私の中二心を『エクスプロージョン』ッッ!!   作:桃玉

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前回のあらすじ

めぐみんのレールガン(自力)の圧倒的物量を何とか裁ききるもボロボロ状態の主人公ちゃん。
後ちょっとで全て凌ぎきれると思ったら後方から水の女神による封印術式が。
避けられずに直撃したが一体運命は!?


封印されても何食わぬ顔で暴れてみた

<めぐみん>

 

「カズマの秘策、アクアの魔法が決まったようですね……」

 

 

私は一人、遠くから師匠の様子を見る。

シルビアが使った魔術師殺しですら防御不可能だったレールガンを再現した今の我が爆裂魔法。

凝縮された一撃は波の防御は貫通し、標的に当たった瞬間激しく爆ぜる。

それを一秒に何十発、数分にわたり隙間なく撃ち込んだというのにも関わらず、師匠はそれを避けることなく、体中にその痕を残しながらも確かに立っていた。

 

 

「一体どういう仕組みなのでしょう……エネルギーを別空間に移動させたのでしょうか……それとも魔力を重ね圧縮したことによる防御でしょうか。いずれにしろ流石は私の師匠ですね」

 

 

しかし、そんな師匠もアクアのよくわからない光を浴びて困惑している様子。

弱体化させる魔法なのでしょうが魔力量に変わりはなく見えます。

……いえ、多少隠蔽されていた魔力が揺らぎを見せてはいますが、それ以外は何も異常らしい異常は見当たらないのです。

そんなことをしているといつの間にデンドロメイデンから降りていたのかゆんゆんとちょっとグロッキーなアクアがこっちに来る。

 

 

「おや、もうロボの操縦は終わりなのですか? それとも私に交代してくれるということです?」

「違うわよ! さっきまでいた巨大な二匹がいなくなっちゃったし、魔力残量が残り数パーセントって警告されたから出てきたのよ! アクアさんの任務も終わったし私はアクアさんを護衛しないとだから……」

「そんなゆんゆんに質問なのですがどうしてアクアは気持ち悪そうな様子なんですか? まさかシュワシュワの飲み過ぎで?」

「え、ええっと、何か乗り物酔い、的な?」

「うぷ……よくあんな高低差激しく縦横無尽に動けるわね。私は運転が荒いゆんゆんが操縦する乗り物には二度と乗らないと誓うわ。……ところで私にもその魔力ちょっと分けてくれないかしら? 気持ち悪さの原因って魔力不足もあると思うのよね」

 

 

あれほどの範囲に攻撃を仕掛けるなんて人一人の魔力でなせる技じゃありませんしそれはそうでしょう。

そもそもあのロボは神経拡張して操縦することを基本としているので、その過程で体感を同調させるためパイロットは平気かもですが、同乗者は……

まあ、今にも口から花鳥風月しかけているアクアを見れば説明不要ですが。

 

 

「ところでアクアの魔法はうまくいったのですか? その様子で術式を間違えたり、はたまた狙いを外したりはしてませんよね」

「あったりまえよ! のじゃロリちゃんの転生特典はすっかり封印済みよ!」

「……ゆんゆん、どう思いますか」

「あ、アクアさんの言葉に嘘はないと思うんだけど、その、全然弱くなってないわよね? むしろ魔力量増えてないかしら?」

「それは隠蔽が解除されたからそう見えるだけでしょう。しかし、一体どこが弱体化したというのでしょう。今、ダクネスが吹き飛ばされましたよ!?」

 

 

というかさっきまでひどくボロボロの状態だったじゃないですかダクネス!

なのにどうしていつの間に完全復活して嬉々として攻撃を受けに行っているのです!?

それと私の爆裂魔法の巻き添えになってしまうので離れてくれないと!

 

 

「ゆんゆん! カズマのところに行ってください! 爆裂魔法があと数十発放つ用意をしておきます。冒険者を巻き込みたくなかったらお願いします」

「わ、わかったわ!」

 

 

 

 

<主人公ちゃん>

 

どうやら転生特典を封印された系ですね。

なぜわかったかって?

簡単なことだよワトソン君、私が常に抑えている魔力が普段通りに抑えきれずに1.5~2倍多く見えるようになっているからですよ。

 

いやー、一応基礎力の底上げするために自分の魔力操作力も鍛えてはいたけれど、流石にまだまだ完璧に抑えるのにはほど遠いですね。

やはり神からの贈り物転生特典様々なのです!

