チヨの幼馴染Tになれるなら、オワタ式ファイナルなんてなんぼのもんじゃい!   作:ansin

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チヨ主体なのにすぐに別の子入れるスタイル


いきなり詰みがなんぼのもんじゃい!?

「待て貴様!!!」

「待てと言われて誰が待つか!!逃げるんだよぉ!!」

 

 ここは、トレセン学園。正式名称は「日本ウマ娘トレーニングセンター学園」。

 中等部、高等部あわせた2000人を超えるウマ娘達が通う学園。ここに通うウマ娘達は皆、トゥインクルシリーズという栄冠を目指して駆ける場所。在校生は皆、国民的スポーツ・エンターテイメントとして位置付けられている「トゥインクル・シリーズ」への出場と勝利を目指しているが、その華やかさとは裏腹に生徒も教職員も地方では異次元レベル扱いされるようなエリートたちがしのぎを削る戦場でもあり、活躍できるのはほんの一握り。

 

 そんな場所に、この俺『唯我 強(ゆいが つよし)』が遂に足を踏み入れたのだ。

 それで何をしているか、だって?当然のようにスカウト活動だ。在籍すると同時にしていち早くウマ娘を獲得するのは必然と言えよう。目立つためにお年寄りが乗るセニアカーを魔改造して、爆音とともに校内をアピールするのは無理があった。すぐさまあの女帝様が追ってきたのだから。

 

「逃がしませんよ!!」

「桐生院ン!」

 

 ここで女帝との逃走劇の最中、一人の人間と遭遇する。その女性はウマ娘ではないが、こちらの動きを読んでいるかのように縦横無尽に逃走経路を追ってくる。彼女は競走ウマ娘を育成するトレーナーの名門、桐生院家の一人娘である"桐生院 葵"。一見すると清楚な女性であるが、遊び感覚で懸垂100回や瓦割ととんでもないスペックの持ち主だ。

 馬鹿な、こっちはバイク並みで走っているはずなのに…!と、それに追いついてくる光景に驚愕するが、かつてひったくりを捕まえたとも言われている彼女。途中で乗り捨てて、このパルクール逃走劇についてこれるのも納得である。

 

 そんなこんなでとうとう捕まり、生徒会室へお縄となってしまった。

 

・・・

 

「漸く捕らえたぞ、散々手こずらせてくれたな」

 

 生徒会室へ連れられ、裁判を待つ扱いを受ける新人トレーナーこと俺。目の前には会長椅子に腰かけている会長"シンボリルドルフ"。その横で興味なさそうにみている怪物""ナリタブライアン"。そして、今ガミガミと注意をしている女帝"エアグルーヴ"。この3人が生徒会を切り盛りしていると同時に、凄腕トレーナー"東条ハナ"が指導しているチーム「リギル」のメンバーだ。

 

「ぎゃーぎゃーやかましいな。こんなことをしてたら婚期遅れちゃうぜ副会長さんよ?」

「貴様は私を何だと思っているんだ!?」

ナナ・テス〇トリ(鬼嫁みたいなウマ娘)

「会長。花壇に試したい肥料を発見できましたので、早速ですが使用許可をいただいても?」

「すんませんでしたマジで勘弁してくださいごめんなさい申し訳ありませんでした」

 

 生きた人間をそのまま肥料に転換するなンんて、どこまでサイコパスなドS女帝なん…おっとこれ以上考えると気取られるから黙っとこ。

 

「それよりも、そろそろ縄を解いてくれませんか? 貴重な時間を無駄にしてほしくないんで」

「傲岸不遜、を貫くか。だが、生徒会としても風紀を乱す行為は見逃さないのでね」

 

 まさか生徒会長の立場での権利で、いきなり俺を追い出す気か?いくらなんでも急は…

 

「少なくとも、我々の目指しているウマ娘達を幸せにするこの学園を妨害するのであれば…」

「反抗するよ。何故ってそんなのどう足掻いても無理だからさ」

 

