当初、サオリがアズサに感じた違和感の正体が何なのかわからなかった。しかし、アズサに変装していた人物がマダムを殺した瞬間にその正体に気が付いたのだ。それは距離感の違いだった。たしかにその見た目、その喋り方、その仕草は完全に白洲アズサ本人と何ら変わらないものだった。だが、かすかに感じたのだ。
――――私たちに対してどこかよそよそしいと
最初は勘違いだとも思った。なにせどうみてもアズサ本人にしか見えなかったからだ。そんなモヤモヤを抱えながらマダムの護衛を最優先にしてそれについて考えるのを中断したのだった。
今思えばそれが間違いだった。
~ ~ ~ ~
全身の痛みと共に起き上がる。先ほど突然現れた装甲車にはねられたがどうやら足首を捻挫しただけで済んだらしい。辺りを見渡すと他の仲間たちも同様にはねられていたようでその辺に倒れている。マダムの方を向くと先ほどまで私たちが銃を突き付けていた黒い男黒服といったか。と白いフードを被った知らない女がいた。そいつらの足元を見るといまだに首から血を流しているマダムの死体が転がっていた。――あぁ、マダムの言った通りすべては虚しいのだな。そんな考えが脳裏によぎった。私は任務を遂行しようとした。少なくとも私は全力だった。でも結果はどうだすべて無駄だったんだと思った。それでもまだこいつらを殺せば何か変わるのかもしれない。そう思いなおして
「こちらを撃つのはいいけど、後ろを見てからでも遅くはないんじゃない?」
後ろを向きながら白フードの女がそう答える。どうやらこちらにきずいていたらしい。その言葉通りに後ろを振り向いた。そこにはヒヨリが拘束されて首にナイフを突き付けらられていた。
「なっ!?貴様ァ!!」
思わず銃をヒヨリを捕まえているやつに向ける
「銃を下ろして両手を上げて動かないでください。私を攻撃する前にこの人の首を切り
ますよ?」
「うわぁぁぁん!私、痛みに苦しみながら声も出せずに死ぬんだぁぁ!」
捕まりながらも泣きわめいているヒヨリ。
「っ!」
言われた通り銃を置いて両手を上げてナイフを持っている赤髪の女を睨みながら静止する。
「話の分かる人でよかったよ。よくやったねアル」
その言葉と共に背中にチクッとした痛みが走り、意識が遠のく。ヒヨリの方を見れば首をナイフの柄で殴られて気を失っている。よかった命を奪われなくて。そう安堵していたが私はまだ聞かねばならないことがある。遠のく意識に抗おうとするがその考えとは裏腹に瞼が重くなっていく。このままではまずいまだ私は本物のアズサの居場所を生きていない。人質を取るような奴らだアズサがどうなっているかだけでも知らなくてはおちおち寝てもいられない。急いで銃をのカートリッジから銃弾を一つとって右目に突き刺す。
「うぅぐ...ハァハァ」
叫び声をどうにか抑え痛みと共に意識がはっきりし始める。もう右目は見えないだろう。だが、どうせすべては虚しいのなら目の一個くらい安い者だ。
「アズサは...アズサはどうした!?」
目の痛みを我慢しながら白フードの女に大声で問う
「仲間のためにそこまで...サオリは本当に仲間思いだね」
そう言って白フードの女は一瞬で私との間合いを詰めてきて顎を殴ってきた。
「くっ!」
脳震盪を起こしてまた頭がグラグラしだした。
「安心してアズサは生きている」
その言葉を何故か私は信用できると思ってしまった。そして今度こそ私の意識が途切れた。
一方アルの内心
いつもの白目状態で
(待ってよ!めっちゃくっちゃ怖いんだけど。今すぐにでも殺さんばかりの殺気を感じるわよ!そりゃそうよねこっち人質とってるんですもの。卑怯だと思うわよね。ごめんなさい!!)
サオリ(殺してやる...殺してやるぞ陸八魔アル!)
☆解説
・サオリに刺した道具
七つ道具の一つ〈薬針〉。裁縫道具の針みたいな見た目で中が空洞になっておりそこに薬品を仕込んでおく。様々な薬品があり、普段は即効性の麻酔を入れて暴徒化した生徒鎮圧用に使っている。
・サオリの目
サっちゃんはね。仲間のためなら自称だって恐れないとおもうのよ。だからこうなるだろうなって考えながら書いてたわ。眼帯少女ってなんか良くない?(個人の主張)まぁ真面目なこと言うと一回人質取られたからアズサ生きてるかな大丈夫かな?と不安が止まらなかったわけですね。アリウスのみんな罪悪感でつぶれちゃうよ
この作品のヒロインと言えば?(エンディングに関わります)
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黒服
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空崎ヒナ
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陸八魔アル
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小鳥遊ホシノ