IS~インフィニット・ストラトス~ for Answer   作:白姫彼方

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皆様お久し振りです!
諸事情で執筆ができる状態ではなかったです。
久しぶりの更新なので変な場所があるかもしれませんが
どうぞ生暖かい目で読んで頂けると幸いです。


巨大兵器、墜ちる白

美緒と白昼夢の襲撃から一晩たった。

本来であるなら郊外特別実習は中止になるのだが、『IS委員会』は実習を強行する様指示を出し、教師達はしぶしぶその指示に従うことになった。

前戦争の英雄、一夏は猛抗議をするも『IS委員会』はそれを却下し、『IS委員会』に不信感を顕にしていた。

そんな中、鈴夏を含む専用機持ち達は各々の課題を全て終え、遊んでいた。

 

「いっくよ~!ウィンディ!」

 

メイがそう言って、ビーチボールをウィンディに向かって打ち上げる。メイの水着はトップがセンターストラップと呼ばれる型で、色は新緑色、胸元にフリルが付けられて可愛さを少しアピールしていて、ボトムは新緑色のスパッツを履いていた。

 

「よしきたっ、リリウム!」

 

ウィンディは白のビキニを着て、リリウムはワンピース型でハイビスカスの模様が描かれていた。

鈴夏は幼馴染達がいる場所からは少し離れた岸部で手頃な岩の上に座っていた。

 

「アザトース、アブホース………。夏音は無事なのかな……」

――――大丈夫ですよ!マスター。夏音様はきっとご無事ですよ。

――――私もそう思うよ。一夏様を除いて二人目の『男性IS操縦者』だもん。手荒な事はできないよ。

 

鈴夏とアザトース、アブホースが話していると隣に美紗が座る。

 

「はい、鈴夏ちゃん。こんな暑い中飲み物を持たずにここに居るのは駄目だよ?」

「ありがとう、美紗」

 

鈴夏はそう言って、美紗からスポーツドリンクが入ったペットボトルを受け取り、一口飲む。

 

「ねぇ、鈴夏ちゃん」

「ん?どうしたのよ?美紗」

「夏音君は無事だよきっと………。お父様に続く『男性IS操縦者』だから、解剖とかはされないと思う。其れ程夏音君は希少で貴重なサンプルだから暴行は加えられてないよ」

「だといいんだけど………」

 

鈴夏と美紗が話していると、突然轟音を出しながら高速で何かが飛び去っていった。鈴夏と美紗は「なんだろう?」と首を傾げていたのだった。

 

 

                     ◆

 

 

 

鈴夏と美紗が話し合う3時間前に遡り、一夏は開けた広場に立っていた。だが、一夏は『白い閃光(ホワイト・グリント)』を装着していた。

 

「そうか、それで?今回のミッション内容は?」

『はい。それでは、ミッションを説明しましょう。雇い主は『フランスとイギリスの両国共同』、目標は『IS委員会』指示の元アメリカ、ロシア、オーストリア、ベトナムが開発した。『試作型巨大兵器(アームズフォート)スピリット(SPIRIT)オブ(OF)マザーウィル(MOTHERWELL)』(以下SOM)の排除及び劣化版ISコアの奪取となります。

アームズ(A)フォート(F)の主兵装は大口径の長距離実弾兵器及び各所に配置されたミサイル群、近接用デュアルハイレーザー30基、5重のエネルギーシールドです。

図体ばかり大きな、中途半端な新兵ではありますが、その威力、射程距離はそれなり以上の脅威です。

その為、依頼主からはV(ヴァンガード・)O(オーバード・)B(ブースト)の使用をご提案頂いています。

確かに、VOBの超スピードと『白い閃光(ホワイト・グリント)』の加速力があれば、容易く相手の懐に入り込む事ができるでしょう。

懐に入った後は、敵AFの各所に配置された砲台を狙ってください。砲台の破壊から、内部に損害が伝播し易いという構造上の欠陥が報告されています。護衛機としてISが8、戦闘ヘリ79機、劣化版ISコアを積んだパワードスーツが20体です。

随分と杜撰な設計ですが、まぁ、彼らなど所詮そんなものです。

説明は以上です。フランスとイギリスは、このミッションに注目しています。呉呉(くれぐれ)も宜しくお願いしますね』

「くくっ!その言い方どうにかならないか?少しイラっとくるんだが」

『そう言わないでください………。ずっとこの口調なんですから」

 

一夏が意地悪く言い、仲介人が疲れた様に答えると一夏は可笑しそうに笑う。

 

