人理修復に巻き込まれたンゴwww 作:一般通過マスター
「そういやラスボスさんのことなんだけどさー」
時間は数十分前のこと。
カルデア一行は洞窟を抜けた先に待ち受けるアーサー王の元へ向かっていた時だった。
前を意気揚々と歩くハジメが道に落ちていたサッカーボール程の岩を器用にリフティングしながらそう切り出した。
「ラスボスさんってアーサー王なんでしょ?」
「……あぁそうだが?それがどうかしたか?」
「いや、作戦くらい立てておくかって感じなんだけど」
それを聞いて驚く面々。
まさかこんな変人からそんな真っ当な意見が出るとは思わなかったのだ。
「た、確かにそうね」
『そ、そうだね。考えておくに越したことはないからね』
「そ、そうですね」
「……たまにはまともなこと言うんですね」
「うん、藤丸ちゃんが1番ひどいからね?分かってる?おにいさん泣いちゃうよ?」
「……んな事はいいから何か策があんのかよ」
キャスターの言葉にニヤリと笑うハジメ。
リフティングしていた岩を思いっきり蹴り砕いた。
「モチのロン」
「へぇ、聞かせてもらおうじゃねえか」
「大まかに言えば宝具を打たせる、だな」
「「「宝具を?」」」
「打たせる、ねぇ…」
『……それは、敢えてかい?』
「イエース。たしか聖杯?の恩恵で宝具を連発出来るほどの魔力供給があるって話だが、でも宝具なんて大技使ったあとなんて少なからず間が出来るだろ」
「……その隙を突くってわけか、上手くいくかね」
納得は出来る。が、そこまでの展開をどうするか。果たして上手くいくのだろうか。
「そこは宝具を使わなきゃ倒せないと思わせるしかないわな」
『そんなことが出来るのかい?』
「キャスターも確かに近接戦はいけるけれど、だからといってキャスターとセイバーのクラスの能力差は大きいわよ?どうするの?」
「ん?だから、俺がセイバーと戦うって」
「「「「『……は?』」」」」
「出たわ…」
『いつもの頭おかしい発言だね…』
「さ、さすがに…」
「……頭大丈夫ですか?」
「まじかよ。いつの間にお前の頭にそんなデバフがかかってたんだ?」
「よし、お前らそこに並べ。順番にきたねぇ花火を打ち上げてやる」
各々がハジメの頭を心配する中、ハジメは肩を回し打ち上げ体制に入った。
『まあそれはいいとして、君にできるのかい?』
「できないとお思いで?」
『……信じていいんだね?』
「ああ、泥船に乗ったつもりでいろよ」
『……それダメじゃない?』
「それで?宝具を使わせられたとしてその後はどうするのよ?」
「その後のこともご心配なく。ちゃんと考えてあるのでね。てなわけでこっからは藤丸ちゃんとマシュの出番」
「私達?」「ですか?」
ハジメの口から出てきたのは藤丸とマシュ。
彼女たちは不思議そうに自分指さしていた。
「藤丸ちゃんの令呪を使ってマシュを俺の前に転移させる。そのままマシュが宝具を使ってアーサー王の宝具を受け止める。完璧だな」
「ふむふむ」
「……分かりました」
「それで?俺は?」
「キャスターはその後即座に宝具を展開。アーサー王にぶち当てるって流れよ」
「……なるほどなぁ」
雑な作戦ではあるが、確かに流れは想像出来る。
そもそも繊細な作戦を立てても小細工が通じる相手でもない。これくらい単調な方がやりやすいものだ。
だが、
「そう上手く事が運ぶかねぇ」
『……うん確かに。あくまで宝具を打ってから次の宝具までの間は作れる。けど』
「別にアーサー王が動けなくなるわけじゃない」
「そうだね。それでキャスターの宝具を避けちゃったら」
「2度目は通じない、ですよね」
腕を組み唸るカルデア一行。
しかし、ここにいるのはカルデア最強の珍獣。変人であるが魔術士の腕は1級品。そんな彼がそんなことを想定してないはずもなく。
「だから、そこは俺に任せとけって」
そう言って笑った。
▽▼▽▼▽▼▽
「藤丸ぅぅぅぅう!!!」
「うん!マシュ、お願い!」
「はいッ!」
令呪を発動する藤丸ちゃん。
直後に目の前に現れた盾の後輩。いいおケツが眼前に、眼福です…!
