IS~インフィニット・ストラトス~ for Answer   作:白姫彼方

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学年別クラス対抗戦、襲撃者

夏音達が摸擬戦をしてから1ヶ月ほど経ち、美沙もリリウム達と仲良くなり、いよいよ学年別クラス対抗戦が翌日に迫ったある日。一同は屋上で昼食をとっていた。

 

「いよいよ明日がクラス対抗戦だねっ!」

「ああ、そうだな、楽しみだ」

 

メイが明日のことを話すと、ウィンディはウズウズとした感じで頷く。夏音も同じ様にウズウズしているようだ。

因みにだが、2組のクラス代表はウィンディだ。

 

「もっと………もっと強くならなきゃ………」

「何か言った?夏音?」

「ん?ううん、何も言ってないよ?鈴夏」

「?そう?」

「………」

 

夏音が何か呟き、それを鈴夏が聞くがなんでもないと、言うが、『生命戦闘体(アマテラス)』である美沙はそれを聞き逃さなかった。だが、あえて今言及しなくても良いだろうと判断をする。

 

「夏音君、それで機体の調整はどうなのかな?」

「うん、またちょっとズレが出てきちゃったみたいだよ。美沙、また調整の手伝いをお願いしてもいいかな?」

「うん、それじゃあ、またいつもの場所でね?」

 

美沙はそう言うと、立ち上がり屋上から出た。

 

「(あの状態は危ないかな………。お父様に相談しなきゃ)」

 

美沙はそう心で決めて、足早に階段を下りていった。

 

 

                     ◆

 

 

そして翌日、学年別クラス対抗戦が始まった、夏音とウィンディが対決するのは決勝であり、初戦は3組とだったが、この1ヵ月間の間に特訓をしたせいか、秒殺とも言える時間で倒した。それはウィンディも同じで、直ぐに4組を下す。

そして30分ほど休憩を挟み、ウィンディと夏音は対峙する。

 

「やっと夏音と戦えるのか………。どれほどこの時を待ったか………、そうだろう?夏音?」

「そうだね………、僕もそう思ってたよ。ウィンディ」

 

試合開始のシグナルが『4』を示す。それと同時に夏音とウィンディは構える。

 

「この勝負…私が勝つ!」

 

シグナルが『3』を示す。それと同時にウィンディがそう宣言しながら夏音を見据える。

 

「僕が…勝つ!」

 

シグナルが『2』を示し、夏音もそう宣言して、ウィンディを見据える。

そしてシグナルが『1』を示すと、『レイテルパラッシュ』の背部のブースターに光が集まる。それと同時に、『白い閃光(ホワイト・グリント)MkⅡ』の両肩部の装甲がスライドして横に連結、ブースターノズルが迫り出て、連動する様に腰部にある追加ブースターも開き、縦に連結されると、同様にブースターに光が集まる。

 

「「往くぞ!/往きます!」」

 

シグナルが『0』になると同時に2人は『Overdo(オーバード) ()Boost(ブースト)』を発動、爆発的な加速を得た2機は互いに『月光零式改』、『エルタニン』を展開し、『カプタイン』を構えて鍔迫り合いになる。夏音が『月光弐式』を展開して蹴り上げようとするが、ウィンディはそれを後退の『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』で回避、『カプタイン』と『アクルックス』を夏音に向けて放つ。

夏音は『短距離加速(クイック・ブースト)』で避け、『ツヌグイⅡ』を全機射出して、ウィンディを取り囲むように展開して攻撃を仕掛けつつも、『グレイズⅡ』でも仕掛ける。だが、ウィンディはそれら全てをひらりと回避しつつも、『カプタイン』と『アクルックス』で『ツヌグイⅡ』を1基、また1基と確実に落としていく。

『ツヌグイⅡ』が半数近く落とされると夏音は『ツヌグイⅡ』を収納して、『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』と『短距離加速(クイック・ブースト)』を使いながら縦横無尽に駆けて『グレイズⅡ』でウィンディを狙う。ウィンディは『カプタイン』と『アクルックス』を放ちながら『アニカム』を起動、直ぐに大型分裂ミサイルを射出、3m程進んだところで内蔵されていた小型ミサイルが無数に射出され、夏音に襲いかかる。

