「スウィージス?」
スウィージスは国名で、エネジとはかなり離れた場所にある。
戦争が起きる世の中で中立を宣言している。
目の前の機械はその国の物だと言う。
取材をしていて初の遭遇にアンドレは高揚を抑えつつ、話しかける。
「詳しい話は家の中でいいか?」
『ええ、捕まった方に選択肢はいらないです』
機械を持ち上げ、家の中に入っていく。
「お邪魔します」
探していた子供が声を聴くと玄関まで行った。
「何ですかそれ?」
「たまたま見つけた別の国の通信機器」
『初めましてー』
「あっ喋るんだ」
「探し物は見つかった?」
「薬はこれに入ってました」
ポーチを取り出し開けて見せる。
「良かった、すぐ避難所に向かう?」
「それなんですが、避難中に足りないものを探そうと」
アンドレが家を物色しながら質問し始めた。
「どこから操作してるの?」
『スウィージス国内から』
「何を目的に?』
『監視です。ここが一番戦闘が起きやすいと上司は言っていました』
「結構・・・ぺらぺら喋るんだね」
『そうなんですよ!現地にいる人にバレないように操作しないといけないし
上司も連絡は控えてって言うし
基地も周りに人はいないしでかなり我慢してたんですよ!』
なぜこの人がこの作業をしているのかという疑問は浮かんだが、子供の声にかき消された。
「準備できました」
「よし、行こうか」
『私はどうします?』
この機械を持って行く、もしくは壊すことでスウィージスから抗議を受けるより、放置が一番良い選択肢だと考えた。
「ここで別れよう。軍にも言わないし、記事にもしない」
『では私はこれで、ご安全に!』
窓から飛び出たドローンは屋根の上を渡って見えなくなった。
「避難所近くまで一緒に行くよ」
「ありがとうございます」
外に出ると、先程の機械について考え始めた。
(まず、操作場所は正しいだろう。わざわざ来て操作する必要はない、あの大きさの機械に装置が乗るかは考えずに。
仲間について、おそらくここにいるだろう。軍に見つからずに移動する事は結構簡単だと身をもって知った。)
ふと子供を見ると、疲れた顔で着いてきていた。
「休憩しようか」
「いえ、大丈夫」
その時、巨大な爆発音とともに地面が揺れた。
アンドレは少しよろめくだけで済んだが、子供は支えきれずに尻もちをついてしまった。
(どこが爆発したんだ!?)
辺りを見回すと、黒煙が噴き上がっている建物を見つける。
(あの方角はテロ組織の...)
空を見ると、こちらに飛んでくる物体を確認した。
「爆弾、まずい!」
隣にいる子供は何が起きたかわからない様子で唖然としていた。