ふっ、シリアスをシリアルに変えることは出来んかったよパトラ〇シュ
あのですね。最近ですね、虫刺されだかなんだかに会ってですね。片腕が膨れ上がっててやっべぇ状態なんですよね!はははっ、二章のストックもないし!
ということで雑草は失踪します!ぐっぱいなら~;つД`)
「予想よりひでぇな」
通達を受けた八生達はT地区に来ていた。不死者の襲撃を確認したのは今から30分前
何でも、襲撃を受けた際に本部に連絡が入る通信機器が何らかの原因により故障
判明までに時間がかかってしまったらしい。
僅か30分という短時間で行われた凄惨な光景に、八生の脳裏にはB地区でのことを思い出して顔を顰める。
「他のエリアは大丈夫なの?」
「今支援部隊の連中が避難と封鎖活動やってる」
「避難は分かるけど……封鎖って?」
首をかしげる八生に誠が説明をする。
「方位の門の存在はしってるだろ?アレは普段上に上がってアーチみたいになってるが、緊急事態の時は直ぐに降ろしてエリアを封鎖する仕組みになってんだ」
被害を少なくするための手段の一つだな。と最後に付け加えて誠は説明を終える。
「で、その封鎖活動だが、まだ完了の連絡はねぇってことは封鎖中だろうな」
「てことは不死者が移動している可能性もあるってコトじゃん!」
「各エリアの前にも壁を下ろすために支援の人間が設置されてる。連絡がないなら移動はしてない」
「だが急いだ方がいいのは間違いない。さっさと討伐するぞ」
誠の言葉に全員が無言で頷き、T地区へ足を踏み入れる。
薙ぎ払われ半分以上が崩壊した家。バキバキに圧し折れた木々。根元から壊されている街灯。ひび割れた地面と水を溢れさせるマンホールに何所の家から発生したか分からない炎があがる。
至る所に投げ出された死体や臓物と、鉄の匂い。B地区も酷かったが、ここもまた酷い有様だった。
「ん?」
八生は思わず足を止める。
「どうした?」
立ち止まった八生に先頭を行く誠が振り返り、聞いてくる。
「ちょっと行ってくる!」
「はぁ!?」
八生は誠の質問には答えず、それだけ言い残して走り出す。
耳を澄まして必死に足を動かす八生。彼女が走っている方向から微かにだが押し殺したような、そんな泣き声がしてくる。
(やっぱり逃げ遅れた人がいるんだ…!)
こんな状況なのだ。逃げ遅れた生存者が居ても可笑しくはない。
そうなれば一刻も早く他エリアまで運ばなくてはいけない。
誠曰く、まだエリア封鎖は完了していないらしいが、完了してしまえば他エリアへ逃がすことが出来ないらしい。
早く見つけなくてはいけない。遅くなればなるほど救えるはずの命を取りこぼしてしまう。
そんな一心で耳を澄まし、ただただ駆ける………と。
近くで瓦礫が崩れるような音が響き、足を止める。目を瞑り聴覚に集中すれば掠れた泣き声が聞こえる。
直ぐに近くの瓦礫を退かして声の主を必死で探す。
小石が掌を傷つけ、砂利が爪の間に入っても気にする暇もなく瓦礫が崩れないように慎重に退かしていくと、黒い短髪が姿を現す。
「ちょっと待って、直ぐ助けるから…っ」
声をかけながら、大きな岩を動かす。
すると流れる赤い液体とコンクリートに挟まれた腕と足、傷と痣で塗れた頬の男性が姿を見せる。
ピクリとも動く様子はなく、もしかして死んでしまったのではないかと血の気が引く。
頭を揺らさないように、肩を叩いて「大丈夫ですか!?」と八生が何度も声を掛ければ微かに呻き声が上がる。
一先ず息があることにホッとしつつ、男性を引っ張り出す。
(子供なら背負えたけど……)
男の身長は高く、八生より頭二つ分ほどある。
自身より上背のある男を背負って走れるだろうか。
(弱気になっちゃ駄目だ!)
