チヨの幼馴染Tになれるなら、オワタ式ファイナルなんてなんぼのもんじゃい!   作:ansin

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無理しないペースで投稿します。


三女神なんてなんぼのもんじゃい!

「初めまして…サクラチヨノオーって言います」

 

 その衝撃は、人生で絶対に忘れられない。

 横が犬耳のように垂れて赤みがかった髪、右耳に飾っている高級そうな桜の髪飾り…そして、そこから上にピョコッと生えている、ウマ娘の象徴であるウマの耳…

 

 かつて日本ダービーを沸かせた名馬、サクラチヨノオー号を擬人化した存在…前世で推しだったサクラチヨノオー本人がそこにいた。

 

「それじゃあチヨちゃんは、倶楽部で走っているんだ」

「はい、そうなんです!」

 

 これにはウマ娘の神様に感謝しなくては、と心の底から思っていた。憧れの存在が目の前にいてくれて、しかも異性である自分に最初は緊張していたものの、ものの数分で仲良しになれるほど話し合っていた。それどころか、最初から好感度がMAXになっているようにグイグイと寄ってくる。まぁ悪い気分でないのは確かだ。

 

「チヨノート……えーっと何?レースで負けた()の名前を恨むように書いてるの?」

 

 某漫画風に解釈を言い放ったが、これは嘘だ。このノートには彼女が私生活の中で大切なことを沢山書き足しているノートだというのは分かっていた。

 

「えっ!?そ、そんな事は書きませんよ!?学んだこととか、知ったこととかあとは思いついた格言なんかを書いたりしているだけで…」

 

 サクラチヨノオーは現在、"ヴィクトリー倶楽部"というところで力をつけている。

 有名なだけあって、子供でも入れる倶楽部としては練習構成などもかなり理論的に則ったレベルの高いものになっているようで、子供の身体に負荷の掛からないような練習が徹底されている。また、トレーニングを飽きさせないようドッジボールなどの球技も混ぜ混んでいるらしく、子供たちからの評判も上々だ。

 

 ならばこのチャンスは見逃せない。休みの日だけでも、そのクラブで何をしているのかどんな練習なのかを未来のトレーナーとして知識を吸収しよう。それどころか、まだ若かったがこれから未来で活躍する同級生の"サクラバクシンオー"と"サクラローレル"の姿もいるはずだ。

 

「親にはまだは話していないけど……実は俺、トレーナーを目指そうかと考えているんだ」

 

 休憩中、そんな言葉で即座にチヨノオーの耳がピクン!と反応する。うん、可愛い。

 

「そうなんだ! それじゃあ、トレセン学園に入学出来たらトレーナーやってくれるかな?」

「勿論!全力でサポートするよ!」

 

 そんな幼馴染としての絶対的な約束、もといフラグを発生させることに成功した。これは絶対にトレーナー試験に合格しなくてはと決意を固める。母親に正直にトレーナーを目指したいといえば、二つ返事でOKを貰えた。チヨちゃんが好きになった?と弄られるが正直な気持ちとして受け流しておく。

 

 だが、その数年後の夜。これからトレーナーを目指す矢先に、自分に試練が現れたのだ。

 

・・・

 

「「「おじゃまします」」」

 

 それはある日の夜、寝ていた時だった。

 これは夢だと、どこからともなく3人の美人が現れる。

 

「気がついたか?」

「意識はハッキリしているかい?」

「返事をしてくれるとありがたいわ」

 

 その3人はウマ娘だ。耳と尻尾がその証拠。

 ならば自然と答えが行き着く。三女神…ウマ娘界で崇められている存在。前世では、競馬界におけるサラブレッド・競走馬の三大始祖「ダーレーアラビアン」「ゴドルフィンアラビアン」「バイアリーターク」の3頭をモデルとしている。あぁそうか。この力は三女神から受け継いだ力、というオチか。そういうことなんだろ?

 

「いや…実をいうと、その力をくれたのは我々ではない」

 

 what? どういうことだ、この力は別の存在から受け取ったのか?

 

「厳密にいえば、その力を回収に来た。更に率直に言えば…君にトレーナーの道を諦めてほしい」

「ど、どういう意味ですか!? じょ、冗談じゃない!!」

 

 反射的にそう叫んだ! だって手紙には、これからの人生を思いっきりチート能力を使って楽しんでくださいと書いてあったのだ。そう書かれていたのだから、そう楽しみたいから俺はトレセン学園を受けたのだから。

 

「君が納得できないのも分かるよ。しかしながら、その力は人が持つにはあまりにも強大なんだ。そんな力を乱用されてしまっては、君自身や周りが大変なことになるのは否定できない」

 

 三女神の言い分に、少しは納得してしまう自分がいる。確かに巨大な力だ。

 周りから見れば努力することもなく、この世すべての答えを知っているようなチート能力だ。確かに何も持っていないこれからトレーナーを目指すものから見れば疎まれる能力だろう。本来なら他人が入れる合格枠を奪うような行為だ。まさか、何かしらのデメリット、リスクがあるのか!?

 

「…それは言えない。ただ、その能力を手放す方法なら教えてやろう。簡単だ。試験と面接を辞退をすればいい。それと同時にその力も失うが、君は自由の身となる」

 

 バイアリータークがそう話すが、露骨に話題を逸らされたことに不信感を露わにした。もしかしたら、俺の命に関わることかもしれない。だからこそ、あえて答えないのだろう。だが…

 

 ふざけるな…

 

「「「?」」」

「っふざけるなよ!!」

 

 そう言い放った。

 

 だが、それでも…あのサクラチヨノオー(推し)の笑顔だけは忘れられなかった。あの無垢なる少女が、これから先どんな道を歩むのかは大体見当はついている。幼馴染という奇跡が起こったとはいえ、できることなら彼女のトレーナーとして夢を見たいじゃないか。神の我儘に勝手に巻き込まれたとはいえ、これからサクラチヨノオー(推し)を支えるという生き甲斐を見つけたというのに、もう2度と転生できないかもしれないのだ。そんな夢のために力を利用して何が悪い?

 

「…いいだろう。我ら三女神に対してそのような度胸を見せるとは大した人間だ。貴殿が、トレーナーに相応しいかどうか…我らと勝負してみるか?」

 

 勝負だと?それはつまり、直接対決ということか?

 

「ルールとして、今備わっている能力はそのままにしてやろう。ただし、もし担当のノルマを一度でも達成できなかったその時点で……貴様の命も尽きると思え」

「!!」

 

 ノルマを達成できなければ、力づくでも俺を〇害してでも能力を回収するつもりか!?

 

「どうした、それくらいのことでなければ張り合えないだろう? それとも怖気づいて差し出すか?」

 

 トレーナーとしての人生を最後まで駆け抜けるか、それとも途中で脱落か…その選択を迫られる。ここはアニメでもゲームでもない現実世界だ。全て上手くいくという保証はない。だが…ここで逃げてしまえばチヨノオーに格好がつかないし、何より約束を破る結果になる。意を決して、息を吸い…

 

 

 

 

「やってやろうじゃねーかこの野郎!!!!」

 

「いいだろう。貴殿のその傲慢さ…果たしてどこまで続くかな?」

 

 今、人知れずに水面下で行われるオワタ式ファイナルズが、幕を開けた。




オワタ式ウマ娘…いかがですか?
気分はナリブ上級モードより上の激辛。
面白ければ続けます。

チヨノオーのルートは?

  • 天皇賞秋の変則三冠ルート
  • 菊花賞に挑戦ルート
  • 宝塚の人気上昇ルート
  • いっそのことティアラ路線
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