IS~インフィニット・ストラトス~ for Answer   作:白姫彼方

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双子と入学式

「はい!皆さん、入学式お疲れ様でした!それでは出席番号順で、自己紹介をお願いします」

 

夏音(かのん)鈴夏(すずか)の副担任は以前、一夏の副担任でもあった山田真耶だった。

 

「それでは次は織斑君ですね。どうぞ!」

 

真耶に言われて夏音は黒板の前に立つ。

ここで夏音の容姿を説明しよう、身長は150~160cm前半、黒髪を何故か膝辺りまで伸ばしていて、顔立ちも、少女のようにふっくらとした唇、やや釣り目の黒い瞳、そして華奢な身体つき、何処をどう見ても少女にしか見えない……所謂男の娘だ。

その姿に一夏や一夏の妻を始め、千冬や知り合い一同が首を捻って考えるも謎であった。因みにだが、千条院家でもDNAを調べたが一夏とその妻の子供であると言うことが証明されている。

 

「織斑夏音です。趣味は読書ですね、至らない所があると思いますが、1年間宜しくお願いします」

 

夏音が自己紹介を終えた数秒間は、静かだったが、爆発した様に歓声が上がる。

 

「リアル男の娘キタ!!」

「これで勝つる!」

「お母さん女の子に産んでくれてありがとう!」

 

歓声が上がる中、夏音が自己紹介を終えると、鈴夏が入れ替わるように黒板の前に立つ。それと同時に歓声が止む。

 

「織斑鈴夏です。趣味はウィンドウショッピングです、夏音の姉に当たりますので宜しくお願いします」

 

鈴音の容姿は、身長160cm代で、黒髪を腰まで伸ばし、ツインテールで纏め、勝気な釣り目と出る所は出て、引っ込む所は引っ込んでいた。

夏音の時ほどではないが、かなりの歓声が上がった。そこに教室の戸を開けて一人の女性が入るのと、同時に教室は静まり返る。

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。

私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五才を十六才までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

 

千冬の挨拶が終わると2人以上に歓声が上がろうとするが、携帯が鳴る。その発生源は意外にも千冬だった。

 

「どうした?……はぁ?この阿呆!!入学式はとっくに終わったぞ!何?……解った、クラス全員を連れて行ってやるからな?楽しみにしていろ」

 

千冬はそう言って通話を切る。

 

「織斑先生さっきのはもしかして……」

「山田先生の予想通りです。よし!全員第6アリーナまでいくぞ」

 

千冬の号令でクラスメイト全員が第6アリーナへと向かった。

 

 

                     ◆

 

 

同時刻、一夏は太平洋上に居た。何故かと言うとIS開発企業『ラインアーク』からの依頼で違法研究所を壊滅していたからだ。

IS開発企業『ラインアーク』表向きには健全な開発企業だが、実態は千条院家が運営している子会社で、後々に夏音と鈴夏もそこに所属する話になっている。一応は本人達の了解を取っている。

 

「美緒!『IS学園』まであとどれぐらいだ!?」

―――『IS学園』まであと200kmだよ!一夏!

―――我が主(マイ・マスター)一夏、『神羅烈風(しんられっぷう)』の使用を提案します

「その案に乗った!ユキアネサ!頼む!」

―――了解です!我が主(マイ・マスター)一夏!

―――じゃぁ、私はブースターを最大出力に固定する様にするね

 

一夏、美緒、ユキアネサは話をつける、その直後に『白い閃光(ホワイト・グリント)』の前に不可視のエネルギーシールドが張られ、瞬時に最高速度を超えた速度になる。

 

「『IS学園』までどれぐらいかかる?」

―――現状だと後2分って所かな

「まぁ、もう間に合わないからな……。ユキアネサ、千冬姉に通信を繋いでくれ」

―――はい、我が主(マイ・マスター)一夏……説教は確実ですね?

「言うな、解ってるよ」

―――あはは……。ほら、繋げたよ一夏

『どうした?』

「すまん、千冬姉……入学式に間に合わない」

『はぁ?この阿呆!!入学式はとっくに終わったぞ!』

「仕方ないんだって!殲滅したはずなのに増援が無駄に沸いたんだからさ!!」

 

一夏と千冬の通信を聞いて、美緒とユキアネサがクスクスと笑う。それを一夏は後で、お説教をしようかと心の奥で考える。

 

「千冬姉」

『何?』

「今第6アリーナに向かってるから」

『解った、クラス全員を連れて行ってやるからな?楽しみにしていろ』

「ちょっ!千冬姉って通信切れたぁ!?」

―――あ~あ、私し~らないっと

 

美緒は無責任なことを言い、一夏はがっくりと肩を落としたのだった。

 

 

                     ◆

 

 

一夏は漸く、『IS学園』が見える地点まで辿り着いた。

 

「よし、ユキアネサ。ここらで解除しとこう」

―――了解しました。我が主(マイ・マスター)一夏……『神羅烈風』を解除します

 

『神羅烈風』が解除されると、『白い閃光(ホワイト・グリント)』本来の最高速度にまで落ちる。

そうすることで、着陸をし易くなる為だ。

そして『IS学園』のシンボルタワーの横を通り過ぎ、肩部の背部側の展開装甲を閉じ、ブースターノズルを収納、それと同時にブースターの接続が切れて下部側にあった装甲がスライドして元に戻り。一夏はそのまま減速しつつ、着陸する。

 

「こちら『ラインアーク』所属、『白い閃光(ホワイト・グリント)』、搭乗者織斑一夏だ。『IS学園』応答を願う」

『こちら『IS学園』、歓迎しますよ、『白き英雄』』

 

一夏の通信に答えたのは、『IS学園』学園長の轡木十蔵(くつわぎじゅうぞう)。90を超える老人だが、未だに現役で勤める、ある意味化物老人だ。

 

「その呼び名で呼ばないで下さいよ……轡木さん」

『はっはっは!まぁそれは兎も角、今日からよろしく頼みますよ』

「解りました。後でそちらに行きますね」

『えぇ、お待ちしておりますよ』

 

一夏は通信を切る、そして『白い閃光(ホワイト・グリント)』を解除、辺りを見渡すと、丁度千冬がこちらに来る姿を見かける。そして一夏が千冬に向かって手を振ると、突然千冬が走り出し、次の瞬間に一夏は跳び蹴りを食らって吹き飛んだ。

 

「この馬鹿者!!今まで何処で油を売っていた!!」

「いたたた……、だから言っただろ!?増援が来たからって!」

「それでも子供の入学式ぐらい出てこんか!馬鹿者!!」

 

生徒達をそっちのけで、姉弟喧嘩をし始めた一夏と千冬を止めようとして、真耶が仲裁に入るが、あっけなく撃沈され、涙目になった真耶と2人を見て、夏音と鈴夏は溜息を零したのだった。

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