「めぐみんめぐみん」
「めぐみんです」
「これって私のせいじゃないわよね?」
「……」
「強いて言うなら魔王軍の砦までの移動で潜伏スキル使って一番活躍してたカズマのせいだと思うの」
「おいコラくそビッチ女神! 何勝手に全責任を俺に押しつけようとしてくれてんの!?」
「だから今回支援魔法も何も使ってない私は無罪放免でお勤め頑張ってきてねって言う立場だと思うのだけど……」
「アクア……私は言いましたよね? 仲間じゃないですか、そういう水くさいことはなしで連帯責任ですよ」ニコッ
「いやああぁぁああ! だから私は危険な場所に行きたくないって言ったのよぉぉおお! せっかく爆裂魔法使っためぐみんのこと庇ってあげたのにこうなったら全部めぐみんとカズマのせいなんだから!」
「アクアも何だかんだ言ってさっきまで神を騙る不届き者に鉄槌をとか言ってましたよね!? 私とカズマは割と爆裂魔法を放てるのならどこだってよかったのです! なのにアクアが砦に撃ちなさいとか言ったので」
「ああああああああ聞こえなああああいい!!」
アクアさんが耳を指で塞いで聞こえないふりしてる。
いや、たしかにアクアさんのせいもあるけど最たる原因はめぐみんが爆裂魔法撃っちゃったせいだよね?
ってアレ?
耳を澄ませてみるとカズマさんとアクアさんとめぐみんの口論以外に聞こえてくるのは兵士さんと冒険者さんの普段と同じ日常的な声しか聞こえない。
これはどういうことなんだろう……
そんなこと思いつつめぐみんたちの諍いを見てると向こうから走ってくるダクネスさんが。
「オイ何の騒ぎかと思ったらどうした貴様ら! 周りの兵士の迷惑になってるぞ! 落ち着け!」
「だ、ダクネス! 逆にこの状況でどうして落ち着けるって!? 魔王軍が襲撃してくるんだぞ!」
「だから落ち着けと言っている! こんなことここでは日常茶飯事だ」
「……今なんて? 俺たちのせいじゃなくて?」
<めぐみん>
ダクネスがカズマを引っ張ってどこかに行ってしまった。
きっと自室に連れ込んで嫌らしくもカズマのことを誘惑して自白させる算段でしょうが、今のカズマは私の魅力に虜のはずなのでそうそう簡単にいかないことでしょう!
カズマには少々辛い目に遭ってもらうことになりますが致し方ない犠牲というやつです。
「ね、ねえめぐみん? カズマさんのこと助けにいかなくていいの? 私はめぐみんに一番重い責任があると思うんだけど……」
「……あれがパーティーリーダーになったからには逃れられない定めです。それに少し厳しめのお説教ですむので帰ってきたら感謝の言葉を伝えておきましょう……なむ」
「そうね、カズマは私たちのための儚い犠牲となった……カズマ、あなたの雄姿は忘れたら忘れるわ」
「い、いや、二人が口をそろえてカズマさんが主犯って言わなければこうはなりませんでしたよね!?」
「まあまあそう言わず、犠牲者は少ない方がいいのですよ?」
「めぐみんってばいいこと言うわね! さすが知力が高いと言われてる紅魔族ね! 冷徹な判断だわ!」
「実際に知力ステータスは高いのですよ? それに私は紅魔の学園を首席で卒業した随一の天才ですし、そこにいるのも青春を勉強に捧げて次席での卒業を決めた
「べ、別に青春を勉強になんか捧げてないわよ! ただ友達ができなかっただけで……」
やはりかわいそうなぼっち。
ロックにバンドでも始めてたら文化祭で活躍できて違ったのかもしれませんが現実は非情ですね。
そうこうしてるうちにアクアは「秘蔵の高級シュワシュワを温泉につかりながらキューってしにいくの! じゃあまた後でねー! ふんふふふん♪」っとスキップしてどこかに行ってしまったので今この場にいるのは私とゆんゆんだけ。
これからどうしましょうか、アクアについて行ってシュワシュワを強請るのもいいかもしれないと思っているとどこかで誰かがエクスプロージョンしたのか、ドーンっと地響きと僅かに建物の揺れを感じる。
「……ねえめぐみん、やっぱりダクネスさんのところに行ってごめんなさいしない? 私も一緒に謝ってあげるから」
