どうにかオーブ連合首長国へと侵入した、時間が夜明け故にコアガンダムの姿も熱源も感知されていないのか、それともそういった熱源の感知を阻害するなにかしらがこのコアに備わってるのか分からないけど、私はモニターに表示されたポイントである森に囲まれた廃工場跡だと思われる場所へと辿り着いた。
コアガンダムを膝立ち状態にしてコックピットハッチを開け念のため機体は稼働したままにしておき、コアのコックピットから外に出る。上の方に開いたハッチから紐のようなものが下がってきたので、ストライクガンダムやフリーダムのようなエレベーター的な何かなのだろう。
足を引っ掻けてゆっくりと地面に降り、ジャリっとした感覚が足にあった。
考えてみれば、施設を脱出したとき私は裸足だった。つまり私は廃工場跡に裸足で入ろうとしている訳だ、うん地獄だな。廃工場跡ならガラスの破片とかが散らばっていたりして足の裏に刺さったりしてしまいそうだ。
「でも、行くしかないか」
覚悟を決めて影で暗い廃工場跡の中へと入る、裸足で外を歩くなんて経験がないから少し新鮮だ。そんな事を考えていると、即座にそれが目に入った。それは一言で言うなら、白。白と銃火器のような黒い飛行機のそれは見覚えがあった。
「ジュピター、アーマー……」
ジュピターアーマー、このアーマーと合体したコアガンダムはジュピターヴガンダムとなり、白いボディーカラーで背中のフルバーニアンみたいな大型ブースターが特徴的な宇宙戦仕様の機体になる。
強さを説明するなら、原作であるビルドダイバーズRe:RISEでヒロトが操るジュピターヴガンダムで、無印ビルドダイバーズ主人公のガンプラであるダブルオースカイメビウスとほぼ互角に戦える程の強さである。それもトランザムインフィニティを使用して機体のスペックが3倍になっているダブルオースカイメビウスに普通に追い付くことが可能なほど、そのためこのアーマーは強い印象がある。
まさかジュピターアーマーがあるなんて、でも製作されたのなら私がいた施設に送られてきていても可笑しくないはずだ。それにこんな廃工場で、アーマーが作れるとは思えない。明らかに後からこの場に用意された感じが否めない。
そう考えたとき、ふとモニターに映っていた文字が浮かんだ。
【オーブ連合首長国領域への侵入を確認】
【ミッションクリア:報酬を受け取ってください】
そこには────。
【報酬は気に入ってくれたかな?】
新たに、そのような機械的ではない言葉が表示されていた。背中に、冷たいものが伝うのを感じた。
「な、にを?」
【転生対象にキミを選んで正解だったようだね】
【キミが私からのミッションをクリアしたとき】
【報酬を与える、キミの起こした行動や改変は】
【私にとってとても良い暇潰しのおもちゃだ。】
【さぁ、今後もどうか私を楽しませてくれよ?】
【君の新たな名は、そうだな………星にちなんで】
【ノヴァ・アスティルムと言うのはどうだ?】
【キミの今後の行動を楽しみにさせて貰うよ】
【混沌を司る上位の存在より】
こいつ人の命を何だと思って……はぁ、愚痴を溢すのは後にしよう。モニター画面から消えたメッセージを横に、コックピットの席に座り込む。
見れば、メインのモニターの端にサブフライトシステムリンク完了と表示されていた。
取り敢えずこれでジュピターアーマーはサブフライトシステムとして活用できる、問題はこの後どうするかだ。
原作の時間軸的にはキラがフリーダムに再び搭乗した『よみがえる翼』が終わった辺りか?記憶が確かならこの後はカガリが変な男に無理やり結婚させられそうになったんだっけ、それでキラが結婚式に現れてカガリを連れ去るはず。
可笑しい、でもその前に何かがあったはず……。
「あぁもう!こんなことになるって知ってたなら、せめて憑依する前にSEED DESTINYのDVDを擦りきれるまで見ておいたのに………」
頭を抱えながら髪をグシャグシャとかき回す。
「取り敢えず、今後の行動をどうするか……」
胸の爆弾を排除するのが最優先だと思っていたけど、それ以上に最優先にしなければならない事が出来た。ご飯や服……そしてお金だ。さすがにコアとジュピターアーマーをここに置いて探索に出掛けて、コアを取られましたとなったら一大事だ。取り敢えず、普通のモビルスーツより小さいから木からでないように工場跡の横に仰向けで置いておく?
