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塔に行きとう御座います 【ライザのアトリエ】スレより
26:ガイア
おかしい。順調に進んでいる
【リンク】
30:名無し
つーっても、ガイア達の装備だろ? その辺は楽勝じゃね
38:名無し
最悪、盾を前に出して走れば魔物片付くだろ
家に急の来客が来た場合に重宝するあれの要領で
40:名無し
>>38
あー、どっかで見たなぁ。机で散らかった物を一纏めにして押し入れに入れる奴
49:名無し
最近、この配信だけが外に出てるって実感できる
59:名無し
>>49
実際に外出ろ
65:ガイア
農業は……良いぞっ! 皆も鍬を振ってマッスルになろう!
73:名無し
>>65
聖3文字
76:名無し
>>65
やだよ
85:名無し
>>65
お断りだぁぁ! (AA略
96:名無し
>>65
やだね
97:名無し
ガイアの戯言はともかく、たしかここってぷに居なかった?
99:ガイア
あ、丁度見つけた
よーし、弓の先制攻撃だべ!
103:名無し
おー、金色だ
111:名無し
あれ、なんで弓持ってるんだい?
116:名無し
>>99
ちょっと待て……ちょっと待て!?
119:名無し
おい、ガイア。なに引き絞ってんだ、お前の矢のサイズおかしいんだからってあーあーあー!
127:名無し
うーわ、遺跡ちょっと壊しやがった
130:ガイア
ちょっとずれたなぁ。でもダメージ与えたから良いか
136:名無し
問題そこじゃねぇよ! 重要文化財っぽいの壊すなよ
139:名無し
>>136
いやー、どうせここまで来る物好きなんてあんま居ないだろ。それに魔物も居るんだから風化とかで壊れるって
149:名無し
なんか富士演習場で聞いたことあるような音が聞こえたんだけど、榴弾でも打ち込んだ?
152:名無し
>>130
いや、直撃したら欠片も残さないような音してたんだけど?
156:ガイア
今回は姉ちゃんのフラムを括り付けて心許無い火力の底上げをしました
164:名無し
フラ……ム? なぜ?
173:名無し
>>156
いらん底上げすなw
178:名無し
>>156
底上げが無駄過ぎるww
184:名無し
>>156
1回、辞書で『心許無い』を調べてくると良いよ
194:名無し
まぁ、あんなことやった後だから当然倒せるよな。分かってた
202:名無し
心許ない 心もとないともいう
頼りなく不安で、心が落ち着かないさまを表す言葉
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「また遺跡か。最初は祭壇、次に戦闘の痕、今度は何だ」
「ここまで立て続けだと感動も薄れちゃうね」
俺達の目の前に谷にへばりついた遺跡群が見えてくる。今まで遺跡の立ち並ぶ方向に沿って歩いていたからかタオが遺跡に関してお腹一杯気味に呟いているが、最初に見た黄金ぷにが住み着いていた祭壇以外はほとんど瓦礫同然だから、その言い方は考古学者を目指すなら見当違いだぞ。
アンペルさんの見立てではこの遺跡は城塞。大勢の敵を狭い谷におびき寄せ、その分堅牢な守りで敵を殲滅しようと考えて作られた設備のなれの果てらしい。
その証拠に地面の所々には大砲らしき球体の残骸、半ば折れて朽ち果てている剣の残骸、そして鋭利な爪などで削り取られた城壁の一部らしい石材や歩兵が実際に踏ん張ったであろう逆茂木といった妨害設備の残骸が見て取れる。
「これだけの防衛設備をもってしてもフィルフサに敵わなかったんだね」
「もしかしたらこの先に戦ってた人の子孫とか……」
「それはない。もし居たら手記にも書いてるし、バルバトスさんがこんな辺鄙なところじゃなくて移住を勧めてると思う」
周囲には戦闘の痕や風化した武器といった殺伐とした場所で隠れ里を作るとか、はっきり言って正気の沙汰ではない。それにこの破壊され尽くした状況から鑑みるに、防衛陣の奥にありそうな本陣も壊滅的打撃を負っているに違いない。
ただ、ここでうだうだ話をしているのも時間がもったいない。そんなアンペルさんの激によって俺達は城塞の奥へと足を踏み入れた。長年放置されていたこともあってか、錬金術で使えそうな薬草やら鉱石やらがザックザクだが本腰を入れて採集する時間もなければ限界まで持って足を遅くするわけにもいかないので、適当なところで切り上げつつも先に進む。
そんな道中でなぜかヤギ──しかもクーケン島から来たっぽいやつを助けたが、あれはいったい何なのだろうか。もしかして、人間だった魂が転生してヤギになったのだろうか。
そういった類ではないとすれば、この世界にはまだまだ知らないことが一杯だ。……知りたくもないが。
