────────────────────
突撃 お前が元凶か【ライザのアトリエ】スレより
4:ガイア
というわけで新スレ
こっち側の門に着いたわよー
【リンク】
7:名無し
敵居ねぇな
9:名無し
>>7
来るよ、そのうち
16:名無し
肝心のフィルフサいねーな
17:ガイア
>>7
さっきまでそこら辺に居たやつらは全部、『素材』になったぞ
22:名無し
>>17
うーん、この話聞いてないバーバリアン!
30:名無し
戦術とか駆使するならここは伏兵一択だと思う
31:名無し
伏兵って居たっけ
34:名無し
分からん
42:名無し
>>31
原作ではいたはず
47:名無し
>>31
居たと思う。けど、ガイアが居るからどうなっているのか分からん
50:名無し
あー、原作通りいかない可能性か。厄介やな
52:ガイア
とりあえず、伏兵ありきってことで注意するわ
60:名無し
気ぃ付けるんやで
64:名無し
さてさて、向こうはどうなってるか
66:名無し
うわ、真正面に居るやん
74:名無し
ここは原作通りか
81:名無し
は?
85:名無し
え、なにいきなり突っ込んでんの?
87:名無し
大声出しながら突撃とか、蛮族やん
91:名無し
>>87
持ってるのは近代兵器に足かけてるやつだけどな
────────────────────
「ガイア!」
アンペルさんの声を背に、俺は門を潜った先で待ち伏せしていたフィルフサの群れに向かってラッパ銃を両手に持ちながら突撃する。この遭遇戦は俺達もだが、相手にとっても予測していただろうが呆気に取られたのだろう。つまり、『早い方が先手を打てる』わけだ。
銃身を折って中にフラムを3本挿入してから戻し、姉ちゃんに用意してもらったゴルドテリオンの小さな球体が詰まった片手で十分収まるサイズのタルを銃口に詰める。その時には既に将軍の鼻先が見えたため、『どらっしゃぁ!』という叫びを上げながら開幕のゴング代わりのヤクザキックをお見舞いする。
「皆、行くよ!」
「アンペルさん、あれは倒して良い種類なんですか?」
「空詠みも出現している。もはや倒してはいけない種族はないだろう」
「あぁ、このまま女王の元まで倒しながら行くことになるな」
どうやらサーチ&デストロイの方針というのが聞こえてくる。ならば、撫で切りぞ。根切りぞ。ってことで一発目。
鼻先を蹴ったことで柔らかそうな腹をちょっと見せながらのけぞった将軍にラッパ銃を向けて引き金を引く。『ドカン』という爆発音と共にゴルドテリオン製の弾が前方に散らばるが、接近して撃ったことで全ての弾が将軍の腹部に命中して体液をまき散らす。
だが、それでも辛うじて生きている。その尋常ではないタフネスに驚きつつも、俺は背中に背負っていた錬金アイテムが入った籠からバラのような赤い爆弾を取り出し、今にもこちらに突っ込んできそうな将軍の眼前へと放り投げた。
ローゼフラム。効果次第ではかなりの威力を発揮するフラムの上位種らしく、掲示板情報ではライザのアトリエ2で猛威を振るった驚異のアイテムらしい。
ただ、これは火属性の攻撃力を高める触媒を使って今出来る最大の攻撃力を有した普通のローゼフラムだ。
まぁ、あのダメージなら倒しきれるだろうな。……うん、やっぱり倒せた。
バラが花弁を開いたような独特の爆発を起こした後には焼け焦げた死骸が1つ残った。周囲を見渡せば、お付きらしいスティンガーや斥候を倒した面々がこちらを向いていた。『鎧袖一触とはこのことか』と劇画タッチの何かが頭を過ぎったのは内緒である。
「ガイア、あまり無理はするな」
「ああいう時は虚を突いた方が有利と思ったので」
「あぁ、よくやった」
やったー、褒められたー。という冗談はともかく、未ださっきの独断専行に納得がいっていない様子のアンペルさん曰く、これからは予定通りキロさんと合流するらしい。ただ、その点から先ほどのような独断専行をするのではなくて陣形を組んでから戦うことと釘を刺された。
「じゃあ、弓の出番かな」
「そうだな。先に先制攻撃が出来るならばそれに越したことはない」
よーし、それじゃあ弓を撃っちゃうぞー。おら、任せろって言ったんだからちゃんと働けよ?