頬を軽く叩いて男の腕を掴み、そのまま背負いあげる八生
男の体重がドッと体に乗っかり倒れそうになるが、なんとか踏ん張ると八生は一心不乱に走り出す。
「此方坂谷です!生存者を発見しました!今から東エリアへ向かいます!!」
直ぐにシルバーリングの電源をつけ、本部に連絡する。
これで本部から東エリアの人に連絡が行くはずだ。
血でぬかるんだ地面を踏み、時折気持ちの悪いぐにゅッとした物を蹴飛ばしながらも決して下は見ないように、前だけを見て走る。
きっと”ソレ”を見れば、走れなくなってしまうから。
汗が滲み、息が上がる。足が縺れ、転びそうになるのを耐え八生は方位の門を目指して足を動かす。
「他人なのに必死ね」
ふと、近くでそんな声が響く。驚き振り向くがそこには誰もいない。
眠気と疲れで幻聴でも聞こえたのかもしれない。
結論付け、目視できる範囲まで近づいた門へ走る。
門は人一人通り抜けられる所まで閉じられていた。
恐らく本部からの連絡で完全には締め切らず、少し開けておいてくれたのだろう。
「生存者、連れてきました!」
叫べば壁の向こうで待機していたであろう支援部隊の女性が顔を出す。
「お疲れ様!あとは私達に任せて!」
女性は男性を八生の体から下ろすと、そのまま壁の向こうに引っ張っていく。
それを見届けて、八生はホッと息を吐く。
するとジジっと腕から電子音が響き、目を落とせば連絡が来ていた。
連絡相手は”誠”であった。すぐに応答する。
「は、はい」
〈ハイ、じゃねぇよ!勝手にどこ行ってんだ!死にてぇのか!?〉
応答する成り開口一番にそんな声が飛んでくる。
しかし今の彼の声は普段の不機嫌な様子ではなく、何処か焦っているのが通話越しの八生にも伝わる。
だが彼が何を其処迄焦っているのかが分からず、思わず「ご、ごめん」と謝罪を口にする。
〈さっさと戻って来い!〉
「うん、それは勿論………でもどうしたの?なんか焦ってる…?」
〈当り前だろ!?本部からの連絡聞いてねぇのかよ!〉
「連絡?」
八生は思い出す。そういえば走っている途中でリングが何か言っていたような気がする、と。
必死であったがために全然耳に入ってこなかったが、何か追加で情報が通達されたのだろうか。
「ごめん、聞いてなくて」
〈っ、今回の不死者は〉
「ねぇ」
その時、少女の軽く高い声が八生の鼓膜を優しく揺らした。
振り返れば、そこには巫女装束といわれる物を身にまとい、黒髪を編み込んだ少女がたっていた。
背は八生と同じくらいで華奢だ。
俯いていることから顔は見えないが、この惨状に似つかわしくない空気に緊張感を纏っているのがわかる。
(この子……なんか変だ)
この状況なら先程の男と同じように取り残された子供だと思うだろう。実際八生の脳裏にもその考えが浮かんだ。だが一瞬で霧散する。
何故か、分からない。ただ八生の第六感が激しく警鐘をならし、必死に目に少女は”異常”だと訴え掛けてくる。八生は思わず一歩後退る。
しかしその分を埋めるように少女は一歩前に出る。
その間もずっと、通信機の向こうからは誠の声が響いているが、今の八生にその声は届かず、ただただ目は少女に釘付けとなっていた。
「ねぇ、私困っているの」
長いの沈黙の末、少女が漸く口を開く。
出てきた言葉に八生は「困ってるって…」と警戒を固めながらも聞く。
「凄く困っているの。貴方、どうにかしてくれないかしら?」
少女の顔から、透明の液体が零れ落ちる。
零れた液体は地面にじんわりとシミを作る。
(涙?……違うっ)
「貴方のせいでね、お腹が凄く空くのよ」
顔を上げた少女。その双眸は深い赤色。
中の瞳孔はハッキリと開き切っているのが見える。口からは鋭利な牙と共にダラダラと涎が零れ落ちていた。その時、誠の声がハッキリ響く。
〈だからさっさと来い!”夜縁”にあわないうちに!!〉
_________
「通じねぇ!!」
誠は舌打ちをし、腕に付いたデバイスを睨み付ける。
「ヤヨちゃん大丈夫かな……」
「突然通信切れたなら向こうでなんかあったんだろ」
「何かって…なんだよ」
「夜縁にあった」
サラッと律がいう。その言葉に誠の背が凍る。
「そんな淡々と……あいつの事心配じゃねぇのかよ!」
「心配したって意味ない。事実として起きた後なら、するだけ無駄だ」
「なっ」
律の言葉に誠は一瞬目を見開き、ギリっと奥歯を噛む。
「てめぇ…」
「お、落ち着いて!今は揉めてる場合じゃないって!