「この石碑……流星の古城にあったのと同じだ」
「あー、召喚して防衛する感じの?」
「そうそう」
魔物の相手をしながら素材も回収していた俺達の前に巨大な石碑が現れる。文字の形的に流星の古城に書かれていたものと似たような感じだと思っていたが、どうやらあれと同じでフィルフサの迎撃装置らしい。
ただこの装置。召喚とは言ってもゲームのように無から何かが現れることはなく、特定の──流星の古城であれば近くに居る竜を呼び寄せてから一定範囲内に入った際に従属させるものなのだとか。
「だから今も動いているかは分からん」
「あの門から出てきたフィルフサに流星の古城や街道のが反応したぐらいですから、ここも稼働していると思った方が良いのでは?」
そう言って俺は今回の冒険で持ってきた弓と矢を取り出して破壊準備に入る。既に制御装置と思われるあの遺物は破壊しても特に問題がないことはタオやアンペルさんの解読で分かっているため、石碑を砕くために真ん中に狙いをつけるが──遅かった。
「話の途中だが竜だ! 散開するぞ!」
どこかで聞いたようなフレーズを叫ぶアンペルさんと同時に全員が戦闘準備に入る。ただ、俺は弓を射る直前まで行動していたこともあり、狙いを石碑から竜の胴体に変更してから射かける。グングンと伸びていった杭のような矢が強靭な鱗にぶつかり、刺さることはなかったが体勢を崩して高度を落とすことに成功する。
「良い援護だ! 行くぞ、レント」
「おうっ!」
近接武器が当てれる高度になった途端、リラさんとレント兄ちゃんが竜の翼目掛けて何度も攻撃を加える。一発一発は大したことがなかろうと、何度も同じ部分に攻撃を加えられるのは流石の竜であろうとも堪えたのだろう。攻撃から逃れようと速やかに高度を上げようと翼を広げるが、そこに小さな矢が数発飛来する。──クラウディアさんだ。
彼女も俺と同じでサブ武器として弓を持ってきており、レント兄ちゃん達が攻撃をしている間に持ち替えて好機を伺っていたのだ。
彼女が放った矢の1本は飛んでいる竜の目付近を叩き、異物の侵入を阻止しようと竜が目を一時的に閉じた隙に姉ちゃんが拘束用のイバラの抱擁を竜目掛けて放り込む。見る見るうちにイバラが竜の体に巻き付き、そのまま翼の動きまで封じたことでホバリングしていた竜が盛大な地響きと共に地面へ墜ちる。
その後はほとんど作業となった。レント兄ちゃんやリラさん、たまーにタオが近接攻撃にて竜を地道に削り取り、イバラの抱擁の効果が無くなると共にアンペルさんやフルートから弓に持ち替えたクラウディアさんが再び空に飛ばせないように妨害。その間に準備を終えた姉ちゃんが再びイバラの抱擁によって地上に縫い留めるというパターンに入った竜は既にまな板の上の鯉と同然だ。
「そぉいっ!」
「すまん、ガイア。助かった」
ただ、拘束していようとも竜は竜。直撃すればひとたまりもない攻撃を放ってくるので、それを防ぐのは俺の役目だ。
今度は流星の古城みたいな生半可な動きはしない、竜の目線や動きに合わせて俺が攻撃が食らいそうになる味方の間に挟まることで防御を行っていく。相手の攻撃の尽くが俺によって防がれ、対してこちらの攻撃はパターン入ったことで崩れることなく続けて行く。
そんなことを続けていれば、危なげない勝利も当たり前と言えるわけで。
「倒した……倒したぞ!」
「待て! 最期に動き出すかもしれん、ガイア!」
「うっす」
流星の古城の再現はごめんだ。近くの壁の裏に全員が避難した後、代表として俺が盾を前に突き出しながら倒れ伏した竜に近づいていく。ここで急に動いても即座に逃げれば良いし、後ろではアンペルさんやクラウディアさんといったサポートが出来るメンバーが目を光らせている。
ただ、そんな万全の態勢とは裏腹に竜の傍に近づけたことに少々拍子抜けしながらも俺は背中に背負った矢を1本抜き取ると、近接攻撃で鱗が剥がれた竜の喉目掛けて突き刺した。矢は多少の抵抗を残しながらも内部に侵入していくが竜は一向に何のアクションも起こさない。
「よし、先を進むぞ」
「あ、あの石碑は壊しておこうよ」
「そうだな、帰りに襲われてはかなわんからな」
既に事切れたことを戻って伝え、ついでに姉ちゃんの意見で当初の予定通り石碑を破壊する。これで帰りに襲われることもないし、何も知らない旅人が迷った時に襲われるという事故は無くなる……はずだ。多分。
石碑を破壊した後も俺達は魔物や素材を相手しながら先へと進み、『複製釜』とかいう品質も効力も全く同じアイテムを複製するという使いようによってはかなり危険な古式秘具を持って帰る羽目になった。
アンペルさん、割とどこにでも見つかる古式秘具にしては性能ヤバくないですか? 誰かがとあるアイテムとか複製しまくって売りつければ価格崩壊起こしまっせ?
