朧げな過去の記憶が整理されたものです。
実際の出来事と100%合致するかは保証できません。
炎が揺れている…
全ての罪を覆い隠すように、清めるようにゆらゆらと揺れづつけている。
そんな中、愛しいアナタに私は言葉を紡ぐ
「…この惨劇を生んだのは紛れない私。私がアナタに無理な願いをしてしまったから、これは私の罪、償わなくてはいけない、罪…」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい、許してくださいなんて言えない、でも謝りたい、できることなら時間を巻き戻してやり直したい…でもそんなことは夢だ、あり得ない夢だ。
死んだものは生き返らず、過ちはやり直せない。
「だから、私がアナタを葬るの、ここで、アナタに教えてもらった剣術で…」
刃を向ける先には最愛のあの人が…変わり果てたあの人がいる。そうしてしまったのは、やはり私の罪なのだ。
《何故です!!――?!貴女を苦しめていた連中がどれだけ死のうが構わないでしょう!!そうでしょう!!》
ああ、アナタはやはり優しかった、全ては私を守るためにこの惨劇を起こしたのだから…でも、でもね
「でも、それは人の理ではなく、鬼の理、人と鬼は共にはいられないの」
《―そんな、私は貴女を守るために》
悲しそうな声音…でも私はそれを振り切るように太刀を構え直す、確実に命を奪えるように…
「そうでしょうね…最初はそうだったんでしょう、でもね、今は違う、アナタは殺戮を狩りを楽しんでいる…そういう存在はねー」
駆け出す!!アナタの心の臓を貫くために…命を奪うために、言い訳はしない、それも私の罪だから、償うべき罪だから
「この!!バケモノォォォォォォォォォォォォ!!!!」
さよなら、愛しいアナタ、そしてごめんなさい
命果てるまで償いを、アナタから奪ったものを抱いて生きていく――
そして願わくば、次の世こそ…アナタと本当の家族に…なりたいな
《良いのだ…貴女は間違っていない…この決断は間違ってなどいなかった、間違えたのは、勇気が足りなかったのは私のほうだったのだから》
長い夢を見ていた―
幸せだった頃、あの人と居られたあの頃の
ー自分が捨てた
罪を背負ったあの瞬間の
ー自ら背負った
あの人の最後の時の
ー自分が終わらせたのだ
歳を取り、娘が成人し、孫が生まれても忘れてはならない大罪の記憶。浅はかだった自分が犯した罪を私は未来永劫忘れまい。
足が動かなくなり、布団に寝たきりになって寝返りすら打てなくなった頃、近くまで来ている自分の終わりを知覚するようになっても、不思議と怖くはなかった。
むしろ童女のように心がときめいている自分がいるのに笑ってしまう。
これから死ぬというのに、理由はわかり切っている、若い頃も思ったものだ、先程の夢ではっきりと思い出せたが…
輪廻転生というものが本当にあるのなら、次こそはアナタと私は本当の家族になれる筈だと信じているからだ。
それにしても眠いー夢の続きを見れるとよいな、先程の悪夢のような…でも決して忘れてはならないものではなく、幸せな日々の夢を…私はそう願いながら目蓋を閉じた。
遠くでひぐらしが鳴いていた―――――
《あうあう〜大丈夫なのです!きっとまた会えるのです―そうまた、いつかのひぐらしのなく頃に》
夢からさあ、覚めましょう。
知らない筈の生き物の嘶きと共に
《ヒヒーン!!!!》