私の中二心を『エクスプロージョン』ッッ!!   作:桃玉

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前回のあらすじィ!

アイリスが三人いるという摩訶不思議な空間。
その正体は一人は本物のアイリス、一人は魔王軍の諜報員であるドッペルゲンガー、ラグクウラフト、一人はアイリスの影武者兼盗賊団の頭主人公ちゃん。
この状況をいち早く理解したカズマはにっくき魔王の配下にドロップキックをかましたのだ!!


国の将来が不安なので宰相になってみた

<カズマ>

 

「かっかかカズマっ!」

「カズマだ」

「なんということを! 何という悪行をしてしまったのだ! まさかアイリス様を蹴り飛ばすなどという暴挙」

「そんなこと言うんだったら王子様の方はいいのか? まとめて蹴っちまったけど」

「そっちはどうでもいい!」

「えっ!?」

 

 

かわいそうなレヴィ王子……

ダクネスにどうでもいいって言われたせいで目をあんなにまん丸にして、心なしか落ち込んでるように見えるぞ?

そんなこと思っているとアイリス(ナナシさん)が。

 

 

「よし、ラグクラフトとかいう邪魔者は退場なさいましたね」

「じゃ、邪魔者!? 私のことを邪魔者と言いましたか!?」

「だって君、弱いもん」

「よ、弱い!?」

「はい、私の一撃で絶命してしまうほどには。私と同じアイリスという名前を名乗りたいのであれば礼儀だけではなく最低限の武力もおつけくださいね? というか墓穴を掘って正体をバラすとか、成り代わりになれてないのでしょうか?」

 

 

やめたげてナナシさん!

正論で殴られて宰相さんのライフはもうゼロよ!

マジほんと、呆気なく正体ばれちゃって涙目になっちゃってるから。

 

 

「そ、その、カズマ?」

「どうしたんだいダクネス?」

「あの今にも死にそうな見た目をしているか弱いアイリス様が偽物なのはわかったが、残る二人のうち、本物は……」

「ら、ララティーナ! 私が本物です! 本物に勝る偽物などいないのです、私の方が偽物より強いというところを見せてあげましょう!」

「いいえ、騙されないでください! 本物は私ですよ! 私が偽物に打ち勝つ瞬間、見届けてください!」

 

 

あっ、ダクネスが倒れた。

お堅い頭でどっちの味方をすればいいのか考えてオーバーフローして頭から煙出しやがった!

……まあしょうがないか、俺だって一瞬目を離したらどっちがどっちかわかんなくなってしまいそうなくらい似ているし、ナナシが本気でアイリスに寄せに行ったらそれこそ影武者やってるだけあって見分けがつかねぇ。

そんなことをしているとめぐみんが申し訳なさそうな声で。

 

 

「あ、あのぅ、カズマ?」

「おう、どうした?」

「そろそろ爆裂します」

「…………は?」

「ダクネスに担がれながらエクスプロージョンの詠唱をして、今はもう詠唱が完了してまして……もうそろそろ我慢の限界です」

「漏らすなよ! 漏らしたらゆんゆんにお前のライバルがお城でお漏らししたとか言ってやる! 俺が担いで外まで運ぶからそれまで我慢しろ!」

「む、無理ですよ! 今の私は奇跡の元絶妙なバランスで制御しているのです!

ちょっとした振動が加わればボンッします!」

「ひ、避難だぁぁあああっ!!」

 

 

 

 

****

 

 

 

 

今回の結果から言おう。

借金です。

しかも妹から借金です。

まあアクセルに戻ったら全額返せるだけの金額はあると思うが。

 

爆裂魔法で城を破壊した結果大損害だよこんちくしょう!

幸いにも爆裂魔法の巻き添えになったのは宰相というかドッペルゲンガーだけだった。

俺たちがその魔王軍の諜報員を討伐したことで国の乗っ取りは阻止でき、そいつの討伐報酬を受け取ったんだが……

わかるだろ?

俺の資産ほとんどなくなったんだが!?

 

 

「じょ、助手君……その、今回はご愁傷様?」

「クリスゥ! 俺と一緒にギャンブルで勝ちまくってくれないか! この国で生んだマイナスをとりあえずプラスにしてから帰りたいんだが!」

「あー……昨日の爆裂魔法のせいでカジノ休業してるところばっかりなんだよ。け、けど大丈夫だよ! なんかナナシさんが新宰相に就任したって聞いてるし、きっと一ヶ月もしないうちに城も直すし黒字にするだろうし……」

「……俺、一週間後ベルゼルグ王国に帰還予定なんですけど」

「とりあえず、ほら、これ。昨日の金庫の中に入ってたやつの半分! こ、この指輪とか結構いい値段するんじゃないかな! ほらきっとこれからいいことあるって!」

「……もう一声」

「も、もう一声!? そ、そうだなぁ……最近向こうの金鉱山に住み着いたドラゴンがいて、それを倒せば富も名声も思うがままだよ! 爆裂魔法で倒せると思うしめぐみんと一緒にいって討伐すれば……」

