TS転生アサシン先生   作:you are not

9 / 46

評価バー色付きになってうれしいです。これからもよろしくお願いします。



致命的な再会

 

「それはそれは、嬉しいかぎりです。私のことを覚えてくださって」

黒服はとても上機嫌なことが見て取れる。

「でも、意外だったよ。まさか君も記憶があったとは思わなかったよ」

本当に意外だった。まぁ、私自身がすでに実例なのだから。他にいてもおかしくはない。

「えぇ、私自身、最初は取り乱しましたよ。しかし、またあなた(先生)に会えると思ってすぐ気持ちを持ち直しました。」

あけすけという黒服。変わらず、こっちが恥ずかしくなるくらい私が大好きらしい。私がキヴォトス人になっても気づくとは、

「もちろんです。私は先生の大ファンですから、随分かわいらしくなりましたね先生」

「よしてくれ、言われるのは慣れてないんだ。それと心読まないでくれる?」

おかしいな、見聞殺し発動させているだけど。

「愛ですよ、先生」

)は帰ってどうぞ。

 

 

閑話休題(くだらない話は置いておいて)

 

 

「今回の事件、黒服...いやゲマトリアの仕業かい?」

黒服がいるということは、ゲマトリアが動いているのではと質問する。

「はい。ギヴォトス人の神秘の研究の為に必要な人材を集めていました。まぁ、私自身もう神秘も崇高も興味ありませんがね」

「それは意外な言葉だね。」

黒服と言えばゲマトリアに属しているのだからいまだに崇高を目指していると思っていたが、

「先生、私にとって崇高とは“親から押し付けられた教養”そのものです。」

その表現に私は首をかしげる、意味がいまいちわからない。その考えをくみ取って黒服は続ける

「私は大人のカードを使いすぎたせいで廃人化した人間の成れの果て、色彩によって怪異化した存在です。私にとっての親とはその廃人化した人間であり、教養とは、その人間が成し遂げたかったものです。だから私は押し付けられていると表現しました。」

なんとなく、言いたいことは分かった。つまり、黒服にとって崇高とは知らない奴が勝手に押し付けてきたよくわからんものだったってこと?

「まあ、概ねあってます。一度死んだ影響か、その崇高を追い求めるという使命に縛られていません」

それでどうでもいいとかいえたわけね

「そうですとも、ゲマトリアにいまだにいるのは先生に再会するためでしたから。もうこの会社もゲマトリアもやめようとおもいます。」

ずいぶんハジけたね

「えぇ、そうゆうわけですので私は自由にやりたいと思います。」

「いいんじゃない?そろそろ帰るよ」

適当に返事をして、屋上からイーグルダイブする。地面に叩きつけられる前にハングライダーを開いて、滑空する

 

~ ~ ~

 

その次の日、私は風紀委員に報告と言う名のお叱りを受けていた。()()()()()()でもう一度言おうヒナの目の前でだ。偶然、今回の事後報告をする時に限って、ヒナが居た。まさかもう入会していたとは、この先生の目を持ってしても、

「…ワ!トワさん!聞いていますか!」

「はい、すいませんでした。」

「その返事。何も聞いてませんでしたね。はぁ..まあ結果的に解決したから、これ以上はとやかくは言いません。しかし、勝手な行動はしないでください。大変だったんですから」

もはや、怒っても聞いていなくて呆れているリンちゃん。それを横目にリンちゃんの隣でたたずんでいるヒナをみる、どこか不機嫌そうである。やっぱり、便利屋をやっていたことを怒っているのだろうか、見聞色の覇気が怒りの感情を感知している。

 

それからすぐ、私は解放された。帰る途中、ヒナも一緒だったが相変わらず不機嫌だ。見聞色の覇気は感情を自動で読み取ってくれるが、未来視は感情の乗った戦闘中や警戒しているときしか使えないので、なぜ怒っているかまではわからないし、どう仲直りすればいいのかがわからない。そうこうしているうちにヒナが語り掛けてきた。

「ねぇ、トワ。私たち友達よね?」

「うん。そうだよ」

間を開けずに答える。

「じゃあ、なんで私に違法サークルをしていること教えてくれなかったの?」

「うっ..!」

どうやらヒナが怒っているのは違法サークルをやっていることではなく、それを教えてくれなかったことに怒っているらしい。

「悪かったって、ヒナごめんね」

私の謝罪を聞いてヒナはうつむいている。まさか!

「わァ..あ..別に謝って..ほしいわけじゃ..」

泣いちゃった!

「大丈夫、大丈夫だから、ヒナ。隠し事してた私が悪かったね、これ以上隠してないから、」

泣いてるヒナを抱きしめて、頭をなでながら慰める。

「ひっく..本当?本当に何もない?」

上目遣いにこちらを涙目で見つめるヒナ。それがとても可憐で罪悪感を引き立たせる

「うんうん。本当だから」

 

~ ~ ~

 

しばらくして、ヒナの泣き声がしなくなった

「元気出た?」

「うん、もう隠し事しないで?」

心配そうなヒナ。不安の感情が伝わってくる

「大丈夫だから、さっきもいったように何もないから。何かあってもヒナにすぐ話すから」

「約束よ?」

ヒナは小指を差し出してきた

「うん。いいよ」

そう言って、私はヒナと指切りをもって約束をした。

 

~ ~ ~

 

ヒナと仲直りしたが、私自身の罪悪感は拭えなかった。なぜなら、私はヒナに隠し事をないと言っておきながら、すでに隠し事をしている。それは私が先生だったことだ。これだけはどうしても言えなかった。これは私が墓場まで持っていく秘密なのだから。誰にも言えなかった。()()()()でさえも、それがヒナへの罪悪感と自己嫌悪を増長させていた




ヒナはね、初めての対等の友達が自分に隠し事をしていたことを知って、モヤモヤするんだ。でも謝ってほしいわけじゃないし、謝らせたことで逆に自己嫌悪で泣いちゃうんだ。めんどくさいね。でも可愛いと思いませんか?
☆解説
・ハングライダー
アサシンのマローブが変形したもの。空を滑空できる。先生の七つ道具の一つ
・大人のカード
神秘、恐怖、崇高、色彩。いずれかを求めるものの前にあらわれる。願望器。代償は使用者の精神であり、願いが強ければ強いほどより代償もおもくなる。
・ヒナへの気持ち
先生ではなくなったこと、再会したことで、自覚した気持ち。アサシンの自分ではヒナを幸せにできないと思っているので伝えるつもりがない。ある意味お似合い(自己評価の低さとめんどくささ)の二人

この作品のヒロインと言えば?(エンディングに関わります)

  • 黒服
  • 空崎ヒナ
  • 陸八魔アル
  • 小鳥遊ホシノ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。