「あと、SOMの現在地は何処なんだ?」

『はい、太平洋を横断中です。座標を送ります』

 

一夏の目の前にSOMがいる座標が表示される。

 

「そうか、しかし劣化版とはいえISコアを作れる様になったのか」

『はい、その通りです。しかし、実際の性能(スペック)は劣化も劣化、本来のISコアの数段も落ちているようです』

「なるほどな、それで試作型のAFに使うと……。だがまぁ、代替可能な人数で操作、正に対『白い閃光(ホワイト・グリント)』用兵器じゃないか、あの老害共も随分焦っている様だな」

『ですが、所詮は彼ら程度では噛ませ犬にしかならないと思いますが』

「仮にそうだとしてもだ、それで油断して負けては元も子もないだろう?」

『………そうですね』

「ならこの話は終わりだ」

『解りました。織斑一夏様………それでは』

 

一夏が話を打ち切ると、通信が終わり、直後に別の通信を開く。

 

「聞いての通りだ美紗緒。VOBを用意してくれ」

『わかったよ、一夏さん。2時間ほどで着くようにするよ』

 

美紗緒はそう言うと通信を切る。それからきっかり2時間後にVOBを乗せたトレーラーが到着し、一夏は直ぐにVOBを『白い閃光(ホワイト・グリント)』に装着させ、1時間後には飛べる様になった。

 

『それじゃ、始めるわよ。一夏』

「あぁ、オペレートを頼むぞ鈴(ユキアネサ、美緒いくぞ)」

――――はい!我が主(マイ・マスター)一夏!

――――わかったよ一夏!

 

一夏はそう言うとVOBを起動、少しずつ前に行きながら浮上していき、一定の高度になった瞬間、轟音を奏でながらSOMがいる太平洋に向かった。

 

 

                     ◆

 

 

 

「あれがアームズフォート………。予想以上だな」

 

ハイパー・センサーをズームビューに切り替えて、SOMを見た一夏はそう呟いた。全長2.4km、高さは600mはありそうだった。

 

『VOB使用限界が近いわ、何時でも戦闘状態になれるようにしておいて』

 

鈴音の通信が入ると同時に、SOMの大口径の実弾砲と大量のミサイルが降り注ぐ。一夏はQBを左右と後方に噴射することにより紙一重で避けて行く。

 

『VOB、使用限界よ。パージして!』

 

鈴音の言葉通りに一夏はVOBを切り離すと同時にO(オーバード・)B(ブースト)を起動、時速2000kmの世界に突入する。

SOMから『ラファール・リヴァイヴ』の改良、改変型であり、アメリカの第三世代の新型IS『マレシェス・ウィンド(悪意ある風)』が何十機と飛び立つ。

基本フレームは『ラファール・リヴァイヴ』と対して変わらないものの、機動性、武装、操作性が『ラファール・リヴァイヴ』の数倍が上がっている。

『マレシェス・ウィンド』の第三世代としての特殊兵装は、背部に取り付けられている6基の有線ビット『マレス(悪意)』だ。

かの武装は操縦者の悪意(敵意)を読み取り、それを向けている相手に自動追尾し、先端に取り付けられている実弾砲で、攻撃支援をする。

その新型を数十機用意したアメリカの本気具合に一夏は素直に感嘆した。

 

「ほう、よくそこまで新型を用意できたもんだな。だが、ブリーフィングの時と戦力がかなり違うな」

――――ですね。我が主(マイ・マスター)

――――でも、それでも私たちの敵ではないね!

 

美緒の言葉とともに『ツヌグイ』が全30基が射出され、『マレシェス・ウィンド』に向かう。それを察知した『マレシェス・ウィンド』の搭乗者達も『マレス』を射出、100を超える有線ビットが、一夏に向けて実弾砲が放たれるも、それを全てQBで難無く回避していく。

そんな中、『ツヌグイ』は的確に『マレシェス・ウィンド』にダメージを与えていく。

 

――――一夏!SOMが『グングニル』、『グレイズ』の有効射程距離内に入るよ!

――――我が主(マイ・マスター)!『ツヌグイ』のエネルギー残量が10%切りましたっ!収納します!

「(解った。『ツヌグイ』を収納後、『神羅烈風』を起動後、O(オーバード・)B(ブースト)を同時に使ってSOMに取り付くぞ!)」

――――了解(ラジャー)!!

――――了解(ラジャー)!!