いや、姉ちゃんが使うなって話じゃないけどさ。……ワカリマシタ。ツツシンデ ハコバセテ モライマス。
俺のどうしようもないモヤッと感が共感されることもなく、気が付けば俺達は塔の下までたどり着けていた。
「とうとう、ここまで来た! 俺はやったぞー!」
レント兄ちゃんが目標だった場所にたどり着いたことでテンションがぶち上がって叫んでいるが、『塔』と『とうとう』で掛けているのだろうか。
いや、そんな茶々はいれない。何しろ吾輩、パイルバンカーや目標に向かって突き進む男のロマンが分かっている侍ゆえ、黙って見守るのである。
姉ちゃんやタオも黙って彼の後姿を見ているので、ロマンが分かっているのだろう。ここは静観するのが吉であろう──。
「嬉しいのは分かるが、今は塔の調査が先だ。地形から見てここが最後の砦で間違いないだろう」
「その分、敵も手強いはずだ」
大人組があっさりと塔に入って行く。
まぁ、片や錬金術に生涯をかけたような人で片や戦闘以外はかなりポンコツなわんこ系だからなぁ。ロマンが著しく欠如しているのは仕方ねぇか。
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塔に行きとう御座います 【ライザのアトリエ】スレより
471:ガイア
配信見てる人は分かると思いますが、ピオニール聖塔に着き申した
472:名無し
わーぱちぱち
475:名無し
あの竜以外は危なげなく来れたな
478:名無し
肝心の中だけど、敵構成どうなってたっけ?
483:名無し
削除
488:名無し
>>478
ガイアの登場で色々狂ってるからなぁ。生き残った古代のフィルフサが居てもおかしくはない
497:名無し
そもそも、この塔の存在も原作と異なる可能性もあるよな。詳しくは言わないけど
508:名無し
原作と異なるねぇ……。本拠点っぽく見せて塔ごと焼却とか?
509:名無し
前線の味方ごと終末の種火やギガフラムで地形変わるぐらい焼却とか?
520:名無し
恐ろしいこと考える奴らばかりで草も燃えるわ
522:名無し
某機動戦士のサイクロプスだの、ベルカ式国防術もどきだの、そんなに戦争がしたいのか。あんた達は!
527:名無し
>>520
身体が闘争を求めるからね
533:名無し
>>520
ほら、ちょっと目を放すと無限増殖して宇宙全体に散らばるかもしれないじゃん
ここは燃え残った全てを燃やす勢いでさ
544:名無し
ごすずんに託されたし、助けてくれた人を裏切れないよ。ご友人
551:名無し
汚染者は置いといて、ガチでそう改変されてる可能性もあるから慎重に行動しろよ。ご友人
559:名無し
探索する動きはスロースロー……クイッククイックスローのテンポだぞ
570:名無し
>>527 - >>559
ルビコンに帰れ
配信から見るに特に変わった所は無いな
572:名無し
改変説だけど、今までガイアが介入したこと以外は原作通りだったし大丈夫だと思うんだけどな
583:名無し
でもこいつ、変なところで介入して酷い目に遭ってるしなぁ
593:ガイア
ぐぅ……
597:名無し
>>593
せめてぐぅの音も出ないようにしてくれよ
603:名無し
>>593
余裕ありそうだな。とりあえず、あ ば れ る の だ
609:名無し
いけー、ロボー!
