IS~インフィニット・ストラトス~ for Answer   作:白姫彼方

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国家代表の実力

リリウム、ウィンディ、メイが転校してから1週間が過ぎた。最初はリリウムの“約束”騒動でいろいろと騒いでいたが、夏音の父親、一夏の一喝と肉体言語によって物理的にも沈められた。

因みにだが、その様子を見たとある生徒はこう語った。

「あれは鬼とか鬼神とかを通り越して魔神や破壊神の様だった」と………。一夏は騒動の元凶であるリリウムと夏音とそれを聞いて騒いでいた生徒を投げ飛ばし、物理的制裁を行い、保健室送りにした。

何はともあれ、比較的平和に過ごせていた。

さて現在、夏音、鈴夏、美沙、リリウム、稚詩達1年1組とウィンディ、メイ達1年2組は第三アリーナに来ていた。

 

「さて、今回は国家代表の実力を直で見てもらおうと思う」

 

一夏の言葉にざわざわと女子生徒達は騒ぐ。

 

「今この合同で3人の国家代表がいるわけだが………。もう1人は誰にしようか………」

「はいっ!織斑先生!」

「どうした?グリンフィールド」

「私は織斑君を入れたほうが良いと思いますっ!」

「その理由は?」

「はいっ、織斑君は織斑先生に続く二人目の男性操縦者です。なのでより実戦的な訓練が早急に必要だと思ったからです」

 

メイが夏音を指名した理由を聞いた一夏は、少し考えて許可を出したが………そこで問題が発生。誰と組むかで、メイとリリウムが口論をし、それを一夏とウィンディが物理的に沈黙させると、一夏は残ったウィンディと組むように言った。

メイとリリウムはそれに不満ではあったものの、今の一夏は絶対だ。そして4人はある程度離れると、ISを装着する。

夏音は『白い閃光(ホワイト・グリント)MkⅡ』を、ウィンディは真鍮色のIS『レイテルパラッシュ』を装着、そのフォルムは全体的に女性的ではあるが、右腕は銃身が片刃の剣に酷似した可変式突撃レールガン『エルタニン』と一体化されており、武器腕と化している。

一方、メイは新緑色と深緑色で彩られたダンボールロボットと言える様な重装甲のIS『メリーゲート』を装着、リリウムは4機中どれよりも細いフォルム、水色と黒灰色の装甲で両肩に装備された鳥類が羽ばたいた時の翼をモチーフにした装置が印象的なIS『アンビエント』を装着した。

 

「ではルールを説明するぞ、どちらかの陣営が全滅するまで続ける事だ。その過程での戦術、戦略は一切問わない。

それでは………準備はいいな?」

 

一夏の確認の声に4人は頷いて答える。それと同時に合図が出され、4人は一斉に離れる。

 

『夏音、メイの『メリーゲート』は中・遠距離が得意だが、近接攻撃には注意しろ』

『どういう事?ウィンディ』

『あぁ、『メリーゲート』の恐ろしさは大火力の近接武装『コジマ』による直接攻撃だ。あれは『アサルト・アーマー』と同等の威力を出すらしい』

 

夏音とウィンディがメイの『メリーゲート』への注意点を説明している間に、リリウムは『アンビエント』の機体追従型ECM発生器『エネミー』を起動、夏音とウィンディのハイパーセンサーから姿を消す。

 

『メイ、囮役頼みます』

『解ったよっ!リリウム』

 

リリウムはそう言いながら、アリーナの地面すれすれまで降下、『アンビエント』は軽量型ISの特性を生かした機動力で夏音とウィンディの背後に回る。メイは両背部にある16連装ミサイルポッド『ウェイクリング』、両肩部にある32連装ミサイルポッド『マスキンガム』を起動、夏音とウィンディに向けて放ちながら右腕の実弾重グレネードライフル『グルーム』、左腕の実弾バズーカ『グレーム』を放つ。

夏音とウィンディは『グルーム』と『グレーム』を避けながら、自分たちの方に向かってくる48発のミサイルを夏音は『グングニルⅡ』で、ウィンディは『カプタイン』のEN射撃形態のデュアルハイレーザーと大型分裂ミサイル『アニカム』で遊撃をする。

夏音は両腕に『月光零式改』を展開、そのまま『短距離加速(クイック・ブースト)』でメイに急接近し、近接戦に持ち込む。メイはそんな夏音に微笑みながら『グレーム』と『グルーム』を収納、ウィンディが警告していた大火力の近接武装『コジマ』を展開、ドーザーと呼ばれる刺突型ブレードを構え、夏音とのすれ違いに『コジマ』で殴りつける。