そう語り掛けるように弓を取り出すと、背後の存在感ともいうべき圧が強まった。どうやらやる気に満ち溢れているようだ。
こうして方針も定めたところで俺達は迅速にキロさんの野営地──彼女やリラさんの言葉を借りれば『聖地』という場所へと向かい始めた。
「ガイア、右斜めにスティンガー。1匹だ」
「了解」
「次は後方……あぁ、そっちだ。見えるか?」
「見えます。……排除」
やはりというべきだろうか。聖地までの道を進む傍らでリラさんに敵を発見してもらい、頭部に向かって矢を撃って見つからずに排除していく作業となりつつあった。フィルフサも生物なので、頭部を失えば生命活動が停止するのは分かっちゃいるのだが、その誘導性能の高さに俺は前々から考えていたお焚き上げ計画を白紙にしたい衝動に駆られつつあった。
そんな作業を傍目で見ていた姉ちゃんが『やることない』と暇そうに言っていたり、それをアンペルさんが『消耗なく進めるのは良いことだ』と宥めたり、掲示板で『強弓から繰り出される誘導する矢を頭にぶち当てればそりゃ死ゾ』といったもっともらしいことを言われながら敵を狙撃して無力化しては進むという事を繰り返し、俺達はようやく聖地へとたどり着く。
すると、俺達の来ることは分かっていたのだろう。キロさんは歩いてくるこちらに顔を向け、微かに笑って出迎えてくれた。
「再び君達に会えてうれしい。そして、約束通り来てくれたことに感謝を」
「そちらも無事で何よりだ。聖地は大丈夫だろうか?」
キロさんとリラさんの異界特有の会話が繰り広げられる傍らで、俺は邪魔にならないよう前に精霊を打ち込んだ場所を確認する。
どうせ、今までクーケン島で起きたことの情報を共有するだけだから姉ちゃんやアンペルさん達で十分だろうし、なによりキロさんの案内で女王に近づくんだから俺は居なくてもへーきへーき。
お、この作物は異界特有の物かな? 青々として良い具合じゃないか。うん、良い作物だ。品種知らんけど。
「せっかくだから水あげちゃお」
良い育成具合の作物を見ると世話がしたくなるのは農民の性だよなぁ。ってことで水筒の水をちょろちょろとやっていると、なんか光輝いた。
あ……、大地の精霊云々のことを完全に忘れてた。
「ちょっ、ガイア何したの!」
「何にもしてないよ! 何もしてないのに光ったんだよ!」
「嘘つけ、地面湿ってるから水やってたんだろ! 勝手にキロの育ててるやつ弄るな!」
くそ、ボオス兄さんが居るから『何もしてないのに壊れた』ってゴリ押せなかった。
その後、話の輪の中に強制連行された俺はやらかしたことをボオス兄さん経由で説明されながら団体行動を乱したことで怒られるが、キロさんがまたしても『大地の精霊云々』と異界では希少な精霊が活気づいてきたという説明をしてくれて不問となった。
やっぱ天使やわ、この人。ほら、やたら高威力の攻撃しそうな太もも娘とその娘一行に対して面倒臭い感情を熟成させた顔役の息子さんも見習って? もっと俺に対して寛容になってくれてもええんやで?
