チヨの幼馴染Tになれるなら、オワタ式ファイナルなんてなんぼのもんじゃい!   作:ansin

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「さて、次は皐月賞か…ここからが本番だけど…」

 これから始まるクラシック期、史実通りであるならば次はヤエノムテキとの対決だ。だが、こちらのリベンジと言わんばかりにリギルから誰か刺客を送ってくるだろう。それに…

この子(・・・)がクラシック登録していなかったのが、救いかもしれんな」

 この時点で更に強敵になる葦毛の怪物(オグリキャップ)含む、平成三強がライバルとして立ちはだかってくる事を。


皐月賞がなんぼのもんじゃい!

 皆さんこんにちは、サクラチヨノオーです。

 ジュニア期からいきなりG1勝利したことに、クラスでは最早人気者といえるほど私の周りに人が集まり始めました。どんなトレーニングしているのかとか色々聞かされる羽目になりました。

 

 正月、春休みを過ぎて…トレセン学園で新学期が始まろうとしているタイミングで、自分のクラスに新入生がやってきました。

 

 地方からウマ娘が――オグリキャップさんが移籍してきたのです。

 

 この情報にトレーナーは朝から頭を抱えたのです。元々編入の話は聞いていたし、タイミングとしては新しい学期に編入というのはおかしな話ではありません。

 

 自分が言うのはなんですが…中央と比べて、地方のウマ娘はレベルが低いというのは大方間違っていないかもしれません。それはウマ娘本人の才能なども関係しているのかもしれませんが、中央と比べると地方は設備やトレーナーの質が大きく劣ります。こればかりは長年の問題です。それでも来るということは、中央でも十分に活躍できると判断されてスカウトされたのでしょう。

 

 しかもオグリキャップさんは芝・ダートも両方得意で、なおかつ走れる距離は短距離以外は全部いけるというとんでもない逸材だと前情報で知りました。この時点で既に完全な警戒対象だと、トレーナーから言い聞かされました。

 

 容姿的にはクール、と言った印象が強かったです。しかし初めて会ったというのに、葦毛という浮いた存在ばかりなのか…とてつもない実力を秘めていると直感で分かりました。話してみると、一緒に異動してきたベルノライトさんと仲慎ましく話しているくらいです。少しずつクラスになじんでいくのは時間の問題でしょう。

 

 しかしそれ以上に衝撃的だったのは、先生から聞かされて驚きましたがオグリさんはクラシック登録をしていなかったらしいのです。時期が悪かったのかあるいは忘れていたのかはわかりませんが、どちらにせよシニアで立ちはだかってくるでしょう。

 

 しかし、私もこうしていられません。もうすぐ、クラシックが始まります。

 

 夢だったダービーへ向かうため、その前哨戦として"皐月賞"へ挑みます。先月の弥生賞は文句なしの1着で出走権が与えられ、国内クラシック三冠のスタートとなるG1レース。ここで躓いてはダービーを獲るなんて叶いません。

 

 当然私の勝利を阻んでくるライバルの存在も欠かせません。一人は、同じくクラスで武道派ともいえオグリさんに挑戦状を叩きつけ(未遂)た"ヤエノムテキ"さん。そして、リギルからは栗東の寮長である"フジキセキ"さんが出走します。

 

「フジキセキ!? そんな馬鹿な!」

 

 ここで大声を上げるトレーナーさん。どうやらフジキセキさんは、直前まで脚に不調を起こして出走は難しいと噂されていましたが、そこは東条トレーナーの懸命さが実ったのか間に合ったとのこと。

 

「ポニーちゃん達には申し訳ないけど、皐月賞は頂いてリベンジは果たすよ」

「…そう余裕でいるのも今のうちだぞ?」

 

 男装の麗人とは正にこのこと。同じ女性なのかと怪しむくらい、その容姿に惹かれてしまったがすぐに集中に入ります。トレーナーさんは完全に敵意むき出し、しかしこちらも負けていられません。

 

『さあ、枠入り完了しました。三冠への第一歩、皐月賞!』

 

 背後で、ゲートの扉が閉じられる。計18人、ゲートイン終了。ゲート上部の赤いランプが点灯し、会場は静まります。ゲートの扉が、音を立てて一斉に開かれた。

 

『大観衆が見守る中、第1コーナーに向けて続々突っ込んでいきます!』

 

 この第1コーナーまでに取るポジションが、勝敗にも直結する極めて重要な作戦となります。内側から攻めるヤエノムテキさんをマークしますが、すぐには抜け出さないと判断して追い越しました。

 

 トレーナーさんの言う通り、二人はホームストレートから一気に差す考えだというのが的中します。

 

 前に行ったのは2人。アイビートウコウさんとキョウシンムサシさん…このまま逃げるつもりなのでしょう。しかし、そう簡単に上手くいかないと心の底で確信しました。

 

『注目のサクラチヨノオーは3番手!その後ろの中団にはヤエノムテキと、フジキセキが続いております!』

 

「(良い感じです…!)」

 

『第1コーナーを過ぎて、向こう正面を駆け抜けます!』

 

 最初は縦長の展開でしたが、1000mを過ぎた時点で一気に後続が差を詰めてきました。前の2人は内側のまま、決して中には入らせない魂胆です。ならば、外から抜ければいい。ここからはコーナーで息を入れながら、抜け出せる時を待つのです。

 

 そして、残り600m…ここが勝機!

