TS転生アサシン先生   作:you are not

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今回は過去編


悪夢

 

"もうみんな乗った?"

()()()()()()()たちに声を掛ける。静かな地下の駅ホームに間延びした、気の抜けつような声がした。

「うえ~、大丈夫だよ先生。全員乗ったみたいだから~」

生徒の一人が答える。私たちはこれから崩壊したギヴォトスから脱出し、新たなる世界に移動することになる。色々不安があるだろうが、何とかやっていけるだろう。

「なにか静かな気がするわ。」

一人の生徒がそうつぶやく

"安心して、もう出発だから、"

そう言って、落ち着かせる。イロハに発車するように指示する

「了解です、はぁ、私の専門戦車のはずなんだけどな」

"まあまあ、運転出来そうなのが、イロハしかいなかったからね。たのんだよ"

なだめるようにイロハに言う。

「まあ、私も死にたくはないですから。やってあげますよ」

"ありがとう、じゃあ、出発しよう"

そう言って、私も乗り込もうとしたとき、ふと声を掛けられる

「どうも、先生。ご無沙汰しております。AL-1Sと戦った時以来でしょうか?」

最悪のタイミングで訪れてきた。悪友に冷や汗を流しながら答える。

"やあ、いきなりだね。どうしたんだい黒服"

駅のホームに静かにたたずんでいる。黒服に尋ねる

「えぇ。いきなりの訪問謝罪いたします。単刀直入に言いましょう、要件はその生徒たちの身柄をこちらに渡していただきましょう。」

きわめて冷静な態度で答える黒服。静かなトーンであったが、その声には目的の為に手段を択ばない狂気と悪意が見え隠れする。

"断ると言ったら?"

それでもその要求はのめなかった。私はアサシンであると共に先生でもあるのだから、

「その場合は、もちろん…お分かりですよね?」

その言葉と共に六つの黒い球体が黒服の周りに出現し、フワフワと漂っている。完全な戦闘態勢だ、本気らしい。

"うん、わかるよ。でもね()()ばかりは譲れないんだよ"

こちらもフードを深くかぶって、トマホークを右手に呼び寄せ、応戦の意を示す。

「そうですか…残念です。」

そう言って黒服は黒い球体の一つをビリヤードのキューにした。そして、構えと共に球体を一つ前に持ってくる。

「いきますよ、先生。『ブレイクショット』」

キューを思いきっり弾いて黒い球体が高速でこちらに飛んでくる。こちらに当たる前に球体を吹き飛ばす

"『威国』"

斧に覇気をまとわせて、ふりまわす。黒い球体はその衝撃波を持って消し炭になる。しかし、この程度黒服が読んでいないわけがなく..

「『威国』」

同じ技ではじき返された。

「少々、真似させていただきました。」

何でもないように言い放つ黒服。腹立つ顔してんな、おい。でも、これでいい。注意は十分そらした。スマホでイロハに発車の指示を出す。こちらの意図を察したのか、辛そうな顔をしながら電車を発信させた。生徒たちは無事逃げることができた。それをとめるでもなくただ眺める黒服。電車の音が聞こえなくなると共に

「逃げられてしまいましたね.....」

興味がなさげな黒服。

"本当の目的はなに?"

「…さすが先生です。きずくのが早くて助かります。」

"そうまでして、力が欲しいの?"

すると、黒服は不服と言わんばかりに顔をしかめた。

「勘違いなさらないでください先生、私が欲しいのは力ではありません。私が(色彩)から取り返したかったのは、自由 権利 機会(liberty privilege chance)…そう人が当たり前に生まれつき持っている基本概念。しかし、私は生まれつきそれらすべてが剥奪されている。先生、いいですか。誰にでも寿命はあり、いつか死んでいきます。寿命とは何でしょう?最適の遺伝子を後世に伝えるための猶予期間なのです。」

なおも黒服は興奮しながら話し続ける。

「親から子へと…生命の情報が流れていく。それが命です!しかし、私はこの世に何も残してはいない。色彩の力によって生まれた【Nobody】はあらかじめ子をなす能力が欠如して生まれてきた。命のバトンを残せない私は何を残せばいいのか?私が生きたという事実…それこそが生きた証。命ののバトンを渡す際親は子に伝える。DNA情報にはない様々な情報が…私は人の記憶にその世界に記憶されたいだけです。私は私の記憶、私の存在を残したい。歴史のイントロンにはなりたくない、いつまでも記憶の中のエクソンでありたい。それが私の『子を成す』ということなのです......」

そこで一息黒服は言葉をやめ、キューをこちらに向けた

「ですから、先生。失望させないでくださ」

いままで、見たことないような喜びに満ちた顔で黒服は言う黒服の正体を知っている。それゆえ私はその言葉に同情を禁じえなかった.....だからこそ、私は

"来るなら……最後までとことん来いッ!"

そう答えた。ここから先は何の感情も必要ない。いるのは“殺意”だけだ

 

~ ~ ~

 

「はっ!ハァハァハァ!」

つい最近のこと…そういっていいのかはわからないが、私が"先生"だった時の夢を見た。汗がびっしょりの体で起き上がりシーツを畳む。朝食のサンドイッチを食べながら、ふと黒服のことを思い出す。彼は私の記憶のなかで生き続けたいといった。彼の発言通り私は彼と戦った瞬間は今でも覚えている。この世界でも出会うことがあるのだろう?

 

~ ~ ~

 

 

久しぶりに夢をみた。幸せな夢だった。また彼と再会できるのかと思うと心が浮き立つ。再開の時を楽しみにしていますよ、"先生"




解説
・nobody
大人のカード使いすぎたある人の末路。大人のカードを使いすぎたがために、廃人となったとおる大人の肉体に色彩の力でテラー化し、新たな人格が宿り奇形となった存在。生前の肉体の使命に縛られている。
・黒い球体
変幻自在のエネルギー体。NARUTOの求道玉とほぼ一緒。覇気で相殺できる

この作品のヒロインと言えば?(エンディングに関わります)

  • 黒服
  • 空崎ヒナ
  • 陸八魔アル
  • 小鳥遊ホシノ
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