ヤヨちゃん東の方に走って行ったよね。ならそっちに行こうよ!夜縁もそっちに居るかもだし!」
「もうすぐ増援が来る。ここで待機した方がいい」
律が止める。
「はぁ!?何言ってんだよ!」
「俺等だけじゃ夜縁に勝てない。死体増やすだけ。ここで大人しく待機。戦力増やしてから行った方が討伐の可能性は上がる。エリアは全面封鎖しきってるなら被害が増えることも無い」
「そういう問題じゃねぇだろ!!あいつが、八生が死にかけてるかも知れねぇんだぞ!?」
「もう死んでるかもな」
その一言に、誠の頭に血が上る。青い瞳の瞳孔は開き、ガッと律の胸倉をつかむと、拳を振り上げ。
「駄目だよマコちゃん!」
振り上げた腕に、紡が慌てて抱きついて引き留める。
誠が紡を睨むが、紡はブンブンと首を横に振るだけで離そうとしない。
軈て誠は忌々しそうに舌打ちを一つ零すと、律の胸倉から手を離し紡の腕も乱雑に振り解く。
「マ、マコちゃ」
「テメェの性格はよく分かった。もういい一人で行く」
それだけ吐き捨てると、誠は一人東エリアへ向かって走り出す。
「待ってマコちゃん!」
紡が叫ぶ。だが誠は一度も振り返ることはなくそのまま走り去る。
「ねぇりっちゃん、りっちゃんは行かないの?」
「被害を抑え、夜縁を殺すならこれが最善だ」
「でもマコちゃん一人なら死んじゃうよ!!」
「俺は忠告した」
表情を変えることなくいう律に紡は「うぐぐ」と唸る。
「…じゃ、じゃぁ!足止め!足止めしにいこう!」
「足止め?」
「そう!夜縁がどこから入って来たのか分からないじゃん!
そしたら取り逃しちゃうかも!?そんなことになったらりっちゃんの考えが破綻するよ!ここは僕等も戦って足止めした方がいいんじゃないかな!?」
「……」
「ねぇりっちゃん!」
紡の言葉を受けて律は少し考えるそぶりを見せ、立ち上がる。
「筑波の言い分も一理ある。
夜縁は門からの出入りが基本。門前を固めておけば逃がすことはないと思ったが、夜縁は知恵が回る分予想不可能な行動をとる可能性も捨てきれないのも事実か」
そういって歩き出す律。その背中を見て紡はほっと息を吐き、苦笑いする。
(りっちゃんってつくづく理屈人間なんだ。感情タイプのマコちゃんと相性悪いのも仕方ないのかも……)
紡は思いながら律とともに誠達の方へ走り出すのだった。
一人道を駆ける誠は只管東へ向かう。
走りながら八生を探すために辺りを見回すがそれらしいものは見えない。
(あの馬鹿、一体どこに……っ)
嫌な汗を拭い、ただ前へ前へ進む、ふと濃い鉄の匂いが鼻を刺激した。
(すげぇ血の匂い……何処から)
辺りを見渡し、その時グチャバキッと言う骨が砕けるような音が響くと同時にポタポタと上空から紅い雫が降って来る。
反射的に顔を上げればそこには___女の不死者に腕を食いちぎられている八生の姿があった。
「___っ」
見た瞬間、誠は何を考えるでもなく体が勝手に動く。勢いよく地を蹴って刀を抜刀する。
しかし誠の刀は届く前にヒラリと躱される。
刀を交わした不死者は八生を抱えたまま、地面に着地する。ふわりと袖がはためき揺れる。
「レディーの食事を邪魔するなんて非常識って習わなかったのかしら?」
「んな常識しらねぇな、くそ不死者」
可愛らしい見た目をした少女は忌々しそうに誠を見る。
誠もまた彼女を睨みつけ、吐き捨てる。
誠の言葉が癇に障ったのだろう。彼女は顰めていた顔をより一層険しくする。
「……不死者って呼ばないで頂戴、私には
(アイツはまだ生きてる。なら何とかなる。一先ず不死者と引き離さねぇと)
暫しの睨み合い。先に動いたのは誠だった。
誠が素早く螺に向けて、素早く刀を振るう。
だが螺に届くことはなく「人間ってやっぱり虫ケラいかね」とどこか冷めたような光を宿した目で誠を見ると、右手を突きだす。
途端にワラワラと蛇が集まり、壁のような物を一瞬にして築く。
誠の刀は硬い蛇の防壁により拒まれ弾かれる。
弾かれたと同時に螺はクルリと指を動かす。ヘビの防壁はみるみる内に姿を変え、壁から拳のような形になると誠目掛けて振り下ろされる。
「っ、くっ……」
紙一重で躱したものの、誠は顔を顰め一旦距離を取る。
(あの不死者、ほっそい蛇操んのか……!