夏音は迎撃はしきれないと判断すると、『Overdo(オーバード) ()Boost(ブースト)』を使い、ミサイル群を振り切りながら『グレイズⅡ』から『グングニルⅡ』に切り替えて拡散発射形態にしながらも、機械翼に装備された荷電粒子砲と共に放ち、ミサイル群を破壊する。ウィンディはその隙を逃さずに『カプタイン』をEN形態にし、『アクルックス』と共に放ち、『白い閃光(ホワイト・グリント)MkⅡ』の装甲を抉る。

 

――――『白い閃光(ホワイト・グリント)MkⅡ』バリアー貫通、ダメージ130、シールドエネルギー残量560、右腕部、損傷軽微。

 

ダメージレポートを確認した夏音は『短距離加速(クイック・ブースト)』でその場を離脱、地上から空中に移動しながら『グングニルⅡ』で牽制をかける。ウィンディは熱線を避けながら大型分裂ミサイルを複数射出、『カプタイン』と『アクルックス』を放ちながら夏音をアリーナの隅に追い詰め様とする。

徐々にだが夏音は追い詰められ、退路がなくなる。

ウィンディは『カプタイン』と『アニカム』を使いながら『エルタニン』を起動、エネルギーブレードを出して更に接近、切りつける。夏音は機械翼の荷電粒子砲を放ちながら『グングニルⅡ』から『月光零式改』に切り替え、ウィンディに突貫しようとした瞬間、アリーナに轟音と振動が起こった。

 

「なっなんだ!?」

 

ウィンディと夏音は急停止をして、轟音の発生源を見る、そこには黒いISが居た。数十年前、一夏と鈴音の時とは違い、人間が乗っているようだった。その黒いISはゆっくりとウィンディと夏音に向かう。

 

「貴様!何者だ!目的はなんだ!」

 

ウィンディがその黒いISに対して大声で言うも、応答は得られなかった。その黒いISは『狂月の女神(アルテミス・ルナティック)』に酷似しているが、頭部にはギアレシーバーにバイザーがつけられて操縦者の素顔は見られなかったが、髪の色は白銀(ホワイトシルバー)だった。

ウィンディは『カプタイン』と『アクルックス』を黒いISに向けて警告をするが、それも無視をされる。ウィンディは威嚇射撃の為に『カプタイン』を放とうとした瞬間、黒いISが消える。

 

「なっ消えぐあっ!!」

「ウィンディ!」

 

――――『レイテルパラッシュ』バリアー貫通、ダメージ670、シールドエネルギー残量75、左腕部大破、『エルタニン』、『ブラス』使用不能、『アクルックス』大破により使用不能。

 

夏音はよく見ると、黒いISの両腕から青白いビームブレードが展開されていた。その黒いISは夏音からウィンディに向き直る。

 

「………対象捕獲の障害となるものを抹殺します」

「させるかぁ!!」

 

夏音は『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使い、黒いISに急接近して『月光零式改』を振るうが、黒いISにその腕を掴まれる。

 

「………捕獲対象に戦意を確認、無力化します」

 

黒いISの操縦者はそう言うと、瞬く間に『白い閃光(ホワイト・グリント)MkⅡの武装を破壊していく。

 

――――『白い閃光(ホワイト・グリント)MkⅡ』バリアー貫通、ダメージ250、シールドエネルギー残量30、『アサルト・アーマー』以外の全武装を破壊されました、戦闘行動ほぼ不可能。

 

「夏音を離せぇ!!」

「………障害を排除します」

 

黒いISは夏音を投げ捨てると、ウィンディに向き直り、姿がきえる。その直後に破砕音が聞こえ、その音の方に顔を向けると、『レイテルパラッシュ』の装甲が砕け、地面に叩き落とされる所だった。

 

――――『レイテルパラッシュ』バリアー貫通、ダメージ790、シールドエネルギー残量0、装着解除。

 

『レイテルパラッシュ』が解除されたウィンディは、そのまま地面に伏したまま動かない。黒いISはウィンディに近付くと、首を掴み持ち上げる。

 

「ぐ……うぅ……」

「………死になさい」

「やめろぉぉ!!」

 

黒いISが力を込めようとした瞬間、黒いISは何かを察知したように反応し、ウィンディを投げ捨てながら後退する。一瞬前に黒いISが居た所には『白い閃光(ホワイト・グリント)』を装着した一夏が居た。それを見た夏音は安心した様に意識を手放した。

 

 

                     ◆

 

 

一夏の後ろには『神龍(シェンロン)(ジン)』を装着した鈴音、『狂月の女神(アルテミス・ルナティック)』を装着した美沙、『メリーゲート』を装着したメイ、『アンビエント』を装着したリリウムが居た。