 

まあ、そう言うわけでいつもより魔力の扱いが大雑把になり持久力が低下しております、私ことナナーシャです。

まあ精密操作があまりできないということは手加減がしづらいということで、絶賛苦しめられ中です。

魔法を使えば軽く冒険者の息の根を刈り取り、魔法を使わなければジリ貧なので……

 

 

「ぐああああっ!」

「ま、マツラギー!」

「つまらん、つまらんぞ。たかがウインドブレスごときで吹き飛ばされるとは……」

「な、なんだって!? あの威力……中級、いや、上級魔法のトルネードに迫る勢いだったのに!」

「ほれ、次はインフェルノの代わりのティンダーだ」

 

 

……はい。

「これはメラゾーマじゃない、メラだ」ごっこをしているのです。

まあ魔法耐性がない人は大体ワンパンなんで使い勝手がいいですよねっことで。

ちなみに、私は魔王じゃないので世界にけんかを売るくらいはするかもしれませんが、知らない善人の命を弄び散らすのは趣味じゃない、悪になるとしても芯のあるかっこいい悪のカリスマを目指しているので、そこんとこよろしくですっ!

 

 

「ほらほら私の魔獣から奪い取った魔力で凍え、そして燃え尽きよ! フリーズ! ティンダー!」

「うにゅううぅぅうう……! きょ、強烈な一撃だが、私を初級魔法程度で止められると思うなもっと強いのを頼む///」

「ライトニング、バインドそしてパラライズ!」

「びやぁぁああぁああ!? 未知の快感がぁぁああ!」

 

 

ダクネスさん、せっかくの私の見せ場を台無しにしちゃめっ、ですよ!

しばらく反省してそこに寝転がっているといいんです!

……っておや?

周囲に人がいませんね。

 

さっきまで虫のように私の方に集ってたのに一体どうして……。

……ま、わかってたんですけどね、こう言うことになるってことは。

めぐみんにウォルバクさんが私のことを狙ってるから離れたんでしょう?

 

 

「……そろそろ潮時でしょうか。そうは思いませんか、サトウカズマくん」

「攻撃……しないんだな」

「これでも悪の美学を貫くラブリーチャーミーな敵役を演じているのです、ダクネスさんを助けに来ただけで攻撃の意思がないものに危害は加えませんよ」

「今演じてるっていったか?」

「言ってないです。さあ、そろそろ爆裂魔法が飛んでくるのでしょう? 私はもう少し遊ぶとしましょう」

 

 

カズマくんが慌てた様子でダクネスを運んでいく。

……さて、魔力の総量は二人合わせた分と同じくらい。

そして魔力タンクが尽きたときにどれだけ私の魔力が残っているかが勝負の肝となるでしょう。

この戦いに勝ったらきっとこの世界の半分をくれてやるって言えるような存在になるんだ!

そして邪神ちゃんを隣に侍らせてめぐみんとこめっこに賞賛されながら今度は学園都市でも造ろうかな!

 

頭の中で盛大に負けフラグを建設しつつ回復魔法で傷を癒やし、そろそろ飛んでくる頃合いであろう爆裂魔法の嵐に備える。

 

 

そして、最後の嵐が来た。

 

 

たった十数秒、されど長く感じる。

封印の影響か魔王城やデストロイヤーに使われているような複雑に折り重なった強固な結界は難しい。

それでも何とか魔力でごり押し、ボロぞうきんのようになった皮膚を回復させながら、演算で導き出された最後の一発が打ち終わると同時に私の方への魔力供給も終わる。

 

私の魔力はほぼ満タン

……めぐみんとウォルバクさんの魔力も同じように満タン。

二人の魔力総量は神の領域に人の身で片足を踏み入れ、信者からの信仰心により増強された私よりも少ない。

 

そして二人が私に与えられる最大の攻撃手段は爆裂魔法。

それを二発凌げば私の勝ちだ!

 

 

そう思いながら一発、二発と撃ち込まれた魔法を避け……

三発、四発と撃ち込まれた魔法を感じ、一本とられたな、と静かに目を閉じた。

 




次回

決死の作戦を打って出ためぐみん。
自分の師が消えてしまう悲しみを覚悟し、撃ち放つエクスプロージョン

現在第九巻。最終巻第十七巻。最終確認。

  • 最終巻までみたい
  • ここらで締めてもいい
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