 

ユキアネサが『ツヌグイ』を戻す直前に『神羅烈風』を起動、不可視のエネルギーシールドが『白い閃光(ホワイト・グリント)』を包み、その後に背部にある装甲がスライドして両肩の装甲に接続された直後、ブースターノズルがせり上がり、噴射口が露出する。

そして、『ツヌグイ』が収納された直後、轟音と共に『白い閃光(ホワイト・グリント)』の姿がぶれる様に急加速を開始する。

『マレシェス・ウィンド』の搭乗者達は一夏の急加速に迅速に対処する為に、『マレス』を再度射出して弾幕を張るが、『グングニル』によって全てが撃ち落とされていく。

そんな中、3機の『マレシェス・ウィンド』が近接武装を展開して一夏に向ってくる。一夏は両腕に『月光零式改』を展開、そのまま3機の『マレシェス・ウィンド』に突撃していき、相手が振り下ろすよりも先に、『マレシェス・ウィンド』の搭乗者ごと横に両断する。

 

「素人が、戦場に迷い込んだか?話にもならんな」

 

一夏はそう言って、左腕の『月光零式改』を『グレイズ』に切り替えてSOMに放つ。

だが、ガラスが割る様な甲高い音がした後に『グレイズ』が無効化された。

 

「ほう………。この程度では傷一つ付かないか、老害共も必死だな」

 

一夏はそう言って、右腕の『月光零式改』でエネルギーシールドに切りつける。

すると、甲高い音が響き渡り、一枚のエネルギーシールドが消えていた。

 

「なるほど、それなりの強度があるエネルギーシールドの様だな。だが、ユキアネサ!!」

――――了解!『アサルト・アーマー』、起動!!

 

一夏の周りに白い粒子が集まり、光を放ち始める………。『アサルト・アーマー(AA)』の予備動作だ。

8機の『マレシェス・ウィンド』が一夏に『マレス』を射出しようとした瞬間に、『アサルト・アーマー(AA)』が起動し、轟音と甲高い破砕音と共に、SOMの残った4層のエネルギー・シールドが破られた。

 

「やはり、これには耐えられない様だな。一気に決めさせてもらう!」

 

一夏はそう言って、『グングニル』から陽電子(ポジトロン)砲『ソドム』に切り替え、SOMの動力機関部があると思わしき胴体、脚部以外と武装と滑走路を兼ねている部位を『ソドム』で薙ぎ払い、破壊する。

それによって戦闘行動及び移動を不可能にした後、一夏に向けて今も尚攻撃してくるが、それをQ(クイック・)B(ブースト)を用いて全て避けながら『ツヌグイ』を全基射出、『ツヌグイ』から荷電粒子砲、熱線砲が全方位に撃たれ、数十機の『マレシェス・ウィンド』が被弾し墜落、もしくは『絶対防御』を貫通して四肢のうちどれかが焼き切られた事による痛みに耐え切れず失神して海の藻屑と化した。

それを見届けた一夏は『ツヌグイ』を収納して、SOM内部に侵入しようとした瞬間、レーザーが放たれるが、『アイギスMkⅡ』によって防がれる。一夏は即座に『ソドム』から『グレイズ』に切り替えてレーザーの発射源であるガードメカを撃ち抜く。

 

「ガードメカか……。美緒、ガードメカの数を調べてくれ。ユキアネサは劣化版ISコアの所在地を探ってくれ」

――――了解です。我が主(マイ・マスター)

――――了解!

 

一夏がそう言うと、新たにガードメカが数十機現れる。だが、一夏は『ツヌグイ』を10基展開して、4基を一夏の正面に防御体制で展開し、残り6基をガードメカ破壊の為に射撃体制で展開した。

 

――――我が主(マイ・マスター)!ガードメカの数はこの階層だけで20です!

――――劣化版ISコアはここから15階層下の動力機関部にあるよ!

「………。床を破壊しながら進んだほうが早いか?」

――――元々これ(SOM)は破壊目標だから動力機関部を壊さなければ良いんじゃないかな?

