このヒロインにもルートを!※更新停止※   作:来世から本気をだす

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※ポーションのせいで頭がおかしくになっております。
キャラ崩れや行動や言動はポーションのせいと思っておいてください。


1話、死の淵で出会ったのは女神ではなく・・・

◇俺の名はサトウカズマ◇

 

ただの学生だ。(ニート)

 

「あちぃ~・・・」

太陽に当たりなれていない俺にとって、この日差しは嫌になる。

腕や首に日差しが直接あたる。ジリジリと熱さを感じる初夏の今日。

俺は隣町まで新作のPCゲームを買いに行った。

 

 

足が痺れるのも我慢して、早朝から並んだかいもあった。

無事にお目当てのゲームが買えたのだ。

ほくほくとした気分で帰路を歩きながら、ビニール袋の隙間から見える戦利品のパッケージを堪能していた。

 

 

その時

 

 

女学生がトラックに轢かれそうになったのだ。

 

何故なのだろうか… 

 

不思議な事に勝手に身体が動いた。

 

まあ、未練とか恐れとか先の未来を想像する前に反射的に動いてしまったのだから、今さら後悔しても仕方がない。

 

それに突き飛ばした女の子の身代わりに・・・なれたのだろうか?

 

彼女が助かっているか今の俺には確かめる術はない。

ただ俺には一つ現状から、導き出された確かな答えがある。

 

あのトラックの運転手はヤ〇ザだったんだと

 

 

 

◇「ここはどこだーーーー!」◇

 

さむい寒いサムイ寒いさむい!!!

 

死ぬ!

 

先ほど寒さのあまりに飛び起きると一面が銀景色。

俺は着たこともないコスプレを身にまとい、見渡す限り誰もいない雪平原に、ポツーンと一人取り残されていた。

 

きっと、あのトラックは俺が死んだと思い、回収して人里離れた雪山に捨てたんだ。

クソ!防犯システムが蔓延る日本で、そんな無計画な長距離移動犯罪が成功すると思うなよ。

苛立つが今は、そんな些細な事など気にしている余裕はない。

 

 

寒さの影響か今日は妙に頭が冴えている。

 

早々に解決策を見つけなくてはならない。

 

しかし…

 

まったく案がでない。

周囲を見渡しながら、最寄りの人工物を探す。

だが軽く吹雪いているせいで、木と曇り空しか見えない。

 

最悪なことに周りの雪は全て柔らかい新雪だ。

 

簡単に足跡が付く新雪でも、入念にタイヤ痕も残してないとは、万が一の発見対策なのだろうか?

 

これではタイヤ痕を辿って道路に出ることも出来ない。

それに先ほどから感じる寒さ。両手で服を擦るが、この通気性が良い服装では焼け石に水である。

 

 

・・・死ぬのか俺?

 

脳裏に『死』の文字が浮かんだ瞬間、生に対する執着が溢れんばかりに湧いてくる。

 

 

 

買ったばかりのゲームを遊べてない。

小遣いだって余っている。せめて使い切りたい。

恋は諦めていたが、もう一人の小さなカズマさんは、まだ画面の前でしか世界を知らない。

せめてお店でもいいから、真っ当な役割を覚えてから旅立たせたい。

「あっ、死ぬんだな。まっ、いいか!」ぐらいの気持ちでトラックに飛び込んだが、こんなじわじわと苦しみながら死ぬのは嫌だ。

 

 (犬死は嫌だ!)

 

「おい、だれか!だれか!!!」

 

吹雪で視界が時たま遮られる中、顔につく雪を必死に払う。

ここで終わってなるものかと、俺は力いっぱいに叫ぶ。

 

しかし声がまったくでない。

何故かツバもろくに出ないほど、肉体が疲弊している。ガラガラに声が掠れているのだ。

あわせてトラックと事故ったためか、体のあちこちが激しい筋肉痛で立っていることすらキツイ。

 

だんだん気持ちが暗くなり目が潤んでくる。

「俺が何をしたんだと」「部屋から出なければ良かった」「死にたくない」と雪を殴りつけながら、脈絡もなく叫んでみたが、返答のない銀世界が絶望を駆り立てる。

そして、やっとの思いで白くないものを見つけた。

 

「きゃべきゃべ・・・」

 

死にかけたキャベツである。

八つ当たりで殴り飛ばした雪の中に埋もれていたのだ。

何故キャベツが?生き物?鳴き声?

折れかかっていた俺の心はボキッ!と折れた。

許容の限界が訪れたのだ。

人間、最後は思いがけないもので諦めが付くものである

 

ドサッと受け身も取らず雪に前のめりに倒れた。最後の時を、ここで待つことに決めた。

 

死ぬ瞬間って痛いのか?