いや、それだと明らかに可笑しいし万が一にもヘリやモビルスーツに見つかったら終わりだ。それに今から場所を変えようにも、時間帯は朝だ。
今動けば確実にバレる、空腹は数日はごまかせるけど流石に水がないと死んじゃうよね。
「はぁ、せめて機体がエクシアみたいに自立で動いてくれたら………ッ」
そんな事を考えていると、心臓が突如としてドクンッ!と跳ねた。
「アグッ!ガハッ!?」
心臓が早く、そして自分でも聞こえる程に鼓動する。
呼吸が苦しいし、身体中が燃えるように熱い。
胸元を両手で押さえ呼吸を繰り返す、そして脳裏に自分についての情報が乗ったファイルの一文が浮かびあがった。
──MS『Core』及び『Planets System』を扱う為、手術及び
急いで荷物の入っていたリュックサックを探す、そして錠剤の入っていたケースを取り出して中から一粒だけ取り出して震える手で口に運ぶ。水なしで飲むのは少し苦しかったが、なんとか薬を飲み込んで暫くすると、だんだんと心臓の動きがゆっくりに戻っていくのを感じた。
「はぁ、はぁ、難儀な体になったな」
これだと、薬の残りも……そしてこの薬と同じものを作れる人も探さないと行けないのか。
「取り敢えず、今しなきゃ行けないことが定まってきたかな」
私がいましなければならないもの。
STEP1、コアとジュピターを隠す場所を得る。
STEP2、金銭を得る。
STEP3、衣類と靴や食糧を手に入れる。
STEP4、投与していた薬の増産。
STEP5、胸に埋め込まれた爆弾を除去。
これらだ、うーん今後の事を考えるなら私が行うべき行動は取り敢えず夜まで待機って事か?いや、待てよ?確かカガリを拉致したときフリーダムはアークエンジェルに乗っていた。
少し厳しいし、原作は壊したくないけどその前に死んだら元も子もない。
アークエンジェルに自分とこのコアを乗せて貰えないか交渉するしかない。私はフリーのモビルスーツ乗り、アークエンジェルに戦力として自身を提供する変わりにアークエンジェルに置いてくれと頼むしかない。もしくはコアの資料を技術提供として渡して、代わりに少しのお金と服、もしくはローブと靴を貰おう。
船にいる間は最低限のこと以外はSEEDでキラがストライクガンダムのコックピットに入ってコックピットハッチブロックしていたのを使おう。
ついでに医者とか提供して貰えたなら最高だけど、それは高望みかな?
コアの電源を点けたままだし、早速フリーダムとアークエンジェルが出てくるのを待つか。
空腹を耐えつつ、水分不足で熱中症にならないことを願いながらコアのコックピットで過ごしていると昼頃だろうかコアの機体に内蔵されているレーダーらしきものが、コックピットのフリーダムと同じような地図の移る丸いモニターに反応が出た。
赤い点が2つ点滅している、それも海の方向で。
これは間違いない、アークエンジェルとフリーダムだろう。フリーダムの方はムラサメ相手にカガリを乗せていても相手の武装を破壊したり羽を破壊して飛行の制御が出来なくなるようにしていたから、直接アークエンジェルに行ってみるか?いや、あえて私がオーブへと行ってフリーダムより対応がしなければならないほどに飛行すればいけるか?
