片目を失ってしまった氷雨誠は、復帰訓練を受け、任務に無事復帰した。
その後いくつかの任務をこなした誠
そんな彼等の前に夜縁の一人、儡が現れる。
激闘の末、儡を撃破した誠。そんな彼は夜縁が生まれた原因「天人計画」を知ってしまう。
無慈悲な雑草からの一言≪苦悩してる誠君きゃわわわわわペロペロペロペロ(*///p///*)
第一節 第一項
夜縁の一人、儡を氷雨誠等が葬ってから早くも一週間が経過していた。
突然の夜縁撃破。その事実に緊急会議が行われたり、資料の提出、報告書などなどに追われ、隊長・副隊長は連日激務を極めていた。
そんな業務も日を追うごとに少しずつマシになってきた或る日。
戦闘部隊部隊長である
建物三階。そこの階層は断罪部隊の階であった。
その階の一番奥へ彼は何の躊躇いもなく向かう。
部屋のテンプレートには【天満善】という文字が書かれている。
ネームプレートの掛かった部屋を開く。扉には鍵が掛かっておらず、いとも容易く開かれた。
「善、育成の」
「ん?」
ガチャリと開いた扉の奥
どこの部屋とも変わらない質素な部屋にはタンスとベッド、そしてサイドテーブルが置かれており、真っ白なスーツのかかったベッド。その上には質素な部屋に似合わず、狼のような大きな耳につぶらなひとみ、頬と手のひらにはハートの模様、猫のような長い尻尾のついたぬいぐるみがおいてある。
そして肝心の部屋の主だが、その人物はベッドに座っていた。
いや、それだけならいい。問題は”全裸”である、ということだ。
恐らく風呂上りなのだろう。びしょ濡れになった髪をタオルで拭いていたのだ。
ここでどちらかが何かを言えば話は進んだだろう。
だが突然開いた扉に善はきょとんとした顔で
そうして両者無言のまま10秒ほど過ぎ。
「いや、用件話せよ」
「第一声がそれでいいんだ」
漸く善が口を開いた。だが出てきた言葉は話の催促をするものであった。
特に裸を隠す様子もなく、いつも通りの動作で善はタオルを頭に引っ掛けると足を組んで
何処までも通常運転の善に
そんな彼に対し善も軽く首を傾げる。
「なに」
「いや、もうちょっと他に反応ないわけ?」
「他って?」
「…………まぁ、ノックせず開けた僕も僕なんだけど…ていうか着替えるときくらいは鍵かけなよ、不用心だよ?」
「別にここ来る奴なんてほぼ居ないんだしいいでしょ」
「そういうことじゃなくて…いくら中性とはいえ襲われたらどうするの?」
「誰が?」
「善に決まってるでしょ」
「いやいや、こんなのに興奮する物好きいないでしょ」
善の皮膚には傷がいくつもある。お世辞にも綺麗とは言い難い。
「ま、いたとしても殴れば解決するから問題なし」
「………はぁ、もうそれでいいや。とりあえず着替えたら教えて」
呆れた様子を隠すことなく盛大に溜息を吐いた
善は「おー」と軽く返事すると、ベッドに放ってあったタンクトップやらズボンやらを手に取る。
ごそごそという音が室内から聞こえてくる。着替え中なのだから当然だろう。
そこにはしっかりと服を着た善の姿
「で?いきなり何?なんかあったっけ」
「今日例の件で話をしに行くから準備してほしくて」
「え、例の件って…あれ?早くない?」
善は眉根を寄せる。善の反応が予想通りのものだったのだろう。
彼等の反応は仕方がないといえる。なんせ誰もが同じことを考えていることだ。
「夜縁が出没するようになって話し合いが早まったんだよ。それに首領、向こうのトップと仲悪いでしょ…煽られたみたいでね」
「壇上じゃ人類の明日が大事だなんだと言っておきながら結局自分の見栄を取った訳だ。ほんっと素晴らしいねぇ、うちのトップは」
「まぁまぁ、いい機会だよ」
「…それで?会議するために東の方に行くわけね。おっけー、久々に嫌そうな顔拝むのも悪くないね」
善はにっこりと笑った。
第三章突入じゃぁァァァ
【世界観メモ13】
この世界には「女・男・中」という三種類の性別が存在する。
中性の体内構造は「男女で”共通”する器官のみ」ある。
中性者は主に手術による「後天性中性」が大多数を占めているが
稀に生まれつき遺伝子の配列ミスなどにより中性で生まれてくるケースもある。
なお、嘗ては「先天性中性者」への差別的風習も存在したが
今では手術をしてでも中性になりたいという人間が増えたことからか、その風潮も収まっている。