地味に各使用アイテムごとに何パターンかボイスが設定されてるんですよね。勿論両主人公に。
アイテムが中心のゲームですし、力の入れ所としては妥当といえば妥当か。
…でもシャルロッテのボイスはちょいちょい「何言ってんだコイツ」ってなる。…なりません?
「――フラムボンボンバーンっ♪」
『『『めえぇ~~~~~!!』』』
場所はいつかの採取地、響き渡るは丸焼けになっていく『食料ウサギ』たちの大合唱。
打ち込んだのはシャリーちゃんと一緒に作った自信作が一つ、炎の爆弾【フラム】!
「……やるじゃない、シャル」
「えへへっ……さぁて、もう一丁! レヘレヘルンルンレヘルンだーいっ♪」
『『『めえぇぇ……』』』
ついてきてくれたミルカから結構珍しい賛辞を受け取りつつ、二の矢を投擲!
青い爆風を受けたヒツジたちが、身体に霜を付けながら倒れていく。
焼いた後は、冷凍! 同じく二人で作った氷の爆弾【レヘルン】だい!
「そしてぇ――カミナリゴロゴロフラーッシュ♪」
『キャイッ……!?』
以前のように群れから飛び出してきた
威力はそこそこ…だけどね? これの本領は、相手の【動きを止める】ことにあるんだよ!
『ギ……ガ、ァ……?』
「いよっし! お願い、ミルカー!」
「ええ、任せて」
そうして動けなくなったところにミルカが駆け込んで、鼻先に杭打機をセット。
ミルカお手製の機械が唸りを上げて……って、え? ちょっと、それ――
「【トライバースト】」
『キャ――』
…………装填された杭をドカンと発射。
えーと……爆発四散。…その武器、そんな使い方もするんだ……えぐいよ、ミルカ。
「…依頼達成まで、あと二匹だったわね」
「え、あ、はい」
『『……キューン』』
まだ
…イヤ怖いから。ほら近くにいた別の野犬達、縮こまっちゃってるじゃん。
「え、えーと……そりゃあー」
『『…ギャウン!?』』
……固まってたから爆弾当てるには楽だったけどさ。
「しかしまあ……見違えるように依頼をこなせるようになったもんだな、シャリー」
「! はいっ! 師匠とミルカとシャリーちゃんのおかげです!」
財協組合本部、受付カウンター前。
ずっとゴミ拾いの報告ぐらいしかしたことのなかったそこに、今日もたっぷりの依頼達成報告を持って、あたし見参!
こなした依頼の確認を待っていた所に、奥からラウルさんの感心がこもった声が聞こえてきて、あたしは上がったテンションのまま手を振り上げた。
師匠の指導を受けた日から十数日。
あれから作れる道具の種類も効果もぐっと上がった錬金術を武器に、あたしとシャリーちゃんは組合から回してもらった仕事をどんどん片付けていく日々を過ごしていた。
今日は、偶々手が空いてるから、とついてきてくれたミルカと一緒にこなした周辺モンスターの討伐依頼もそこに加わってる。
勿論、シャリーちゃんと手分けして揃えた道具の納品依頼だって、集めれば束ができるくらい。
「……確認が済みました。ありがとうございます。こちらが報酬となります」
「あっ、ありがとうございます! …うわっ、すっごい…!」
当然、ゴミ拾いで貰っていた
すごいすごい! この数日だけでどんどんお金が貯まってく!
今のあたし、着実に夢に近づいていってるよ!
「ねえねえ、見てよミルカ! ほら、こんなに!」
「……それはいいけど。結局お金を貯めて何をするのかは決めたの?」
「えっ? …………ええと…」
「……シャル」
「あ、あはは……」
ミルカに溜め息を吐かれて、浮かれ切っていた頭がちょっとだけ落ちついた。
え、えっと、まあ……そのうち決めなくちゃとは思ってるんだけどね?
何か……何かあるはずなんだけどな。あたしの夢。
なのに考えようとすると、いつも思い浮かばないというか……う~ん……
…………あたしって、本当は何がやりたいんだろう?