蛇一匹一匹は雑魚だが、固まられると面倒臭ぇうえに近づけねぇ…少しずつ削んのが得策だが…)
誠は螺の腕の中でぐったりとした八生を見る。
未だに止め処無く溢れた彼女の血は地面を濡らし続けている。
(流血が酷ぇ。さっさと止血しないと失血死する)
思わず舌打ちが零れる。
どうすれば、己一人でこの虫の防壁を早急に突破できるか頭を回し、チラリと自身の手を見る。
(やるしかねぇ)
数秒目を瞑り、強く刀を握りなおす誠。そのまま防壁に向けて走り出す。
防壁の真ん前に辿り着いた途端、誠は横に転がる。
誠を迎撃しようと姿を変えた虫の塊は先ほどまで誠が居た場所へ攻撃を放つが、直ぐに誠が避けたと気付くなり、螺は蛇を横に薙ぎ払うように動かしたことでヘビの大群は数匹のヘビを振り落としながらも誠を追って方向を変える。
だが誠とてそれを予想していないわけではない。
すぐさま宙に飛び上がり体を捻ることでそれを回避すると螺の周囲を縦横無尽に動き回る。攪乱しようという考えなのだろう。
機敏な動きで徐々に螺に迫りつつ、主導権を取ろうとしている。
しかし螺は蛇を二塊に分けると挟み込むように動かした。
誠は挟みこまれないように素早く体制を低くすると僅かに出来た隙間を縫って躱す。
そのまま、無理矢理螺と距離を詰めようと駆けるものの、固まっていた蛇が一瞬で分散して誠の全身へと降り掛かった。
刀で蛇を払い、切り捨てる誠
顔を上げれば螺は先程より離れた位置に立っており、再び距離を離されたことに顔を歪めた。
だがそれでも諦めずにまたもや突っ込んでいく。
今度は蛇ではなく本体の方へとだ。しかしそれは愚かなことだった。
何故ならその行動は誠が自分から敵の射程圏に入るという事であり、当然の如く無数の虫が襲いかかる。
それを誠は刀一本で捌き続ける。襲い掛かってくる蛇を切り伏せ、時には受け流し、時には体ごと回転させて勢いを殺しながら。しかし数が多すぎた。ついに誠の腕や足にも傷が増え始める。
それでも誠は歯を食いしばり、前に進むことを止めない。
それを見た螺は目を細める。
「アンタ……死にたがりなのね」
「!」
「アンタはアタシに勝てないことを理解してる。理解しているからこそ恐怖してる。
でも諦めないで突っ込んでくる。どうして?人類の希望の為?違うわね。アンタは諦めないんじゃない。
カッコよく死ぬために突っ込んできてる。そうでしょ?」
「っ、黙ってろクソ不死者がぁ!!!!!」
誠が蛇に足を取られ、進めなくなったところで、思いっきり螺に蹴り飛ばされる。
受け流すことも出来ず誠は地面に叩き付けられる。かはっと誠の口から空気が抜ける音がする。
八生を抱え込みながら螺は虫けらを見るような目で誠を見る。
「………」
そんな中、八生の目が薄く開いた。
________
「役に立てる子になりなさい、人を思いやれる子になりなさい」
「優しくて強い子だな八生は」
それはいつも両親が彼女に言う言葉だった。
両親はいつも優しくて、彼女を愛していた。
だからこそ、彼女もまた二人が大好きで、二人を愛していた。
自分に触れる少し、皺っとした手が好きだった。
美味しいご飯が大好きだった。優しい家族の匂いと暖かな体温を愛おしく思っていた。
「お前はお父さんの誇りだ」
「お母さんは貴方の母親になれて幸福よ」
優しい声でそう言われるたび、心の中が温かい気持ちでいっぱいだった。
「八生」
「八生」
大きな口がそこにはあった。赤い舌が二人を呑み込んでいく。
呑み込まれた傍から二人の体は光の粒になって溶けていく。