「なんだその顔は……。まぁ良い、道案内は任せて良いんだな? キロ」
「うん、ボオスこそ大丈夫なの? ここは大侵攻のルートから外れてるから静かなくらいだけど、もう大侵攻は……」
「分かっている。だからこそ俺もここに居るんだ。ブルネン家ではなく、俺の意思で」
なんだ、あの主人公。一気に覚醒してるやん。もうプレイヤブルキャラって言っても驚かんぞ、俺は。
ボオス兄さんの覚醒具合に驚きつつも、俺はキロさんを先導とした陣形の真ん中ぐらいに入って道行くフィルフサを発見次第、打ち抜くという作業に徹した。
ただ、女王の城に近づくにつれて数匹から形成される集団がデフォルトとなり、リラさんやキロさんの口から語られるフィルフサの種類が俺の聞いた覚えのない物へと変わる。それでも狙撃による無力化を続けるが、それぞれの個体も進むにつれて大型化、もしくは重装甲化が基本となってアンブッシュからの1発では中々致命的なダメージを与えられなくなっていった。
「ヒット。体勢を崩してるだけだよ」
「十分だ。行くぞ」
だが、その為の仲間だ。リラさんやレント兄ちゃんが前に出て、後衛の皆が前進。そして、ボオス兄さんが前衛と後衛の間に躍り出る。前衛が抜かれることは多々あったが、ボオス兄さんが接敵するまでには俺の第2波や姉ちゃん達の支援で虫の息になっているため、事前に戦士としての心構えを齧っていたボオス兄さんでも苦戦することはなかった。
「よし……よしっ!」
予め十分に弱らせたという枕詞は付くが、『渇きの悪魔』として名を遺すほど強大な魔物であるフィルフサを倒した。そんな目に見える実績に、少なくない手ごたえを感じているボオス兄さんがなんとも微笑ましい。
つい横を見ると姉ちゃんがニヤついていた。今ここでボオス兄さんが振り返ってバレたらひっっっじょーに面倒くさ……ゲフン、時間がかかるためについ『ニヤつくのやめろ』とジェスチャーをするが、姉ちゃんが『あんたもね』と自分の頬を突いてきた。
えっ、まじ? ……うわ、マジでニヤついてる。やっべ、ボオス兄さんが振り返る!
「先を急ぐぞ。何を蹲ってるんだ?」
「ひたはんだ(したかんだ)」
咄嗟に口を閉じたせいで舌を噛んでうずくまる俺を不思議そうに見つめるボオス兄さん。ちなみに、これがなに気に今回の負傷らしい負傷第1号であった。
そんな何とも情けないイベントを挟みながらも順調に俺達は女王の城へと近づいていく。そうしていると徐々にフィルフサの数も増え始め、道中も半ばを切ったあたりで絶えずフィルフサが徘徊している場へと出くわした。
「ガイア、待て。ここで1発撃っても防がれるだろうし、攻撃を加えた瞬間にこちらに気づく」
「デスヨネー」
「じゃあ、あの数を相手にするの?」
「それも得策ではないな」
元はオーレン族の集落があったと思われる廃墟に身を隠しつつ、俺達はひっそりとフィルフサの徘徊パターンを確認しながら切り抜ける方法を模索する。
姉ちゃんの言っている強行突破は消耗のこと考えると『本当の最終手段』として使うしかないが、そのカードを切るには早過ぎるだろう。『他になんとか出来ることはないか』と、仲間や今も尚配信を見てくれているであろう掲示板の民に意見を募ると、結構色々出てきたことに俺は驚愕する。
まぁ、時間無いから吟味する暇ないけどね。
「俺が行こう。戦闘能力があるお前達よりも俺の方が重要性が低いはずだ」
「後の顔役の方が重要性があるので却下」
「うん、ボオスにはちゃんと役割があると思うからダメ」
「キロ……」
カァーッ! ペェッ! 次ぃ!
「ここ以外を通るとかは無理なのかな」
「確かこの集落の周囲は……崖もあった気がする」
「瘴気で木々というには腐りすぎているが、それでも私達にとっては視界を塞ぐ障害物だ。奇襲される可能性も高いだろうな」
回り道も難しいか。たしかに倒れてくれてたらありがたかったけど、乱立してる木々が邪魔過ぎる。その陰から『やぁ』ってフィルフサが出てきたり、通り過ぎた後に『隙っす!』ってバックアタック仕掛けられるのは御免被りたいな。
次ぃっ!
「あれって見張りっていうより自分の縄張りを見てる感じじゃないかな。ほら、護り手の人達だって見回りする時は2人1組でしょ? なのにあいつらは1匹1匹で行動してるよ?」
「一番それが良い気がするんだよなぁ」
「でも俺達はこの数だぜ? 追いつかれそうじゃないか?」
「前を塞がれたら追いつかれそう。何か他に目くらましとか……うぅ、煙幕みたいなの作っとくべきだったなぁ」
俺も推したが、この分だと間をすり抜けて逃げる方針が一番安牌だと思う。ただ、このままだと100%気付かれるし、騒ぎが伝播すれば全員引き連れたまま女王へと謁見する可能性が大だ。
せめて、もう一押し。それか少なからず陽動出来る物はないかと俺は掲示板に目を落とす。
────────────────────
突撃 お前が元凶か【ライザのアトリエ】スレより
306:名無し
はえー、すっごい厳重
311:名無し
どうするよ
313:名無し
俺としてはガイアに逃げ回ってもらうに一票
314:名無し
ガイアを生贄に安全な通行を特殊召喚! ターンエンドだ!