「──ああ、そうだ、ミルカ嬢ちゃん。以前、依頼されたことについてなんだがな」
「っ、何かわかった?」
「いや、見かけた奴はいなかった。街を発つところの目撃情報ならあったが、特に普段と変わりはなかったとさ」
「……そう」
「……え、何々? 何の話?」
考えてる途中で二人のやり取りが聞こえてきて、そっちに意識が引っ張られた。
あたしを見上げたミルカはちょっと悩んで、それから淡々と話し始める。
「……そうね。一応シャルにも聞いておくけど、どこかで姉さんを見ていない?」
「姉さんって、ユリエさん? ……あれ? そういえば、ここんとこ見かけてないような……」
「何日か前から戻ってないの。…このぐらいならよくあることではあるんだけど」
ミルカのお姉さん、凄腕トレジャーハンターのユリエさん。
いつでも一攫千金を目指して『黄昏の海』を駆けまわってる、
……クールなところは似てるんだけどね。でも、言われてみれば、ここ最近会ってないなあ。
いつも
「今回、そんなに遠出するとは言ってなかったのに、もう一ヶ月近く帰ってきてないの。…前例が無いわけじゃないけど……少し心配」
「そっかぁ……心当たりとかあったりしないの?」
あたしがそう聞いた途端、ミルカがいつものしかめっ面にちょっぴり皺を寄せた。
……どしたの、その反応? 何かあったりするの? 心当たり。
「……多分、また、
「え、それってどういう……?」
「投錨を忘れて、黄砂に流されちゃったのよ。…姉さん、以前にもやったことがあるの」
「…えぇっ!? そんなことある!?」
船って……ハンターの人達が、『黄昏の海』を移動するときに使う小型船のこと、だよね?
黄砂が細かすぎて、歩くと身体が沈んじゃうから、『海』に点在する陸地を渡って活動するには必須になる移動手段……って聞いたことあるんだけど?
驚いて振り向いたあたしに、「ああ、あいつたまにやらかしてるんだよな…」とラウルさんから苦笑が返ってきた。
ユリエさん、探索に熱中しすぎて船を失くしてしまったってことが、以前にもあったらしい。
……い、意外過ぎる。ミルカと同じでめちゃくちゃしっかりした人だと思ってたのに……
「え…で、でもそういうときって、どうするの?」
「…前は、近くを通った商会の船に乗せてもらって帰ってきたって言ってたわ。…でも、ここ数日入港した船にも姿が見えなかったから…」
「周辺に立ち往生してるかもしれないんで捜してくれって、
「そうだったんだ……あれ、あたし、そんな時に付き合わせちゃって良かったの?」
「別に? それに、たまには外で身体を動かしておかないと、また姉さんに引っ張り出されるし」
「あ、あー……」
あたしやユリエさんが誘わないと、本当に部屋から出てこないもんね、ミルカ。
いや、それだけ集中して錬金術士の仕事してるってことかもだけどさ。
……でも「陽の光を浴びてると、気分が悪くなるわ」とか言い出したときにはどうしようかと思ったよ? あんたはおばけか何かなの?
そのせいで姉妹なのに全然肌の色違うもんね。そりゃユリエさんだって心配もするよ。
「それに……『師匠』の『指導』の成果も、この目で確認したかったし」
「あっ……えへへ……」
薬や探索用の道具もそうだけど、前とは比べものになんないほど強力な爆弾まで作れるようになったおかげで、最近はあたし一人でも結構遠くまで素材採取に行けるようになってきてる。
集められる素材の種類も増えて、また作れる道具が増えて、こなせる依頼も……って、どんどん良い流れが回ってきてる感じがするよね!
まあ、それでもやっぱり誰かがいてくれた方が、安心は安心なんだけど。
今日はミルカが手伝ってくれたし、この前なんかはウィルベル師匠とたまたま目的地が合って、一緒に行かせて貰えた日なんかもあったけど――
「……そろそろ、シャリーちゃんも一緒に連れて行ったりとか…ダメですかね?」
「……そうね。できるならその方が…どうなの?」
「あ、ああー……そう、だな」
頷いてくれたミルカと一緒に、ラウルさんに目を向ける。
あたしたちの視線に小さく唸りながら本部の中を見渡したラウルさんは、首の後ろをガリガリと掻きながら呟いた。
「…納品された道具を実際に使った奴もいるし、ハンターの間でなら、まあ認知はされてきてる。街中を出歩くとなりゃ、心無い事を言ってくる奴はまだまだいるかもしれねえが……」
……絶対に不味い、ってくらいではなくなったってことで良いのかな。
シャリーちゃんの頑張りが、少しずつ形になってるってことだよね。うんうん、良かったあ……
「……というよりは、だ。俺はむしろお前に聞きてえんだ、シャリー」
「へあっ? あたしにですか?」
難しい顔をしたラウルさんから予想外の一言が出てきて、喉から変な音が鳴った。
…あたしにって言われても……あたしに何かわかるようなこと、あります?
