目を覚ますとポケモン(?)がいた件について。 作:さとう。
進行は非常に遅いですが、よろしくお願いします。
アチャモ、ホゲータ、ラルトス。
アチャモ、ホゲータ、ラルトス。
アゲートス?
朝食を摂りながら今朝起きた出来事を一通り説明し終えて暫く、父、母、弟の3人がそれぞれ自分の中で呑み込んでいる最中、俺の脳内は完全に遊んでいた。
なんだよアゲートスって。アゲトース? 邪神か何か?
手持ち無沙汰だからって、思考を変なところへ飛ばし過ぎではないか?
「チャモ?」
視線をアチャモへ向けると、首を傾げた。
アチャモは可愛い。
さて、脳内茶番も閉幕する頃には、どうやら3人とも多少なりとも呑み込む事が出来たらしい。
「そのひよこちゃんもワニちゃんも、緑の子もポケモンって言う生き物で」
「うん」
「外にいるでかい鳥とかも」
「そう、ポケモン」
今日急に現れた彼らをポケモンと認識していたので肯定しておく。もし違ったらすまん。
合ってるよね? と思いつつ彼らの方に目を向けると、ラルトスがまるで俺の言葉を肯定するかの様に一つ鳴いた。
「ラルッ」
この子は賢い子かもしれない。
もしかすると、きもちポケモンというのはこう言う、気持ちを察する的な事だったのだろうか。
「ポケモンはそのボールの中に出たり入ったりする、と」
「その通り」
「それで、それらを知ったきっかけは、そこのアチャモってポケモンとPokemon Stationとかいうアプリだな」
「そう。諸々、これから調査しないといけないけど」
改めて聞くと本当に意味がわからない。
地球のバグですと言われたら、はいそうですかと納得すると思う。
それはそうとこのアプリに関してだが、家族と確認して新たにわかった事がある。
このアプリ、どうやら家族のスマホにはインストールされていないらしい。
状況から察するに、インストールのタイミングは初めてポケモンをゲットしたタイミング、と考えて良さそうだ。
「現状、まだまだ未知の生物だ。外に放り出すわけにはいかないだろうし、3匹ともうちで面倒見るしかないのだろうが……」
父としては消去法で受け入れる方向で考えているらしい。しかしこれは、逃して問題ないなら逃す可能性だってある。
いかんせん彼らは危険なのか安全なのか、友好的な存在なのか、未だ判別できないでいるのだ。
「さて、一先ず3匹はうちに置くとしよう。隆之、可能な限りポケモンについて調査してくれ。それとテレビでもネットでも良いから、自治体の動きは見といてくれ」
「了解」
「それと夕飯の買い物と用意もお願いね」
「わかった」
調査に関しては、根気よく3匹と向き合いつつ、アプリ──以降はポケステと略そう──の確認だ。
自治体の動きを見る、と言う事だが、今回の内容が内容だけに、きっと民間にも情報提供を呼びかける可能性があると考えてのことだった。
いずれは国が大きく動くとは思うが、動くにしても時間はかかるはずだ。
「さてと、一先ず今決めなきゃいけないことはこれくらいか?」
「そう、だと思う」
「わかった、それじゃあ父さんと母さんは仕事に行ってくるよ。宏樹は今日は大学は?」
「午後からだから、もう少しポケモンのこと見てる」
こうして俺は弟と2人で両親が仕事に行くのを見送った。
その後はちゃっちゃと食器を洗って片付けて、ポケモンと向き合う時間だ。
「改めて、ホゲータって子は結構重いな」
「ホゲー?」
自分について話しているのはわかるが、話にはついていきていないのだろう:
ちょっと間抜けな顔をしつつ、弟に抱えられている。可愛い。
改めてと言ったのは、2階から降りてくる時にも抱えたからだ。
アチャモ? 俺の股座にいるよ。
そしてラルトスは俺の頭の上に引っ付いてもらっていた。頭に動物を乗せるの、実は密かな夢だったんだ。
「Q&A確認しよか」
ポケステを立ち上げて、Q&Aのアイコンをタップする。
テキストボックスと検索ボタン、それからよくある質問や、ポケモンについての基礎の基礎と言った内容が出てきた。
質問って、いったい誰が誰にしたのだろうか……?
予想に過ぎないが、アプリ制作者の制作のし易さの都合だろう。教科書的な書き方よりも、質問とその回答とした方が作りやすかったとか。
ともかく、基礎の基礎から見ていこう。
『ポケモンとは?
ポケットモンスター、縮めてポケモン。火を吹くポケモンや電気を発するポケモン、中には天候を操るポケモンなど、不思議で強大な力を備えた生き物だ。また、彼らは非常に賢い生き物で、人が心から歩み寄れば、ポケモンもそれに応えてくれるだろう』
初っ端からやべーという感想しか出ない回答が出てきた。
火を吹く? 電気を発する? 挙げ句の果てには天候を操る?
そういえばホゲータはほのおワニポケモンとか記載されていたが、もしやこのホゲータも火を吹くのだろうか。
そんな生き物が町中に現れたと? 人類滅亡の日?
最後の一文はいまいち理解しづらいが、共生できるという事だろうか?
