資料をリュックへと戻していた二人を他所にのんびり長湯をしてタオルも巻かずに出てきたノヴァにラクスが慌ててキラを部屋の外に押し出し、ラクスが急いでタオルがある位置を案内するような流石は主人公達と思えるような出来事があった夜。
ノヴァ・アスティルムを除いたアークエンジェルに搭乗するキラやラクス、カガリ等の原作主要人物達はアークエンジェルブリッジに集まっていた。
ちなみにだがノヴァは現在、電源の消えたコアのコックピットでスヤスヤと眠っている。最初こそラクスやキラが部屋を提供する事が出来ないかと考え交渉しようか話したが、彼女自身が拒否した為にそのようなかたちとなった。
眠っているノヴァを他所にアークエンジェルブリッジでは、キラとラクスが発見し写真として保存したノヴァ・アスティルムと言う少女と彼女のモビルスーツであるコアについて全てが記された書類の画像がモニターに写し出されていた。
「それにしても、本当にこの研究者達は狂っているのだとしか思えんな。核を搭載したモビルスーツの開発に加え、こんな女の子すら平気で改造してモビルスーツ専用のパイロットとして運用する気だとはな」
「資料に書かれていた通りなら恐らく、彼女のモビルスーツが乗っていたあの無人機が『ストライク』で言うところの『ストライカー』に当たる武装なのでしょうね。」
腕を組みながら資料が表示されたモニターを見つめるバルトフェルトの言葉を聞きつつ、資料に描かれていた情報から少女のモビルスーツについて更に考察するマリュー。
「マリューさん、この書類に書かれている事が正しいのであれば彼女の心臓部付近に爆弾が埋め込まれているのは間違いありません、何とか彼女の爆弾を取り除くことは……」
「不可能では無いけれど、流石にこの艦で手術を行うのは難しいわ。せめて信用出来る施設に……オーブの病院はどう?」
「だが、今のオーブに潜入するのはいささか危険じゃないか。」
キラの提案に、現状は彼女の手術は不可能であると話すマリューにバルトフェルトが待ったをかける。
そんな彼女達を他所に、カガリはノヴァと名乗る少女の資料を目にし悔しさと無力感、そして罪悪感にかられていた。
謂わば、ノヴァと言う少女はオーブと連合軍の戦争に巻き込まれた被害者だからである。
オーブの、そしてカガリの今は亡き父であるウズミ・ナラ・アスハの選んだ戦うと言う選択によって、彼女の人としての人生を狂わせられたといっても過言ではない。
オーブと連合軍の戦争に巻き込まれ瀕死の重症を負い、記憶を失い家族とは離ればなれとなってしまった上、引き取られた先ではモビルスーツを使うため成長を止められ、モビルスーツを操作するために体を弄り回された。
逃げ場を塞ぐように心臓付近に爆弾が設置され、いつ爆発して死ぬかも分からない。
ぶざけるなと怒った、彼女は守るべきオーブの民であった筈なのにと悔いた。
カガリは彼女から恨まれても可笑しくないはずだと考えいた、だが蓋を開けてみれば彼女は怒るどころか誘拐したキラの手助けもしている。
もし、以前のようにオーブにいたのであれば彼女の心臓付近の爆弾を取り除く手術を行えるよう手配できたと考えたカガリは一度その考えを止める。
そこでカガリはふと爆弾の事で違和感を感じた。
「なぁ、ノヴァの心臓に爆弾が取り付けられているなら何でもう
カガリの口にした疑問にそう言えばと全員がノヴァについて記された資料の画像を見る。そこには、確かに「MS『Core』を
「だって、ノヴァって子があのモビルスーツでこの研究所から逃げてきたなら研究所の奴らもすぐに気付いたはずだろ?」
その言葉に、キラは目を開いた。
そう、かつてキラはラクスの手引きでザフト軍からフリーダムを奪取した時、即座に気付かれモビルスーツに行手を阻まれた。
研究施設、それも核分裂炉とNジャマーキャンセラーを搭載したモビルスーツの実験もしていた施設だ。
警備がどれ程厳しいものか分からないが、果たしてそんな場所で、恐らくは警備されているであろうモビルスーツの格納庫施設や研究施設の人々の目を盗んだとしても、精々少女一人で脱走できるかどうかだろう。
だが、彼女は自分だけではなく施設の最重要機密であろう核搭載型の新型兵器であるモビルスーツと共に施設から逃亡した。
例え、いかに彼女があのモビルスーツに乗るためだけに体を改造され訓練されていたとしても施設なら脱出する際にモビルスーツとの戦闘は少なからず想定できる。
そして研究施設のモビルスーツとの戦闘を行っているのなら彼女の乗っていたモビルスーツは傷や汚れがある筈であるが、そんなものは
「そういえばそうね、研究施設だとしても被験者がモビルスーツを使って脱走したならすぐにでもスイッチを押されていても可笑しくないわ」
「ふむ……せめて彼女が施設からいつ逃げ出したのかと言う決定的な証拠があればいいんだが……」
するとラクスはそう言えばと口を開いた。
「そう言えば、彼女が食堂で食事するときに、一日ぶりのご飯だって呟いていましたわ」
「1日ぶり、今日も入れれば2日……なら流石に爆弾が起動されていても可笑しくないな。」
彼女のいた研究施設は彼女とモビルスーツ、その双方を超える何らかの兵器が作り出され計画は凍結し彼女の存在が必要なくなった、そのため処分されそうになった所を彼女が聞いてしまい、研究施設からの逃亡を図った……と、そこまで推察したバルトフェルトだったがやはり何かが引っ掛かる。
「そう言えば彼女の服だけど、脱走するにしても外に出るなら靴ぐらいは履いてるんじゃないか?それに服装も、あんなに薄着なのは可笑しいと思う」
そう話すカガリにキラは、ふと自身が初めてガンダム……ストライクを操縦した時の事を思い出した。
コロニーに侵入したザフト軍、アスラン達が他のガンダムを奪取するため襲撃してきた為に巻き込まれ、なんとかカガリをシェルターへと送った後、マリューがキラを逃がすためにほぼ強制されるような形で搭乗した。生き残るには
あの状況なら、生き残るためストライクを操縦しながらOSを書き替えるという、今考えても本当に危なかったとしか思えない過去を思い出し、ふとキラはある考えに行き着いた。
「もし」
そう呟いたキラの声にその場にいた全員が振り向く。
「もし、彼女が研究施設から
「何?」
「キラくん、それは彼女が誰かに手引きされて逃げ出したっていうこと?」
「もしかしたら彼女は、研究施設から逃がされた……逃がすしか、彼女とあのモビルスーツを守る手段がなかった。そう思ったんです」
「つまり彼女のいた研究施設が何らかの異変が起こり、その時に施設の人物からこの資料とモビルスーツを託され逃げ出した、と言うこと?」
「はい」
「ふむ、キラの意見もあり得ない訳ではないか。取りあえず彼女が暫く爆弾で殺される可能性は低いとみて考えた方が良さそうだな」
「そうね、まずは彼女の要求である服や靴を調達するとしましょう。簡易的な健康診断の結果が出るのはもう少し後でしょうし」
そんな風に話し込むアークエンジェルブリッジを他所に、モビルスーツハンガーに佇むコアガンダム。
コアのツインアイが一瞬だが光る。
ノヴァの眠るコックピットで電源が切られ、何も映さない真っ黒なモニターに文字が表示される。
そこには、一つの文章が表示されていた。
【さぁ、次のミッションといこうか。】
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