夜の帷が消えるまで   作:発狂する雑草

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本編がちょくちょく地獄気味なのでこの話は本当に癒やしですわ〜っと、雑草は常々思ってます。
てか書くのが楽しい。やっば平和が一番だよね!誰だよ本編シリアスにしてるやつ←
シリアルに変えて出直してこいやぁ!!!!


酩酊賛歌〜校内案内〜

「校内探検するぞー!!!!」

「なんだ急に…」

 

片腕を突き上げ叫び出した紡に、彼の隣に座っていた誠は何処か呆れを含んだ表情を紡に向ける。

その周りにいた八生や律は紡の行動に慣れています、とでも言いたげに普段通りに彼の方に目だけ向ける。

紡は「むふんっ」と得意げな顔で誠にビシッと指をさしていう。

 

「まこちゃんは外部受験者でしょ?!てことはこの学校について深く知らないわけだよね!」

「まぁそうだな」

「そこで校内探検をしてあげようってわけ!!」

 

紡の提案に反応したのは八生であった。

彼女はポッキーを口に入れ「校内探検かぁ、小等部のとき以来かも」と懐かしむ様に呟く。

 

「やったのか?」

「授業の一環でね。他学年の人と回ったの」

 

そういって八生は笑う。

 

「基本的に一個か二個上と回るんだぁ。僕らがヤヨちゃんと出会ったのもそれがきっかけ!!」

「こういう交流でもしない限り他学年とは関わらないからね」

「へぇ。まぁ俺もこの学校。どこにどの教室があるとかイマイチよくわかってねぇし。丁度いいっちゃ丁度いいか」

「そうと決まったら早速レッツゴー!!!」

 

そんな会話をしながら彼らの校内案内が始まった。

 

「まず一階。職員室と、生徒会室、放送室あと保健室があるよ!」

「おお…普通っぽい」

「いやこの学校普通だからね!」

「普通の学校は学校紹介のプリントで”普通”をごり押してこねぇんだよ…」

 

溜息を吐く誠

 

「にしても、保健室の場所知らなかったから、ここにあんのわかったのはよかったわ」

「うんうん。怪我したらここに来るんだよ!

あ、でもねでもね!保険医の先生には気を付けてね!」

「あ?気を付ける?」

「うん!あのね!いつもはフワァってしてるけど怒るとめちゃくちゃ怖くてね!!」

 

身振り手振りでどれだけその先生が怖いのかを表現しようとする紡

だが忘れることなかれ。場所は保健室の真ん前だ。

ガラリと保健室の扉が開いたのを誠たちは目撃した…が、扉に背を向けている紡は気づくことなく、顔を両手でブニっと潰した。

 

「ほんと山姥って感じで!こぉぉんな顔して怒るんだよ!!」

「筑波。後ろ」

「え?」

 

そこで紡が後ろを向く。

そこには

 

「うふふ、どんな顔をしているのかしら〜?先生にも教えてくれるかしら?」

 

恐ろしいほどに綺麗な笑顔を浮かべた保健室の教師。皇亜怜(すめらぎあれん)の姿があった。

彼女を見た紡はだらだらと大粒の汗を垂れ流す。

 

「ゆっくり話が聞きたいわ。保健室でゆーっくり聞かせて頂戴?」

「ヘルプミーー!!!!」

 

そのまま腕を掴まれた紡はズルズルと保健室へ連れて行かれ

 

「いやぁぁぁぁ」

 

勢いよく保健室の扉が閉まった。

 

「………いくか」

 

紡の悲鳴が響き渡る保健室から背を向け、彼らは次へと移動した。

 

「二階は小等部の教室があるくらいで特に他はないな」

「小等部の教室ってこれだけか?のわりに少なくね?」

 

気を取り直して二階

その階には1年から六年までの教室があるものの、どこの学年も一クラスか二クラスくらいしかない。

 

「皆転校とかするからなぁ」

「ああ…」

 

八生の言葉ですべてを察した誠

要するにこの学校がヤバ過ぎてすぐに転校する生徒が出るためにクラスが全然ないのだろう。

 

「学年が変わってもクラスメートが変わらない、なんてよくあるしな」

「変わっても半分は同じだしね」

 

なんて苦笑いし、彼らは次の階へと移動した。

 

「三階は教科準備室と音楽室、美術室に技術室とかあるかな。あ、あと、奥には理科室もあるよ」

 

三階は特殊教室が固まっているらしい。

そして廊下の奥、八生が指さす先に目を向ければ確かに一つ【理科室】のタグのついた教室があった。

その教室を見て、無表情を少し歪めたのは律だった。

 

「この間はひどい目にあった」

「ひどい目?」

「理科室の教師は基本的に毒薬系統や解剖学以外に興味がない」

「やべぇ先生だな、おい」

「だからか、他の実験じゃ大抵失敗、爆発させる」

 

愚痴を言う様に話す律。だがそれも仕方ないだろう。もっぱら爆発に巻き込まれるのは高確率で律なのだから、文句だって言いたくなる。

だがタイミングが悪すぎた。

彼の背後には、先程教室から出てきた教師である来栖楓(くるすかえで)の姿があったのだ。

しかし律は気づかない。

この時誠と八生は思った。あ、なんか見覚えのある展開だ、と。

 

「できることなら教師を変えてほしい。

授業中ずっと生き物を解剖してる教師なんてどうかしてる」

「なら魅力でも語ってあげましょうか」

「え」

 

声をかけられ、律が振り返る。

タバコに火を付けた彼はふぅと煙を吐き出しながら律をみる。

 

「解剖学の楽しさを次の授業までみっちり教えてあげますよ」

「え、いや」

「語りたい気分だったので丁度いいです。レポートも書いていただきますのでしっかり聞いてくださいね」

 

そうしてズルズルと楓に引きづられていく律

 

(強く生きてくれ)

 

誠は静かに合掌した。

 

「気を取り直して4階。中等部の教室が集まってるけど…」

「…」

「見ての通り殆どが無人教室なの」

 

十個以上ある教室。だがその多くががら空きとなっている。

 

「まぁ、んな気はしてた」

 

ただでさえ小等部があれなのだ。高校受験なら兎も角、中学受験をする子供なんてそういないし、いたとしてもわざわざこの学校を選択する理由がないのだから必然的に中等部に人がいないのは当然と言える。

 

「あはは…で、5階が高等部でその上が屋上って感じかな」

「この学校屋上開放してんの?」

「…うん。開放的すぎるくらいには」

 

そうしてやってきた屋上。そこにはプール、花壇、そして奥には

 

「殲滅学園名物楽しいバンジージャンプだよ~」

「いやなんでバンジー?!」

 

バンジージャンプエリアがあった。

そこには風紀委員の腕章をつけた天満善の姿。ニッコリと笑って誠を見る。

 

「あ、うちのはただのバンジーじゃないから。二分の一の確率で紐が切れるロシアンバンジー。そこの幸薄そうな君、やってく?」

「誰がやるか!!!あと失礼すぎんだろ!!!」

 

殲滅学園は今日も特殊(普通)である。




特殊とかいて普通と読む。よくわかんだね
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