傍に落ちている物は色が抜けて真っ黒になった。
それを見つめる一人の少女。彼女は地べたに座り込んで目の前の光景を見つめることしかできやしなかった。
頭から光になって消えていく両親の口は何かを叫んでいる。だが何も聞こえない。
少女は手を伸ばす。小さな小さな両の手を伸ばす。
たすけなきゃ、やくに、たたないと。
おとうさん、おかあさん、だいすきだよ、だいすきだから。たすけるから、いま、ふたりがいってくれたみたいに、わたし、ふたりを
たすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃたすけなきゃ
たすけなきゃ
_________
「そのまま地面に這いつくばってなさい、そうすれば楽に殺してあげるわ」
誠を嘲笑う螺。誠は地面に倒れ込みながら顔を顰める。
時間がたつごとに状況は螺へと傾いて行っているのが肌で分かる。そもそも螺は全く本気を出していない。遊んでいるのだ。それが分かるからこそ誠は内心で苛立った。
だが誠の体力もそろそろ厳しいということくらい他ならぬ誠自身が一番よくわかっている。
「くそ…っ」
拳を握りしめる誠。
だが
「!」
誠の目が螺の後ろに向いた。と同時に彼は目を見開いた。そして螺を真っ直ぐに見据えて起き上がった。
「うるせぇんだよ、クソ不死者。黙って除去されてろ」
刹那、螺の脳天から口に掛けて大きく切り裂かれた。
目は切られなかったものの、突然の損傷に動揺する螺に誠は飛んできた”ツヴァイハンダー”を掴み取ると動揺により、動きがワンテンポ遅れた蛇の群れを素早くツヴァイハンダーで切り裂き突破し、ハンダーを手放す。身軽になった状態で、一気に螺の間合いまで近寄り、螺に刀を振るう。
対処が一瞬遅れはした。だが螺だってただでやられるほど弱くはない。
すぐに誠の振り上げた切っ先に意識を向ける。
(振り下ろされたところで場所をずらせばいいだけよ。外したところを嬲り殺してやる)
誠の刀が螺へと進む。螺は拳を握り締め、反撃の準備をする。
「!?」
だが誠の刀は螺の目ではなく肩を切り裂いた。
肩を裂かれた螺は目を見開く。そうして漸く誠の狙いに気づく。
(此奴、私じゃなく”
肩を切られたことで腕ごと八生を抱え込んだ誠は一気に後方に下がる。
直ぐに螺が攻撃を試みようとしたところで背後から気配を感じ横へ避ける。
先程まで螺が立って居た位置には、斬撃の痕が出来上がる。
「躱された」
「マコちゃーん!僕の得物こっちに投げてー」
律と紡が遅れて到着する。
誠は地面に捨て置いたツヴァイハンダーを紡に向かって投げる。それを受け取った紡は螺を見る。
「わぁ、可愛い女の子!」
「皮はな」
冷静に言う律もまた真っ直ぐ螺を見据える。
「人間っていうのはホント鬱陶しいわね」
螺は冷ややかな視線を誠に送る。
腕を斬られ、八生を奪還されたことが酷く彼女を苛立たせたのだ。
「いいわ、そんなに殺されたいな____殺してあげる」
声と同時に螺が一瞬にして誠と距離を詰め、手を振り上げる。
誠は腕の中に居る八生をすぐさま抱え直し刀で攻撃を止める。
「あ”、っ!?」
だが受けようと刀を突き出したところで視界がぐにゃりと歪んだ。
眩暈のような症状。不安定な場所に立たされたかのように足場がふらつき、体勢が傾いた。
崩れ落ちる体。原因を探ろうと誠の目が自身の体を見回す。
そして見つけた。自身の体に起きた異常を。変色し腫れあがった足首。
(蛇に噛まれてたのか…!!!)
