雨のちウエディング   作:夢枕悪

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初の投稿となります。
ネタバレは無いよう気をつけてはいますが、もしもあったら、ご容赦下さい。
文章力皆無の為、キャラクターの容姿描写は、ほぼほぼありませんので、原作を知らない方は、あまり楽しめないかと思いますが、ご勘弁を。

作者はアラフォーのオサーンですので、メンタルは強めです。
ですので、「読みにくい」「不自然じゃね?」「ちょっとキャラ違くない?」等の感想頂ければ、改善していこうと思ってます。
もちろん、一言でも温かい感想も頂ければ幸いです。


『day1』

書類を整理している手塚は、ふと窓を見た。

 

(今日も、雨ね)

 

上層部からの無理難題な指令、基地及びドーム周辺の哨戒任務または輸送任務の編成、更には隊員達の人間関係や健康面、フレーバー通りを含む基地内の施設管理を行う職員達の管理、等々…

多少、七瀬が補佐しているとは言え、やはり膨大な仕事量となる。

七瀬自身も、手塚程で無いにしろ、多忙な身である。どうしても遠慮してしまう。

更には、この連日の雨である。

仕事で缶詰状態とは言え、窓からの陽射しも恋しくなる。

ふう、と深く溜め息を吐く。

 

(いけない、またシワが寄ってる)

 

天井を仰ぎつつ、眉間を摘まむ。

一つ呼吸をし、気を取り直して作業に取りかかろうとすると、ドアがノックされる。

 

「どうぞ」

 

今日の予定では誰の訪問も無かったはず、と訝しいく思いつつも応える。

 

「失礼するであります!」

 

この少しおどけつつも威勢のいい声は、

 

「31Aの茅森月歌であります!」

 

(…ある意味、上層部や大型のキャンサーより厄介な相手ね)

「茅森さん、今日はどうしたの?」

 

手塚は内心、本日何度目かの溜め息をしつつ、平静を装いながら聞く。

 

「本日は、司令官にお願いがあって来」

「却下よ」

「ええーっ!まだ何にも言って無いのに!」

 

はあ、と今度は完全に溜め息を吐きつつ言う。

 

「茅森さん、あなたのことだから、突拍子もない気晴らしでもしたくなったんでしょう。やるなとは言いませんが、昨日は休日だったでしょ?そういう日に、仲間内でやりなさい。あくまでも、ここは軍なのよ」

「確かに気晴らしでは、あるけどさぁ、最後まで聞いてくれてもいーじゃん。おーぼーだー」

 

ぶーぶーと(実際に口で)言いながら、手を上げて抗議してくる。

はあ、と本当に何度目か分からない溜め息を吐き、「聞くだけよ」と、話を促す。

 

「さっすがお代官さま!話が分かるねぇ!」

「私は司令官よ」

 

手塚がぴしゃりと言い放つも、月歌は気にせず続ける。

 

「司令官、PV(プロモーションビデオ)作らない?」

「は?」

 

月歌は目をキラキラと輝かせながら、前日の事を語りはじめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、マリー、何か面白いことなーいー?」

 

購買部のカウンターに、もたれながら心底退屈そうに言う。

 

「月歌さん、営業妨害ですよ?とっとと帰りやがれ♪」

 

いつも通り、素敵な営業スマイルと上品な鈴の音の声で、口の汚いマリ。

それでも、月歌は意にも介さず、食い下がる。

 

「だぁってさぁ、ここ最近、休みの日も連続で雨なんだぜ?出来ること限られちゃうから、すぐに飽きちゃうよぉ」

「いい加減にしないと、手塚司令にチンコロすんぞ?この野郎♪」

「やめてー!手塚司令に言うのもだけど、その8○3みたいな言い方やめてー!」

 

慌てて姿勢を正し、接客を受ける態度に直す。

 

「ところで、本当に面白いこと無いの?」

「ありますよ?」

「え?あるの?」

「1GPと10GPと1万GPがあります♪」

「10と1万の開き!」

「どれにしますか?」

「えっと、じゃあ、とりあえず10GPので」

「毎度、ありがとうございました!」

「で、どんなの?」

「蚊に刺されたら、刺された箇所にセロテープを貼ると痒くないそうです」

「へぇ~、そうなんだぁ。ああ、空気に触れないようにすれば、痒くないってこと?今度、試してみよう」

「はい、是非♪」

「…」

「…」

「いや、それ、ただの知恵袋だから!知恵袋的なヤツだから!!」

「お値段通り♪ですよ?」

 

見事な営業スマイルである。

 

「他に何か、お買い求めになりますか?」

 

そう問われて、頭を抱える月歌。

 

「う~ん…10GPでそれかぁ…何だか損したような…いや、でも、プロであるマリーが設定した値段なんだから、適正な気もするし…そうなってくると、1万GPの方も気になるし…」

「冷やかしなら帰りやがれ♪」

「分かった!奮発して、1万GPの方もお願い!」

「毎度、ありがとうございました!」

 

そう言うと、マリは、デンチョを操作し、一枚の写真を月歌に送信する。

そこに写っていたのは、

 

「ええ!何これぇ!?」

 

淡い青を基調としたウエディングドレスを纏い、感極まったのか、今にも泣き出しそうな表情をしている少女。

長く濃い青い髪と透き通るような白い肌が、ドレスによく映える。

手にしているブーケは、ドレスとは対照的に赤い花があしらわれている。

 

「凄ぇ、これ、え?マリーなの!」

「フレーバー通りの写真館で、ジューンブライドキャンペーン企画です♪」

「凄いよ。マリー、めちゃくちゃ可愛いじゃん」

「ありがとうございます!お値段通り♪でしたか?」

「いやいやいやいや、あたしにとっては、お値段以上だよ!これは、まさにギャ」

「ギャイヤグレイーイボドドドゥドオー!ですか?」

「それ、あたしのヤツ!先に言っちゃダメなヤツ!!…でも、ありがとう。イイ感じに、創作意欲が湧いたよ。じゃ、また来るよ」

「毎度、ありがとうございました!GPたっぷり稼いできやがってくださいね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、ジューンブライドをテーマに新曲を作ろうと思って」

「なるほどね」

 

そういえば、と手塚は思い出す。

フレーバー通りの写真館は、様々な衣装を着て写真が撮れる。

キャンペーンの企画書に目を通した時、やはり皆んな憧れるのだなと思っていた。

 

「分かったわ」

「よっしゃ!」

「あなたのことだから、やるなと言っても、曲は作るでしょう?それに、士気も向上するでしょうし、ドームの娯楽にもなるわ」

 

少し諦め気味に、手塚は了承する。

やはり、キャンサーや上層部より難敵だ、と思う。

それに…

 

「ありがとう、司令官!早速、作戦を開始するであります!」

「分かってると思うけど、任務に支障がないようにしなさい」

「了解です!!」

 

威勢のいい返事と共に、月歌は司令官室を出て行く。

手塚は、また窓に視線を移し、ふっと息を漏らす。

 

「私も楽しみにしてるわ」

 

外の雨を見ながら、どの隊員も見たことがないような微笑をする。

手塚の気分も、少し晴れたようだ。

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