白い閃光(ホワイト・グリント)MkⅡ』のエネルギーシールドに『コジマ』の先端が当たった直後に『アサルト・アーマー』と同等の閃光と大爆発を起こして、夏音を吹き飛ばす。

 

――――『白い閃光(ホワイト・グリント)MkⅡ』バリアー貫通、ダメージ400、シールドエネルギー残量240強い衝撃により左腕部武装展開に支障有り。

 

「なぁっ!?」

 

夏音はその火力に驚き、慌ててメイから離れようとするが、その後ろにいたリリウムと交戦していたウィンディと接触してしまう。

 

「わわっ!ウィンディごめん!」

「それはいいから早く離れろ!」

「な………なんて羨ましいことを………!ゆるしませんよ!ウィンディ!」

 

リリウムはそう激昂しながら可変式レーザーライフル『アンリリ』と可変式突撃ライフル『アナリィ』をウィンディに放ちながら2人に接近する。

ウィンディと夏音は互いの交戦相手を変えるべく反転しようとするが失敗、リリウムが放ったレーザーと銃弾が夏音に襲いかかるが、夏音はそれを『アイギスMkⅢ』で防ぐと。同時展開で『月光零式改』で斬り掛かる。

リリウムはそれを何とか避けると攪乱追尾型単発式ミサイル『アニピュム』を放ち、夏音に追尾をさせる。

ウィンディは『カプタイン』を放ち、夏音に向かうミサイルを迎撃した後に、リリウムに突撃を掛けながら、『カプタイン』と左腕のレーザーブレード『エルタニン』を振りかぶる。リリウムは『アンリリ』と『アナリィ』を収納、両腕に『ムーンライト』を展開してウィンディと鍔迫り合いになるが、『レイテルパラッシュ』の左背部に搭載されているギミックウェポン型デュアルハイレーザー『アクルックス』を起動して、リリウムに奇襲をかける。

その企は成功し、リリウムの右肩を突いて、右側の『エネミー』を破壊し、装甲を抉る。

 

――――『アンビエント』バリアー貫通、ダメージ75、シールドエネルギー残量500、右上腕部大破、『エネミー』使用不能、右腕部戦闘行動に支障有り。

 

リリウムは『アンビエント』からのダメージレポートを見て、内心で舌打ちをしながら離れ、『アナリィ』を放ちながら更にウィンディから距離を離す。

 

『メイ、そちらはどうですか?』

『私の方はきゃあっ!………すこしきついかも………夏音が意外と強いよ………』

 

メイは『白い閃光(ホワイト・グリント)MkⅡ』から射出された『ツヌグイⅡ』と夏音の猛攻をギリギリで回避しつつ、『グルーム』で『ツヌグイⅡ』を破壊しようとするも、全て避けられ、反撃を喰らう。

 

「あぁっ!もうっ!しつこい!!」

 

頭に血が昇ったメイは『ウェイクリング』と『マスキンガム』を起動、射出しようとした瞬間に『ツヌグイⅡ』の4基が斬撃形態になり、『ウェイクリング』と『マスキンガム』を貫き、破壊と同時に内蔵されていた残りのミサイルを誘爆した。

 

「きゃあああっ!」

『メイ!?』

 

――――『メリーゲート』バリアー貫通、ダメージ350、シールドエネルギー残量220、『ウェイクリング』、『マスキンガム』使用不能、背部大破によりブースター、『P(パッシブ)I(・イナーシャル)C(・キャンセラー)』使用不能及び両前部大破により戦闘行動に支障有り。

 

メイの悲鳴を聞いたリリウムは『個別秘匿通信(プライベート・チャネル)』で呼びかけるが、『メリーゲート』は『P(パッシブ)I(・イナーシャル)C(・キャンセラー)』とブースターが使えなくなったため、地面に降りる。メイはリリウムに無事のことを知らせるが、両肩部がほぼ大破、背部の武装も大破されている為、ほぼ戦闘不能となるが、幸いにもまだ両腕部の武装が残っているため、『グルーム』と『グレーム』を構えて夏音に放つ。