直ぐに誠の異変に気付いた律が動く。だが螺の方が一歩早かった。
螺は腕を振り払い、そのまま誠の刀を弾き飛ばす。
弾かれた刀は誠の手を離れ、そのまま律目掛けて飛んでいく。
律は刀を弾くが、その間にも戦況は動く。
(しまっ)
直後、誠の右目に熱が走る。
そして遅れてくる鋭い痛み。
「あ”ぁっ」
「マコちゃん!」
螺が誠の右目を潰したのだ。
そのままもう片方も抉られかけた所で、紡が二人の間に割り込む。
しかし直ぐに螺は紡の脇腹に蹴りを放つ。紡の体は横へ吹き飛んで地面に跳ねる。
邪魔する者はいない。螺はニヤリと笑い、激痛に苦しむ誠の胴目掛けて拳を突きだした。
「!」
グチャッという肉体を”貫通した音”が響いた。
ダバダバダと血が大量に地面に落ち、螺と誠の足と地面を汚す。
貫通箇所は、じわじわと隊服に大きなシミを作っていく。
濁った赤の水たまりに水滴が垂れ、静かな世界にうるさく響いた。
「な…んで」
「………」
その出血は誠のモノでも、螺のモノでもなかった。
「役…た、っ……ほめ、て……」
腹に大穴を開けたのは八生だった。先程まで誠の腕の中でぐったりとしていた彼女は螺の拳が誠にぶつかる寸前、咄嗟に誠を抱きしめたのだ。
それにより、螺の手は誠ではなく八生の背に突き刺さり腹を貫通したのだ。
八生は血を体からも口からも鼻からも大量に吐き出す。血が誠の顔に飛び散った。
「ヤヨ___」
八生の体はそのまま力なく崩れ落ちる。
それを見て、誠の喉から空気が漏れ頭の中が白一色に染まる。
しかし螺がそれで止まってくれるはずもなく直ぐに誠を殺そうと動く。
だが誠の背後に回った律が螺の腕を切り飛ばすと同時に誠の首根っこを掴み、そのまま後ろにぶん投げる。
誠は八生を抱え込んで地面に転がる。
そんな二人の前に立った律が斧を構える。
「邪魔。下がってろ」
螺の放つ蛇を切り捨てながら律が言う。吹き飛ばされていた紡もまた直ぐに螺へと切りかかる。
螺はワラワラと蛇を出し防壁を作り上げると押し出すように紡目掛けて突撃させる。
しかし紡は躱すことはせず猛然と防壁に斬りかかる。繰り出してきたのは連打だ。
まるで防御をこじ開けるように、幾度もツヴァイハンダーを叩きつける。
蛇の群れは、その激しい攻撃の嵐に押され叩き潰されるように散っていく。
「筑波。こっちも切れ」
「わかった!」
律に言われ律の前にいる蛇も片っ端から蹴散らしていく紡
その間ガードが弱くなった螺の元へ律が踏み込む。素早い大ぶり。
螺は体を逸らすことで躱す。だがそれにより重心が後ろに下がる。
そこを見逃さず、律はニ撃目を繰り出す。
斧は螺の胸から腰にかけて傷をつける。しかし目に損傷を与えることは出来なかった。だがそれでいいのだ。
何故なら律たちの目的は”足止め”。そしてもうすぐここに新たな戦力が投下される。
それまで螺をこの場に縫い留めることが目的だ。
そもそも不死者を殺すには核を破壊しないと殺せないが、ただの弱体化なら核を壊さなくとも図れるのだ。人間と同じである。
短時間に出血や傷を多く抱えるとその分弱くなっていく。
幾ら回復するとはいえ、その速度も段々と下がり始め、結果回復が追いつかなくなっていく。そこで漸く螺の顔から余裕が消える。
「あまりこれは使いたくなかったけど……!」
螺が言うと同時に彼女の体に蛇が集り始める。そして体に蛇を纏った螺は一気に走り出す。
その視線の先には___誠
現在、誠は刀を持っていないうえに力無く倒れている八生を見つめて固まっている。
到底戦えるような状態ではない。それに気づいた律と紡は行方を阻むように前に出る。だが
「邪魔!」
螺が腕を振る。その腕から蛇が飛び掛かる。蛇は肉食蛇だ。
蛇は彼らの武器に飛びつけば、そこから二人の腕を食い破ろうと噛みつく。
「っ、マコちゃん!」
蛇に意識が向いているうちに螺は誠と地面に転がる八生へと手を伸ばす。