318:ガイア
>>313 >>314
死ぬが?
320:名無し
しゃあねぇな。じゃあ、アロハ踊りながら気を引く感じで
328:名無し
ある程度集まったら合間を縫って走ればへーきへーき。40ヤードを4.2秒目指そうや
332:名無し
>>320
あー、なつかしい
たしか裏切りおにぎりでも無傷だったはずだから、安全性は担保されてるよ
338:ガイア
>>320 - >>332
だから死ぬが? 俺はアイシールドしてないし、背番号も背負ってないんだが?
341:名無し
あれもイヤ、これもイヤってイヤイヤ期の赤ん坊かよ
347:名無し
ほんと、なにが出来るんだよ。この農筋
349:ガイア
じゃあ、てめぇらがやってみろや
354:名無し
ひぇ
359:名無し
ガチギレこわ。分かったよ、じゃあ石を遠くに投げるとかで気を逸らすのはどうだ?
忍術でそんなのあったような気がする
366:名無し
あー、なんか聞いたことあるな。闇夜の帳だっけ?
371:名無し
太平洋の嵐じゃなかったっけ
372:名無し
夜半の嵐の術だな。井戸に石などを投げ込み水音をたて自分が井戸に飛び込んだと敵に思わせ、敵がそちらに気をとられている隙に別の方向へ逃げるのが大まかなやり方
今回、ガイアはフラムも持ってるんだから導火線を調整して遠くで起爆させるのが良いかもしれないぞ
377:名無し
>>372
えらい詳しい説明あざっす
384:名無し
>>372
土井先生、ありがとーございまーす(忍〇ま感
391:名無し
>>372
無惨先生、ありがとーございまーす(首切り異常者感
398:名無し
>>372
イルカ先生、ありがとうだってばよ(火影感
402:名無し
>>372
お礼に練り物やるよ
405:ガイア
>>398
日の光もセットだ
────────────────────
前半は論外だが、後半で野生の土井先生が説明してくれたやつが使えそうだ。やっぱ掲示板の1割は、どっかの時間停止物みたいに本物混じってるんだなって実感するわ。
栄えある忍術〇園の先生のように説明してくれた掲示板の民の言葉を共有すると、『それなら』と姉ちゃんが1個の四角い塊を手渡してくれる。コアクリスタルの付け替え用に籠に詰めたそれからとは隔絶した品質の気配と『姉ちゃんから渡された俺の把握していないアイテム』という事実。その瞬間に弓に宿っている『アレ』とは全然方向性が異なる寒気が俺を襲う。
「エターンセルフィアっていうんだって。ルベルトさんから交換してもらったレシピに書いてた」
「ライザ、お前さんなんて物を作った」
「え、最後の手段だと思って出来る素材で出来る限りの調合をしたよ?」
見た瞬間、アンペルさんも顔を引きつりながら姉ちゃんに問いかけている。どうやら品質だけではなくアイテムの効果や特性もとんでもない物らしい。
まずはこのアイテムの使用感。これは姉ちゃんも試したらしく、使用すると大きな地鳴りと共に激しい溶岩流を発生させるらしい。ほんと、何でもありだな。錬金術。
それに加えて特性はというと、『太陽の器』、『高熱溶解・大』、『沸き立つ戦慄・大』、『溶岩にらみ』の4つ。かなり危なそうで仰々しい特性名だが、話を聞くに全体攻撃を単体攻撃にして威力を極限まで引き上げた代物だそうだ。
「これを女王にぶつけたら?」
「特性見たら試験するのが怖くなっちゃって……。だから囮で遠くに飛ばすなら……ね?」
なにが『……ね?』だよ。本格的に危ない物さらっと作って秘密裏に持ってくんな!