 

「「なっ!?」」

 

 作戦通りだ、と唯我はほくそ笑む。

 

 せっかく前を譲ってくれたなら、そのまま引き離せばいい。内側でも外側でもない、ある意味中間の位置である中央。見通しが良く、外側は大幅な距離ロス、内側の速度減少。その真ん中のポジションをチヨはキープした。コーナー立ち上がり、その一瞬を仕掛ける絶好なポジションを確保したのだ。

 

 

『さあ、サクラチヨノオーが上がって来た!コーナー立ち上がりで上がってきた!!』

 

 チヨが涼しい顔で、ポジションを上げて行く。

 

 後方に控え、彼女をマークしていたウマ娘たちは思ったよりも早い仕掛けに驚きながらも、チヨの脚を考えればある程度の射程距離にはいないと追いつけなくなると考えポジションを上げ始める。

 しかし、一気にギアを上げた彼女のスピードには追いつけず、逃げの二人もこれ以上は無理と言わんばかりに内側に沈んでいき、チヨノオーは簡単に進路を確保できた。

 

 ストップウィッチを見ても、ここまでのペースが落ちる気配はない。心に余裕ができて、チヨ自身も自信がついたことへの表しだ。

 

『サクラチヨノオー!先頭に立った!このまま逃げるのか!?』

 

 あっという間に、チヨが先頭に立つ。しかし、東京レース場のホームストレートは500mを超える。後続の差しや追い込みも、一発逆転の爆発力があるならばまだ十分逆転できるかもしれない。

 

 しかし、それはチヨも熟知していた。何より、後ろからの追い上げに怖い。それは作戦とは別の生物としての本能、並みのウマ娘ならばそこで集中力が途切れる。

 

 直線に向くと同時、チヨが更に加速をかける。100%全開のスパートとまでは行かないが、それでもそのスピードは他のウマ娘を大きく上回っていた。

 

『サクラチヨノオーがやってきた!そして、ヤエノムテキとフジキセキが来ている!』

 

 この時点でライバルの二人は上り坂であろうが、スパートをかけてきた。坂なんてお構いなし、いやそれを考慮したラストスパートだろう。しかし持続力ならばチヨも負けていない。元々ある程度のスタミナとパワーが必要な先行策だ。簡単には捉えられない。

 

 2バ身ほどリードを取り、このままチヨが逃げ切るか…と、思われたが。そのチヨの背後から、同等の脚色で上がって来るウマ娘が1人。

 

「逃がさないッ!!」

「ッ!」

 

 レース前の余裕をかなぐり捨て、こちらを追い込んでいくフジキセキだった。坂に入るスパートで一瞬で遅れたヤエノムテキを置き去りにして、チヨの後ろにずっと付け、同じ進路で追い上げてきたのだ。

 

『さあサクラチヨノオー、わずかに先頭か!! 追い上げるフジキセキ!!』

 

 フジキセキが、驚異的な末脚でチヨに並びかけて来る。

 

 ───しかし、その瞬間はわずか一瞬のこと。

 

「はぁあああああああ!!!」

 

 上り坂が終わった最後の200mの直線。上り坂で詰められたが、そこを登り切った平坦な角度に戻った時、僅かにチヨのスパートに加速が掛かった。チヨの脚色は全く鈍らなかった。

 

 猛追が止まり、ゴール板が目の前。

 そこでフジキセキは察した…もう差すことはできない。どうあがいても無理。その諦めムードもあってちょっとだけ離される。

 

 そんなことはつゆ知らず、チヨノオーはただ一つのゴール板前を駆け抜けた。

 

 

『勝ったのはサクラチヨノオー!! 1着でゴールインッ!!』

 

 

 皐月賞に、決着がついた。

 

 

『無敗の皐月賞制覇!! 夢に描いた日本ダービーに向けて、その前哨戦を制しました!!』

 

 大歓声がレース場を支配する。またもや強豪チームのウマ娘から1着をもぎ取り、かつ無敗でのG1を2回も制した。チヨノオーの完勝に、本人もチームも笑顔になったのは言うまでもなかった。




遅くなってしまいすみません。
だって凱旋門賞楽しいもん(殴

やっているのを見たい奇妙なトレーニング方法は?

  • アキュートとヤエノの異種格闘パワートレ
  • デジたんとの初コミケ参加総合トレーニング
  • 新たな一面、シリウスのワルノオー改造計画
  • 雪祭り珍事・ネオアームストロング砲作り
  • その他コメント欄等で受付中
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