私は機体の計器に乗せていた足を元のペダルがある位置へと戻し機体備えつきのシートベルトを装着する。
コアを立ち上がらせる、あの混沌を司る上位の存在の考えてくれた苗字。せっかくだし使わせて貰おうかな、響きはこの世界の人っぽいし。
「ノヴァ・アスティルム。Core-Next。ジュピターアーマーで行きます」
機体を遥か上空へと飛び上がらせ、それと同時に廃工場跡のジュピターアーマーが廃工場を壊しながら飛び出し私の方へと飛行してくるので、アーマーの背中に着陸させる。
やはりか、この操作も体が覚えていたらしくスムーズに行うことが出来た。
敢えてオーブの建物に触れないくらいの高度で飛行しながら、モニターに映る点滅する点を追いかける。
すると、予想通りフリーダムが前の方を飛んでいるのが見えた。前と同じようにコアの通信をフリーダムへと繋げる。
「場を掻き回す、
『キミは……!』
「あと、私を貴方が戻る船に取り継いでほしい。それじゃ」
機体の通信を切り、オーブに来るときと同じようにペダルを思いっきり踏み込む。ジュピターアーマーのブースターが更に強く火を吹き機体のスピードを加速させる。
「グッ、慣れないと!」
体にのしかかる重力に苦悶の声を洩らしつつ、重力に耐えるため操縦桿を強く握る。後にドッキングするなら、ジュピターヴガンダムの戦い方はかなりアクロバティックでバックパックや換装する装備で縦横無尽に飛び回りながら戦闘しつつ、ビットの操作もしないといけない。
せめて、練習でもすれば良かったかな?一応コアにはコックピットに直接シュミレーターが搭載されてるっぽかったし。
加速したコアはフリーダムを簡単に追い抜いても尚加速する。
恐らく結婚式場だと思われる古代遺跡っぽい場所が見えたのでジュピターアーマーの加速を止める。通常のスピード飛行をしながら結婚式場を飛び回りながら地上のようすを確認する。
そこには花嫁衣裳に身を包んだカガリが驚愕した様子で佇んでおり、その後ろには怯えた様子の男がいた。
「こんな、女の影に隠れるような男なんかが
私は今、何度もアニメで見たあの男の情けなさに笑う所だった筈なのに、なんで私はこんなにも怒っているんだ?
そう感じた違和感に即座に、私は自身の両手を操縦桿から離し互いの腕を掴んだ。これで間違っても射撃は出来ない筈だ、前みたいな事があったら私は恐らくアークエンジェルに受け入れては貰えないだろう。
それに、何でさっきから私は考えるときはカガリ呼びなのに話すときは自然とカガリ様呼びをしている?もしかしてこの体に引っ張られているのか?
ふと見れば、到着したキラの乗るフリーダムがカガリを掴んでそのまま飛び立った。あれ、アニメみた時はおいおい掴んだまま飛行してかかる重力とか風とか大丈夫かと心配してたけど、実際に見ればわかる。フリーダムはゆっくり飛行してる、それにしても機体に乗ってるからか外の、それもフリーダムに乗ったキラとカガリの会話が聞こえない……。
結婚式場をぐるぐるしていると此方へと向かってくる四機の飛行形態のムラサメが飛んでくるのが見えた。
あれ、上に飛び乗るくらいなら撃墜にはならないよね?そう思いながら操縦桿を握り直し、ジュピターアーマーを飛んでくるのムラサメの方へと向かう。
「普通のモビルスーツなら、簡単に吹き飛ばされるだろうけどコアならいける」
高速で此方へと向かってくるムラサメの距離が小さくなった瞬間、私はジュピターアーマーから飛び上がってムラサメの背中へと飛び移り強く、ライフルを持ってない方の腕で中央部を殴り付ける。
ビームサーベルやライフルを使うと殺しちゃうし、軽く殴るくらいなら問題ないよね。え?ビルドナックルにビスト神拳にνガンダム?知らないね。
するとコアを振り落とそうと横回転するムラサメからまた別のムラサメに飛び移り殴り付ける。
私から離れたに二機のムラサメはアニメ通りにキラとフリーダムに切り伏せられるだろうね。
恐らくアニメなら相手のコックピットが写し出されてパイロットが驚く姿が描写されるんだろうな。
まぁ、通信してないから聞こえないんだけど。
二機目のムラサメから飛び上がり落下する地点へとジュピターアーマーを向かわせて着地する形で乗る。
後は逃げきり、逃げ切れのレースのスタートだ。
足元のペダルを思いっきり踏み込む、爆発的な加速とかかる重力に耐えつつかっ飛ばしてムラサメを引き離す。
フリーダムすら追い抜いたこの加速にムラサメがついてこれる筈がない。問題は、コアもジュピターアーマーに片手を掴ませてないと危ない事ぐらいか。
後は、キラ・ヤマトがアークエンジェルに上手く私の話を付けてくれているのを祈りながら海へと向かうだけだ。
主人公の名前の元ネタ解説。
ノヴァ……ラテン語で新しい、英語で新星。
アスティルム……アステール(ギリシャ語の星)とテルム(ラテン語で武器、防具、兵器)を合わせた造語。
ご愛読ありがとうございました
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主人公ちゃんに会いそうなアーマー?
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アース
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マーズ
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ネプチューン
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ウラヌス
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ヴィーナス
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サターン
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アニマリゼ