チヨの幼馴染Tになれるなら、オワタ式ファイナルなんてなんぼのもんじゃい!   作:ansin

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スピカのトレーナーが黒沢トレーナーと関りを持っていたことに驚きです。


夏合宿開始がなんぼのもんじゃい!

 輝く太陽。そして、雰囲気を感じさせる波の音。

 唯我は海岸に立ったまま、じーっと真っ直ぐ海を見つめていた。

 

「夏だ…」

 

 いつものスーツ姿ではなく、今日からほとんどジャージ姿だ。それは当然…トレセン学園夏合宿である。宝塚記念を始めめぼしいレースが終われば夏も本番。これまでの戦績から、レグルスも資金的になんとか余裕を持たせることができて、初の学園外の合宿に来ているのだ。

 

 だが内心ウキウキである。この夏合宿は、育成において最大のチャンスでもあるのだ。全練習レベルが最高の5に到達し、僅かの間だが能力を飛躍的に高めるチャンスなのだ。尤も、友情が来なければ普段とそこまで変わらなければそれまでだ。

 

 しかし、この夏合宿は他のウマ娘もチームも当然といえば参加している。誰かを誘えば、彼女たちの意欲も自然と高まるのだ。

 

「トレーナーさん?」

「お? チヨ、あっきゅんは?」

「そろそろ来ますよ」

 

 俺が仁王立ちしたままそのように考えていると、隣に学園指定のスクール水着姿のサクラチヨノオーが姿を見せる。スタミナ専用のプール泳ぎの練習はそこまでしてこなかったが、プールトレーニングで見ているとはいえ、思春期男子にとっては目に毒だ。仮にもトレセン学園は女子高なのだからそのあたりの倫理観も気を付けないといけない。

 

「…本当は専用の水着みせたい、なんて思ってないよね?」

「ふぇ!? そ、ソンナコトオモッテナイデスヨ??」

「カタコトになってるよ…それとあっきゅんも聞き耳立ててるのやめてくれ」

 

 顔を真っ赤にしながら恥ずかしがっているサクラチヨノオーの顔が、俺の一言で更に茹蛸のように赤くなる。そこには相変わらずこちらのやり取りを訳アリの笑顔の眼差しを向けてくるワンダーアキュートの姿があった。

 

「ち、違いますアキュートさん!! 淫らな事なんてしてません!!」

「はしゃぐのは結構だけど。流石に節度は守らないとねぇ~」

「…俺は被害者なのに」

 

 見られたのがあっきゅんで本当に良かったと思っている。他の娘だったら普通にドン引きされるかもしれないし、最悪女帝が竹刀を用いて乱入されかねん。誠に遺憾である。流石に俺でも鋼の意志(意味深)はもっていて、妖精たちの生足魅惑のマーメイドの誘惑にも打ち勝てる自信はあるのに。

 

「……よっし、トレーニングするかぁ!!」

「そうですね!! せっかく、夏合宿に来てるんですから、トレーニングをしないと!!」

「そうねぇ。 それで? トレーナー、何をするの?」

 

 トレーナーは一つ咳払いをし、PCを閉じてから、口を開く。

 普通の学生なら夏休みといえば宿題。それ以外に必須業務といえば自由研究くらいしかない。それ以外は自由なのだ。しかしウマ娘達は違う。特にこの3年間はそれこそいつもと同じ(・・・・・・)で社会人とそこまで変わらない休みの日数しかないのだ。特に年末にかけては数多くのG1レースが集中するので、ここで練習をするか否かで結果が違ってくるといっても間違いない。

 

 この合宿中は色々な練習やここでしか出来ないことがたくさんある。それこそ、自分が経験した夏休みしか出来ないことを、もう後悔しない夏休みの過ごし方を。その計画をいよいよ発表する時が来た。

 

「えー、今回の夏合宿は合同トレーニングを行います!!」

「え? ご、合同ですか!?」

 

 これには二人も驚く。普段はライバル同士ではあるが、互いに切磋琢磨し練習することに意義があるのだ。スピカにカノープスに、それになんと…

 

「リギルとの練習も入れてるぞ」

「ふぇ!? いつもライバル心むき出しなのに!?」

「さらっと失礼な事言うな。いや、事実なんだけど…流石に向こうもこちらを無視できなくなったってことよ」

 

 トレーナー同士で話し合っていると、なんと東条トレーナーも是非とも合同でやらせてほしいと申し出があったのだ。いつものように敵情視察かもしれないが、断る理由もなく互いに良い刺激を受けれるということで承諾した。そこへ…

 

「よぉ!もう先に来ていたのか」

「スピカのトレーナーさん!」

「チヨノオーさん、アキュートさん…!」

 

 マイクロバスが近づいて停車すると、そこから現れたのはスピカのトレーナーだ。それに引き続いてスペシャルウィークやサイレンススズカ、他のメンバーも降りてくる。

 

「夏合宿の間、よろしく頼むぜ」

「こちらこそ」

 

 互いに会釈し、これからの夏合宿はより一層賑やかになるものだろう。

 

「トレーナー。いつの間にこの人と仲良くなってたの?てっきりボッチかと思ってた」

「ボッチとは失礼だな。俺にも信頼できるツテはあるっての」

「と言っても、条件付きなんだけどな」

「条件、ですか?」

 

 バスから降りてきたトウカイテイオーがこちらとの談笑でそう言ってきた。無理もないか。常日頃からウマ娘のトモを触っている変質者と付き添っているのは、東条トレーナーくらいだろう。そう、この合同トレーニングには一つ大きな取引を行っている。それをこの俺が引き受けた事で成り立っている。

 

 その条件とはとてもシンプル。スピカ所属のウマ娘を、この俺(・・・)も指導してほしいということだ。いきなりトレーナーが違ってしまったら彼女たちは戸惑うかもしれないが。だからこそ、この夏合宿中は違った視点をもつ俺に見てほしいとお願いされたのだ。恥を忍んでかもしれないが、いい機会だと思ったのだ。

 

「そういう訳だから、ちょっとウチの子含めてトレーニング相手を宜しく頼むよ。俺も出来る事があれば協力するからさ。微力だけど」

「こちらこそ。貴重な経験が出来そうなので、あざっす!」

 

 ウォッカから元気にそう返事をされた。

 

「流石に無断でトモ触ることはないと先に断言しとくよ」

「そう言ってくれると助かります。この合宿中ずっと変態に見られると思うと…」

「お、お前らなぁ~!」

「あそれと、うちの子のトモ触ったら遠慮なく蹴り上げてくれ」

「おうよ!それについては全同意するぜ!」

 

 チヨとあっきゅんに手を出さないよう、念のために釘を打っておく。ダイワスカーレットとゴルシから同意を得たからな。

 

 いよいよ、夏合宿が始まる…。

やっているのを見たい奇妙なトレーニング方法は?

  • アキュートとヤエノの異種格闘パワートレ
  • デジたんとの初コミケ参加総合トレーニング
  • 新たな一面、シリウスのワルノオー改造計画
  • 雪祭り珍事・ネオアームストロング砲作り
  • その他コメント欄等で受付中
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