IS~インフィニット・ストラトス~ for Answer   作:白姫彼方

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暗躍する者達の進展、天災の終焉

暗い室内に一つのモニターに電源が入り、エンブレムが表示された後、複数の名前が表示される。

 

「現在、老いた方々は夏音様と鈴夏様をどう引き込むかを検討中で御座います。旅団長様」

 

その声は以前、とある組織の中で老害と呼ばれていた組織の女性の声だった。

 

「そうか、あの老害共はまだ諦めていなかったか」

 

女性の声に応えたのは老害と呼んでいた男性の声だった。

 

「はい、そのようです。何様のつもりなのでしょうか、私の夏音様(・・・・・)を人体実験に使おう等と………」

「何時夏音があんたの物になったのよ!リリウム!」

 

また別の女性の声が聞こえ、リリウムと呼ばれた女性が反論する。

 

「それは、私と夏音様が出会った時からですよ?メイ様」

 

メイと呼ばれた女性とリリウムは啀み合いを始める直前に別の声が介入する。

 

「そこまでだ、今は旅団長がいるのだ。それは後で二人っきりの時にしてもらおう」

 

介入した女性の声は言葉遣いこそ男性的ではあったが、女傑じみた声色でもあった。

 

「旅団長すみませんでした。リリウムとメイには私から言い聞かせます故」

「何、気にする事じゃないさウィンディ。所で小鳩はどうした?」

「はい、小鳩様は、専用機の調整があるからと今回は欠席の旨を聞いています」

「そうか………。“計画”には間に合いそうなんだな?リリウム」

「はい、時間的に見ても十分間に合うかと」

「それはよかった。リリウム、メイ、ウィンディの専用機はどうなんだ?」

「『アンビエント』は何時でも動かせます」

「『メリーゲート』も何時でも動かせるよ!」

「『レイテルパラッシュ』も同じです。旅団長」

 

三人の言葉を聞いた男性は頷く。

 

「よしわかった。リリウム、メイ、ウィンディにはIS学園に編入してもらおう」

「「「解りました!旅団長!」」」

「詳しい日程は追って連絡する。小鳩とジュリアスの方の機体が出来次第同じくIS学園に編入すると伝えてくれ」

「「「はっ!」」」

 

旅団長の言葉に返事をした三人は通信を切る。一瞬だが静寂が訪れるも、直ぐに別の通信が開く。

 

「些か“計画”よりも早いのではなくて?」

「何、問題は無いさ、今の所は流れは緩慢だ。この程度なら何も起こらん」

「だといいけどね………。あの人達が何らかのアクションを取らないという保証はないよ」

 

先程とは別の三人の女性の声が唐突に言葉を発するが、旅団長と呼ばれていた男性は苦笑しか出なかった。

 

「何、あの老害が今アクションを起こした所で『白い閃光(ホワイト・グリント)』に撃墜されるのがオチだ。それこそ無駄というものだろう」

「ところがそうでもないみたいだぞ?旅団長」

 

先程の女性達とは別の通信が開き、旅団長の言葉を否定した。

 

「何?」

「どうやら試作機が出来たみたいだぞ?代替可能な多数の凡人で操作する『対白い閃光(ホワイト・グリント)』用巨大兵器(アームズ・フォート)が」

 

その言葉に旅団長を含めた四人は驚きのあまり声を出せずにいた。それでも尚、言葉を続ける。

 

「予想よりも早いな………。“計画”を早めるか?」

「それには及ばん。出来たといってもまだ試作機だ、そこからデータ取りとかも考えると私達が“計画”を発動したほうが早い」

「そうか………。あぁ、言い忘れる所だったが。先程連絡があって『兎』を捕らえたそうだ」

 

旅団長のその言葉に通信を開いていた四人の女性は驚くが、先ほどよりかは驚いてはいなかった。

 

「それこそ予想より早いな。『あの人』は何処に居たんだ?」

「南米の地下施設だ。苦労したんだぞ?無人機が蟻の様に居たみたいだ」

「まぁ今捕らえてるのならそれでいいさ、『ラインアーク』の情報網で捉えたのか?」

「あぁ、巧妙に隠してあったみたいだが、所詮は『兎』だ。巣穴を変えても………。と言う所だろう」

「それでどうしますの?旅団長」

「僕的にはそのままおとなしくしてくれた方が良いけどね」

「いや、このあと接触するつもりだ。それで此方側に付かないのであれば抹殺する」

 