「なーに言ってるのですか! この程度、爆発魔法級で心の芯に恥じらいを感じるので恐るるに足りません! まあカズマ自作のダイナマイトとか言う使い切り偽物爆裂魔法よりかは威力があるのは認めてあげましょう」
ドーン……
「確かにめぐみんよりは威力はないかもしれないけど! 魔王軍幹部の爆裂魔法だったらどうするの! そもそも爆裂魔法って極めなくても既にオーバーキルする凶悪な超燃費悪い魔法なのよ!?」
「ですがここは師匠の防御結界のおかげで安全でしょう? 何を怯えているのです?」
ドーン……ドーン……
「いやだって……連射してるし」
「きっとカズマのダイナマイトですよ。冒険者の皆さんが一斉に使っているだけです! ええ、そうですそうですともそうに違いありません!」
ドドンガドンドンドンドドドドーン……
「ねえ、カズマさんの爆弾ってこんなに破壊力ある代物だったのね。しかも量産してるの?」
「いかにも! 師匠と弟弟子の合作ですよ、そこら辺のちゃちな魔道具なんかの威力とは比べものになりません!」
どどんこどかっどんかっかどんとっとどどどどど……
「ねえめぐみん、ダクネスさんがすごい勢いでこっちに走ってくるけど」
「クッ、カズマめ、ダクネスの尋問に即座に屈してしまうとは情けない。だが奴は四天王の中でも最弱、次の相手はゆんゆんですよ!」
「ねええ何言ってるの!? 私はテレポートしただけで主犯はめぐみんじゃない!」
「一緒に死ぬ覚悟なのでしょう? なら先にいってっください!」
「嫌よ!! だってめぐみんはどさくさに紛れて『クッ、私では、私一人では何もできなかった……。この犠牲を無駄にしないためにも私はこの過酷な世界を生き抜かなくてはならないのです!』とか言うつもりでしょ!」
「ゆんゆん…………正解です」
「正解したわーいやったー……じゃないのよ!」
全くもってこの子は騒がしい子ですね。
ダクネスがこれがいつも通りだって言っているのならその通りなのでしょう?
ゆんゆんが騒がしくしてたせいで注意に来たんですよ。
「めぐみん! ゆんゆん! 前言撤回だ、まずいことになったぞ!」
「おや、何がまずいのですか?」
「どこからかわからんが魔王軍が侵入してきている! 私が足止めしておく、二人はくたばってるカズマを引きずって外に避難を!」
「は、はい!」
……もしかしたら私は今すぐ全力で謝罪するべきなのかもしれません。
****
魔法使いである私たちは近距離での戦闘には向いていません。
いくら紅魔の里で授業の一環で体術を習っていたとはいえ、アークウィザードという職業柄、近接戦闘職の冒険者には劣るのです。
ゆんゆんの中級魔法で行く手を遮る魔物どもを蹴散らして外に脱出する。
私の魔法は切り札なのでまだ使いません、一番おいしいところを一発ドカーンです!
そんな感じで何とか外へ脱出完了!
帽子の中にいるちょむすけがやたら動きたがるのが不可解ですが私たちの避難経路は敵が少なかったおかげで一番乗りで外に到着です!
ほかの冒険者たちは苦戦こそしていないようですが数を捌くのに多少時間がかかっているようですね。
外から建物の窓の隙間から見える光景を見て一先ず被害は少なそうだと一息つこうとしたところにカズマとアクアが走ってきた。
……大量のアンデッドを引き連れて。
「ねええかじゅまざあああん!! どうして私のターンアンデッドが効かないのよ!」
「ベルディアの時と同じだろ! 俺のそばに近寄るなああッッ!! お前に引き寄せられてるんだから無関係な俺を巻き込むなよ!」
「だってだって! 何かお風呂入ってったら外が騒がしくって慌てて着替えてたら彼奴らが私のシュワシュワ全部ひっくり返してくれたのよ! 何とか私の子たちの敵をとってよおお!」
「シュワシュワを自分の子供扱いすんじゃねぇ!」
「……えっと、ラ『ライトオブセイバー』!」
流石我が下僕のゆんゆんです。
露払いはお手の物ですね。
……しかしあのアンデッドたちにアクア魔法が効かないのは魔王の加護か何かなのでしょうか。
アンデッドの体から煙が出ているので効いていないと言うわけではないのでしょうが、いささか耐性が強すぎですね。
しかしこの程度の群では個としての実力者を打ち倒せませんよ?
