「どうでした先生?あなたの思い人はご期待に添えそうですか」
誰もいない裏道。そこで背後から黒服に話しかけられた。
「そうだね。今のところは何とも言えないかな。今のヒナは迷っている、どっちにも傾くだろうね。」
振り向かずに黒服にそう返す。もうすぐ
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「ダメでしたねぇ」
「予想していたことだけど、やっぱつれぇわ」
ヒナは私を敵として見れなかった。最後まで『大切な人』として敵意を向けられなかったようだ。先生と一緒にウトナピシュティム号に乗ってPHT決戦に向かって行ってしまった。
「……一つ聞いても良いですか」
「いいけど、そんなに改まって聞きたいことって?」
真面目な顔をして黒服は疑問を投げかける。
「この計画は死ぬことが前提です……なら、最初から"先生"に殺されればいいじゃないですか?」
なるほどそれは道理だ。たしかにPHT決戦でプレナデスみたいに『the・ラスボスです』みたいな雰囲気で待っているのもいいだろう。実際そっちの方が簡単に死ねるだろうしね。ただ…
「なんというか、私のわがままなんだよ。一回死ぬんだからどうせなら
「……」
私の説明に黒服は沈黙し、考え込んでいた。そして、意を決したように顔をこちらに向けた。
「…その気持ちはよくわかります。誰かの記憶されたい。他人よりも大切な人に記憶を刻まれたい。そんな歪な希死念慮な気持ちがですから……」
「私の記憶として刻まれてください」
淡々とそれでいて、感情の籠った声でそう宣言する。
「いいだろう、個人的な決着をつけようか」
そう言ってアサシンブレードを展開s「"
「!?」
とつぜんブレードがバラバラに分解されてしまった。こいつ!この時の為に何か仕掛けてたな!?
「その武器を用意したのは私ですから。いざという時に少し"細工"をしました」
「いつも私のことずるいだの言ってるが、お前も大概だな」
ブレードが無くなってしまい。仕方なく拳を構える。黒服はこの戦いの前にこの世界の先生と交戦しているので黒玉を生成することはできない。
対して、私は一年のブランクと色彩の精神攻撃とお互いにハンデを抱えて戦うこととなり、お互いに覇気も能力も互角。故に拳で殴り合うしかなかった
「褒めても何もでませんよ?」
「ぬかせ」
最初に攻撃してきたのは黒服。勢いをつけてこちらに飛びこんできた。見聞色による未来視は出来なかったが、たしかな悪寒がした。
「っ!!」
その一撃はとてつもなく重かった。まるで杭打機を叩き込まれたような威力だった。腕でガードしていなかったらと思うとゾワッと悪寒が走った。
「防がれましたか…」
黒服の左手は湯気のように煙が出ていた。
「黒服、これを見越して鍛えていたな?」
あれは明らかに一撃にすべてを乗せた拳だった。あんなパワーと技術は前の黒服にはなかったはず。
「もちろん。この時の為に分厚い鉄板を殴り続けてきましたから。」
黒服が殴り合いで決着をつけようとするのは当然だった。なぜなら、互いに理解しすぎていたから。互いの技、技術、思考、それらを理解しあっていた。故に覇気や、武器で戦おうとすると必ず引き分け、もしくは痛み分けで終わってしまうのだ。現にこの二人の最後は一騎打ちの末の相打ちだった。だがらこそ、互いに今までの戦闘ではどうなるかわかり切っていた。それ故のステゴロ喧嘩。
「もう一発!」
再度、鍛えた拳で殴りかかる黒服。しかし、互いにやったことのない勝負だった故の誤算が生まれた。
「!?」
黒服がと近づき、右ストレートを出す前にアサシン先生はステップで右に避け、ニ、三度ボディを殴りつける。なんとか、顔面を殴ろうとするが、黒服の拳が当たる前にトワの右ストレートのカウンターが綺麗に決まってしまい。黒服は膝をついてしまう。
「ぐっ、驚きました。まさか先生にボクシングの心得があるとは……」
「生憎、こっちはロサンゼルス育ちでね。喧嘩でボクシングなんて日常茶飯事だったよ」
そういって、様になっているファイティングポーズをとっているトワ。だが、ただ倒れているわけにはいかない。わたしは必ず勝たなければいけない。そう奮起して黒服は立ち上がる。
「何度やったって同じだ!」
愚直に近づき、ボディを狙おうとする黒服。しかし、近づくたびにカウンターをもらい、倒れる。また立ち上がり、カウンターをもらって倒れる。一体何度繰り返しただろうか、尚も黒服は立ち上がる。
「タフだな。黒服」
汗を流しながら構えとかないトワ。
「おや、先生。あなたなら知ってるでしょう?喧嘩の流儀を『意地を足り続けた奴が勝つ』のが喧嘩ですよ」
そういって、強がる黒服。スーツは破け、体中から白い光が漏れていた。それでも勝機を伺う黒服。それはもはや執念だった。
再び、体制を低くして自分の間合いに持っていこうとする黒服。
(ここだ!)
