あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
来月には執筆の時間が取れそうだったので、今の内にリクエスト用のテキスト確認しとこうと思ったら、いつのまにか徹夜で丸ごと一話書き上げていた……
明日(今日)も早朝から仕事なのにとか、そんなチャチなこと(ry
…………というわけで、活動報告に頂いたリクエストより、
本作世界線のアーシャ、エスカ、ロジーをちょっとだけ。
「社畜ニキ」様、リクエストくださり誠にありがとうございました!
「───真理を求めるというのは、長い旅になる」
「生まれ育った地を離れるというのは、耐えがたい未練があるはずだ」
「たとえこの地に帰ってこられるとしても、それは君が老いた頃の話かもしれない」
「それでも君の心は変わらないか───?」
「ひゃー、遅くなっちゃった! おねーちゃん、ただいま!」
「あ……っ」
とぽん、と。
錬金釜に張った水面が弾けた。
そこは薬草の匂い立ち込める、殊更に年季の入った錬金術士のアトリエ。
あるいは古き時代より技術を継いできた薬士の姉妹が暮らす、人里離れた小さな庵。
「……あれ、おねーちゃん?」
「う、うん、おかえり、ニオ。……ごめんね、ちょっとぼんやりしてたみたい」
「それはいいけど……って、釜の方は大丈夫? なんかボコボコいってない?」
「え? ……あ、本当だ。うーん、どうしよう……」
「どうしようって、そんな暢気な……納期も押してるし、ダメになっちゃったら大変だよ?」
「分かってるよー。ええと、こうして……こう、と」
のんびりとした手付きで棒をひと掻き、ふた掻き、取り出した薬品をひと垂らし。
たったそれだけで、今にも爆発せんばかりに荒ぶっていた水面が瞬く間に静まっていく。
それはまさしく技術の粋。経験の極致。
押しも押されぬ一流の薬士ならではの姉の姿に、妹からは興奮の声が上がった。
「おお、お見事! さすがおねーちゃん……いや、流石は
「も、もう! その呼び方はやめてってば、ニオ……」
冗談染みた嗄れ声で仰々しい肩書きを呼び始めたニオに、ふんわり泰然としていたアーシャから困り声の叫びが飛ぶ。
ここの数年で姉妹の中でもすっかり定着してしまった
───賢者アーシャ様。聖女アーシャ様。女神の化身アーシャ様。
彼女が赴く先々で似たような響きの冠詞付きで呼ばれるようになってから、数年の月日が経つ。
『おおっ、アーシャ様だ! アーシャ様がおいでになったぞ!』
『なんと神々しいお姿……。まるで古代神話に登場する女神のようだ』
『ほらお母さん、アーシャ様だよ! アーシャ様が来てくれた!』
『うん、アーシャ様がこの街に来てくださるなんて…!』
病害、飢饉、魔物の被害。
各地に蔓延る大小様々な災厄を、薬士の力、あるいは錬金術の力で打ち払ってきた彼女を求める声は、今でも引きを切ることはなく。
『いやはや、ありがたいことじゃ。これでワシの腰痛も治るわい』
『ウチの畑も、今年は豊作間違いなしだよ! ああ、ありがたや、ありがたや』
『これでこの街も救われたも同然。いや、もはや救われた!』
『ああ、アーシャ様の笑顔を見てると、寿命が50年くらい延びそうだよ』
至高の薬で、特上の爆弾で、あるいはまったく発想を異にする手段で。
誰もが諦め背負うしかない苦境の尽くを、快刀乱麻に断ち切る姿は正しく現代に生きる救世主。
『おおー!アーシャ様が手をお振りになってくれたぞ!』
『アーシャさま、すてきー!』
『悪いことしたら、アーシャ様に叱ってもらうからね』
『ボク、アーシャ様にしかられるような事、しないよう』
……最早、人々が求めているのは救世なのか何なのか。
神輿でも担ぐように崇められるたびに虚無を背負いながら、それでも悩みを抱える誰かを無下にできない彼女は、今でも薬士の仕事の合間に時間を作っては地方を駆け回る。
すべてを知り、すべてを行う、生きた伝説。
それがアーシャの今の時代における評価といえる。
あらゆる分野で成功を収め、その勢いは収まるところを知らず。
やがては遠く時代を越え、この地に錬金術を呼び起こした時代の旗手として、