618:名無し
ガイアスイッチ あ! あ ば れ さ せ る
624:名無し
まさか……暴走……
626:ガイア
ぐおー!
636:名無し
塔が全壊しないことを祈る
639:名無し
そしたらゲームオーバーだし、そこまでしないっしょ
642:名無し
調子に乗ってやらかしたら笑うけどな。笑えないけど
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掲示板の民から有用っぽいがやっぱり掲示板の民だと思える情報を共有してもらった俺は、ちょっと周囲を見渡しながら慎重気味に塔の中へと入って行く。すると、目の前にいきなり件の古式秘具をはめ込めそうな古ぼけた台座が放置されていたので、やはりバルバトスさんがこの地にやってきてあの玉を持ち帰ったのは真実だろう。
──とは言っても、常時水を放出する玉をよく持ち帰れたよな。周辺水浸しにしながら持ち帰ったのだろうか、それとも能力を一時的に封印したのだろうか。どちらにしてもそちらの方が気になったが、倉庫や部屋の書物を見てもなにもなかったし、これ以上探るのは無理だろうな。
「ガイア、上に行くぞ」
「今行きます」
いかん、少しボーっとしてた。
リラさんの声に反応し、俺は一番前で盾を構えながら階段を上がっていく。すると、夥しい量の紙切れや本が散乱した踊り場のような場所にたどり着いた。
一部は風化して塵になってはいるものの、未だに読めるものや姉ちゃんやアンペルさんの見立てでは錬金術の素材に出来そうな力が残っている存在もあることから、過去の錬金術というのは今とはかなり隔絶された存在であることが伺える。
「こんな技術をもってしてもフィルフサをここに誘導させるのが精一杯だったんだな」
「乾季ということもある。ライザの言った通り、奴らにとっては天国だが私達にとっては水がなければ動き辛い。1階が制圧されたら塔の階層的にも長くは戦えないだろう」
乾季。クーケン島では雨が一切降らない期間だ。ここはそんな島から離れてはいるが、気象的には同じ地域も同然だ。そう考えると、現場で戦っていた人達がかなり厳しい防衛戦に臨んでいたのが伺い知れてちょっと同情してしまった。……国の上層部? とりあえず、国の運営辞めろとしか言えないよ。
そんなおセンチなことを考えながらも踊り場を移動していき、途中で貴族の物と思われる手記を発見。タオの解読によれば、ここの領主だという。
「ペンが横に滑ってる。多分この人……」
「危ない!」
タオが続きを言い終える前に俺は彼を突き飛ばして上に盾を構える。その刹那、ガギンというけたたましい金属音を鳴らしながら骨身に染みる衝撃が俺を襲う。
正面に立つのは剣と盾を持った金属鎧。装飾はあまりないが、時を超えてもなお色褪せていないことから良い部材をさらに選別して用いていることが伺える。
「この鎧……もしかして!」
「あぁ、多分その人のだ」
明らかに塔内部に居た鎧とは異なる存在かつ、貴族と思われる手記の近くに居た。そのことから主人を失った貴族の鎧だと断定した俺達は無力化を図る。
イバラの抱擁やバインドシュートといった拘束系を放ちつつ、タオと連携して攻撃を行う。レント兄ちゃんやリラさんには悪いが、他のよりも風化が鈍いこいつには衝撃をぶち当てるのが最適だと思ったんだ。
レント兄ちゃんが足払いをかけて転倒した鎧の兜にタオのハンマーが突き刺さり、陥没した頭部をさらに俺が盾で殴打することでようやく止まった鎧。生死確認というわけではないが、中を改めると人の名前のようなものが刻み込まれている。名前の長さ的に先ほどの貴族の人の物だろう。多分……。
それにしても、結構手間取ったし消耗も大きい。床にへたり込んで休憩を取っていると、何を思ったのかタオが陥没した鎧の頭部を持ちながら俺に話しかけてきた。
「ねぇ、提案なんだけどさ。ちゃんと弔わない?」
「……良いね、間違ってたらごめんなさいだけど」