夏音はそれを避け、『P(パッシブ)I(・イナーシャル)C(・キャンセラー)』とブースターが使えなくなった『メリーゲート』は、更に機動力を失い、機動力が皆無となったメイに対して、『グングニルⅡ』を拡散発射形態にして放ちながら、『ツヌグイⅡ』で追い打ちをかける。

 

――――『メリーゲート』バリアー貫通、ダメージ250、シールドエネルギー残量0、装着解除。

 

シールドエネルギーが0になった『メリーゲート』を装着解除され、メイはとぼとぼと、一夏の元に戻る。それを見た夏音は『ツヌグイⅡ』を収納して、ウィンディの加勢に行こうとした。

 

――――『レイテルパラッシュ』バリアー貫通、ダメージ98、シールドエネルギー残量0、装着解除。

 

夏音が振り返った瞬間に、友軍のマーカーが消え、残っていたのは敵軍マーカーのリリウムだけだった。

 

『すまない………夏音、一歩及ばなかった』

 

ウィンディはそう言って、メイと同じ様に一夏の元に戻っていった。そして夏音はリリウムを見る、損傷はほぼない状態であった。

 

『夏音様、模擬戦とは言え手加減しませんよ?』

『それは願ってもないことだよ、リリウム。僕はもっと強くならなきゃいけないんだ』

 

夏音はそう言って、リリウムを真っ直ぐ見つめる。その瞳には愚直なまでに燃え上がるの闘志と不屈の意志が宿っていた。見つめられたリリウムは、若干頬を紅く染めるが、その意志に答える様に夏音を見据える。

 

『なら………。私を超えてください!夏音様!』

『上等!!』

 

それと同時に『アンビエント』の背部にあるシャッター型の装甲が開き、そこにある小型のブースターに光が集まり、放出すると同時に爆発的な加速を得る。それは『Overdo(オーバード) ()Boost(ブースト)』と呼ばれる加速法で、爆発的な加速力とエネルギーが続く限り最高速度以上の速度を得ることが出来るが、その分軌道修正が難しくなる。

元から機動力が高い『アンビエント』が『Overdo(オーバード) ()Boost(ブースト)』を行うことにより、『白い閃光(ホワイト・グリント)』に勝るとも劣らない同等の速度を得ることができた。それと同時に『アンリリ』と『アナリィ』を夏音に放ちながら、超高速の速度で近づく。

夏音はそれに対して『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』で縦横無尽に駆けながらレールガンと対IS用徹甲炸裂弾を避け、『グングニルⅡ』を拡散通常発射形態から連弾発射形態に変更、『ツヌグイⅡ』を全基射撃形態で射出、驚異的な速度で駆けるリリウムに対して迎え撃つように弾幕を張る。

リリウムは『Overdo(オーバード) ()Boost(ブースト)』をしながらも、『短距離加速《クイック・ブースト》』をしてその弾幕を回避。夏音を通り過ぎた時に『無反動旋回《クイック・ターン》』をして方向を変え、『アニピュム』を放ちながら『アンリリ』と『アナリィ』を収納して、『ムーンライト』を展開、更に『短距離加速(クイック・ブースト)』を使って更に速度を上げて夏音に近づく。

夏音は『ツヌグイⅡ』を全て収納しながらミサイルやレールガン、対IS用徹甲炸裂弾を避け、『グングニルⅡ』から『月光零式改』に切り替えてリリウムに対して突撃する。

夏音と激突する直前にリリウムは『Overdo(オーバード) ()Boost(ブースト)』を解除、そのまま慣性を利用した素早い踏み込みで夏音と鍔迫り合いになる。だが、夏音は脚部の『月光弐式』を展開してリリウムを蹴るが、リリウムは瞬時に後ろに下がり、直撃は避けるもエネルギーシールドに掠める。

 

――――『アンビエント』バリアー減衰、ダメージ60、シールドエネルギー残量250

 

夏音は追撃とばかりに両脚を交互に蹴り上げながら進み、左脚を蹴り上げながらそのまま半回転しながら機械翼に付いている荷電粒子砲を放つ。リリウムはそれを紙一重で避けるも、その直後に夏音が既に目の前にいてそのまま『月光零式改』で斬られる。

 

――――『アンビエント』バリアー貫通、ダメージ260、シールドエネルギー残量0、装着解除。

 

『アンビエント』が解除されたリリウムは、悔しそうに俯きながら一夏の元に戻っていった。

それを見ながら夏音はふと、澄み切った青空をただ見つめていた………。そこに何かを探し出すように。

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