長く語り継がれる存在となっていくだろう───」
「やめてってばぁ! 語り継がなくていいから!! いつの間にそんな口上考えてたの!?」
「あはは……えっと、考えたのはわたしじゃないよ? この前行った街の歴史研究家? みたいな人達が話し合ってたのを覚えてただけ」
「うぅ……わたし、普通にみんなの役に立ちたいだけなのに……どうしてこんな事に……」
「それだけおねーちゃんが凄いんだよ。……それと、それだけみんなが『凄い人』を求めてるの」
儘ならない現実に嘆くアーシャを尻目に、ニオが呟くのは人々の熱狂の裏にある
それは、いっそ狂信的なまでに盛り上がる人々の背中を炙る、『黄昏』の現実だった。
「……おねーちゃん。前に行った地方の外れにあった荒野だけど……やっぱり、おねーちゃんでもどうにもならないの?」
「え? うーん……そうだね。一時的になら草木を生やすことも出来そうだったけど、多分それが限界だったと思うよ」
妹の問いかけに、アーシャは頬に指を当てながら考えこみ、眉を曲げたまま返答する。
土地用の栄養剤で復活させた荒れ地は数あれど、それらと同じ扱いはできなかったと前置いて。
「どこかから力を吸い取られてる感じ……って言ったら良いのかな? あの場所にどれだけ栄養を注いでも、穴の開いた器で水を汲むようなものだったの。きっと、どこか遠くの方に根本の原因がある筈なんだけど……」
「それが分かんないとどうしようもない、ってことかあ。うーん……」
望む解答を得られた後も腕を組み唸るニオに、アーシャもまた物思いに沈み、目を伏せる。
その場、の対処では解決に至り得なかった事象を思い起こし、頭をもたげるのは過日の選択。
「おねーちゃん。……やっぱり、
「っ! …………少し、ね」
まるで心の中を読んだような妹の一言に、息を呑んだアーシャは苦笑いを浮かべた。
この数年、つい先刻、幾度と脳裏を過った
「だけど、この辺りの街や村で、わたしの薬を求めてくれる人達の事も放っておけない。だから、間違った選択だったとは思ってないよ」
「……うん、そうだね。おねーちゃんが居なかったら、この前の村も、その前の集落も、もう一つ向こうの街だって間違いなく取り返しがつかない事になってたし……仕方ない、のかなあ」
悩みはありつつも整理を付けた様子で言い切るアーシャに、思い悩むのはニオの方だった。
何しろ彼女こそが姉の持つ価値を───妹の贔屓目抜きに───誰より理解していたからで。
果たして姉は、一地方の『賢者』に収まる存在であっていいのだろうか?
とは言えこの数年、直接間接問わずその手で救われた数千という命を否定していいはずもない。
柄にも無いとは自覚しつつ、『もしも』を考える彼女は唸り声を一層増していく。
「まあ、先の事はまた今度考えたら良いんじゃないかな。それより、またどこかに困ってる人達が居ないか
「え? …………あ、うん。いってらっしゃい、おねーちゃん」
他方、常日頃より能天気に振る舞う妹でも、あっさりとは切り捨てられないその懊悩を知ってか知らずか、マイペースを極める姉は思い立ったが今とばかりに外出の準備を始める。
その手が旅支度と共に握った道具───【転移の翼】を目にした瞬間、ニオは形にならないまま胸中に溜まっていた全ての言葉を放棄するのだった。
「…………うん。おねーちゃんだもん。わたしが気にしなくっても大丈夫だよね」
そこは地方の果て、『雲海の島』と呼ばれる宙に浮かんだ奇岩群。
気球を所持する人間だけがその土を踏める、それでいてとりわけ価値あるものとて存在しない、奇特な冒険家だけが有難がるようなその地に、定期的に訪れる奇特な人間が、一人。
「───というわけで、お久しぶりです。
『ホウ マタ キタノカ。アイカワラズ ソナタハ キンベンジャ ノウ』
それは、この世の風を司る者。
それは、この世に四体存在する精霊の王、その一角。
空に浮かぶ島という地を祭壇代わりに使う、大いなる風そのもの。
そんな彼の者を前に、実に朗らかに手を振り応対するは、まさに鋼の心臓持つ乙女。
「はい。またいつものようにお話を聞かせていただこうと思って……お願いできますでしょうか」