うわ、掲示板の民が『最終兵器』とか騒いでるし。マジでこんなのをポンと出すなよ!
「ガイア、時間が惜しい。とんでもない効果だからかなり遠目……。そうだな、あそこの木に当てれるか?」
錬金アイテムについては文字通り年季が違うアンペルさんが、目標として廃墟の少し先にある崖の上に1本だけ佇んでいる木を指差した。ただ、その距離は俺がかなりの力で弓を引いてようやく届くぐらい遠く、そんなパワープレイだと細かな狙いはつけることは非常に難しい。
俺が『五分五分』と言おうとすると、『例のアレ』が突如自己主張を始める。少々強めな自己主張に、『どんな矢でも任せんしゃい』と昨日背中を叩かれたばかりだったことを思い出した俺は、とりあえず任せてみようとエターンセルフィアを括り付けた矢を番えた。
「別に届かなくてもいい。それならば少なからず気を逸らせるはずだ」
「やってみま──っっす!」
間延びした返事の後に番えた矢を解放。大気を切り裂きながら矢は指示された木を大きく外し──たかに思えば、緩くカーブを描いて木の中腹あたりに突き刺さった。
相変わらず人知を超えた誘導性に焦燥感を覚えていると、どうやらエターンセルフィアの効果が発揮したようでこちらにも僅かに地響きが生じ始める。
その振動を前にしてもリラさんは一切動揺せずに『いつでも走れるようにしておけ』との指示しながらフィルフサの様子を見ているのは流石としか言いようがないが、俺も籠やラッパ銃を確認しながらいつでも飛び出せるよう準備をする。
そんなことをしているとフィルフサが何やら騒いでいるのが耳についた。どうしても声が気になったため、準備をしながらもこっそり奴らの様子を観察しながらどうなっているのか確認をすると……。
「わぁ……ぁ……」
思わず掲示板のノリが出てしまう。だってしょうがないじゃないか、まるでそこに前からマグマの滝があったかのように先ほど矢が突き刺さった木から夥しい量のマグマが生まれ、崖を伝って下に流れていくんだもの。一瞬でそんなことが出来るなんてやっぱり錬金術っておかしいよ。
ほら、いきなり焼いた肉が眼前に提供されるどころかいきなりマグマの滝が眼前に生み出されちゃったから困惑して釘付けになったり、その場から逃げたりしてるじゃん!
……あ、今ならいけるやん!
「今だ!」
リラさんの言葉で俺達は一気に敵集団の横をすり抜ける。ただ、流石にこんな大所帯で完璧にやり過ごすのは無理だったらしく、数匹のフィルフサが俺達の後を追ってくる。
しばらく追いかけっこに興じていたが、集落を守っていた重厚そうな門を出てすぐの遺跡の奥から突然フィルフサが姿を現した。
「前! 前!」
「んなろ!」
「任せろ」
「いや、俺が行く」
姉ちゃんの叫びを聞いたリラさんやレント兄ちゃんが走りながら武器を取り出そうとするが、既にラッパ銃の装填を済ませている俺の方が早いために道を譲ってもらう。猛然と突っ込もうとする二足歩行のフィルフサの胴体に渾身の蹴りを入れ、うずくまった隙にさらに踏みつけて完全に動きを止めたところでゴルドテリオン製の弾をくれてやる。
「よし、先を急ぐぞ。あっ、ライザ。フラムロッドを貸してくれ」
「? 別に良いけど、今日は採集しないんだよね?」
「しないが、こういう使い方もあるっ!」
頭部がグチャグチャとなって完全に事切れたことを確認したアンペルさんは、俺達に先を急ぐように檄を飛ばしながら姉ちゃんに貸してもらった採集用のフラムロッドを遺跡に向かって叩きつけた。フラム特有の爆発現象によって遺跡が崩れ、俺達が通ってきた道が完全に塞がってしまった。
「急ぐぞ。多少の足止めをした程度だからな」
崩された瓦礫を破砕する音を背に俺達はその場から離れるために走り出す。道中、岩の切れ目を進むというシャッターチャンスを潜り抜け、その先の工房らしき所に居た将軍の上位種の『影の司令』数体を盾に持ち替えて相手取るという天国と地獄を両方見るという稀有な経験をしたが、俺達は何とか女王の城近辺まで接近することが出来た。