「…実際のところは、どうだ? これまでにあの嬢ちゃんを探して、お前の家まで乗り込んでくる輩の一人や二人は出てねえのか?」
「ええぇっ!? …いえ、母さんからそんな話を聞いたことはないですけど……」
言われて、最近の母さんとのやり取りが頭の奥にぽつぽつと浮かんでいく。
いやあ、最近ホントご機嫌なんだよね、母さん。確か、この前も──
『――今日はねー、シャリーちゃんと甘ーいお菓子を作ったのよー』
『シャリーちゃんがシャリーちゃんの部屋をお掃除してくれたの。母さん助かっちゃったわー』
『もうこんな時間? さっきまでお客様が来てたんだけど、一日中お話ししちゃってたみたいね』
『今日はスゴい仕事を見つけてきたの! ええとね、【なめし皮】を50個用意するだけなの!』
……うん、平和だ。
そして母さん、ものすごい納品数の依頼を勝手にとってくるのヤメテ?
シャリーちゃんと一緒に徹夜で調合したからね? 二人とも次の日は腕上がらなかったからね?
「…………平和そのものです、ハイ」
「そ、そうか……流石ナディさんと言うべきなのか……」
ちょっと、ちょおっと苦い記憶を思い出して遠い目になったあたしに、返って来たのは苦笑い。
うん、ほんと、流石母さんだよ。……気持ちは嬉しいよ? その気持ちは嬉しいんだけどね?
あの依頼、確かに報酬については苦労に見合うだけの金額を受け取れたし──
「何をしたの?」
「っ!」
「え……ミルカ?」
すぐ傍からいつにも増して冷たい呟きが聞こえて、思わず身体がビクっと震えた。
ラウルさんも苦笑いだった口元が強張って……なんか、目を逸らそうとしてるような…?
「……やっぱり後ろめたいことがあるみたいね」
「いや、それは……」
「み、ミルカ!? 急にどうしたのさ!? いったい……」
「私、言ったはずよね? シャルのお人好しに付け込むつもりなら──っ!?」
「えっ?」
「おっ?」
急に気炎を上げたミルカの言葉を遮ったのは、あたしたちの背後で荒々しく扉が開いた音。
何事かと思って振り向いたそこに見えたのは、二つの人影。
「……おっ、丁度ここにいたのね、シャリー」
「えっ……ウィルベル師匠!?」
特徴的なとんがり帽子に、あたしに向けた軽い呼び掛けで、片方が誰かはすぐにわかった。
……けど、問題だったのはもう一人の方。
目を向けて、見て、でも一瞬、信じられなくて。
動揺に上擦った声が、口の奥から飛び出した。
「しゃ……シャリーちゃんっ!? ど、どどどどうしてっ!?」
「シャリー、さん」
ウィルベル師匠に手を引かれて、その背中に隠れるようにしながら組合本部に入ってきたのは、今はまだあたしの家から出ないようにって話し合ってたはずのシャリーちゃん。
けれど……けれど! どうして、何でを考えるより先に、あたしの目に飛び込んできたのは――
「な…なんでそんなに、
「っ、その、これは……」
「あ~……その話は後よ、シャリー。…そうでしょ、シャリーちゃん?」
パンパンと手を叩く音で、ウィルベル師匠が駆け寄ろうとしたあたしを制止した。
どうして、と思って師匠を見たあたしに、シャリーちゃんは真剣な目を向けて……
「シャリーさん…………
※原作既プレイの方へ
悪名高きなめし皮50枚依頼。
この辺りのイベントの困ったちゃんお母さんなナディさんもそれはそれで。
中間素材の委託が出来なかった『シャリー』は前後の作品見る限り割と異端。
時間制限の無くなった初作品ですし、時間効率上げる手段は不要と判断されたのかもですね。
…そして次作『ソフィー』で即復活。当時のプレイヤーから抗議でもあったんだろうか。
なお次々作『フィリス』(時間制限あり+街中歩いても時間経過+中間素材委託無し)よ。
おまけに時間帯で居たり居なかったりなNPCの存在とかもうね。
イベント進行条件「〇〇について街の人から話を聞こう!」
→ 住民ということ以外ノーヒント
→ ひたすら街中を彷徨い歩く
→ 実は夜には不在でした
→ あ゛あ゛あ゛あ゛↑↑↑(双子にこき使われる宿無しルーシャ並感)
※原作未プレイの方へ
・(指定されたモンスター)を〇匹討伐
・(指定された素材or道具)を△個納品
ゲーム中で提示される依頼は基本的にこのどちらかです。
納品の為に指定された道具を作りたい
→ その道具の作成にはとある素材が必要
→ 該当する素材が〇〇(採取地)で採れるな
→ そこで出てくるモンスターや素材が他の依頼で指定されてたりしないかな
→ お、△△の討伐も同時にこなせるやん。受領しよ
アトリエシリーズは『シャリー』に限らずこんな流れになる作品が多いです。
尤も『シャリー』はそれまでの作品にあった時間制限が撤廃されたタイトルなので、時間効率を意識したプレイの必要は無いんですが。