『ナアニ キニ スルデ ナイ。ワラワ ノ カゼヲ ツカウ シカクハ ソナタニモ ハンブン アルデ ナ』
おそらくはにこやかに、目を細めた精霊の王に、アーシャもまた微笑みを返した。
魔法使いと精霊の間にあるという古き盟約が交わされた場に、彼女が同席した日から約八年。
当時は相応に恐縮した相手でも、それだけの時間があればなんのその。どのような存在が相手であろうと確かに距離を詰めていくその姿は、見る者が見ればそれこそ『賢者』と映るに違いない。
「…………なるほど。それじゃあ次はその辺りに行ってみますね。いつもお力を貸していただき、ありがとうございます」
『ヨイヨイ。ソナタノ カゼノ ツカイカタ ハ ジツニ ココチヨイ ノデナ』
───世界の風と繋がる存在の力を借りて、救いを求める者へと届く手の範囲を広げる。
何重もの意味で彼女にしかできないその行いは、成程『聖女』と呼ばれるに値するもので。
『ソウジャ。セッカクジャシ アノムスメ ノ サイキンノ ハナシ デモ キカセテ ヤロウ』
「あ、ベルちゃんの話ですか? ありがとうございます! 確かこの前は、錬金術士の女の子達と一緒に旅をするようになった……ってところでしたよね」
『ウム。ナカナカ ホネノ アル コムスメタチ デナア。ミズノ ガ コテンパン ニ サレタ トキナド ジツニ スッキリ……オット コレハ ヒミツ ジャ ゾ?』
大いなる存在と他愛無い話に興じる様は『女神の化身』と呼ばれておかしくない、のだろうか?
是非はともかく、正しく語り継がれるべき『自称ただの薬屋さん』は今日も今日とて朗らかに。
端から徐々に『黄昏』に染まりゆく世界に、けれど彼女が守るこの地方だけは。
確かに滅びの日を遠ざける救世主を崇めるそれが、ある意味何も間違えてはいない信仰であると気付いていないのは当人ばかりなのかもしれない。
「うふふ……いつか、シャリーちゃん達と一緒に遊びに来てよね。ベルちゃん♪」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ロジーさん、食事はどうしますか? もう出来てますけど」
「ああ、もうそんな時間だったか……悪い、ちょっと手が離せなくてな。一口もらっていいか?」
「はーい、どうぞ。あーん」
「ん……、美味いな。また腕が上がったんじゃないか?」
「本当ですか? えへへ……食後のデザートにリンゴのタルトも焼いてますし、一区切りついたら食べにきてくださいね。約束ですよ」
「へえ、そいつは楽しみだ。……いつもありがとな、エスカ」
「い、いえいえ! わたしが好きでやってることですから! ……あ、それとロジーさん。さっきお客さんが来てくれたんですよ」
「……客? 今日は特に来客の予定は入ってなかったよな?」
「はい。先日この街に着いて、折角だからってことで会いに来てくれたみたいです。丁度良いので一緒にご飯をと───あっ」
「ん? ……あ」
途切れたエスカの声と視線につられて、自室の扉へと目を向けるロジー。
彼女が開けたのだろう半開きの扉の向こうにあったのは、懐かしくも馴染み深い大きな三角帽子───の下で、丸く見開かれた
「…………あ、うん、ごめん。お邪魔したわね。ごゆっくり……」
「……待て。何か誤解してるだろ? というか来ていたなら言ってくれよ───ウィルベル」
最後に顔を合わせた日から、二年と少し。
何故か気まずげに目を逸らす魔法使いの旧友に、揃いの微笑みを見せる錬金術士達であった。
「───成程? やけに良いとこに住んでると思ったら、借り物だったってわけね」
「ああ。スレイアさんが中央に戻るときに、こっちで使ってた屋敷を自由に使っていいって言ってくれてな。その代わりに資料の整理だとか、論文の校正なんかを手伝ったりしてるんだが……」
人口増加により、辺境の田舎という印象がそろそろ薄れつつある街、『コルセイト』の住宅地。
まさしく発展の途上にあるその一角に佇む、やや立地にそぐわない大きな屋敷に今、常には無い賑わいが繰り広げられていた。
「ふむふむ。確かに遊ばせとくには勿体ない物件だし、新居としても申し分ないわねー」