低い体勢で潜り込んだ時。トワはここぞとばかりに左フックをかました。トワは左利きであり、左腕の方が強い一撃をく繰り出せる。その威力はまさに大砲。しかし、この一撃をまともにくらってもなお黒服は目をつぶらなかった。つぶらなかったからこそ、"それ"に気づけた。
(先生は、左で撃つ時必ずボディがガラ空きにある)
「まさか、耐えきるとは…だが、次は確実に脳髄を砕く」
そうして、ひたすらに左フックを打ち込み続けるトワ。黒服もなんとかボディを決めようとするが、パンチの速度で勝るトワに翻弄され続ける。耐えきる黒服、ついにその時は訪れた。
(先生の方から近づいてきた!)
ついに痺れを切らしたトワがゆっくりと勝負を着けに近づいてきた。
(決めるなら、今!)
そうして、互いの間合いとなった。先にトワの右ストレートが決まり、体制を崩す黒服。
(気を失ってはなりません…目を開いておかなくては…チャンスを見逃しては!)
(狙ってるのはわかってる!片腹くらいくれてやるよ、それで勝てるなら安いもんだ!)
最初に入ったのは、トワの左ストレートだった。トワの左腕は黒服の顔面に突き刺さっていた。だが、
(目が死んでない!来る!)
そう確信した瞬間。左わき腹に強烈な一撃が入った。その一撃は、トワの武装色の守りを破り、筋組織、肋骨、内臓に至るまでを破壊した。その代償として、黒服の腕は粉々になり、もはや使い物になりそうになかった。
「右腕は死にました……まだ、左腕が生きています。」
(まずい!回避することも受け流すこともできそうにない)
トワは咄嗟に腕を交差して顔のガードを固めた。しかし、
(なぜ来ない!?)
その困惑が勝敗を分けた。
(二連ボディ!?)
気づいたころにはもう遅かった。黒服の左アッパーがトワのもう片方の脇腹を破壊した。その全力の一撃を受け、トワは血反吐を吐きながら壁まで吹き飛ばされた。
(やべぇ、肺がつぶれた。これは完全に……)
「私の勝利ですね、先生」
満身創痍になりながら宣言する黒服
「あぁ、俺の敗北だ」
素直に自らの敗北を認める。
「最後に聞かせてください。あなたの本当の名を」
「いいだろう。どうせ最後だ、我が父より賜った偉大な名『アルタイル・マイルズ』覚えてけ」
そして、アルタイル二世は眠った。
今までここんな駄作な作品を見てくださった方々、ありがとうございます。この後はどうなったか、皆さまのご想像にお任せいたします。これにて、『TS転生アサシン先生』完結といたします。
この作品のヒロインと言えば?(エンディングに関わります)
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黒服
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空崎ヒナ
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陸八魔アル
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小鳥遊ホシノ