目を覚ますとポケモン(?)がいた件について。   作:さとう。

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ワニと……何?

 

 この現状をどうしたものか……。

 

 アチャモ……は一先ずボールの中に入ることが出来る様なのでヨシとしよう。

 しかし残りの2体……2匹? をどうしようか。

 仮称、赤い爬虫類と緑のキノコは、アチャモのゲットというイベントがあってもなお夢の中の様だ。

 よくよく見るとどちらも違った可愛いさがある。

 ほんと、スヤスヤと眠ってるな……。

 

 さて、先程の謎のボール──今はポケモンボールと呼んでおこう──は、アチャモの入った分しか無く、ポケモンボールは使いまわせるのか、複数入れることが出来るのかは不明だ。

 ボールの説明は無いのか? 

 ……いや、根本的にもっとまずい事に気が付いた。

 

「そもそもポケモン飼える……?」

 

 なんせこちとら、少し前に仕事を辞めて実家に戻って来たヒキニートである。

 何が言いたいかと言うと、仕事も金も無く家族に助けられてる状況なのに、ポケモンと言うか、ペットを飼うなんて出来るわけがない、と言う事だ。

 

「アチャモ、ごめんな……もしかすると、お前と一緒にいられへんかもしれへん……」

「チャ、チャモッ!?」

 

 アチャモは可愛い。

 しかしそれだけで飼えるかと言うと別問題だ。

 先の(我ニート)問題もあるし、アチャモに限った話では無いが、彼らは何を食べるのか。危険はないのか。どのように飼えばいいのか、何もわからないのだ。

 無責任に飼って死なせるわけにはいかない。

 

 ……待てよ? 飼い方がわからない? となると飼い方がわかればその情報はお金になる? 

 

 多分この情報は、今ならば値千金の情報かもしれない……が、下手な事はやめておこう。命が惜しい。

 思考を戻して状況を整理しよう。

 現状、ポケモンボールは1つで、すでにアチャモが入った後。

 残り2匹はそのまま置いておくしかない。

 だが、そもそもポケモンを飼えるのか、と言う問題がある。

 また、スマホにいつに間にかインストールされていたアプリ『Pokemon Station』が、現状唯一の手がかりになると思われる。

 

(改めて考えると、3匹とも逃すしか無くないか?)

 

 しかしすでに、アチャモには少々愛着が沸いていたし、2匹もよく見てみたいという気持ちが芽生えていた。

 そもそも逃してしまうとそれはそれでまずいだろう。

 ペットの放棄も問題視されているのだ。未知の生物を解き放っては、どうなってしまうかわからない。ははっ、詰んでね?

 

「先にアプリ確認しとくか……」

 

 秘技・問題の先送りである。

 再びスマホを手に取り、先程はざっくりと見ていたそれをよく見てみる。

 画面に表示されているアイコンは、

 

<図鑑>

<手持ち>

<トレーナーカード>

<ポケモンセンター>

<ショップ>

<Q&A>

 

 の6種類だった。

 Q&Aあるがな……。

 とんだ親切設計だ。実際どれほど情報があるかはわからないが、無いよりずっと良いだろう。

 

 上から順にしっかりと見ていきたいが、じっくり見るのは後回しだ。

 時刻は既に6時前なので、そろそろ家族も起きてくる頃だろう。

 先ずはトレーナーカードなるものをタップしてみることにした。

 記載されていたのは、以下の4項目だ。

 

 トレーナーID:0000000001

 名前:藤堂 隆之(とうどう たかゆき)

 所持Pt:5,000

 捕まえた数:1

 

 トレーナーIDが1番と言うことは、おそらくだがポケモンをゲットしたのは俺が世界初なんじゃないのか? 桁を見るに全人類このトレーナーになりうると言うことか? 

 名前はスマホに設定しているのを取得したのか? 

 ポイントとは何だ? どうして既に持っているんだ? 増やし方は? ショップと関係しているのか? 

 捕まえた数と名前はともかく、疑問はあるがまあ今はあまり考えても答えは出ないだろう。

 それこそ、ポイントに関してはQ&Aに書いているかもしれない。

 

「これはまた……1つずつ確認して疑問潰してくしかないか。出来るならばアチャモ達も飼える様にしたいし……」

「チャモォ……」

 

 今ここで憂いていても仕方がない。

 やれるだけのことはやるしかない。

 アチャモの方に手を伸ばして頭を撫でる。

 するとこれまた嬉しそうな表情をするのである。

 アチャモは可愛い。

 しかし、そんなアチャモとの触れ合いの時間は、弟によって終わりを迎えた。

 

「ほんまかわえ」

「兄貴外見、た……?」

 

 弟がノックも無しに勢いよく入ってきたのだ。

 おそらく外の惨状を知らせるためだろう。

 俺と違って弟は、朝起きたらちゃんとカーテンを開ける派閥の人間なので、その際に知ったと思われる。きっと外にもポケモンがいるのだろう。

 

「あ、兄貴、そいつは……?」

「うん。あれだ。ポケモン」

「ぽけ、もん?」

「そうそう、ポケモン。ところで父さんと母さんは?」

「あ、っと、どうだろ寝てるのかな?」

 

 どうやら寝起きですぐに俺のところへやって来たらしい。部屋が隣だからだろう。

 両親は起きてるか寝てるかはわからないが、時間も時間だしそろそろ話をしに行くべきか。

 平日の朝から飛んだ災難だし、正直目を逸らしていたいが、今回のポケモン騒動は国家レベル、世界レベルで混乱していることだろう。

 

「じゃあ2人起こしてきてくれへん? 俺はこの子ら下に連れてくから」

「わかったけど……連れてくの?」

「置いていける? 置いておける?」

「あぁ……わかった」

 

 弟に指示を出して2人を起こしてもらう。平日朝から実質家族会議だ。

 さて、俺も残りの2匹を起こすとするか。

 

「っと、君らは何て名前なんや?」

 

 当然ながら2匹からの回答を求めたわけでは無く、アプリにあった図鑑を確認した。

 先程見た時はアチャモに関する情報しかなかったが、図鑑情報のほかにスキャンという項目があったのだ。

 色々と不思議な存在に不思議なアプリの事だ。おそらくはカメラで読みとったポケモンの情報を得ることが出来るのだろうと予測している。

 

「おお、思った通りや。んで?」

 

 読みが当たった事に内心でガッツポーズを取りながら、スキャンした2匹の情報を確認する。

 赤い爬虫類の方が、

 

「ホゲータ、ほのおワニポケモン……? ほっ!? ワッ!?」

 

 小さいながらもワニであると言う事に驚愕し、思わず大きな声が出てしまった。

 この声が決め手となったのだろうか。もしくは睡眠の周期の問題か。2匹がいよいよ目を開いた。

 

「ホゲ?」

「……」

 

 ワニと聞いて驚いたが、思ったよりもこう、気の抜ける表情をしており、もしやそんなに警戒する程でもないのかと考える。

 ホゲータと言うポケモンも、首を傾げてこちらをみている。

 何と無くだが、敵意の様なものは感じられない。

 それに、アチャモが2匹に近づくと、何かやり取りを始めた。可愛い。

 

 気を取り直してもう1匹も確認だ。

 緑のキノコの方が、

 

「ラルトス、きもちポケモン……? ん?」

 

 え? 

 ワニと……何?

 





次回は家族会議とアプリに関してももう少し書きたい、という感じです。
ニックネームはどうしようかちょっと悩んでおります。
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