蛇を切りながら紡が放心している誠に向かって叫ぶ。だが誠は反応を示さない。
そんな彼の顔へ螺の手のひらが迫り_____螺の目の前に一本の白い刃が現れた。
その刃は的確に螺の目玉を抉りだす。
「が、ぁア……ッツ!?」
刃はそのまま右目も切り裂こうと横に動く。
突然の痛みと困惑。だが動じている暇はない。自身に突きつけられた”死”の影に螺は慌てて後ろに飛びのく。
どれだけ強い不死者だろうが生物である以上死というものには恐れを抱く。
証拠に今まで余裕そうであった螺の頬には汗が流れ、ぜぇぜぇと息は酷く荒れている。
彼女は片目を押さえ、目玉を抉った相手を見る。
明るい紅の瞳。銀色の髪をもった長身の青年。手には血の付いた刀を握っている。その人物は…。
「た、隊長!」
「あ?」
「ひぇ!」
(…副隊長の方か)
螺を切り裂いたのは雪村
(ゴミ風情が……っ)
螺は射殺しそうな勢いで彼を睨み返す。
(この状況じゃ分が悪い。まだ人間を嬲り足りないけどどうせ此奴等はいつか私達に皆殺しにされる
なら今は一旦引いたほうがいいわね)
自身の左目を押さえつけ、螺は姿勢を低くする。その体には蛇が集まり始める。
(でも、そのまえに)
ダンっと力強く地面を蹴り、走り出す。
(その死体だけは食べさせてもらうわ!!)
螺は一直線に八生へ向かう。その速度は明らかに今まで以上の速度だった。
だが彼女より
そんな
「んな子供騙しが通じると思ってんのか」
大量の蛇達は、ほんの一瞬にして塵とかす。
そしてそんな蛇の残骸の中、白い刃が突き出される。その刃は螺の右目へ進む。
螺は体を捻じることで直撃は逃れたものの、目尻に細長い血の線を作る。
「っ」
続いて迫って来る刃に螺はたまらず舌打ちをすると蛇が彼女の体に隙間なく集まる。
螺の体が見えなくなり、蛇が蠢く。
「なっ」
「逃げたか」
螺は地面に穴を掘って逃げ出したらしい。
人間じゃ穴に入って追いかけることは流石に不可能だろう。
取り逃がした。だが
そのまま螺が消えた場所を呆然と見つめる紡達の元へ行き、その顔面を容赦なく掴んだ。
「なにボンヤリしてんだ。戦場で間抜け面晒してんじゃねぇぞ。さっさと他エリアに連絡回せ」
「は、はい!」
「すみません」
顔面を掴まれた律と紡が言うと
「テメェはいつまで座ってるつもりだ?」
「”食料体”を手放さなかったことは褒めてやるよ。だがな、なんで不死者に襲われると分かってて武器を取らなかった?最悪此奴の拳銃を使えばよかったはずだ」
だが誠は矢張り反応を示さない。その様に舌を打つ
「立ちもしねぇ、戦いもしねぇ、死体抱えて黙りこくるだけ。
そんな奴は囮にもなんねぇよ。ただのお荷物だ。テメェのせいでチームが全滅したらどうするつもりだ?周り巻き込んでんじゃねぇよ」
冷めた紅い瞳が誠を貫き、言葉を吐き捨てる。
その全ては正しく正論で、彼の心に深く突き刺さる。
だが依然として誠は口を固く閉じ何も言わない。
その様に
「死にたがりはいらねぇ。死ぬなら一人で勝手に死ね」
最後に吐き捨て、組織に連絡を回す律達に撤収するように指示を出す。
一人取り残された誠は、生温い風を浴びながら渇いた笑いを零す。
「ホント、情けねぇ」
ポタポタと瞳からはとめどなく涙が溢れ、血と混ざり八生の顔を静かに濡らす。
「なんで俺なんか守った」
死後硬直が始まったのか、硬く冷たくなった八生の顔を見つめる。
その表情は苦しんで死んだはずなのに、酷く安らかで
死ぬ瞬間も、彼女は何所か満足そうな、そんな表情を浮かべて死んでいったと誠は思い出し心の中がグチャグチャに掻きまわされる。関わった期間は酷く短い物だった。
しかし誠はキチンと八生の事を”仲間”として見ていた。だからこそ、痛いのだ。
「最悪だ」
動かなくなった彼女の死体を抱え上げ、誠はそう呟いた。
ねぇ、役にたったでしょ。だからね、褒めて?
__________咲イタ犬蓼ハ綺麗二笑ウ