「1つ目でお腹いっぱいなんだが……」
「それな。とりあえず先に、何を食べるのかっての探そう」
彼らがどう言う存在なのか、危険なのか安全なのか、その辺りは知識も大事だが実際にこの目で見るしかないと思っている。
それと、歩み寄れば云々とあったので、それを信じてみよう。
「食べ物については……あった」
「どれどれ」
『ポケモンが食べるものについて①
ポケモンは主に、オレンのみやモモンのみなどのきのみを食べる。きのみはポケモンの個体により味の好みが異なってくるので、よく見てあげよう。その他にも、Pokemon Station内のショップにて販売されているポケモンフードを与えると良い』
つまり、きのみかポケモンフードを与えれば良いと言う事だが、ここで二つ疑問が湧いてきた。
今朝は一先ず、余物で悪いと思つつ、キャベツ・にんじんの切れ端等を与えてみた。すると3匹ともそれを食べていたので、普通に食事をすると言う事はわかっていた。
ではショップで購入したポケモンフードなるものは、いったい誰がどの様に送ってくるのだろうか。
送ってくる業者がいれば、つまりその業者はポケモンについて直接的に何か関わりがあると見て良いだろう。
そしてもう一つ、タイトルに①とついていると言うことは②以降もあるはずだが、今のところ②は見当たらない。
これは後々情報が追加されると言うことだろうか。
「ひとまずご飯に関しては情報は得たけど……」
「安定して確保するのはまた別問題よな」
問題が1つ解けるとどうなると思う?
次の問題が出てくるんだ。
ポケモン達の食事問題は確保の問題が出てきたし、他にも与えてよさそうなものがある事が示唆された。
「とりあえず、ショップ見てみようや」
「おう」
弟に促されて、ポケステ内のショップを確認する。
すると、売り物の名前と消費するポイントが、一覧で表示された。
トレーナーカードに記載されてたポイントは、やはりここで使う様だ。
「モンスターボール……さっき言ってたやつやな、が1こ200ptで、ポケモンフードは1つ4,000ptと」
「今手持ちが5,000やから一応買えるな」
なるほど、ポケモンボールと呼んでいたのは、正しくはモンスターボールと言うらしい。
そして現状、所持ポイント的にはポケモンフード1つと、モンスターボール5つを購入可能だ。
「ポケモンフードは買うとして、ボールは何個か買っとく?」
「そうやな。2匹の分と、余分に2つ……それと、このきずぐすりというのを買っとこうか」
「きずぐすりは1つ200ptか」
結局買い物の内訳としては
ポケモンフード(1):4,000pt
モンスターボール(4):800pt
きずぐすり(1):200pt
合計:5,000pt
となった。一気に使い切ることに不安はあるが、手持ちポイントに対してポケモンフードが高いのが悪いと思う。俺は悪くねぇ。
それはさておき、このまま注文といこう。
「で、これもう確定ボタンしかないけど、住所の登録とか無いんか?」
「スマホの情報読み取るとか?」
それならばトレーナーカードに記載されてると思うが、住所の記載はなかったはずだ。それに、スマホって全てのOSで住所の登録とかあっただろうか?
まあ後から住所の登録をするパターンだろう、と考えて確定ボタンをタップする。
どのみち押さなければ何も進まないのだ。
「押したけど住所登録とか出てこ……」
「あぁ……住所登録は出てこうへんだな」
住所登録は出て来なかった。
これじゃあ配送業者はどこに届ければ良いかわからないだろう。
普通ならば。
「空中から出てきたよな」
今確かに、俺と弟の目の前で、注文した荷物が箱に詰められた状態で空中から現れたのだ。
理屈なんてものは一切わからないし、きっと理解もできないだろう。
恐怖すら感じるが、ポケモンという存在がいるのだ。今ポケモンに関する何らかの現象は、一旦思考を停止して受け入れるしかあるまい。
「ま、まあ荷物が速攻で手に入るんは有り難いよな」
「そう思っとこ」
届いた荷物を検めると、問題なく注文した通りの品が届いていた。
ポケモンフードはまたお昼頃に与えれば良いだろうか。それとも晩で良いのか?
タイミングはアチャモ達の様子を見よう。
「それじゃあ、ホゲータとラルトスだけど……宏樹はどうする?」
どちらかゲットしてみるか? という意味だ。
「もし、兄貴が良いならさ、ホゲータは俺がゲットしたいんだけど……」
「わかった。じゃあラルトスは俺がゲットするから、ホゲータは任せた」
抱えたりしているうちに愛着が湧いたのだろうか。
嬉しそうに頷くと弟に、購入したボールのうちの1つを手渡した。
捕まえ方は今実演すれば良いだろう。
「それじゃあ、ホゲータ、ラルトス、ボールの中に入ってくれないか?」
「ホゲッ!」
「ラルッ!」
2匹とも肯定している様子だった。ありがたい限りである。
弟にゲットの方法を伝えると、同じ様に動き始めた。
ボールのボタンを押して野球ボールサイズにすると、それを軽くそれぞれのポケモンに触れさせた。
「本当にボールに入った」
弟は呆然とした様子でそれを眺めていると、それぞれの入ったボールが、カチッという音ともに静止した。これで2匹ともゲットだ。
これで、人類で2番目のポケモントレーナーが誕生したのだった。
さて、ゲットして早速だが、2匹を出そう。
「それじゃあ……ってポケモンってどうやってボールから出せば良いんや?」
アチャモの時は、アチャモが勝手に出てきたので、ボールへの出し入れはそういえばまだわからないのだった。
「……」
「とりあえず」
Q&A確認しよか。
主人公も弟も作者も冷静ではありません。
また、続き書いてて「主人公全然外出ないやん」となりました。
引きこもりかよ。
ヒキニートだったわ。
次回はようやっとお出かけ(買い物)の予定です……書けるかな?