恐らくこの人のだろうというふわっとした理由だが、他の魔物となった鎧とは違って持ち主が分かっている。俺はタオやガチャガチャ動かしていることに気づいて近づいて来た姉ちゃん達と一緒に鎧を一塊に集め、最後に手記を鎧の上に載せて黙とうする。
手記からも彼は異界の門には懐疑的であったことが書かれている。だが、仕えているクリント王国の命で仕方なく建造し、その先で見つけた資源に歓喜し、そして……潰えた。やらかしたことは当人であるリラさんにとっては到底許されることはないが、彼も肉体ごと全てを失った。その無念は未だ生きている俺達が到底測れるものではないだろう。
「成仏はもうしてるのかな。でも、どうか安らかに」
「ねぇ、ガイア。あんた……」
姉ちゃんが顔を青ざめながら俺を指差している。『何だよ姉ちゃん』とつい口から言ってしまったけど、別に祈りの言葉は許して欲し……い。
俺が正面を向くと、蒼白い光が人の形を取っていた。その光がひたすら鎧の残骸と手記を交互に指差しながら俺の方に顔っぽい部分を寄せているので、思わず『勝手なことしてすみません』と誠心誠意謝罪する。
だってしょうがないじゃん! 幽霊なんて初めて見たんだもん! 俺、そういう殴れない存在嫌いなんだよ! 格闘技だってゴーストタイプには効かないじゃん! そんなもんだよ!
すると、その光が瞬いたかと思えば人型から丸い球体へと変貌して俺の背中に背負っていた籠の中にある液体保存用の空瓶の中へ入って動かなくなってしまった。
「ふむ、さしずめ"英霊の魂"というべきか。凄まじい神秘的なエネルギーを内包している」
「そうだね。これを使えばすごい物作れそうかも」
え"、なに素材にしようとしてんの。流石に不謹慎……いや、自ら籠の中に入って行ったからその意思はあるのか。でも、俺の装備にそれ入れるんじゃねーぞ! 俺はシャーマンじゃないんだからな! 憑依合体じゃなくて乗り移られるだけだからな!
俺の魂の訴えを聞いているのか、聞いていないのか。『はいはい』と返されつつ、俺達は一番上の部屋に足を踏み入れる。
その部屋には踊り場よりもはるかに多くの蔵書が棚に納められており、床にも踊り場と同じく紙や蔵書が無造作に散らばっている。さらには錬金術で使うのか摩訶不思議な設備や装飾が施され、一目見た感じではまさに『胡散臭い呪いをする人が暮らしてそうな研究室』そのものである。
「ここが最上階だ。片っ端から調査するぞ」
アンペルさんの号令で俺達はさっそく部屋中を調査する。幸運なことにこの部屋には魔物は一切見当たらなかったので皆は手分けをしてそれっぽい物を探し回る中、俺はというと──。
「ガイア君、この本棚の上の方の本を床に並べて」
「ガイア、あの本の山を退かそうぜ。なにか光った」
「ガイア、ここからここまでの本は読んだから端に寄せて」
「ガイア、隠し扉がないか調べる。その本棚をずらしてくれ」
「ガイア、なにか食べ物を持っていないか?」
あーたら……、俺を小間使いか何かと勘違いしてなさる? リラさんに至ってはいつもの腹ペコだし。
だが、このまま拒否して調査が終わらないのも帰りの時間的にヤバい。なので、リラさんには昼の残りを放り投げながら色々手伝いを行っていく。調査の過程で姉ちゃんやアンペルさんのテンションが徐々に上がって行ってることから錬金術においてはかなり有用であったように見えるが、手掛かりという点ではめぼしい発見はなかった。
「めぼしい物、なかったね」
「そうなると瓦礫や破壊された物品の影といった二の次にしていた部分が気になるな」
こうして第2次捜索が開始され──秒で手掛かりが見つかった。俺達の苦労は一体……。
見つけたのは姉ちゃんで、どうやら瓦礫の下に変な物品を見つけた。アンペルさん曰くこれはクリント王国で稀に使われていた鍵だそうで、そのカギに書かれていた文字が『中へ入る仕掛け』だと続けてタオが解読してくれる。
だが、瓦礫から見つかったものはそれだけではない。他にないかと俺とレント兄ちゃんとリラさんで瓦礫を退かすと、瓦礫の下から白骨死体が出てきた。塔の中では白骨化した大型生物と思われるものはあったが人間らしきものは初めて見たので俺やレント兄ちゃんが面食らっていると、リラさんが胸骨の下に封書が敷かれているのを見つける。