「な!……なるほど、嵌められたわけか。まあいい!受けれるものなら受けてみろ!旭光は反転する…!」
──
漆黒のビームがこちらに向かって飛んでくる。
なんて壮観な景色だろう。厨二心溢れるロマンの塊だ。
俺もこんな色のビームを性剣から出してみたいものである。
「宝具!展開しますッ!」
──
マシュも宝具を展開。
これがマシュの宝具か。全く、いつも俺の後ろをひょこひょこ着いてきていたあの女の子が立派になったもんだ。
さ、俺も準備しておこう。
腹を叩き体内から口へ、口から外へとあるものを吐き出す。
「クっ……やあぁぁぁああぁぁぁあぁあッ!!!」
そんな叫び声を上げるマシュ。
俺がとあるものを手元に出してる間にマシュは懸命にアーサー王の宝具を受け止めていた。
轟音と衝撃が辺りを襲い、それでもなお受け止め続ける。
そして……、やがてアーサー王の宝具は消えていき。
「はぁ、はぁ…」
マシュがアーサー王の宝具を受け止めきった。
「よくやったマシュ。……キャスタァァァア!」
「あいよ!準備は万端だ!」
さて、このまま押し切りたいところ。
「なるほどそういう事か…!」
流石に気づくか。だが、もう遅いッ!
手元のそれからピンを抜き、アーサー王の元へ投げ込む。……狙いは眼前!
「っ!これは──」
アーサー王の言葉途中に弾けるそれ。
強烈な光と耳をつんざくような音。
俗に言う閃光弾、スタングレネードと言うやつだ。
爆弾は恐らく耐えられる。下手に魔術を打ってもまず効かない。
しかし、音と光による攻撃は多少なりとも怯んでくれる。相手がサーヴァントとでも関係ないね。この一瞬の怯みだけが欲しかった!
「今だぞ!殺れェッ!」
「ありがとよ。おら、くらいなァァア!」
──
「くっ…!目が……耳も…!はっ…!」
目と耳のダメージが引くのが早い。やはりサーヴァント。
しかし、体勢を立て直すのが少しばかり遅かった。
顔を上げた少女前には既に炎の巨人が迫っていた。
「……宝具ってすげーな」
轟音に耳を破壊されながら爆煙に燃えるアーサー王に目を向けていた。
受けてみたい好奇心はあるが死ぬ気は無いので今度にしよう。
そうしてると豪炎の中に浮かぶひとつの影。そこから出てきたのはズタボロのアーサー王だった。
「全く聖杯を守り通す気でいたが己が執着に傾いた挙句敗北してしまうとは……結局どう運命が変わろうと私一人では同じ末路を迎えるということか」
「あ?どういう意味だそりゃ。テメェ、何を知っていやがる」
「いずれあなたも知るアイルランドの光の御子よ。”グランドオーダー”……聖杯を巡る戦争はまだ始まったばかりだという事を」
なるほどね、完全に理解したわ(分かってない)
とりあえず、
「また会おう、我が王よ」
「き、さまとはもう……会いたくない、な…!」
そう言うとアーサー王は光の粒子となって消えていった。
俺のハートに深い傷を残していきやがった。許せん。アーサー王は後で会ったらキン肉バスターならぬハジメバスターをかけることにしよう。
「おい待てよって……逝っちまいやがったよ。って、おぉお⁉︎やべぇ、ここで強制帰還かよ⁉︎チッ、納得いかねえが仕方ねぇ!お嬢ちゃん、あとは任せたぜ!」
「キャスターさん!」
「ああ!嬢ちゃん!次があったらそん時はランサーとして呼んでくれ!」
「キャンサーさん!」
「キャン……キャンサー?……キャンサーって誰だよぉぉお!」
そうして我らがキャンサーが消えてしまった。さよならキャンサー。お前のことは忘れるまで忘れないよ。
「……キャスター、セイバー、共に反応消滅しました。私達の勝利、なのでしょうか?」
とりあえずは一件落着……だな!うん、落着落着ぅ!
あとは帰るだけだな。……え?だよね?
なんか真面目に倒してたけど、この男、ずっと半裸。