目が覚めたら知らない天井だった。痛みを感じて腕を見れば点滴の針が刺さっていた。それを抜こうとしたとき...
「まだ傷が感知しておりませんので外さないようお願いします」
針を外そうとした手をすごい力で止める人がいきなり現れた、さっきまで気配をかんじなかったはずなのだが、
「誰だ?」
そう言おうと何とか声を出そうとしたが出てきたのはガラガラの声でまともに発言できなかった。
「……申し遅れました。私はトリニティ総合学園救護騎士団団長の蒼森ミネと申します
ここはトリニティの治療施設ですのでご安心を」
こちらの言いたいことを何とか察したのか名乗り始める医者らしき人物。肩書からしてトリニティ生だろう...そうかよりによって憎んでいたトリニティの者に助けられるのか。とんだ生き恥だ。これから私はどんなことをされるのか?
「とにかく今のあなたは『救護』が必要な方でです。一刻も早く怪我が治るように全力を尽くしますので安静にしててください!...とくにあなたは他の人たちよりも重症なのですから」
心配そうに言ってくるミネさん(助けてくれたから)まったくすばらしい心意気だ。すべては虚しいというのに、そう思いながらベットの枕にもたれかかる。
――こんなにフカフカの寝具は初めてだ。
そのことに何処か嬉しいなを感じる自分に疑
問を覚えながら眠りに落ちる
あれからミネさんたち救護騎士団による。アリウス生徒たちの治療が始まった。出てくる食事はとても美味でヒヨリなんて「うわぁぁぁん!どうせ怪我が治ったらポイされるんだぁー!お代わりいいですか!」なんて言いながらむしゃむしゃ食べていた。もちろんお代わりは断られていた。他のアリウスの面々を平気そうで大半が大した怪我をしていないらしい。ひどい怪我なのは私たちだけであとは栄養失調と精神病患者が数人だけで残りのアリウス地区にいたものは軽傷で済んだそうだ。この病院の中での生活はとにかく退屈だった。リハビリなどはあったがそれ以外では体をろくに動かせない。他のアリウススクワッドの面々は雑誌や漫画、テレビなどで時間をつぶしているようだったがいかんせん私は楽しめなかった。それよりも外の情勢を聞いたりして私の中にあるこのモヤモヤした感情にケリをつけたいと考えてしまうからだ。そうここに連れて来られて戦いが終わった後ずっと心の中に引っ掛かりを感じているのだ。その正体がわからず煮え切らない生活を送っているのだ。私は...右目と共に何かを失った気がする。そんな生活を送っているある日見舞いの客が来た。その人物は見慣れた人物だった
「久しぶりだなサオリ」
それはアズサだった。この病院にいなかったので不安だったが無事だったようだ。白フードの女は嘘をついていなかったらしい。
「よく来たなアズサ。病院は暇で仕方仕方なかったんだ。相手してくれ」
そう言ってアズサと世間話に興じる
「……サオリ、済まない」
アズサは俯いてスカートのすそを握りしめながら苦しそうに言う
「何がだ?」
「その目のことだ!私があいつに情報を売らなければ…あいつの罠にかからなければサオリの右目がつぶれることもななかったのに..」
珍しく涙を流しながらそう後悔を吐露するアズサ。
「泣くなアズサ。これは私が自分で行ったことだ。痛むことはあっても後悔することはない」
「で、でも!サオリはそれでいいのか」
「前から、貴様は言っていただろ?『虚しくても諦めない』とだから自分の信じたいものを信じろ。もう私たちの知る“アリウス分校”はないのだろう?」
私の慰めの言葉を聞いたアズサは涙を拭って前を向いてくれた。
「ありがとうサオリ。これから自分の生きたいように生きていき行こうと思う」
「そうかよかった...」
「それじゃあこのスカルマン人形をもらってくれるか?」
「ん?」
何処からかアズサはぬいぐるみを取り出して布教しだした。なんか突然説明はじめてるし、ずっと喋ってる...えっ怖。
「と、とりあえずもらっておこう」
「おぉ!そうかありがとうなサオリ」
このままだとマシンガントークが止まらないと判断してのこスカルマンとかいうぬいぐるみをもらっておいた...あとで姫かミサキあたりに渡しておこう。それにしても“自分らしく生きるか”私にはもはや遠い話だろう...まて、なぜそう思った。私は前々から自分らしさを感じたことがあっただろうか?今ならわかる『すべて虚しい』なんて言葉は自分自身の苦しみから逃げるための方便であったことなどすでに自覚している。結局アズサの言ったことが正しかったのだろう。あいつは戦いのない世界でも生きていけるだろう....そうか私は戦いの中で自分を表現していたんだ。仲間を大切に思いながら、その実闘争に取っていたなんて私はとんだ
「フッフッ..アッハッハッハァ」
それを自覚してモヤモヤが晴れるとと共に自嘲が止まらなかった。
☆解説
・サオリの心情
もちろん仲間のことを大切に思っていたけど。生きるか死ぬかわからない環境で戦いのみが自分の生存戦力であり任務だった故にそれに無自覚に依存していたと解釈しました。漂うメタルギア感
この作品のヒロインと言えば?(エンディングに関わります)
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黒服
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空崎ヒナ
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陸八魔アル
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小鳥遊ホシノ