目を覚ますとポケモン(?)がいた件について。 作:さとう。
何卒よろしくお願いします。
目を覚ますとオレンジ色の巨大なひよこがいた件について。
スレ立てするとしたらこんなスレタイになるのだろうか。
いや、掲示板はほぼ見ないと言うか、動画配信サイト『WeTube』でまとめられているのをたまに見るくらいだが。
「チャモ?」
件のひよこ……ひよこ? は、ベッドで横になっている俺の腹の上に乗り、こちらを見て首を傾げている。つぶらな瞳が実に可愛らしいが、いかんせんこの生物は未確認生物だ。UMAだ。あまり気を許してはいけない。
「何やお前かわええな……」
「チャモ〜!」
試しに首の辺りを撫でてみると、凄く嬉しそうに鳴くのである。可愛い。
いや、どれだけ可愛かろうとこのひよこは未知の生物だ。そう簡単に絆されてはいけない。
「と言うか、なんかポカポカしてるな……」
「チャ〜モ〜」
可愛い(n度目)。
いやもうこのひよこが何者でも良いやと思えてきた。
危ない生物なら、もうとっくに危害を加えられているだろう。
「とりあえず……んお?」
起きてSNSをチェックしてから階下に降りよう。そう思って謎のひよこを抱えつつ上体を起こすと、近くに仲間? がいたらしい。
赤い小さな……ワニ? それか巨大なトカゲ? と、緑の傘に赤い棘か何かが生えたキノコの様な何かだ。
本当に意味がわからない。
2体とも寝ているので、一先ず今はそっとしておく。
時刻はまだ5時30分と、弟も両親もまだ寝ている時間だ。そりゃあ謎の生物が寝ていたって不思議ではない……と言うことにしておこう。
変に起こす事もあるまい。
「ちょっとごめんな」
何となく断りを入れるようにしてから、スマホのロックを解除する。
するとSNSのタイムラインは阿鼻叫喚を極めていた。
「巨大な青虫や鳥に鼠……謎の筋肉モリモリマッチョさんに宙に浮かぶ謎の金属生命体……火を吐く犬?」
「チャモ?」
何だそのつぶらな瞳は、可愛いな。
ともかく、このSNSで話題の謎の生物達も、近くにいるこの3体も、今日突然現れた生物と考えて良いだろう。
そしてこの現象は、どうやら日本だけではないらしい。各国で同じように不思議な生物が現れ、交通機関が麻痺したり怪我人が出たりしているらしい。
……目の前のひよこが可愛い温厚なひよこで良かった。
「まじで君ら何者なんや……」
「? ……チャモッ!」
「ん?」
そんな疑問の声に応えるかのように、ひよこは俺の手から離れると枕の方へ移動した。
枕を陣取って寝るつもりだろうかとも思ったが、どうやら違ったらしい。
枕元に置かれていた、身に覚えのない小さな球体を咥えて、こちらに渡してきた。
なんだこれは?
「……ん?」
卓球ボールくらい? の大きさの球体で、半分が赤、半分が白と、なかなかめでたい意匠をしている。
金属……だろうか? そこそこ硬く、簡単には壊れないだろう。
そしてよく見ると、ボタンのような物が付いていた。
これ押せばええんか?
そう考えつつひよこに目を向けると、俺の考えを読み取り、肯定するかのように鳴いた。
ボタンを押すとこの球体が開いて、何かヒントがあるのかな?
「じゃあ……っっっ!?」
本当にびっくりした。
なんせボタンを押すと、小さな球体が急に野球ボール程のサイズに大きくなったのだ。
硬い素材でサイズが変わる? もしかすると知らないだけで存在するのかもしれないが、少なくとも今まで見聞きもしたことないし、急だったので本当に恐ろしいと感じた。
しかしこの謎のボールが、ひよことどのような関係があるのだろうか?
再び目を向けると、どこか満足そうな顔のひよこが近付いてきていた。
いったいどうしたのだろうか。
様子を見ていると、ひよこは自分からそのボールにぶつかりにくると、ボールが開き赤い光線がひよこを包むと、何とひよこがボールの中に入ってしまったではないか。
これにはもう口をあんぐりと開けて呆けるしか出来なかった。
ボールのサイズが変わるのはよしんば受け入れられたとしても、野球ボールサイズの中に、目測40〜50cm程の巨大なひよこが入るはずが無い。
触った感じ、ちゃんと肉も皮も骨もある生物なのだ。完全に理解の範疇を超えていた。
そしてひよこを飲み込んだボールはと言うと、カチッと言う音共に、ベッドの上に静止した。
しばらくの間……どれ程だろうか。数十秒か数分か。
そのボールを眺めていると、一人でにボールが開き、再び赤い怪光線がボールから放たれた。
思わず腕で顔を覆うようにしたが特に何事も無く、よくよく見てみると、先程ボールに飲み込まれたひよこが再び姿を現していた。
「ええ……まじでよくわからん……寧ろ謎が深まった気がしてんけど……ん?」
頭を抱えそうになりながら、スマホに通知がきていることに気がつく。
何かのアプリだが、入れた覚えのないアプリで、しかも「おめでとうございます」だとか記載されており、非常に胡散臭い感じがした。
しかし、これは起動せざるをえないだろうと考え、意を決して通知をタップし、アプリを起動する。
アプリの名前は『Pokemon Station』と言うらしい。
開いたアプリには、
【おめでとうございます! 初めてのポケモンをゲットしました!】
との文章が。
続きの文章の意味はよくわからないが、何かアプリの機能が解放されたらしい。勝手に課金されていたら怖いな。
しかしこれで一つわかったことがある。
このひよこはポケモンと言うらしい。
ひよこがポケモンと言う名前……はなさそうかな。おそらくは種族か何かの名前だと思われる。
「君……いや、君らはポケモンっていうんか……?」
「チャモッ!」
凄く今更だが、まるで俺の言葉を理解しているような節を見せるひよこの返事で、急に現れた3体も、街に現れた生物達もポケモンと言うらしいことを確信した。
ポケモン……先ほどのボールに入る挙動も踏まえて考えると、おそらくポケットモンスターの略だろうが……これは今後もポケモンと呼称しよう。
一先ずアプリに目を向けると、解放されたと言う機能の中に『図鑑』というアイコンがあったのでそれを選択する。
すると、ついにひよこの正体が判明した。
「君はアチャモって言うポケモン……?」
「チャモ〜ッ!」
どうやら大正解らしい。
アチャモ……ひよこポケモン? ほのおタイプ?
なるほどわからん。
わからないが、冒頭部分のスレタイ云々は、
目を覚ますとポケモン(?)がいた件について。
の方が良いだろうか。
現代社会にポケモンが現れるタイプの二次小説読みたいな→少ないな→書いてみようで出来たものです。
残りの2体が何なのかは次話で書きたい……書ける?