 全てのウマ娘を幸福にする? そんなのは無理だ。この世は生まれた時から、競争という概念があるから全てが決まっているようなものだ。神から授かったチート能力がまさにそれだ。それを存分に使って、自分の目指したいこの学園に来たのだ。努力といっても限界はある。どうしても越えられない壁があるなら、その現状が最善か他の道を探すしかない。

 

 それを言うなら、生徒会の3人もそうだ。一体どれほどの犠牲を払って、その地位に立つことができたのか理解しているだろう。G1レースだけでもざっと100人、全レースを含んだらどれ程のウマ娘の夢と希望を打ち砕いてきたか…。

 

「もう説教はいいですか? これから仕事なんで…」

「どこにいくつもりだ」

「どこって、サブトレーナー活動に決まっているでしょ?」

 

 そう捨て台詞をはいて、生徒会室から脱出する俺。こうして、トレーナーとしての人生が始まった。それと同時に、三女神からの強制デスゲームも始まったわけだが…この力をくれた神様パワーを使って絶対に課題をクリアしてやるぜ。一応課された制約が以下の通り。

 

・学園最強「チーム・リギル」メンバー、全員と対戦。

・一発勝負でノルマ未達成ならば即終了。

・どちらも一着でなかった場合は引き分け扱いで次回に持ち越し。

・一度対戦し勝利したウマ娘との再戦はノルマに課さない。

 

 最悪でも全員と対戦し勝利しなければ、俺に安息の日は訪れない。そして記念すべき最初の条件は…

 

・担当ウマ娘と契約有無言わず、一発(・・)で実戦レースを成す だ。

 

 もう候補は絞っている。といっても、こればかりはラッキーだった。何も縁がなければそこから詰まっていたかもしれない。いやもしそうだとしても、前世からの記憶を頼りにスカウトしやすい娘を探すだけだ。問題はその才能を見切られ他のトレーナーに先越されていないかどうかが心配だが…

 

「あっ、唯我さん!」

「ローレルさん」

 

 考えている途中、チヨノオーと倶楽部で同期だったローレルと出会う。そういえば、まだ学園でチヨノオーの姿を確認してないが…

 

「ひょっとしたら、先日の事かも…」

「何か知ってるのか?」

 

 ローレルが言うには、先日行われたリギルの練習レースに惹きつけられたとの事だ。あれか、ルドルフとマルゼンが走っていたレース…それを見てしまって自信を無くしているのだろう。

 無理もない、例え事情を理解しなくてもその凄さは理解しているつもりだ。チヨの内心はわからないが、ここを乗り越えるかどうかで今後の人生にかかっている。

 

 俺も大切なことがある、サブトレーナーとしての研修が始まる。入ってからすぐに始まるわけではない。何か月の間、暫くは既存のチームに属してサブトレーナーとして腕を磨かなければならない。新人研修期間というわけだ。少しでもチヨに自慢できるトレーナーとして、早速担当するチームのところに向かったわけだが…

 

「え………ここ……?」

 

 見るからに、最近でも何か月かもしくは最悪何年も経過しているような…そんな一目見てわかるボロいチームの部室の前に俺は立っていた。いやいやまさかここなわけ、と教えを乞うチームを確認する。

 

「チーム・レグルス」…確か獅子座の恒星だったような名前だ。

 

 間違いなかった。よく見ると、薄々と書かれた立て札と資料に書かれているチーム名が一致している。まさか、これも三女神からの試練なのか。不安しかないと、ため息が出る。

 

「ほりゃまあ~おっきなため息だこと…お客さんかえ?」

「え?」

 

 不意に誰かから声を掛けられる…待てよ、この声って…

 

「あたしは"ワンダーアキュート"。多分、初めましてかね? うちの(・・・)チームに何か御用かえ?」

 