 

「随分と舐めた真似をしてくれたな?大人しく捕まってもらおうか」

「………『白い閃光(ホワイト・グリント)』を確認………離脱します」

「逃すか!」

「!!」

 

黒いISが離脱しようとした瞬間にはすでに一夏は『月光零式改』を展開済みで、そのまま左鎖骨から腹部を切り裂くと同時に吹き飛ばす。切り裂かれた瞬間に夥しい量の出血があったにも関わらず、黒いISの操縦者は何事も無かったかのように立ち上がる。

 

「離脱不能と判断………敵対行動をとります」

 

操縦者はそう言うと、機械翼から8基のビットを射出、それから荷電粒子砲が放たれる。一夏達はそれを散開することで避け、反撃とばかりに一夏と美沙は『ツヌグイ』を合計46基を射出、鈴音は『龍砲』を8基を射出して向かわせ、上から弾幕を張りつつ、一夏は正面から『月光零式改』を、鈴音は左から『射殺す百頭(ナイン・ライブス)』を、美沙は右から『月光零式改』を、リリウムは後ろから『ムーンライト』を其々構えて襲いかかり、メイは後方から大量のミサイルをばら撒く、それらは全て黒いISに向かう。

 

「………起動」

 

瞬時に白い粒子が黒いISの周りに集まる。いち早くそれに気付いた一夏は急停止をして後退しながら『月光零式改』から『グレイズ』に切り替え、黒いISに放つ。鈴音、美沙、リリウムも一歩遅れて気付いて慌てて後退をする直後に全員の視界が目を覆うほどの閃光に染まり、大爆発と轟音が襲いかかる。

いち早く視界が回復した一夏が見たものは、黒いISを中心に10mがクレーター状にアリーナの床が消滅していた。

 

『グリンフィールド、ウォルコット、千条院。織斑弟とファンションを連れて退避しろ』

 

個別秘匿通信(プライベート・チャネル)』でメイ、リリウム、美沙に下がるように言う。3人はすぐに頷き、夏音とウィンディを抱えてアリーナから退避をした。

 

『悪いな鈴、付き合わせて』

『何言ってるのよ、今更でしょ?一夏』

「………捕獲対象のロストを確認、現段階において一次目標達成不能、二次目標に切り替えます」

 

黒いIS操縦者はそう言うと、3人は姿を消す。それと同時に誰もいなくなったアリーナ内に破砕音が鳴り響く。

黒いISの荷電粒子砲と一夏の『グングニル』がアリーナの床を抉り、鈴音の『射殺す百頭(ナイン・ライブス)』が観客席や外壁を粉砕し、荷電粒子砲同士がぶつかり合い、それによって余剰エネルギーがアリーナ全体を砕き、エネルギーキャノンの『イクス』、『フレイル』がアリーナに穴を開けていく。

一夏の『月光零式改』と黒いISのエネルギーブレードがぶつかり合い、拮抗すると、黒いISから24基のビットが射出されると、一夏も『ツヌグイ』を30基射出して、互いに離れ、ビットの攻撃を避ける。その背後から鈴音が『射殺す百頭(ナイン・ライブス)』を持ち、左に回転しながら黒いISに突き進む。

黒いISは避けようとするが、一夏がそれを許すはずもなく、『月光零式改』を構えながら目の前にいたため、回避が十分に取れず、左腕にエネルギーシールドを展開して防ぐも、鈴音の力が強く、弾き飛ばされる。

一夏は追撃をする為に『Overdo(オーバード) ()Boost(ブースト)』を使い、一気に詰め寄り、『月光零式改』を突き刺そうとするが黒いISのバイザーが無くなっており、一夏がその素顔を見た瞬間、硬直する。

 

「なっ!!お前は!!」

「さようなら……縛られた英雄」

 

一夏が動揺する中、黒いIS操縦者は一夏の腹部にエネルギーブレードを突き刺す。

 

「がぁ!!」

「一夏ぁ!!!」

 

鈴音が直ぐに駆けつけて、一夏を支えて黒いISを見ると、鈴音も一夏と同じ様に硬直する。

 

「なんで………なんでよ!」

「二次目標達成、帰還します」

「何であんたが此処に居るのよ!美緒(・・)!!」

 

美緒と呼ばれた黒いIS操縦者は鈴音の叫びを無視して自身が作ったアリーナの穴から出て行った。

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