チヨの幼馴染Tになれるなら、オワタ式ファイナルなんてなんぼのもんじゃい!   作:ansin

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遅くなって申し訳ありません。
浮き沈みが激しいウマ娘二次創作で頑張っていきます。


覚悟なんてなんぼのもんじゃい!

私、サクラチヨノオーは―――自分で言うのもアレですが、普通のウマ娘です。

 

 小さい頃から走ることが得意で、大好きで……クラブに入って、レースに出て沢山の1着をとっていました。

 

「あらあら、チヨちゃんも才能あるのねぇ。いつかトレセン学園に入るんだって?」

 

 近所の人からもそう言われ…優秀な兄の手助けのもと、最高峰の学園の入学試験もそこそこの成績でクリアして、胸を張って入学した先で待っていたのは…

 

「ねぇミスターシービーさんの出てたレース見た!?最後のぶち抜きかっこいいの、あんなの見たことないよ」

「いやいや、それならオグリキャップも凄いよ!マジ天才が走ってるっていうか、加速がえぐいの!」

 

 自分でも薄々感じていたんです。いや、これが当たり前なんです。

 自分よりも速く、有名になって名が売れる娘が大勢いることを。それに比べて…

 

 トレセン学園での私は、ただの、普通の、ウマ娘で…

 

 例え教官が居なくても、自主トレは欠かさずやりました。走れば走るほど、この学園に居ればいるほど、その思いは強くなりました。

 

「うん、入学したてにしては悪くないわ!課題はあるけど、少しずつクリアしていきましょ!」

 

 自分の強みは何だろう、と教官に質問をする。でも返ってきた答えは、なんのひねりもない「派手ではないが、最期は堅実に勝つところ」という、ありきたりな言葉でした。

 

 堅実で、真面目な、ウマ娘…それで、何かになれるのか…

 

 ふと昔のことを思い出す。幼馴染に、トレセン学園でトレーナーやってほしいという約束を。しかし、今の自分を見てあの人は私をスカウトしてくれるだろうか? 否、こんなみすぼらしくなった自分をスカウトしてくれるのは難しい。そう思っていると自然に彼を避けていた。そんなある日…

 

「いた!チヨちゃんチヨちゃん!」

 

 ローレルさんに声を掛けられる。彼がトレーナーとしての研修を試す実践レースに出場するというのだ。そして、ローレルさんが預かっていた伝言に私は耳を疑った。

 

『俺がお前に相応しいトレーナーかどうか、是非観戦してほしい』

 

 不安な気持ちながらも、実践レースの会場へ足を運ぶ。いた。至って真面目なビジネスカジュアルの服装だが、後ろ姿は見間違わない。なんだか穏やかな表情のウマ娘と必死に作戦を真剣に立てている。

 

 ダートレースでの注目は、スマートファルコンさんだった。その可愛げがあって隼のような末脚を持ち、数日前にメイクデビューを果たしている。そんなスターに、幼馴染が挑戦しようとしている。事前評価では圧倒的に不利だ、同じレースだったのが運の尽きかもしれない。でも、せめて頑張っている姿は目に焼き付けなくては…。

 

 好スタートを切ったのは、やはりスマートファルコンだ。そのまま矢のような勢いでハナを奪う。大差をつけられてしまうと、後から巻き返すのが難しい。それは観客だってわかる。あんなのは誰も追いつけない。しかし…

 

「けどなんか、一人食らいついている娘いないか? ほらさっきの、なんだかやけにふんわりしているあの…!」

 

 唯我兄が担当している子が必死に食らいつこうとしている。無謀すぎるペースだ。デビュー前のウマ娘が、スマートファルコンと同じペースで走ってしまえば脚の負担は想像以上かもしれない。

 

 最終コーナーを回って最後の直線。スマートファルコンがここでスパートをかけ伸び逃げていく。まずい、ここで離されたもう終わりだ。周囲は既にスマートファルコンの勝利を確信している。デビュー前後の評価はそれほどまで違ってくるのだ。

 

 だが、一人だけ違っていた。

 

「(粘り強い末脚持ってるのは、ファル子だけじゃねーよ!)」

 

『ワンダーアキュート、再加速!力を振り絞り迫っていく!!』

 

 観客も解説も信じられない表情だった。これが本当に、メイクデビュー前のパワーなのか。最後の直線で一気に並び、そしてそのまま…

 

・・・

 

「(~~~~~~!!あっっっっぶねぇぇぇぇ~~~~~~!!!!)」

 

 観客もほとんど帰ったレース場を見て、それが最初の心の声だった。

 惜敗…いやその逆だった。僅かアタマ差でこちらの勝利、その衝撃は学園中に広まっただろう。ビデオ・写真判定を何度も何度も確認して確定したところで胸のつっかえが下りたような感触だった。いきなりこんな結果じゃ、この先命がいくつあっても足りないかもしれない。

 

 さて、ローレルさんはチヨちゃんに上手く伝えて応援してくれただろうか? アキュートと綿密に話し合ってたから観客席を見る余裕がなかった。っと、誰かがこちらに向かって駆け上がっていく音が聞こえる。

 

「ハァハァ…」

「チヨノオー!」

 

 制服姿で息を切らした幼馴染の姿が目に飛び込んだ。

 

「唯我、兄さん…ごめんなさい!」

「ううぇい!?」

 

 なぜか唐突に謝られた!? いや、俺何かしたのだろうか!もしかして、最初のウマ娘として契約しなかったのを責めているのだろうか!? やっぱトレセンは婚活場で修羅場的な展開なのかこれは!

 

「遅くなってごめんなさい!私、唯我兄に寂しい思いさせちゃって!」

 

 どうやらリギルのレースを見た時、自信損失してしまい約束を破ってしまったことについて謝りたかったらしい。良かった、不倫的なことで訴えられたらどうしようかと…

 

「気にするなよ。俺も入籍当初はらしくない行動しちまったし…それでがっかりさせたと思ったから」

 

 チヨノオーを気にしていたことと、一刻も早く有名になりたくてあんな行動をとったことにより変なトレーナーとして近寄りがたかったとこちらも勘違いしてしまった。こればかりはどちらが悪いなんて責められない。

 

「それでね、あ、あのあの!今からでも、私のトレーナーさんになってもらえませんか?」

「…………………わっつ?」

 

 その言葉は見逃さなかった。頭の中で、脳の中で、今スカウトのお願い言葉が響いたのだ。

 

「唯我兄のおかげだよ!あんなレースを見せてくれて、思い出させてくれたから。背中を押してくれたから…!だから!もっと大きくなって、マルゼンさんと本気で勝負する時も、貴方に隣にいてほしくて…!」

 

 断る理由なんてなかった。寧ろ、こちらから申し出たかった。

 

「そりゃあもちろん!大歓迎だよ!」

 

 その瞬間、チヨノオーはこちらに走って抱き着いてきた。周りには誰もいなかったが、少し恥ずかしかった。遅れてしまったとはいえ、ようやく約束を守ることができたのだから。ただ一点の失策を除いて…

 

 

 

 

「「あっ…」」

「おやまあ」

 

 その感動的なシーンを、先に仮契約をしたワンダーアキュートに見られてしまい悶絶してしまったのであった。




親愛度はMAXでお届けします。
チームアルケス?なにそれ食えんの?

チヨノオーのルートは?

  • 天皇賞秋の変則三冠ルート
  • 菊花賞に挑戦ルート
  • 宝塚の人気上昇ルート
  • いっそのことティアラ路線
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