「懐に入れたところで潰されたのだろう。おそらくはこの地の門を管理していた錬金術士だな」
そう言って封書を抜き取ったリラさんはアンペルさんに放り、それを見た彼が封書に書かれた紋章に驚愕する。どうやらその紋章はクリント王国の高位な錬金術士にしか記すことが許されない紋章らしく、署名も『南フルースター管区長』なので正真正銘、この地を管理していた最高責任者の封書である。
そんなお偉いさんが記した封書の中身とすれば、何か状況を打開する銀の弾丸に違いない。逸る気持ちでアンペルさんに解読を急かすが、その内容はというと──何の変哲もない遺書であった。
最初は錬金術士達がクリント王国で一定の地位に着くまでの苦労話。そこから異界の資源に目がくらんで良心を眠らせたことへの懺悔へと繋がり、最終的には天罰として『蝕みの女王』と呼称されたフィルフサに侵攻され、最終的に研究塔として建造されたここでフィルフサを誘引する装置を作って民を守ったという自罰的なことが書かれていた。
「なにが罪だよ! 裏切っておいて……謝ることも出来ねぇのかよ!」
「ガイア、落ち着け。リラもだ」
最初は友としていたオーレン族を裏切っておいて『罰』だのなんの言っている独善的な遺書に、俺は手ごろな石を部屋の中央にデカデカと存在している本に向かって投擲する。それぐらいしかこの身に湧き上がる怒りを抑える術がなかったからだ。
怒りを抑える術がなかったからだ。
リラさんも怒る中、『まだ話は終わっていない』と諭したアンペルさんの口から封書の錬金術師が心配していた避難した民の行き先が語られる。そこは──。
「この地より南方の汽水湖上に、我らの建造した人工島がある。偶然、緊急避難の役に立った。その名を……"クーケン"という」
子供のころからたまーにチャレンジしていた井戸掘り。いつもいつもスコップやシャベルすらダメにする硬い岩盤に阻まれて諦めていた理由が分かった気がした。
その文面の後、『クーケン島へ訪ねて息災かどうかを尋ねて欲しい』というまたしても勝手な願いをもって締めくくられた哀れな錬金術士の遺書をアンペルさんから強奪した俺はその遺書を紙飛行機にし、『息災だよ! 畜生!』と先ほど石を投げた大きな本へと投擲。その紙飛行機が地面に着く前に俺はリラさんへ90度のお辞儀を行った。
「リラさん、申し訳ない。先祖がやったこととはいえ、知らなかったとはいえ、水を奪って異界を滅茶苦茶にした奴の子孫が協力者面で同行してしまいました」
とりあえずの謝罪だが、俺は同行も辞めようと思う。いくら先祖がやったことで俺達が錬金術に関係のない避難民の子孫とはいえ、リラさんは当事者だ。口では『気にしない』と言おうが、居心地が悪くなることもあるだろう。
そうなると後々の協議となるが、やっぱり俺達はアンペルさんやリラさんと少しずつ距離を取るのが良いのかもしれないという考えに至った。
俺の悲観的な謝罪に対し、頭部目掛けた拳骨1発。それが彼女からの応えであった。
「何を言ってる、子供がそんな考え込むんじゃない。確かにどう悔いたとしても私は奴らを許さないが、"奴ら"というのはそこの骨のような当時の錬金術士やクリント王国を運営していた人間達だ。そこで暮らす民やお前達のような末裔を咎める罪もない。お前達はお前達なんだからな」
「でも……」
「当事者が良いと言っているんだ。大体、お前さんはどこか自罰的なんだ。ライザを見習ってあまり自分を責めない方が良い」
「アンペルさん! あたしだって迷ったり悩んだりするんですけど!?」
アンペルさんが野次って姉ちゃんがそれに突っかかることでいつもの空気に戻っていく。
こうして無事に塔から戻ってきた俺達を代表し、姉ちゃんが謎解きと捜索タイムを宣言する。捜索範囲は──俺達の故郷。クーケン島だ。
新作アトリエ…ライザさんぱねぇっす。ただし、とある2人組は絶許