IS~インフィニット・ストラトス~ for Answer   作:白姫彼方

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クラス代表選抜

入学式の翌日、IS学園が休みにも拘らず夏音と鈴夏は第三アリーナに来ていた。

その理由(わけ)は、父親の一夏が二人を呼び出したからである。

 

「よし、2人共揃ったな?早朝トレーニングを始めるぞ」

 

一夏はそう言うと、『白い閃光(ホワイト・グリント)』を装着する。

 

「とは言っても、お前達はまだ初心者だ。だからまずは歩行から始めるぞ」

 

2人は自身のISを装着して、ゆっくりと少しずつ歩き始める。夏音と鈴夏はハラハラとしながらも確実に歩いていく。

2時間ほど経過した時には、既に2人はISを装着しながらも全力疾走が出来るほどにまで操縦に慣れていた。

トレーニング開始から4時間ほど経過をすると、『白い閃光(ホワイト・グリント)』特有の短距離加速(QB)《クイック・ブースト》、並びに無反動急旋回(QT)《クイック・ターン》を使いこなすまでに至っていた。

父親である一夏の教え方も良かったのだろうが、夏音と鈴夏の才能も親から遺伝したのだと考えられる程に覚えが良すぎた。

休日にも関わらず第三アリーナでは絶えず短距離加速(QB)《クイック・ブースト》の轟音が鳴り響いていた。

 

 

                  ◆

 

翌日、夏音と鈴夏は1年1組の教室で授業を受けていた。

 

「以上の事から、ISを使用するに至っては特定の場所で行うことが決定され、より安全性を高める事となったわけだ」

 

担任である千冬が言葉を一旦切ると時計を見る。

 

「切りが良いな、よしこれから残った時間を使ってクラス代表を決めるぞ」

 

千冬がそう言うと、多数の手が上がる。

 

「はいはーい!織斑君がいいと思います!」

「織斑さんがいいと思います!」

「では候補者は織斑兄妹……他にいないか?自薦他薦は問わないぞ」

「「うぇ!?」」

 

千冬と周りの生徒の言葉に夏音と鈴夏は素っ頓狂な声を上げて立ち上がる。

 

「織斑兄妹。席につけ、邪魔だ。他にいないか?二人の決選投票になるぞ」

 

千冬が言い終わると同時に一人の手が上がる。

 

「私が立候補します」

 

意外な人物に、千冬は気付かれないように少し驚く。

 

「ほう………。理由を聞こうじゃないか、千条院?」

「はい、ここはIS学園………ISという名の兵器(・・)を教わっているのです。ならばこの三人で実力が一番高い人がクラス代表になるのが順当だと思います。

現にこのクラスには私を含めた三人しか専用機持ちがおらず、現状ISコアが465個しかありません。専用機持ちでなくとも実力が高い人はいるでしょうが、それは代替可能な部品(・・・・・・・)でしかありません。

ある意味では私を含めた三人もそれ(・・)に含まれる部品でもありますが………。それは兎も角、実戦方式の模擬戦で決めるのもこの学園ならではだと思います。

それを踏まえ、同じ専用機持ちの私も立候補します」

 

美沙の理由を聞いた千冬は頷き、他に居ないか聞くが、誰もいなかった。

 

「よろしい、織斑兄妹と千条院の3名による模擬戦で勝ち数が多い者がクラス代表とする。異論はないな?」

 

千冬がそう言うと、三人を除いたクラスメイト全員がかなり元気良く返事をした。

 

                    ◆

 

あの後から少し経って昼休み、夏音と鈴夏と美沙は食堂の一角で昼食を摂っていた。

ちなみに夏音は半拉麺(ラーメン)と半炒飯(チャーハン)餃子(ギョーザ)のセット、

鈴夏は鯖の味噌煮と出汁巻き卵、麦ご飯と白味噌汁のセット、

美沙はサンドイッチと春野菜サラダのイタリアンドレッシング和え、コーンスープのセットだ。

三人が同時に席に着くと、夏音は口を開く。

 

「なぁ、美沙」

「なぁに、夏音君?」

「どうして………。さっきはあんなことを?」

「それはさっきも説明したけど………。私はそう考えたから言っただけ、現に過去に起こった『IS戦争』、それが物語ってるよ。

篠ノ之博士がISを開発した目的が宇宙に出る為だとしてもね、それならまだ兵器としての性能を見せるのではなく、宇宙用マルチフォーム・スーツの性能だけを出せばまだ道は変わっていたのかもしれない。

けど、博士は宇宙用マルチフォーム・スーツとしてではなく兵器としての性能を出した………。

これによってISは宇宙用マルチフォーム・スーツとは見られなくなり、兵器としてしか見られなくなった」

 

美沙は一度言葉を止めて、水を一口飲む。

 

「それは曲げようもない事実だから、だからこそ『兵器』として使うのであれば、よりその性能を発揮できる様に実力を付けるしかない。

ならばどうすればいいか、クラス代表になることで実践を多く積むこと、それが最善で最短で効果が一番高いことだよ。夏音君」

 

美沙はそう言うと、サンドイッチを一口食べる。

 

「私は美沙ちゃんの意見には賛成よ。けど、それでも下地を作ってからでも遅くはないと思うわよ?

確かに実戦を経験することも大事だけど、まずはその下地を作ってから行かないと、何も出来ずに終わっちゃうからね。

だからまずはお父さんの訓練をこなしてからよ」

 

鈴夏はそう言って味噌汁を啜る。

 

「二人の意見を聞いて納得したよ。だから僕も頑張るよ」

 

夏音がそう言うと、美沙と鈴夏は柔らかく微笑んだ。

話が終わったと確信したのか、夏音達の周りにクラスメイト達が集まり、わいわいと騒ぎ始めたのだった。

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