「……新居? おい、やっぱり何か勘違いしてないか?」
「は?」
「───というわけで、あたし達が錬金術士として今までやってこれたのはエスカさんのお蔭でもあるんです! いつかお礼を言いたいなって思ってて……本当に、ありがとうございました!」
「ええっ!? そんな、大袈裟だよぉ……。でも、誰かの助けになってたなら嬉しいな」
仮の家主を務める二人の錬金術士、ロジーにエスカ。
旧交を温めるべく立ち寄った魔法使いウィルベルと、その背に控える三人の少女達。
普段静かな屋敷の中で俄かに偏った男女比が作り上げるは、姦しくも賑やかな団欒のひととき。
食卓を囲み、近況を伝え合う六人は掌中の技術の類似性もあってか、話題も自然に弾んでいく。
「シャルロッテちゃんにシャリステラちゃんにミルカちゃん、だね。ウィルベルさんと一緒に旅をしてるのかあ……ふふ、楽しそうだなあ」
「はい。……すみません、エスカさん。急に大勢で押しかけてしまって……」
「ううん、気にしないで。ご飯は大勢で食べた方が美味しいから。……そろそろリンゴのタルトが焼きあがる頃かな。厨房から持ってくるから待っててね」
「あ……それならわたし、お手伝いします!」
漂い始めた甘く香ばしい匂いに席を外したエスカに、その後を付いて立ち上がるシャリステラ。
廊下へと出た二人の足音が遠くなった頃───胡乱な目つきをしていたウィルベルより据わった声音の問いかけが投げかけられる。
「……つまり、何? あれだけ甲斐甲斐しく世話されながら一つ屋根の下で暮らしといて、未だに一切手を出してないってわけ? 嘘でしょ? 冗談でしょ? それでも男なの?」
「……そこまで言われるようなことか……?」
じろりと眇められたウィルベルの目に射貫かれ、居心地悪げに目を逸らすロジー。
傍目には不躾にもほどがある振る舞いだったが、彼女の言にもそれだけの理由はあった。
なにせ事は遡ること二年少々───というより六年も前からの、実に四年間という歳月のこと。
事あるごとに、否、事なかれど呆れる程に目にしてきた男女のやり取り、趨勢、あるいは
「マリオンから話は聞いてるのよ? あんた、中央技術局とかいう所から招聘されてたってのに、それを蹴ってまでここに残ったんですってね?」
「あ、ああ。そういえばそんなこともあったな……」
「っ、中央技術局から、招聘……!?」
「ミルカ、知ってるの?」
どこか懐かしむように呟いたロジーの傍ら、話題に上った局名にミルカが目を剥いた。
他方、当然ながら知らない単語に首を傾げたシャルロッテに答える形で、彼女は息を吐き直す。
「……中央の技術開発者の中でも選りすぐりのエリートが集まる場所よ。そこからの誘いだなんて普通なら栄転、どころの話じゃなかったはず」
「えーと……つまり、めちゃくちゃ大出世だったってことだよね?」
「そう。……中央の人間なら誰でも喉から手が出るほど羨む話よ。正直、ちょっと信じられない」
「まあ、全く迷わなかったとは言わないけどな。一般論として、多くの人間が求めるだけのものがある場所なのは確かだ」
同じ地で過ごした人間特有の感覚を察し、ロジーは苦笑いを浮かべて
彼女が隠さない『中央』という場所への嫌悪を言外に肯定しながらも、否定ばかりも忍びないと諭す意図を込めるように。
「けど、それを必要とするかしないかも人それぞれさ。俺は中央技術局に行ってまでやりたい事はもう無かったからな」
「……あの中央に、こんな人が居たなんてね」
「ミルカ……」
「…………へえ? 単純にこの街から……『誰かさん』から離れたくなかったからじゃなくて?」
「は……? あ、いや、だから、エスカとは、そういう関係ってわけじゃ……っ」
「……別にあたし、エスカとは言ってないんだけど?」
「ぐ……」
「…………」
「うわあミルカすごい顔」
混ぜっ返すようなウィルベルの一言に、慌てたロジーから分かり易過ぎる反応が溢される。
名状しがたい感情を表情にも広げるミルカに、シャルロッテもまた言葉を失くして頬を掻いた。
「はあ、まったく。お互い様とはいえ早いとこ素直になんなさいよね。
「ちょ、ちょっと待て!