「そいつ、多分だけど、すでにナナシさんに討伐されてる」

「いやいやいや、そうじゃなくて! 昨日エンシェントドラゴン来たんだって!」

「……詳しく」

「ドラゴンはキラキラしたものに目がないでしょ? 金鉱山の輝きによく引き寄せられるって話だよ。今、ナナシさんは激務を全う中だからまだ倒されてないはずだしいくだけ行ってみたら?」

「行くだけねぇ……そうしてみようかな」

「うんうん! 女神エリス様のご加護がありますようにって祈っておいたげるよ! それじゃ!」

 

 

有益な情報をくれたクリスが颯爽と走り去っていく。

ありがとうエリス様、俺、頑張ります!

 

 

 

 

 

 

<主人公ちゃん>

 

めぐみんを抱えて爆裂と同時に救出した某ことナナシです!

アイリスちゃんにもめぐみんにも気づかれないままなんとか今回の騒動を終わらせることに修了しました。

……別に乱闘にならなかったことが残念とは一切決して思っていませんよ?

そんなこと思っていると私のお願いをこなしてきたクリスが帰ってきました。

 

 

「えっと……これでよかったのかな、ナナシさん?」

「うむ、完璧である。わざわざお使い、ありがとうございますエリス様」

「まったく、私を女神だって知りつつもこき使う人なんてナナシさんくらいなんだからね! ……まあ友人の頼みだし楽しかったしいいんだけどね!」

「それならよかった」

「……」

「どうした?」

「いやぁ、何というか宰相になったんだよね? なのにどうしてアクアさんと一緒に土木作業してるのかと……」

「地道に基礎から積み重ねることが近道だ。城がなければ政も何もできぬからのう」

 

 

エリスさんが私と一緒に城の復興を頑張っているアクアを見つめる。

いやね、めぐみんが爆裂しちゃったから城が壊れちゃったでしょ?

私が全部やってもいいんだけど、少しでも借金減らせたらいいなって思ってアクアちゃんを雇ってみたっていうのが経緯です。

まあ、私とアクアちゃんのタッグは最強土木工事アクシズ教なんで、無駄に芸術性の高い建築技術とか、元の城より低コスト高性能な城を建てられそう。

カズマ君の借金は半分くらい減るかなーなんて。

 

それとドラゴンの件。

バタフライエフェクトか、私がウォルバクさんを助けたせいかもわからないけど、最初に私が倒したのは結構苦戦したヤバめの古龍。

久しぶりに魔法から何までフルで使って数分かかる強敵でした……

私を追い詰めかけた固定砲台めぐみんの一撃なら一発でしょうけど、支援ありのアイリスちゃんでギリギリ勝てるかな、くらいでした。

 

とにかく、ソイツはおいしくいただき、残った分はお金と我が魔道具店の糧に。

おかげでほくほくです!

それで、その後に古龍の代わりに原作と同じくらいの強さの金色のドラゴンをしっかり誘導して連れてきたんで、これで借金チャラになるんじゃないですかねーなんて。

 

 

「随分カズマ君たちのアフターサービスが手厚いねぇ、もしかして何か企んでる?」

「企んでるとは失礼な」

「この前一人で勝手に大事起こした人の台詞じゃないね!?」

「まあまあ。企んでるとは言いがたいが……これでも申し訳なさとか、そういうものを1ミリは持っている。というわけでちょっとしたサプライズみたいな?」

「喜びっていうより恐ろしくて驚きそうなんだけど!? 気軽にプレゼントどうぞって言うテンションでドラゴンの成体をあげるのははっきり言って頭おかしいよ!」

「そうか?」

「そうだよ!」

「紅魔族の風習ではそういう魔にまつわるものを誕生日に与えるという風習もあるそうだが、そんなにおかしいだろうか?」

「紅魔族はおかしいからナナシさんもおかしいよ! もしかして結構な年月紅魔族の人と一緒に過ごしてきたから感性というか強さの指標というか、いろいろ基準が破壊されてるんじゃ!? そのうちブラックホールに対抗するために胃袋にブラックホール形成して対抗しそう」

 

 

何それ怖い!

私、一応自分の強さが結構なものだってことは理解してるし、ハチャメチャ具合も理解してるはずなだけど流石に胃袋をブラックホールにする予定はないよ!

……今のところは。

核を克服するためには核になればいいの理論でブラックホールはしないよ流石に!

 

 




次回

ベルゼルグ王国に帰る前に借金をなんとかしないと!
そう思ってドラゴンを討伐しに爆裂散歩!
借金の原因であるめぐみんを生け贄にエクスプロージョン(メガンテ)!
即死を狙ってガンガンいこうぜ!
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