どうやらすっかり破壊され尽くした廃墟。入り口からでもよくよく目を凝らせばその巨体が視認できる。
「キロさん、ここから狙おうと思ってるけど退路は?」
「ちょっと待って……」
小休憩の合間にキロさんに前方ではなく、『後方』の偵察を行ってもらう。ここから女王を狙うとするとここにフィルフサが押し寄せてくることを考え、ある程度矢を打ち込んだら俺は前方へ突っ込み、ボオス兄さんとキロさんは今来た道以外の道で撤退する手はずとなっている。
「じゃ、ボオス兄さん。どうあれちゃんと帰ってね。たとえキロさんを見捨ててもだよ」
「きつい役割だな」
「なーに言ってんの。それも覚悟で来たんでしょ」
伝令は大事だ。俺達が勝っても負けても状況は大きく動くので、事前情報をクーケン島に渡してくれれば後は向こうが良いように協議するだろう。……外から来た商人であるルベルトさんには悪いけど。
その為にボオス兄さんには実際のフィルフサと対峙させたし、種類もリラさんやキロさん監修で説明した。彼ならばそれらの意図を汲み取ってクーケン島の舵取りをしてくれるだろう。
「ガイア、退路は確保できた。ちょっと上り下りしないといけないけど、安全に聖地まで行けそう」
「オーレン族基準じゃないですよね?」
「…………多分?」
オーレン族は天然ばかりか? まぁ、いざという時はボオス兄さんを抱えて逃げてもらおう。見た目的に非常に情けない姿だが、ブルネン家の跡取りを生き残らせるためだからしゃーないね。かーっ、しゃあないわー。
「じゃあ、始めるわ」
「うん、あたし達は先を進んでるよ」
────────────────────
突撃 お前が元凶か【ライザのアトリエ】スレより
534:ガイア
じゃ、精霊の何たらを集めるのでレスよろしく
538:名無し
やだね
542:名無し
え、やだ
546:名無し
断る
549:名無し
3分で3スレとかwww
551:ガイア
しゃあねぇな。さっき、岩の切れ目を通ろうとした姉ちゃん達の画像を捧げようじゃないか
【画像】【画像】【画像】【画像】【画像】
554:名無し
ksk
557:名無し
ksk
561:名無し
ksk
565:名無し
ksk
567:名無し
ksk
569:名無し
うひょおおお
573:名無し
よっしゃ、待ってた
574:名無し
信じてたぜ、相棒!
577:名無し
>>551
最後、アンペルさんじゃね?
579:名無し
>>551
1人野郎が混じってるじゃねぇか
582:名無し
やっぱ、リラが最高だと思うんだ
583:名無し
は? ライザだろ
584:名無し
キロ派
585:ガイア
てめぇら、クラウディアさんへの意見がないとかコロシュ
588:名無し
俺はクラウ派
590:名無し
>>585
だって、ライザにロックオンしてるやん
592:名無し
>>585
落ち着けよww
594:名無し
>>585
>>588が言ってるぞ。良かったやん
596:ガイア
>>588
なに愛称で呼んでるん? ブッコロシュ
600:名無し
あれ、どっちにしろアウトじゃね?
604:名無し
どっちなんだよw
606:名無し
>>596
そういえば、まだ愛称で呼んでないな。ぷーくすくす
607:ガイア
まぁ、冗談はここまでにして
そろそろやるか
610:名無し
そろそろ狩るか……♠
611:名無し
我 決戦の火蓋を切り 勝利への号砲となす
612:ガイア
あ、それはそうと>>588と>>606は絶許
613:名無し
嫉妬深過ぎる
614:名無し
おめーはどっかの二等兵か
618:名無し
嫉妬の心は魚心と言いますし
────────────────────
先ほど激写した岩の間を進む女性陣を触媒に掲示板でレス乞食をしながら弓の準備を始めていると、姉ちゃん達は一目散に女王の元へと走っていく。引く力を強めるごとに精霊が集まっているのかキロさんが感嘆の声を上げ、背後の存在も圧力を強めていく。
そして、完全に引き絞られた弓から1本の矢が宙に投げ出された。戦闘開始である。
ふむ、アンペルさんのコスプレライザか…