――――美緒の意見に賛成です。我が主(マイ・マスター)

 

美緒とユキアネサの同意を得て、一夏は両腕の『グングニル』を『月光零式』に切り替え、床を切り裂き下の階層に降りる。それを14回繰り返し、目的の15階層に辿り着くと、そこにはパワードスーツを着た搭乗員が数十人と居た。

 

「『白い閃光(ホワイト・グリント)』!?撃てぇ!!」

 

一夏を目視した一番前に居る搭乗員がそう言うと、手に持ったレーザーライフルからレーザーが、ガトリンググレネードからは大量のグレネード弾と榴弾が、重ガトリング砲からは貫通力が高い徹甲弾と劣化ウラン弾が一夏に迫る。が、『ツヌグイ』が3基射出され、エネルギーシールドを張り銃弾、グレネード、榴弾、レーザーから一夏を守る。

 

「邪魔だ、消えろ」

 

一夏がそう言うと、20基の『ツヌグイ』が斬撃形態で射出されてすぐに、パワードスーツを着た搭乗員の頭部を熱線砲で撃ち抜く。撃ち抜かれた頭部は水風船の様に脳、脳脊髄液、眼球、頭蓋骨等が弾け飛び、辺りを血生臭い臭いと肉が焼けた臭いが漂い、パワードスーツを着た搭乗員の動きをほんの一瞬止める。

一夏はその臭いを気にせずに『ツヌグイ』を収納し、ブースターを噴かして『月光零式』を振るい残ったパワードスーツの頭部と胴体を焼き斬った。

 

――――一夏、このまま直進すれば動力機関部へ最短距離でたどり着くよ

「そうか、ならユキアネサ。『ツヌグイ』を頼む」

――――了解!我が主(マイ・マスター)一夏!

 

ユキアネサが返事をした瞬間に『ツヌグイ』が斬撃形態で再度6基射出され、一夏はOBを起動させ、その後に左腕の『月光零式』と『アイギスMkⅡ』を切り替えて構える、その後に走り出した瞬間に『ツヌグイ』によって一夏の前方にある壁は焼き切られて『アイギスMkⅡ』に焼き切られた壁が衝突すると、轟音を立てながら壁だった物は弾け飛んだ。

強引なショートカットと『白い閃光(ホワイト・グリント)』の加速力で突き進む一夏の前にパワードスーツを着たただの人間では速度が雲泥の差があり、搭乗員達が防衛の為の布陣を完成させるには既に遅かった。壁を焼き切りながら進んだ一夏は、動力機関部に侵入すると同時にパワードスーツを着た、数人の搭乗員を轢き殺した。

 

「う、撃てぇっ!撃ち殺せぇ!!」

 

そう叫んでいた搭乗員は『ツヌグイ』によって頭部を切断され、次々に射出されていく『ツヌグイ』によって首と胴体、或いは縦に或いは上半身と下半身に切断されていき、ものの数分で動力機関部にいた百人にも昇る搭乗員全員を皆殺しにした。

 

「この程度か………。あの老害共め、何を考えている?」

――――一夏、早く劣化版ISコアの回収をしちゃおう?

――――美緒の言う通りです。我が主(マイ・マスター)

「だな………。よっと、これが劣化版ISコアか………」

 

動力機関部に埋め込まれていた4つの劣化版ISコアを取り外す、するとSOMは電源が落ちたテレビの様に電灯が一斉に消えた。

 

「あとはこれ(SOM)を破壊して帰投すればいいだけだな………。ユキアネサ、アサルト・アーマーで破壊することは可能か?」

――――はい、最大出力でやれば可能ですね

「なら頼む」

――――了解!

 

ユキアネサの返事とともに、今まで以上に白い粒子が集まる。その白い粒子によって『白い閃光(ホワイト・グリント)』が、蜃気楼の様に揺らいで見えてくる。

 

――――アサルト・アーマー最大出力起動!

 

今まで集まっていた白い粒子が爆発的に増え、それだけでも動力機関部を破砕し、その後の爆発によってSOMの胴体は消滅した。

 

「これで終わりか………。よし、これから帰投するぞ」

――――了解です

――――うん、解ったよ

 

ユキアネサと美緒の返事をもらった一夏はOBを起動しようとした瞬間、背中に強い衝撃と刺される痛みを受けた。

 

「がはっ!?」

――――我が主(マイ・マスター)!?

――――なっ!?IS反応!?今までなかったのに!

 

ユキアネサと美緒の慌てる声を聞きながら一夏は後ろを首だけでも向けようとするが、襲撃者によって頭部を殴られ、海に叩き落とされた。

 

「排除対象の排除を確認、帰還します」

 

一夏が最後に聴いた声はどこか聴き覚えのある様な気がしたが、確かめる前に一夏は意識を手放した。

そして次の日、鈴夏の元に両親である織斑一夏と織斑鈴音が行方不明になったと知らせを聞いたのだった。




如何でしたでしょうか?
それではまた次回♪
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