「ちょっと。……話をさせてもらってもいい? いいわよね?」
「───ええっ!? べ、別にわたし、ロジーさんとは、そういう関係ってわけじゃ……っ」
「…………そう、なんですか?」
同時刻、厨房。
そこにはシャリステラが投じた豪速球に、判で押したような動揺を見せるエスカの姿があった。
まさか似たような話題で丁度『彼』も問い詰められている頃とは露知らず。
血色の良い頬をリンゴのように赤らめる彼女に、シャリステラの表情は透明度を増していく。
「そ、そりゃあ、ロジーさんは優しいし、頭も良いし、頼りになるし、一緒にお仕事してるだけで楽しくて、幸せで……じゃなくて! えっと、その……」
「……なるほど。よく分かりました。……エスカさん」
「な、なにかな!? シャリステラちゃん!!」
「『明日』は、必ずあるものじゃないですよ?」
「…………え?」
年下の少女の穏やかな、それでいて氷河のような声音に慄くエスカの眼前へと、シャリステラが取り出したのは
自認には乏しくも優れた錬金術士特有の観察眼は、その痕跡が何らかの液体を多量にかけられた結果であることを即座に見抜いて。
「昨日と、今日と、同じような『明日』が必ずやってくる……そんな保障、どこにもないんです」
液体に染められた箇所のくすみ具合に、僅かに覗く地金の輝き。
浅くない混乱の中、それでも積み上げてきた彼女の経験は、過たず『答え』を導き出す。
「それ…………もしかして、
「いつか、と。……わたしも思っていました」
「今日じゃなくても『明日』がある。伝えるのは今じゃなくてもいい。一度でも口にしてしまえば今ある心地良い時間が崩れてしまうかもしれない……きっと、そんなお気持ちなんですよね?」
「それには凄く覚えがありますし、共感もできます。傍目にもお二人は幸せそうに見えますし……ですが、敢えて言わせてください」
「当たり前にあると思っていたのに、ある日突然、跡形も無く消えてしまう。『明日』というのはそういうものです。……そうなってしまった後でどれだけ後悔したって、もう遅いんですよ」
「…………」
少女の言葉に滲んでいたのは、事情を知らないエスカにすら有無を言わせない鉛の如き重さ。
その背景に何があったのか、察してしまった彼女の頬からは、漣のように血の気が引いて。
「後悔させたくない。してほしくない。……わたしと同じ思いを誰にだって味わってほしくない。わたしから言えるのはそれだけです。エスカさん」
「───エスカ? なんか顔色悪いけど、どうかしたの?」
「あ、ウィルベルさん……いえ、なんでも……えっと、あれ、ロジーさんはどちらに?」
「あー……ロジーなら、さっき部屋に戻っていったんだけど……その、ごめんね?」
「へ?」
「いやあ、ちょっとミルカがね……発破かけるにも、もうちょっと手段ってもんがあるでしょうに」
「……?」
「まあ、何て言うか…………うん。頑張りなさいね、エスカ」
「あ、あのー……ロジーさん?」
「っ! エスカ、か。……どうした?」
「え、あ、その……ろ、ロジーさんこそ、何かあったんですか?」
「いや、まあ……ミルカって子に色々言われて、な。思う所があったというか……」
「そ、そうなんですね……」
「ああ……」
「…………」
「…………」
「……あのっ、ロジーさん!」
「……なっ、なあ、エスカ!」
「「ちょっと、大事な話が───!」」
最後の一歩を踏み出せないもだもだエスカ&ロジー「「いや、
大切な人との死別経験済みな本作ステラ&ミルカ「「は?」」
拙作世界線の二人が会話デッキとして鬼札過ぎる件について。
元々は本編にてナディさんの硬い口を割らせる為の設定だったんですけども。
なお、今話中のエスカちゃんの服装はメイド服とする(断固たる意志)。
それも含めてスレイアED風味ですが支部はやめてない想定。多分マリオンが泣きついた(笑)
やはりメイド服のエスカちゃんは外せなかった。……などと作者は供述しており(ry
一方、拙作世界線では黄昏進行により地元を見捨てられずの聖女EDなアーシャ(本編7話)。
風の王経由でベルちゃんウォッチング(違)。ただの薬屋? 紛うことなき聖女です本当に(ry
シャリー原作にて、さらっとベルちゃん通さずに水の王と対話してた彼女ならやれるよねって。
というか原作シャリー時代のアーシャってどういう状態なんでしょうね。
ステラ視点の彼女が割と人外(妖精?)っぽく描かれてる点といい、精霊の王との近さといい、本人のスキル「管理者の聖域」とキースのスキル「管理者殺しの手」からして、どこぞの先代から席を奪い取った感満載なところといい、必殺技で出てくるアレやら「
ソフィー2みたいにアーシャ2出たりしませんかねえ。