相手もそのことをわかって攻撃しているのなら……
「嵐が……来る……ッッ!!」
「ちょ、めぐみん!? 何フラグ立ててるの!? そういう変なこというと……」
「ど、どういう事なの? 転移魔法発動したら目の前に久しぶりの顔とそうでもない顔が……ここで待ち伏せしてたってことは私の計画は筒抜けだったのかしら?」
「ほらやっぱりめぐみんのせいで! 意味深なこと言ってる誰かがきちゃったじゃないのよ!」
「だってそういう流れだったでしょう!? 紅魔族であるのならフラグはバシバシ使っていかないと! ちょ、私の頭を揺すらないでください! 吐きますよ! このまま揺さぶるっていうのなら私の数少ない爆裂魔法以外の特技である『わざとえずいて酸を吐き出す攻撃』をお見舞いすることになりますよ!」
「……どういう事かしら? もしかして私はご用じゃない?」
遠慮がちな声とともに後ずさりするそのローブで顔を隠した魔王軍の偉そうなポジの人(仮)。
そのフードの中にあったのは金色の猫のような目と赤い髪。
……私の探し人だ。
ようやく会えた感動のせいで呆然と力なく立つことしかできない私に代わってカズマが何か話しかけている。
「あ、あのぅお姉さんは、その、魔王軍幹部の……」
「ええ、私はウォルバク。魔王軍幹部の一人にして、怠惰と暴虐を司る女神よ」
「……俺、あんたとは戦いたくないんだが、巨乳だし美人さんだしついでに爆裂魔法使うみたいだし」
「な、なんで戦いたくない理由が私の容姿中心なの!? もっと畏怖してくれてもいいのに!?」
「ふっ……ダメダメね、この女神を騙る不届きな邪神ちゃん。いい? 信仰されたいって言うんだったらね、しっかりメリハリつけないといけないのよ! 女神モードの時はそれらしく、オフの時はだらけきって感じで……」
「どういう事なの!? いきなり女神を語る罰当たりな破戒僧にメンチ切られてるんだけれど……」
「これだから邪神は! 私がアクシズ教の御神体にして水を司る女神アクアその人だって見抜けないんだから」
「……いくら何でもアクシズ教の神様は評判よくないと聞くし止めておいた方が身のためよ? 頭のおかしい人だって思われるまえに気をつけてね?」
「何よマイナー女神のくせに」ボソ
急に静かになりました。
青筋を浮かべる両者に今、開始のコングがならされる!
「ドロップキーーックっ!!」
「うぎゃーっ!?」
「一体どういうことなの!?」
「……カズマ、念のため聞いておきますがどうしてアクアを蹴ったのですか?」
「いや、だってこいつ、俺をアンデッドの大行進に巻き込みやがってムカつくんだもん。反省も後悔もしていない!」
「で、本当は?」
「魔王軍幹部とはいえ優しいお姉さんの味方なんだ俺は!」
本当にこの男は欲望に忠実ですね……
とりあえず私は唖然となっているお姉さんにこっちへ来てくださいと手招きをした。
なかなか書きたいところには入れない作者の次回予告
たぶんそろそろウォルバク様との戦いが始まる。
しかし今日この日は一日一爆裂した後なので撃てません……
ということで一体どんな展開になるのやら(未定)
此、最重要選択為る事心得よ。汝、運命之選択、努々誤る事無き事願い給う。
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怠惰暴虐之女神生存
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怠惰暴虐之女神死亡