IS~インフィニット・ストラトス~ for Answer 作:白姫彼方
時は過ぎて放課後、夏音は父親である一夏から、鈴夏は母親である鈴音から模擬戦を受けていた。
夏音は一夏の攻撃の嵐を少し被弾しながらも避け、機械翼の武装プラットフォームに搭載されている同型のビット『ツヌグイⅡ』を10基展開しながら一夏の『ツヌグイ』を落としにかかる。
「そんな甘い思考制御で俺の『ツヌグイ』を落とせると思ってるのか!!」
一夏の怒号が夏音の耳に入ると同時に展開されていた、『ツヌグイⅡ』は瞬く間に『ツヌグイ』によって呆気なく全基撃墜された。
夏音は『
血こそ出無いものの、大幅にシールドエネルギーを削り、直後に追撃として左脚に脚撃用大型ビームブレード『月光零式』を瞬時に展開して蹴り抜き、その勢いのまま夏音は地面に激突した。
激突した瞬間に砂埃が上がり、夏音と一夏の視界を遮る。だが、視界では見えなくともハイパーセンサーでまだ反応があることを確かめた一夏は『ツヌグイ』を全基射出、向かわせた瞬間に砂埃から熱線が一夏の『ツヌグイ』を6基に当たり、爆散させた。
砂埃が消えた今、一夏は夏音を見据える。その直後、一夏は『
一夏は両腕に大型ブレードシールド『アイギスMkⅡ』、『月光零式改』を展開、脚部の『月光零式』を展開した。
夏音も同じく両腕に大型ブレードシールド『アイギスMkⅢ』、『月光壱式改』を展開、脚部の客撃用ビームブレード『月光弐式』を展開して『月光壱式改』と『月光零式改』で打ち付け合う。
夏音が左から突きを放つと、一夏は左の『アイギスMkⅢ』で受け流しつつ左脚の『月光零式』で蹴り上げる。夏音はそれを紙一重で避け、『
一夏はそれを前面のブースターを吹かして下がり、左腕の『アイギスMkⅡ』を収納、連弾形態の『グングニル』を展開して夏音に放つ。
夏音はそれを右腕の『アイギスMkⅢ』で受けて跳ね返し、『
一夏も右腕の『アイギスMkⅡ』で夏音の突きを受け止める。
「この距離なら外れないよね?」
夏音の声と共に夏音の周りに白い粒子が集まり、光を放ち始める………。『
それに気付いた一夏の周りにも白い粒子が集まり光を放ち始め、球体状になると、二人の光がぶれて轟音と閃光を起こしながら大爆発が起こる。
それと同時に二人ははじき飛ばされ、アリーナの壁に激突し、夏音のIS『
◆
一方、夏音と一夏が模擬戦を始める頃に戻り、鈴夏と鈴音も模擬戦を始めていた。
鈴音の手には全長6m刃渡り2mと巨大でポールウェポンのバルディッシュに良く似た戦斧『
「かはっ!!」
PICが動いているものの、その勢いを殺しきれずに叩きつけられ、鈴夏は肺にあった酸素を吐き出す。
「動かないと落とすわよ!」
鈴音はそう言い放った瞬間、両脚から16連マイクロミサイルポッドを4基展開して全てを鈴夏に向けて射出、従来のマイクロミサイルを超える速度で鈴夏に向い、辺りを爆炎と爆煙で包み込む。
その直後に3つの熱線が鈴音に向かうが、それを鈴音は『
鈴夏はそれを多少は受けながら3連装式超高熱線砲『グレイズⅡ』で応戦、『フレイル』の残弾が切れたのか、散弾が来なくなり、鈴夏は『
鈴音はそれに対し、『
鈴夏は『
鈴音はそれを回避しながら『龍砲』を全10基を射出、更に背部にある2本の蛇腹剣『
鈴夏は左腕にある『グレイズⅡ』を3連装式連弾型荷電粒子砲『グングニルⅡ』の通常発射形態に切り替え、『グングニルⅡ』でマイクロミサイルを薙ぎ払う、だがその直後に接近してきた『龍砲』の衝撃砲で体制を崩される。
その隙を逃さないとばかりに鈴音は『月光零式』を収納、『
◆
訓練終了後、夏音達はIS学園敷地内にある2階建の家に戻っていた。
これは先の戦争の英雄であり、教師の一夏が事実上の学園長である轡木十蔵氏に頼み、了承を得たからだ。
「だけど父さん。何もあんな本気を出さなくてもよかったんじゃないかな?」
「お母さんもそうよ!何もあんなにしなくてもいいじゃないっ!」
夏音と鈴夏が言うのは先程の模擬戦のことだ。
どうも双子にはあの模擬戦のレベルには不満を持っていたようだった。
「いや、お前達には早急に力を付けて貰わなきゃいけないからな」
一夏はそう言ってから、ずっと愛飲している日本酒を一口飲むと、語り始める。
「特に夏音、お前は俺に続く二人目の男性IS操縦者だ。その肩書きは否応なく一生付くものだ。
俺もお前ぐらいの年の頃は遅くても良いから強くなろうと思っていたさ、だがな、時代はそんなに甘くはなかった。
お前達も知っている『IS戦争』が起こったからだ。戦争は無くそうと、どれほどの人が叫ぼうとも何れは起こるもんだ。
俺はその戦争で大切な人を失ったからな、だからこそ、お前達には早急に力をつけて貰いたい………俺の様に大切な人を無くさない為にもな。
戦場では力こそ全てだ、力がなくては大切な人、場所、己自身も守れない。
お前達には後悔して欲しくないから俺と母さんはお前達を強くする………。例え恨まれようがな」
一夏はそう言って日本酒を静かに飲み始め、一夏と入れ替わりに今度は鈴音が口を開く。
「お父さんの言った事は本当の事よ。ただ、私にとっても大切な幼馴染でもあるけどね。
それに、お父さんはその人が亡くなる所を間近で見てる分余計に………ね。
だから私もお父さんとは同意見よ、それに少し裏側の話になるけど夏音、貴方は今とても危うい立場にもあるのを忘れないで」
「夏音が危うい立場?どういうことなの?お母さん」
「鈴夏、それはな夏音が『史上二人目の男性IS操縦者』だからだ、表でもかなり騒いでるし、裏ではお前を確保して、様々な実験をしてどうやって男性がISに乗れるか非人道的な研究するつもりで夏音を誘拐しようとした違法研究所やら組織がかなりあるぞ?」
「「ゆ、誘拐!?」」
「あぁ、まぁその全てはご退場願ったけどな、ちなみにだ。鈴夏も現状に不満を持っている男性たちにも狙われていたぞ?そこは千条院家………つまり美沙の家だな、そこに長距離の護衛をして貰っていたわけだな」
意外な事実に夏音と鈴夏は唖然とする。
まぁそれは無理もない、何せ知らないうちに命を狙われていたのだから、そんな会話をしながら織斑家の夜は過ぎていったのだった。