旅団長がそう言うと、全員が通信を切り、静寂だけが残された。

 

 

                     ◆

 

 

暗い地下施設の一室にISの産みの親である篠ノ之束は鎖につながれてそこに居た。ガチャリと音を立てて、外套を羽織りのっぺらとし片目だけしか開いてない黒い仮面を被った人物が入ってくる。それに気付いた篠ノ之束は睨みつける。

仮面を被った人物は篠ノ之束の睨みなど気にしてはいなかった。

 

「さて………。答えは決まったかね?篠ノ之博士」

 

その人物の声は明らかにマシンボイスに変声されていた。

 

「何で貴方達にこの天才の私が、協力しないといけないのさ。まずその理由が知りたいよ」

「先程言っただろう?我々の“計画”に協力して欲しいと」

「その“計画”の内容が知りたいって、私言ってるんだよ。これだから低能な人間は………」

 

篠ノ之束がそう言うと、仮面の人物は「クックック………。」と低い声で笑う………変声機で変声されているから低い声も何もないのだが………。

 

「まぁ良いだろう………。“計画”について話してあげよう」

 

仮面の人物は篠ノ之束に“計画”を洗い浚い全てを話す。その内容を聞いた篠ノ之束は目を限界まで開き、その表情は驚愕一色に染め上がっていた。

 

「何を考えているの!?そんな無謀なことを世界が赦すとでも思ってるの!?」

「ふん。今の世界は腐敗しきっているからな、ここで零に戻さなければ人類が壊死するだけだ」

 

「それに………」と仮面の人物は忌々しそうに篠ノ之束を睨みつける。

 

「今の世界情勢にした元凶が何を偉そうに」

「それは世界が私の子どもを見なかったからいけないんだよ」

「下らない戯言だな、まるで茶番(ファルス)だ。天才と呼ばれた篠ノ之博士は所詮子どもだったと言う訳だな」

「なんだって………?」

「まぁいい、それで答えは?」

「答えは否だよ」

「そうか………」

 

答えを聞いた仮面の人物は懐からS&WM500を取り出し、篠ノ之束に狙いを定める。それに慌てたのは篠ノ之束だった。

 

「何をするつもり………」

「我々の“計画”に協力できないのであれば、“計画”を知った以上抹殺するまでだ」

「なっ!私を殺せばコアが永遠に作られることはないんだよ!?」

「構わないさ、既にコアの増産など貴方が(・・・・・・・・・・)居なくてもできる(・・・・・・・・)と言う事はだ。貴方は最早不要………用済みってわけだ」

 

仮面の人物の言葉を聞いて篠ノ之束はガタガタと震え出す。

 

「あぁ、冥土の土産に良い事を教えてやろう」

 

仮面の人物はそう言うと、片手で仮面を外す。その人物の姿を見た篠ノ之束は先程よりも目を見開き、固まった。その直後に一発の銃声が響き渡り、仮面の人物はその部屋から出ていった………硝煙と血の匂いを残して。

 

 

                     ◆

 

 

暗い室内に再度通信が開かれる、先程よりも人数が増えており。前回の会合と同じメンバーが揃っていた。

 

「それで『あの人』はどうなったんだ?旅団長」

「あぁ、“計画”には非協力的だったから始末した」

「そうか………。それでは仕方あるまい、『あの人』も存外底がしれていたと言う訳だな」

「何にしても、僕達の“計画”を実行する他ないってことだね」

「そういう事よ、けど醜いわね………。私達も、皆全て」

「それが人間というものだろう?人の業がそうさせるわけだ」

「その業があるから私みたいなのが産まれるんだけどね」

「それを言ったらきりがありませんわ。それで?旅団長は此れからどうするつもりですの?」

「老害共が巨大兵器(アームズ・フォート)の試作機を完成させたみたいだからな。『アレ』の完成を急がせるしかないな」

「解ったよ、建造を急がせるね」

「あぁ、頼む。私が表舞台に出る時に必要だからな」

「それで名称は決まってるの?」

「もちろん。名称は『謳われない(アンサング)』だな」

「了解、それじゃ、また後で」

「あぁ、皆また後で」

 

旅団長がそう締めると一斉に通信が切られた。翌日、篠ノ之束が射殺体として北欧にて発見され、世界を騒がすが、旅団長達にとってはどうでもいいことであった。

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