IS~インフィニット・ストラトス~ for Answer 作:白姫彼方
夏音達が自宅で夕食を取っている頃、美沙は千条院家本宅の地下施設にいた。
「ここだね………」
美沙は目の前にある巨大なコンピューターを見上げる。
「始めないとね」
美沙はそう言って後ろ髪をかき分け、後頭部を押すと、そこには鈍色に輝く直径3cmほどのソケットが現れる。そしてその近くにある専用のソファーに座り、後頭部に当たるところに同じ直径3cmの針をソケットに差し込む。
「インストールスタンバイ、
美沙の言葉は普段の明るさはなく、機械的な声色………マシンボイスの様に冷たかった。
「
巨大なコンピューターと美沙の瞳がリンクした様に点滅が同時に起こる。
「
巨大なコンピューターから排熱音が響くと同時に、美沙の脳内に『
「
美沙がそう言うと、今まで千条院美緒が培ってきたISでの
「
美沙がゆっくりと後頭部のソケットから針を抜くと、巨大なコンピューターはシステムダウンをし、動かなくなった。
「これが………お母様の記録………」
「ここに居たんだね、美沙ちゃん」
美沙が振り返ると、そこには美紗緒がいた。
「叔母様………。どうしてここに」
「なんとなく………かな」
「そう………ですか」
二人の間に少し沈黙が訪れるが、美沙が美紗緒に声をかける。
「叔母様」
「なぁに?」
「お母様は………。どうして何の為に戦っていたんですか?
「そう………だね」
美紗緒は少し考え、口に出した。
「お姉ちゃん………美緒さんは皆を守る為、生かす為に戦っていたんだと思う、当時は一時期洗脳されてた時もあったけど、その時を除いたら全部私達を生かす為に戦ってたんだと思う。
事実上の半不老不死の『
美緒さんは強い
だからこそ、私達はお姉ちゃんが大好きだった。ううん、今でも大好き………だから、お姉ちゃんの子供である美沙ちゃんは絶対死なせない、例え私の命にかえても」
「………お母様は皆様に愛されていたのですね」
「うん、それが姉妹愛であり、親愛であり、恋愛の違いがあっても、皆、お姉ちゃんを愛してたよ、亡くなった今でもね」
美紗緒は美沙に背を向ける。
「美沙ちゃん、付いて来て、見せたい物があるから」
美紗緒はそう言って、巨大コンピューターのある部屋から出た。美沙は何も言わずにその後を付いていった。
◆
二人が来たのは、千条院家本宅にある広い庭だった。
そこは数十年前、『新造IS専用補給戦闘母艦レクイエム』が初めて姿を現した所でもあった。
「叔母様………?見せたい物とは?」
「まぁ見てて」
美紗緒はそう言うと、胸ポケットからリモコンを取り出し、スイッチを入れる。すると、二人の目の前に1機のISが現れる。
そのISは亡くなった千条院美緒の専用機、『
「叔母様………これは?」
「これが美沙ちゃんの専用機、『
美沙ちゃんのお母さんが使っていた専用機、『
武装面ではあまり変化はないけど、その性能は『
「これが………私のIS………」
美沙が『
「美沙ちゃん、その子はお姉ちゃんからの
美沙は閉じていた瞼を開ける。
「もちろんです、叔母様」
美沙と美紗緒は『
そして、『
本来ならば、『
美紗緒はその事に驚くが、すぐに表情を戻す。
「どう?美沙ちゃん、
「はい………。
美沙はそう言って、体を軽く動かす。
先程、千条院美緒………『
「違和感もなくなったようだから、早速模擬戦をやろうか」
「模擬戦………ですか?」
「うん、お姉ちゃんの戦闘記録(バトルログ)を参照してそのまま戦えると言っても、それはお姉ちゃんの動きの模範でしかないからね、だから自分で動けるようにしないとね?」
「解りました、叔母様」
美紗緒の言葉に美沙は同意をして、二人は近くにある演習場に向かった。
◆
二人が来た演習場はISでの模擬戦闘を想定した広さであった。
「それじゃ、美沙ちゃん。ISを装着して」
美紗緒はそう言うと同時に自身のIS『カグツチ』を装着する。
「解りました」
美沙もそう言うと、『
互いに極超音速化をし、ほぼ零距離での射撃武器の応戦と、近接武器によるスパークで演習場が破壊されていく。
二人はそれをものともせずに、美紗緒は『カグツチ』に搭載されている『思兼神』を8基全てを射出、美沙も『
「………『シュタインズガンナー』」
美紗緒の呟きと同時に肩の発射口が開きトランプのダイヤを象った物体を射出、美紗緒から30mぐらい離れた所で停止すると同時に極太の青白いレーザーが美沙に向けて発射される。
美沙はそれを避けて美紗緒に接近しようとするが、『シュタインズガンナー』が突如爆発した。それを間近で受けた美沙は、吹き飛ばされる。
「くっ………」
美沙は『
『グングニル』を収納、『月光零式改』を展開した美沙は、接近をして切り裂こうとするが美紗緒はそれを予想していたのか『月光弐式』で受け流しながら電撃式蛇腹剣『
美紗緒は追撃とばかりに『
だが、美沙はそれが効いてないようで、直ぐに『月光零式改』で『大蛇』を切断する。その直後、殺気を感じた美沙は直ぐにその場を離れると、美沙が居た所に無数の剣が降り注いだ。
美紗緒は外れた事に舌打ちをしながらも、『思兼神』、『シュタインズガンナー』、更に『カグツチ』の
美沙はこれでは勝てないと開き直り、『
美沙は直ぐに離脱をして様子を伺うと、美沙の頭上に巨大な剣が現れ、その巨大な剣によって地面に叩きつけられる。
『
◆
模擬戦を終えた二人はシャワーを浴びた後、談話室で話をしていた。
先程の模擬戦の名残はなく、楽しそうにしていた。
「流石叔母様、『
「それはそうだよ、『
美紗緒はそう言うと、クスクスと笑う。
「そういえば叔母様、あの刀剣は一体なんだったのですか?」
「あれは、『カグツチ』の
効果の方は既にわかってると思うけどね」
美沙が頷くと、美紗緒は席を立つ。
「明日も学校があるんだから、そろそろ寝ないとダメだよ?………。おやすみ」
「御休みなさい、叔母様」
美沙と美紗緒は挨拶をすると、其々の部屋に戻って休んだ。
その日から1週間が過ぎ、いよいよ美沙、夏音、鈴夏の三つ巴のクラス代表選抜戦が幕を開ける。