 まだ天…運は俺に味方しているようかもしれない。

 ここの担当トレーナーは、ワンダーアキュートと同じ雰囲気を併せ持つ、おばあちゃんトレーナーであった。事情を聞くと、前までは何人か担当していたらしいが、ここ最近は目立つ戦績もなく芝よりも人気が少ないダートを主戦にしていた事も相まってチームそのものが廃止になりそうなのだ。あれか、新人は人気のないダートでも走ってろという新手の虐めか。

 

「実は、今度の実戦レース(・・・・・)に参加することになっとってね。せっかくだから、しっかりと準備しておきたいのよぉ」

 

 ワンダーアキュート。前世で有名な記録といえば、かしわ記念では日本史上最高齢GⅠ勝利(9歳)達成している。一部では生けるダートの伝説と言われていた馬だった。この世界では、とても穏やかな人柄で面倒見のよいウマ娘。周囲からは話すとおばあちゃんを思い出してほっこりすると評判の娘だ。

 だが、実家がボクシングジムを経営している影響か実は腕っぷしはかなり強い方でレースが近づくとうって変わってストイックに自分を追い込む、いぶし銀の闘志を秘めている。

 

 そんなこんなで始まったワンダーアキュートのサブトレーナー、いや代理トレーナーとしてのトレーニングが始まる。やはりというか、前世の知識と変わらず、右脚を気にしてるようだ。

 

「右脚のストレッチ、もう少し入念にしたほうがいいかも」

「おっトレーナーさん、私が右脚に弱いのは知っていたんかね?」

 

 初対面だが、こんなところで躓くわけにもいかないので真剣にサポートをしながら、気にするところはしっかりチェックしなければ話にならない。そんなある日…

 

「うぇ”!? アキュートさん、この人と契約しちゃったんですか!?」

「いや~まだだけどぉ?」

 

 彼女と同期である、コパノリッキーとホッコータルマエに偶然出くわした。どうやら学園側は俺を早速スカウトするために、早とちりで暴走したトレーナーだと認識してるようだ。ふん、今のうちに精々吠え面かくがいいわ。こんな見かけたが、中身がチート能力持ちとは知らずに哀れよのぉ。

 

 

 

「…もしかして、ご存じないですか? アキュートさんの走るレースに…」

 

 

「しゃいしゃいしゃーーいい!!!」

 

 グラウンドには、これまた気合の入っているすダートの逃げウマ娘"スマートファルコン"が走っていた。爆発的な加速力と、押し殺すことなく伸びていく後半の脚…一目見ただけで一流とわかる。

 

 ん?ちょっと待てよ、確かあのファル子のトレーナーも俺と同期…それにダートを走るウマ娘って少ないから…

 

スマートファルコンと同じ実戦レースに出走する可能性大。

史実通りなら1着でゴールできず、目標未達成。

A. 俺\(^o^)/オワタ

 

 

 

 

「(あああああぁぁああぁぁぁぁぁああああ!!!!!)」

 

 しまった!この世界では種目別競技大会ではなく、サブトレーナーとしての実力を示す実戦レースの対決なのだ!女神との制約により、このレースに勝たなければトゥインクル・シリーズを駆け抜けるどころかチヨの育成もできない。これはやばい、何とかして契約の話はなかったことに……

 

「無茶せんでええよトレーナーさん。私はあなたを信じるから、コツコツ頑張っていこうねぇ(パァァ)」

 

 そんなおばあちゃん風の、暖かい太陽のような目をされたら…

 

「おい! "プニプニタルマエ"に、"コパァカブト"ォ!!」

「プニプニ!?」「カブト!?」

「次の選抜レースで必ずアキュートを1着でゴールさせてやるから覚悟しとけぇい!!俺の実力に尊敬してもスカウトしねぇからなぁ!?」

 

 断れるわけねぇぇだろぉぉおおお!!?と内心叫びながら、打倒スマートファルコンに向けて真剣にサポートする決心をより一層固めたのであった。




次回はチヨ視点です。

チヨノオーのルートは?

  • 天皇賞秋の変則三冠ルート
  • 菊花賞に挑戦ルート
  • 宝塚の人気上昇ルート
  • いっそのことティアラ路線
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