 

なぜか何度も味わった気がするのだが、そんなことはありえない。死んだら、それで終わりだ。

走馬灯のように過去の事を無性に思い出す。

その大半の思い出が暗い部屋での思い出なのだから引きこもりの虚しさで涙がこぼれてくる。

きっと、これは天罰なのだ。

働きもせず自堕落に生き、親を困らせた罰なんだろ。

 

来世は真面目に生きよう、そして彼女を作ろう。

 

こんな一人で空しく死んでいくのは、二度とごめんだ。

怖い。寂しい。受け入れられない。誰かのぬくもりが欲しい。

とめどなく感情が溢れて来るが、体は動かないし声も出ない。

終わりが近いのだろう。

 

 

◇(そういえば俺って告白したことねぇな・・・)◇

雪が積もり、視界が遮られていく。

死の淵に立つと思い出したくもない事も鮮明に思いだしてしまった。

特に今日の冴えた頭なら細部まで昨日の様に思い出せる。

 

 

 

俺は認めてこなかったが、負けるかも失敗するかもと脳裏に過ると、途端にヘタレて保険をかける癖がある。

それが原因で中三の夏の事件が起きた。引きこもり始めたのも、それが切っ掛けだ。

 

あの時、幼馴染との約束を濁した。

 

有耶無耶にしてハイともイイエとも答えず返事をしなかった。

たしか約束の内容は将来、結婚しようだっけ?

あの時の俺は彼女と、ほどよい関係が壊れるのを恐れたのだと思う。

 

そんなんだから、チョイ悪の先輩と一緒にバイク下校している彼女を見て勝手に悲観して諦めて逃げたんだったわ。

もしかしたら、先輩はただの友達かもしれないのに。

一言聞けば良かったんだ。

 

よく考えれば、俺って最低じゃん。

きっと勝負していれば、ここで野垂れ死ぬような未来にはなっていなかったはずだ。

よし、決めた。

俺は決めたぞ。

こんな死に際だが覚悟完了だ。

 

 

◇【来世で惚れた女にかける第一声は告白だ。】◇

 

 

こんな死に際だ。

なにを心に誓っても自由だろ…

勝負せずに終わるなんてこれっきりだ。

ダメでも何度でも挑戦してやる。

なんだ、覚悟さえできれば死の恐怖も紛れてきやがった。

だが、こんな素晴らしい覚悟ができたのにそろそろだ。

 

「ぁ~ぁ…もっと早く気づきたかった」

 

これで終わりだと解る。

ほとんど雪に体が埋まった。

視界も真っ暗だし体の感覚なんて一切ない。

呼吸も眠るときの様にゆっくりと一定になり始めた。

終わりだ。

 

幻想が見え始める。

 

誰だかわからないが銀髪の美しい女性が慌てている。お迎えの女神だろうか?

 

今、そちらに行きま「ごはっ!?」

 

一気に肺の空気が抜けた。

ずいぶん雑なお迎えじゃないか。

 

「へっ?今、何か聞こえたような・・・えい!」

 

誰だか知らないがとりあえずどけ!めちゃくちゃ痛い!

後頭部と背中を交互に踏みつけ時にはジャンプしてくる。

名も知らぬ青髪の女性が酒を片手に踏みつけてくるようなイメージが浮かんでくるが、そいつだったらマジで容赦しねえ。

 

人の最後を台無しにしやがって簀巻きにして川に流してくれるわ!!

 

今ので体の感覚が一気に覚醒してきた。

 

「う~ん、冬眠中のカエルかしら?それにしては小さいような・・・」

 

あっ、掘り起こしてくれる?

 

もしかして助かる?

 

ゴソゴソと俺に積もった雪をどけてくれる誰か。

 

覚悟完了した後だが、この際誰でもいいので助けてください!!!

「あれ?このマントって・・・あれ!?」

途中から雪を退かす動作が激しくなった。

 

流石、俺の幸運

 

この広大な雪平原のなかであたりを引き当てたらしい。

背中に感じる柔らかい感触は女性の手だろうか?綺麗だったらアプローチしてみようかな。

「カ、カズマさん!大丈夫ですか!?」

 

『・・・結婚してください』

 

「へっ!?あ、カズマさん寝ないでください!死んでしまいますよカズマさ~ん!」

 

ゆっくりと仰向けに転がされ視界の雪が払われた。

 

そして曇天の空と共に彼女が眼前に広がる

 

ドストライクだ。

 

どこかのお嬢様大学の女子大生だろうか?

俺の好みである世間知らずそうでおっとりとした雰囲気。スタイルもいい。

俺の女神は彼女なんだろう。

彼女の腕に抱かれたら急に安堵して抗えない眠気が襲ってきた。

 

 

 

ああ、神様。

ありがとうございます。

もし、ここから生きて帰れたなら絶対に彼女をモノにしてみます。

 

 

 

<死の淵で出会ったのは女神ではなくリッチーでした。>

 

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